2019年4月

はて?


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これ猿の糞だよ〜〜


ポトリとマツボックリのような実が落ちて来た。旅好きのSさんは、大木を見上げて「これは高野まきかもしれないわねえ」と言った。枝や葉がたしかに似ている。しかし実はどんなであるかは知らない。誰かが「***」ですと言った。誰かを驚かそうと動物のフンのような実を握ってヒヒヒ〜としていたので、その名前を聞き忘れてしまった。


ミツバツツジ


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人差し指と中指と薬指を合わせたような葉。そこから名前が付いたミツバツツジ。細い枝から、ピョンピョンと上に向って、小さな合唱団だ。薄赤紫の花と早緑が、春の山を彩る。


クサボケ


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クサボケ。これまた変な名前。この花を初めて見たのは、玉川上水だった。土からいきなり造花のような花が咲いていたので、誰かのイタズラだと思った。膝をついて良く見ると、ちゃんと土から短い茎を出している。驚いた。世にも不思議な咲き方だ。後で調べると「クサボケ」とあった。今はこれを見つけると春だなあと思う。


ニリンソウ


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展示会の歌の中には、夫婦を詠む歌があるはずだからと、ニリンソウはしっかり撮っておく。そういえば川中美幸が「あなた おまえ」とニリンソウを唄っていた。「大きなニリンソウ、もしかしたらイチリンソウでは」と誰かが言った。たしかに・・・蕊の様子が違う。二輪並んでいるからといって、すぐ信じてはいけない。「あなた おまえ」じゃない場合もある。


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こちらイチリンソウ
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イチゴも花を急ぐ
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雨の頃になるといろんな花が咲きそうだ

チゴユリ(稚児百合)


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五行歌の展示会の仕事で一日の半分は、その世界に漂っている。いい歌が多くてデザインなんか要らないのではないかと思ってしまうのだが、いやいや新しい世界を創るのだという気概を呼び覚まし、イケル、大丈夫と暗示をかけて向き合っている。

昔に比べてずいぶん体力が落ちた。疲れを知らなかったあの頃が懐かしい。今はペースを考えて無理をしないようにしているが、山頂までは遥かだ。まずは五合目までを目指す。一歩一歩、踏み外すことなく、高さを稼いでいく。

チゴユリ。なんとも可愛い。春、この小さな花に会うと、思わず「可愛い」が出てくる。他に思いつかない。可憐、初々しい、儚い、よくぞこんな花を創られたものだとしみじみ思う。小さくても葉っぱも百合のそれだ。


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ユリといえば
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ユリかごから酒場まで、そしてあるときはカメラマン


ステンドグラス



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そういえば、このステンドグラス、お寺の中にありました。


芽吹き


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ケヤキ、ヤナギ、クヌギ・・・あっという間に芽吹いている。
心が追いついていかない。

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珍しいクヌギの花


冬のソナタ


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おっ、舟越桂の作品だ。すみだトリフォニーホール一階ロビーに展示されていたのは「冬のソナタ」。なんだか懐かしい名前。見えない鍵盤に左右の手が置かれている。なにを弾いているのだろうか。いまからもう八年以上も前、白山から下りて来て金沢21世紀美術館に寄ると「舟越桂展」が開催されていた。好きな作家だったので、なんとも嬉しかった。

それ以後、山から下りると、空き時間を利用して美術館に行くことが増えた。クールダウンに丁度いい。白山と島根県立美術館、開聞岳は知覧特攻平和会館、石鎚山は丸亀平井美術館・・・八ヶ岳の周辺の美術館にもよく立ち寄った。

鳥海山を下りた後は酒田市内の図書館で時間をつぶした。GWの頃だったか、ストーブには火が入っていて、方言が時おり聞こえてきて、郷土史の本を読んでいると時間を忘れそうになった。

そういえば福岡から上京していたSさんは、滞在中にずいぶん美術館巡りをされていたようだけど、もう帰られたのかな。。



吟行・四季の歌会30回


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思えばよく続いています。吟行・四季の歌会30回。スタートは易く、持続は難し。年4回だから足掛け8年になる。先週末は、神田稲荷町から浅草界隈を歴史ナビゲータのYさんに案内をお願いして、下谷神社から浅草六区までのお寺、神社、商店街を巡った。約2時間半、たっぷりと歩いたのでランチのお蕎麦の美味しかったこと。歌づくりをしばし忘れて、皆さんそばに舌鼓を打った。

一席はこんな歌。

絶望したら
浅草に来なよ
酔って、笑って、騒いで、鳴いて
馬鹿野郎でも大忙し
生きてるだけで大成功

作者Kさんは、地元浅草を仕事場にしています。


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ゴールは雷門でした

たおやかに揺れる


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春、心地のいい風景の一つに「ヤナギの新緑が風に揺れる」がある。どの木々よりも早く芽吹き、桜が咲く頃には、枝垂がすっかり緑になっている。風にたおやかに揺れ、光り輝いている姿を見ていると、幸せな気持ちになっていくのはなぜだろう。


やりましょう!



