2012年4月

八重桜


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朝起きると雨。もう上がっていると思っていたので、仕方なく撮りためておいた写真を見ていると、アチコチで撮った桜が出てきた。これは、朝日を浴びた八重桜。八重桜といえば、濃いピンク色がほとんどだが、この八重は色白。溢れるように咲き誇っていても、ふんわり柔らかで優雅に見える。じっと見ていると、犬のシーズーを思い出した。



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この桜は珍しい花色でした。名前は分かりません。



影絵


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ここ数日、朝の散歩のときに、この前で立ち止まる。マンション建設反対が続いた敷地を囲む、白いフェンスの前だ。このフェンスに、小さなコブシが朝の光を浴びて、うっすらと影を映す。朝の光は弱いから、日が雲に入ると、影は壁に吸い込まれるように淡くなっていく。風が吹けば、さらさらと動く。こんな発見も早起きのトクというもの。



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*二枚の写真は、昨日のものです。

ハナミズキ(花水木)


IMGP5664.JPGのサムネール画像


春の花木にすっかり定着したハナミズキ。いつからこんなに増えていったのでしょうか。ハクモクレンやコブシ、桜に変わって街路樹の代表選手になりました。ハナミズキは北アメリカが原産なので、別名アメリカヤマボウシとも呼ばれています。たしかにヤマボウシの特長をもっていて、花(苞)は通常空に向かって開きます。ところが、この赤いハナミズキは、なぜか花を下に向けていました。ちょっと不思議。



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幹や枝がすっかり緑に覆われてきました


クマリン



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クマンバチがお尻をだして、蜜に夢中。



花より団子の例えがありますが、桜といえば「桜餅」。塩漬けにされた葉から漂う独特の香りとこし餡の甘い匂いを思うと、もうツバが溢れてきます。前置きが長くなりましたが、オオシマザクラを見るとこのクマンバチの気持ちもよく分かるのです。桜餅に使う葉っぱは、このオオシマザクラの葉です。塩漬けにするとクマリンと言う成分ができて、脳を刺激し、たちどころに桜餅をいくつか注文させてしまうという魔力を持っています。

オオシマザクラは遠くからでもすぐに分かります。葉の緑色を受けて、花びらが淡い黄緑に見えるのですが、じつは白色。清々しく見えるのは、葉と花の比率がほぼ同じくらいだからでしょうか。その涼しげな美しさには、ため息が出ます。



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富士山


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ブルーグレーの曇空が広がり、今回は富士山が見られないだろうと思っていたら、日曜の朝、窓を開けると凛々しい姿があった。垂れ込めた雲がゆっくり下りていくと、雪を抱いた富士らしい姿になり、さらに堂々としてきた。それにしても富士というのは、突然出現するのが良い。関東周辺の山の頂きに上がった瞬間、電車や車での移動中に、そしてカーテンを開けたときなど、これほど圧倒的な存在感で自分を伝えてくるものは、他にないかもしれない。


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下に見えるのは御殿場の街。スケッチの道具をもってくれば良かった。


ヤマブキ(山吹)


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ヤマブキが光を集めて眩しく揺れている。花の名前が色だなんて、ファッショナブルで羨ましいネーミンだ。桃、藤、スミレも色のイメージはできるけど「ヤマブキ」のインパクトは半端じゃない。なんせ、大判小判もヤマブキと言われたくらいだから、赤味の強いこの黄色は、エネルギッシュで、なんとも魅惑的だ。ヤマブキは万葉の時代から、春の花として日本人に親しまれた植物。群生するこの色が山を覆えば、まさに山が吹き出すように映ったに違いない。



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週末また、雨が降りそうな気配。緑には甘雨かな。



カキツバタ


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ハナショウブかカキツバタか。神田川を見おろすと紫色の花が揺れている。アヤメは乾燥した場所でなければ咲かないから、これは違うとして、たぶんカキツバタだろう。しかしこの仲間は、どれも似ていて判別がつきにくい。そして何よりおかしいのは、ショウブと打てば菖蒲。アヤメと打っても菖蒲。これはどういうことだろう!?
ショウブ!と迫っているのに「アヤメ」と肩すかしをされているようで、腑に落ちない。調べてみると、今はアヤメの漢字表記は「文目」らしく、「菖蒲」は誤用とある。でも「文目」の漢字は、感じが悪い。アヤメとは読めないし、読みたくないですねえ。


