2020年8月

八月尽


IMG_20200831_151554.jpg


コロナコロナで今年もはや2/3が終わり。ウィルス、オリンピック順延、猛暑、首相退陣、そして次は風速70メートルの台風が待ち受けている。なんとも慌ただしい。

月末は蕎麦大盛り無料という嬉しい「政吉」の鴨南蛮を食べながら、今年の世相を現す漢字を考えていた。「禍」か「災」か・・・


海月


P7240477.JPG
P7240471.JPG

この透明なエネルギーはどこから生まれてくるのだろう。足の長いものはゆったりと、短いものは細やかに、なんか人間とそっくり、そう思って見ていると親近感が湧いてくる。

宇宙を遊泳しているかのように、たゆたう海月を見ていると、存在の意味なんて、どうでもいいのだと思ってくる。暑さに疲れたたら、水族館がおすすめ。


P7240475.JPG
足が長過ぎるのか、数が多過ぎるのか、数匹が絡まって


玉蜀黍


P8270130.jpg

昨日は、久しぶりの山岳会の定例会。挨拶をして入ると事務の方から「ニンニクはお好きですか?」と聞かれた。はい、好きですが・・・と応えると「ではこれをどうぞ」と袋に入ったニンニクを渡される。なんでも青森支部の方からの差し入れがドンと届いたらしい。

嬉しいですね、そこにあるお酒も差し入れですかと聞けば、「こちらは半額でお分けしています」と言う。「山」の字に引き寄せられるように、細かくチェックもせずに買い求めた。


P8270132.JPG

今朝、ラベルをよく見ると「玉蜀黍」の文字。原材料らしいのだが、すぐに読めない。もしかすると、調べると、やはり当たっていた。

「とうもろこし」。なぜ「唐」ではなくて「玉」なわけ?と眺めながら、味を想像する。面白そう〜、今度の山の会に持っていこうと決めた。


旱天の慈雨


P8220084.JPG
杉林の中を吹き上がってくる風に、生き返る


尾根までの急坂を登っていくと穏やかな山道(高尾山〜陣馬山縦走路コース)が待っている。外気の暑さとカラダの熱で喘いでいる時、西側の谷から爽やかな風が吹きあがった。
ク〜、来た来た〜、甘露、甘露〜。この風を感じたくて登ってきたのだ。

再読している五木寛之著「大河の一滴」のなかで「旱天の慈雨」という言葉があった。

乾ききった大地の一滴の雨水は、暗黒の中の一点の灯りと同じ。
なにも期待していないときにこそ、思いがけず他人から注がれる優しさや、小さな思いやりが「旱天の慈雨」として感じられるのだと。

吹き抜ける風はまさにそれ。それまでのキツかった時間を忘れさせてくれる。こんなタイミングのいい風になれるだろうか・・・と一瞬、思う。


深山烏揚羽


P8220033.JPG
P8220048.JPG
P8220011.JPG

ミヤマカラスアゲハが地面にとまって吸水をしている。蝶だって暑いのだ。グイグイ吸水しては、お尻から水分を放出する。それはまさにオシッコ。体温調節をしているためといわれている。

ミヤマカラスアゲハは漢字で「深山烏揚羽」。日本のアゲハのなかでも、一際美しい大型の蝶だ。青緑色に輝く翅を追いかけていた少年は、いまも山道でシャッターを切り続けている。


P8220018.JPG


終わりと始まりの混沌


P8220117.JPG
すすきの穂が空に向っていた


陣馬山から東に延びる尾根は、高尾山へと続く。起伏の少ない西側の巻き道を進んでいくと、ときおり爽やかな風が吹き抜ける。
汗まみれのからだにヒンヤリと気持ちがいい。秋がもうそこまで来ているのではないかと思ってしまう。

誰かが言っていた。旅をするなら季節と季節の間がいいと。終わりと始まりの混沌。季節が次へと変わっていくのは、寂しいような、うれしいような、青春のあの頃になんか似ている。


東京の空には


P4070138.JPG

静かだった東京の空に、旅客機が飛ぶようになった。二分間に約1回のペースらしい。新宿であれば上空約900メートル、渋谷・恵比寿であれば約600メートルという近さだ。

これは国が勝手に決めたことで、我々には飛行ルートと時間帯、そして本数などの報告があったのみ。反対をする暇(いとま)もなかった。
オリンピックに開催に合わせ、新たな飛行ルートとして決まったに違いない。


甥っ子


P8150870.JPG


お盆に甥っ子のRが、我が家にやって来ると知った札幌の弟(父親)は、「あいつに食べさせてやってくれい」と、自分の畠でつくった野菜を前日に送ってきた。
恒例のミニトマトと胡瓜は夏サラダに、モロッコいんげんは煮浸しにして出すと、Rはビールを呑みながらあっという間に平らげた。

日焼けしたRは、いまサーフィンに夢中らしく、ボードを鎌倉に預け、週末を楽しんでいるという。「そろそろ山を始めようぜ」と誘うのだが、「いつか一緒しますので、もう少し待っててください」と言う。Rには、以前山靴とリュックを進呈していて、将来サポートしてもらおうと企んでいる。

ところで、まだ走ってるの?
「こないだ、我が家から横浜までの多摩川沿いを走りました」
何キロ?
「25㎞です。さすがに帰りは電車に乗りましたけど」
凄いなあ・・・
そういえば小説「一瞬の風になれ*」の登場人物の一人だっけ?
「3巻の中で、本名で出ていますよ」