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できました〜♬ 表紙です


先月は、日本山岳会の大きなポスター二点とパンフレットの見開き、そして歌集60ページの編集とデザインを終えた。そして今月から夏場にかけて、歌のパネルを200点(!?)を作り上げる。頼まれたのではない。どれもかってに手を挙げて「やりましょう」と受けたモノばかり。

俺はマゾなのではないか、と思う。どうするんだ〜こんなに〜、どうしようか・・・いつもそんな自答から始る。あるのは知恵と度胸のみ。辛さ・しんどさが麻痺していくと、悦楽の世界が待っている。このゾーンがヤバイ(使っちゃった〜)。
ウルトラマラソンを最後まで走り抜けるだろうか。


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モッコウバラが咲き始めた


健忘症?


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おた、見たことがある・・・・何だっけ、この花・・・・え〜と。すぐに出てこない。忘れていく固有名詞が多くなっている。ウ〜ン。花の名前二つ覚えれば、人の名前三つ忘れる。そんな歌をつくったなア〜、そんなことはどうでもいい。何だっけ・・・

そうだ、ミツガシワ! やっと出た〜、スッキリ。


田沼武能さん


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8月からの五行歌展示会に向けて、ヒントを貰おうと時間があれば展覧会を覗いている。この日は、田沼武能(たぬまたけよし)さんの写真展「田沼武能写真展 東京わが残像 1948-1964」。

ずいぶん前、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の新聞広告を担当することになり、田沼さんの撮ったマザーテレサの写真を使いたくて連絡を入れた。「分かりました、使ってください」と気持ちよく返事をもらった。いかほどお支払いをしたらよろしいでしょうと尋ねた。しばらくの沈黙があって「あるだけください」と言われた。
はっ・・・こちらも沈黙した。「じつは旅費にいつも困っています」「あればあるだけ欲しいのです」。(この頃の田沼さんは世界の舞台に様々な報道写真を撮られていた)。

こんな見事なあっけらかんとした要求はない。「分かりました、新聞社に相談をしてあるだけ支払ってもらえるようお願いしてみます」と笑いながら答えた。その旨を担当者に伝えた。新聞社はどれくらい支払ったのだろう。

田沼さんの「あるだけください」は、とても気にいった。それ以来、ギャラを聞かれると「あるだけください」と言った。知っているクライアントは大笑いする。初めての人は「じつはそんなにないんです」と答える。

いつかまた言ってみたい・・・「あるだけください」。


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砧公園はノビルがたくさん〜

回っております〜


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この雨でだいぶ散りはじめたかな。先日、スズメが桜の花を落とすのを嘆いたが、よく観察すると、彼らはじつに高い技術を持っていることに気づいた。蕊の部分をくわえると、嘴でクルクルと回し始める。蜜を吸いとっているのか、その所作が早い。「回っております、回っております〜」、あのお染めブラザースを彷彿とさせるのだが、直ぐにポイ。花はクルクルと落ちていく。来年は、喜んで観ていたりして・・・。


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新しいスニーカーと夏山のパンツでご機嫌
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クモの巣のイタズラ

カワセミ


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人は二つに分けられる。カワセミを見たことがあるか、否か。ふと、そう思った。そう思いたくなる奇跡の時間だった。瑠璃色の羽、白の点々がある青緑の頭、オレンジ色の嘴と足、そして愛らしい目。まさに飛ぶ宝石の喩えに相応しいカラリング。

都内でカワセミが多く見られるということは、自然保護の環境が整ってきているという証拠だろうか。十連休は、都内で自然観察しながらハイキングするというのも悪くないな。


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大きな魚も丸呑みするアオサギ
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ウミウ?カワウ?


こら!スズメ


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満開の桜の下を歩いていると、ときどき夥しい花が落ちてくる。見上げるとスズメの群れが花を啄み、落花させている。まあ、そのスピードの早いこと・・・。ヒヨドリだけと思っていたが、蜜を求めているのか、くわえたと思ったらポイ。いくら啄んだところで、蜜なんか、スズメの涙しかないだろうに。

すでに花を失った枝が何本もあって、これでは花吹雪まで保たないよなあ。
こら!スズメ。あっちに行け〜


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こちらは、桜の下に集まってくる


親子登山


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週末、高尾山を二家族と歩いた。日本山岳会主催の親子登山だ。今年は元気な男の子二人。四歳ってこんなにパワーがあるのかと驚く。テントの張り方を教え、バターとアイスクリームたっぷりのフランスパンのおやつ作りを一緒にしているうちに、すっかり打ち解けた。
男の子も可愛いもんだなあ〜。


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新元号


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雨に濡れた新芽が美しい


新元号は令和。頭文字が「R」なんて予想だにしなかった。「人々が美しく心を寄せあうなかで、文化が生まれ育つ」という意味だそうな。なんと素晴らしい。素直に思った。今、取り組んでいる山と五行歌への想いと重なって、一陣の風が吹いた。どんな時代になっていくのか。それを創っていくのは私たちだ。

雨上がりの昨日は定例の「親子登山」のお手伝い。腰の具合が思わしくなかったけれど、きっと歩いているうちに代謝が良くなって、痛みも少しずつ麻痺していくだろうと、たかを括って高尾山ハイクに参加した。ところが四歳の男の子は元気いっぱいで、先頭をグイグイ引っ張って登っていく。
おいおい〜イメージと違うぞ〜・・・。


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下山すると見事な桜が待っていた