てんとう虫


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春、てんとう虫を見つけると、嬉しくなる。まあるい形が何とも可愛いいし、小さな足を懸命に動かして、葉っぱの上を移動する姿は、見ていて飽きない。アブラムシを食べる益虫というのも支持を集めているようだし、なにより幸せを運んでくるという言い伝えが、どの国でも愛されている理由のようだ。
たとえば、イギリスでは「聖母マリアのお使い」と呼ばれているし、オーストリアでは、てんとう虫にお願いすると良い天気になる、スウェーデンでは、てんとう虫が女性の手を這うとその女性の結婚が近いとか、てんとう虫は世界各地で幸せのシンボルとして親しまれています。日本では天に向かっていく「天道虫」。これも良い。
しかし調子のってテントーしないように〜。えっ!ムシ!?


ケヤキ


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ケヤキの梢は遥かな高見にある。芽吹きのときはやや赤味の色をしているが、太陽の光を浴びてしばらくすると、さ緑の色を一層濃くしていく。風に揺れているはずなのだが、枝が自由に動いてようにも見える。実に気分がいい。信号待ちの間にケヤキを見つけたりすると、ちょっと得した気持ちになる。
ケヤキを調べると「けや(きわだって他と異なっているさま=広辞苑)木」とある。だからなのか、こんな頼もしいケヤキが多い街は、なんだか見守られているようで、とても落ち着く。

桜吹雪


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杉並区善福寺の公園内を歩いていると突然の桜吹雪。風が吹く度に無数の花びらが舞い降り、アチコチから感嘆の声が上がる。最後の別れの際まで、桜は愛おしく美しい。そういえば、娘が小さかった頃、両手を上げながら花びらを追いかけ、芝の上を飽きることなく走り回っていたことを思い出した。


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池に花びらのキャンバスをつくって、自らの影を投影する





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桜・さくら(5)


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さあ、見納めだ、と思って桜並木のアササンを楽しんできました。風吹けば、諸行無常の別れの舞い。美しいものの命は短く、儚いものです。たくさんの花びらが、風の息にあわせたように梢から吹き出されていきます。今年は桜への期待も大きかっただけに、ゆっくり堪能する時間をもてました。清々しく、お分かれした後は、美術館で静かなお花見を楽しみます。山種美術館「桜さくらSAKURA2012」は、5月20日まで。大観、御舟、土牛らの絵画が展示されています。



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桜・さくら(4)


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夕べの雨と風で、川面にたくさんの花筏があるのではと期待して行くと、水量が増えた川は流れが早く、花びらが浮かんでいても風情ありません。満開の花にばかり目が奪われていましたが、枝先には葉がもうチラホラ。早いものです。いま、花びら、萼、若葉の三つの色合いが楽しめます。


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桜・さくら(3)



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光と影の織りなす桜の色合いを額縁が演出!?



どこから舞ってきたのか、桜の花びらが濡れた道路に点々としています。風が強くなってきました。午後からかなりの雨も降りそうです。桜は覚悟しているのでしょうか。残酷だけど仕方ないですね。そんな思いとは裏腹に、桜吹雪舞う様子を見たいなあ〜。


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今日の雨に喜ぶのは木々の緑でしょうか


桜・さくら(2)


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中野区に長く住んでいるのに、じつは区内をよく知らない。桜日和となった8日、薬師様の桜はどんなだろうと思い、我が家から歩いて約30分の新井薬師梅照院を訪ねた。着いて、まあ〜ビックリ!八の日は縁日とかで、境内はもう大勢の人。まるでここは浅草か帝釈天か。懐かしいアンズ飴やソースせんべい、たこ焼きなどの屋台、そして鉄砲やヨーヨ釣り、口上も楽しい大きな生地を売る怪しげなおじさん。下町の空気がプンプン。知らなかったなあ〜。裏の広場は、もう歩けないほどの花見客、ウ〜ムこれぞ、日本の花見!驚きました〜。