P8200004.JPG

読んだはずなのに、すっかり忘れていた。週末は雨らしいので、もう一度読んでみるかと、書庫の奥からこの三冊を見つけ出した。

*佐藤多香子著「一瞬の風になれ」は、神奈川の高校陸上部の若者たちを描いた青春小説。



山は秋の花


P8150850.JPG
雌しべの先に透明の粒が見えるタマガワホトトギス


標高が500メートルを超え、風が少し吹くと山は別天地になる。今ごろ娑婆はクソ暑いんだろうなあ〜と思いながら、冷気を含んだ風を受ける幸せ・・・思わず目を閉じてしまう。
半日影の山道には、黄色い秋の花が咲いていた。


P8150861.JPG
吊り下がるようにして咲くキツリフネ

P8080704.JPG
秋の訪れを告げるキンミズヒキ


75年


P8170874.JPG


終戦記念日には、新聞の投稿欄にさまざまな体験が寄せられる。鼻の奥がツンとするような投稿を見つけた。避けることも逃げることもができなかったあの時代、誰もが必死に自分を生きていたことが分かる。

「なぜおまえは一番先に自分の両親のもとに帰らなかった」と一喝した父親も正しい。もし同じ状況下にあれば、娘婿に同じように言うかもしれない。
夫の優しい一言を75年間、胸に抱き続けきた人生は素晴らしい。文体も素敵だ。


駅ピアノ


P8150757.JPG
明かりを灯すかのように、レンゲショウマが森に咲きはじめた



好きな番組の一つに「駅ピアノ」がある。世界各地の駅の構内や空港ロビーに置かれたピアノを、様々な人たちが弾くのを映すノンナレーションのドキュメンタリーだ。ピアノ演奏が終わった後に、それぞれの人生や思い、そして音楽の素晴らしさを語る。

ここ数日、気がついたらある曲をハミングしていた。どこで覚えた曲だろう。しばらくの間、気がつかなかった。昨日ふと、その曲を思い出した。ロンドンの駅で、91歳の元花屋の男性がピアノを弾きながら、小さな声で歌っていた歌だった。

弱き者には「私は強い」と貧しき者には「私は豊かだ」と言わしめよ・・・

演奏が終わると、拍手が周りから起きて、若い男性が「素晴らしかったです、感動しました」と言って握手を求めた。ちょっと照れながら、彼は「感動してくれたんだ」と呟いた。

周りに人たちに受け入れられて、毎日を重ねてゆく。演奏が人々に喜びをもたらす。祈りが通じた気がする。ありがたいことだ。本当に幸せな人生だ、これのおかげでね。
男性はピアノを撫でて、ゆっくり立ち去っていった。

いい番組は、タイトルもシャレている。

あの男性は今日もロンドン駅でピアノを弾いているだろうか。弾いていて欲しいと願う。


スミナガシ(墨流し)


P8080691.JPG

多くのチョウは、アゲハ、タテハ、シジミ、ヒカゲなど、その属性(科)の名が付けられている。ところが、この蝶に限ってはスミナガシ(墨流し)という特別な名前をもつ。暗青緑色の地色に白い複雑な翅の模様が、命名者の心を動かしたのかもしれない。


P8080680.JPG

吸水をしているとき蝶は、充たされているかのように、翅の開閉を繰り返している。


暑さ忘れれば・・・


P8020602.JPG
涼風が薬王院を吹き抜けていった


気温予想の日本地図が赤く染まっていた。今日は、40度を超えた地域があったとか。炎天下、歩いているとマスクに汗が沁みこんでいく。

我慢の限界と、信号待ちでマスクをはずし、・・・熱中症か、コロナウィルスか。どっちを選ぶ。。


昨日は、権師匠の一周忌でした。

坂元2.jpg
権師匠が撮ったISSの軌跡


特別な夏


P2220022.JPG
今年の大移動は・・・


昨日の小池知事の手にするパネルにこんな言葉があった。
この夏は「特別な夏」。・・・・上手い。いつも感心するのだが、ブレーンにコピーライターがいるのではないかと思っている。じつにソフトに語りかけてくるフレーズ。

この夏は「特別な夏」。特別は、分かっていてもあえて言葉にしない。するのは受け手であり、そして、どう過ごすかは、それぞれが考えましょうと言っている。

9連休の会社もあるという。特別な夏をどう過ごすか、考え始めている。


P8020566.JPG
P8020603.JPG
立秋である。山は秋の花が咲きはじめた


ハナイカダ


P8020614.JPG

春に花をつけていたハナイカダを探していた。目印は葉の上の黒い実。これは甘味があって食べられるので、この時期、人や鳥に取られてしまう。別名、ヨメノナミダ。


P5032862.JPG.jpeg

ヨメノナミダの謂れ
ある若嫁が殿様の使いから「葉に実のなる木を見つけてほしい」と言われました。
夜おそくまで山の中を探しまわったのですが、見つける事が出来ず、その時に流した悔し涙が葉に落ち、月の光で黒真珠のように輝いた。それがハナイカダの果実になった・・・


カナヘビ


P8020618.jpg

一瞬、両者に緊張が走る。木漏れ日を受けて、青と金色が鈍く光る。


くうねるあそぶ


P8020581.JPG
暑い日はカタツムリにかぎる


タマアジサイ


P8020646.JPG

「花が若さを象徴するのは、はかなく散る姿ゆえである」と今朝の天声人語にあった。
都会の紫陽花が、幾多の色を経て、そろそろ鈍色になろうとしている頃、梅雨空けの山間にタマアジサイが咲き始めた。


P8020651.JPG
P8020630.JPG
蕾の殻!?が、そのままぶら下がっている

玉のような蕾がポンと割れて、開花していく姿が特長。咲き始めると、涼し気な色合いで、夏の終わりまで長く登山者を楽しませてくれる。