幇間(ほうかん)
根津神社の境内で、櫻川七好(さくらがわ・しちこう)師匠の幇間の芸を楽しんできました。師匠の仕事は幇間、別名太鼓持ち。お座敷の間をもたせるのを仕事にして、しゃべったり、踊ったり、ヨイショをする芸で艶やかな笑いの世界に引き込みます。いまや浅草の花柳界にわずか五人という絶滅危惧動物に近い存在です。師匠の声や所作のすべてに江戸の「粋」の二文字が似合います。男っぷりも良いせいか、芸には色っぽさがあり、笑いを取るときの顔や姿に気品が漂います。いつか遊びをするならお座敷に師匠を呼び、その芸を満喫したいなあと思う30分の舞台でした。
手ぬぐいをピンと張って頭に乗せると、太夫に早変わり。
空気が読めて、頭の回転が速くないといけません。
幸田露伴の名作「五重塔」を朗読する平野啓子さん。
2010年2月 9日 11:05 | カテゴリー: 歩キ眼デス
コメント
太鼓持ちのことを幇間というのですか。昔、TVで観たことがありますが
難しい字ですね〜。勉強になりました。
粋という世界をもっと伝えてほしいのに、古き良き文化の後継者問題は
どこでも大変ですね(・・;)
A)
良い技術や芸が消えていくのは寂しいかぎりです。
粋という言葉は、こんな瞬間に使うのだ!と
感じさせてくれた七好さんでした。
ネットなんかで後継者募集、と消えそうな仕事の一覧を出すと
やりたい!という若者が出るかもしれない・・・
どうだろう。
2010年2月 9日 13:40 | 撫子
「幇間」って、今もいらっしゃるのですね。
実際に見たことはなく、
落語でしか聞いたことがなかった。
伝統芸が消えていってしまうのは時代の流れで
仕方ないのでしょうか。
A)
落語にもよく出て来ますね。
「野太鼓」や「ほうじの茶」など数々、太鼓持ちが現れてきます。
とくに志ん生の演じる太鼓持ちは、もう絶品〜「ケッコウデガスネ〜」
思い出すだけで、もうニンマリです。
以前ある落語会の前座で幇間が見せた芸に夢中になり、
ひとり根津へ飛んでいったというわけなんです。
無くなっていく仕事というと指物師。
桶を締めている金物、箍(たが)職人など
小さな仕事場からそっと消えているんでしょうね。
2010年2月 9日 19:01 | Blue Rose
舞台での幇間は現代風に言えばプレゼンではないでしょうか。
本番は、特定少数のお座敷で。
どんな風に違うのか、是非ともお試しを。
あっ、その時は我輩も・・・勿論、お招きでお願いします。
A)
間髪入れずの芸は、もう天性というしかないでしょうね。
頭を下げていても、そこはかとない艶と可愛らしさがあります。
お姐さんらからも大切にされているんだろうなあ、と感じました。
いつか有志で楽しむ会を考えましょうか。
小生の成功を待っていたら、師匠たちは絶滅するかもしれないし(^^♪
2010年2月10日 03:21 | 権之助
まぁ、偶然!実はわたしも、
「悠玄亭玉吉」とおっしゃる方の芸を
はじめてみてきたばかり。。。なのです。
「幇間」「太鼓もち」って、こんなに
品格ある芸なのね!と感動して、恐れ入ってきました。
三味線ひとつで、てぬぐいひとつで。。。
とっても楽しいの!でも、笑いが、上品!
所作の洗練さに脱帽!長い修行。。下積み。。
あってこその芸。芸人かくあるべし。と
思いました。
A)
偶然ですね。
芸や技術を極めた人には、洗練された美しさを感じます。
じわじわと心に沁み渡ってきますね。
2010年2月10日 19:46 | ぷりん
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