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桜・さくら



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遠くを見通せた神田川。ついに両岸からの枝が重なりました。



週末、都内の桜の名所はどこも凄い人出だったようです。小金井公園は昨日、なんと10万人。信じられないような数字です。いつも散歩する神田川沿いの通りにも、朝からブルーのシートが敷かれて予約者の名前が表示されていました。いつからでしょう!?ブルーのシートが桜の下に敷かれるようになったのは。若い頃は酒屋(四谷・鈴伝)に予約を入れておくと、ゴザの貸し出しもあり重宝していました。ところがこのブルーのシートが登場し、桜の色とミスマッチしてなんとも落ち着かない。とても不快な気持ちになり、今後この上に座るのは止めようと思ったことを覚えています。




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わずか3日間で萌えが広がったようです。


千鳥が淵


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平日だというのに、千鳥が淵周辺はお花見客で溢れていました。千代田区の環境ボレンティア「さくら美守り隊」の方々が「さくら祭りガイドMAP」を配っていたのですが、この機知にとんだネーミングがなんとも可笑しく、桜を見る幸福度がアップしました。
ボート乗り場の上に絶景ポイントがある事を初めて知りました。よく見る桜の景色がここ(上の写真)。水面からサクラを堪能できるボートですが、この時期はかなり待たなければ乗れないようです。
さあ週末はサクラ日和になりそう〜


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正面に小さく見えるのが迎賓館です



白い手


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白い手が伸びてきて、ふわりと触れる。春の陽気に誘われたのだろうか。これから嫁ぐ花嫁のような初々しさを感じるユキヤナギ。桜の開花とほぼ同じ頃に花をつけて、五月中頃まで楽しめます。


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定点撮影を始めました。変化していく新緑をお楽しみください。



フキノトウ


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どこからか歌が聴こえてきた。「も〜う忘れた〜♬ すべて〜あなたの事は〜♪」見上げると土手でフキノトウが歌っていた。
あらら、もう薹が立っている。食べられない、ガックリ・・・。するとそれが聞こえたのか「ちょっと、待ちなさいよ!何、薹が立っている!?盛りが過ぎたからって、馬鹿におしでないよ。まだ十分に食べられるんだから!フキミソにしてごらんなさいな、ちょっとごま油なんぞ入れて〜昔はそうして食べたもんだよ」。はいはい、分かりました、歌を続けてください〜♪

サギおじさん

「サギおじさん」といっても、AIJの社長さんの話ではありません。


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このアオサギ、じつはあるおじさんとグルになっていた。池の淵で長い首をS字にしたかとおもうと、突然首先がビュンと水面に突き刺さり、小魚をクチバシにくわえている。まことに鮮やかな早業で、何度かクチバシを動かし、小魚をゴクリと呑み込んでしまう。素晴らしい!
さてこのアオサギの側には、相棒のおじさんがいた!驚きの事実がそこに!


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池の淵にいるアオサギの足元に向かって、小さな固形物を投げ入れているおじさんがいた。アオサギは、それが水の中に落ちると首をS字に曲げて、攻撃の形を取る。そして小魚をゲット。おじさんが淵を歩きだすと、その後ついて行く。たまらずに聞いてみた。「もしかしたら魚の餌を投げ入れているのですか?」『もう5年になりますかね。この池はブルーギルが増えてしまって、あいつに食べてもらっているんです。もうペットのようなものです』ブルーギルとは、ブラックバスと同じ外来魚の一種で、鯉や鮒の稚魚を片っ端から食べていく嫌われ者なのだ。餌がポーン→首がS字→パックン→ゴックン。おじさんのコントロールの見事なこと。アオサギの目の前に次々と餌が沈んでいく。パック〜ン!パチリ!


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呑み込むまでが早すぎる〜


近寄ると逃げるはずのアオサギだが、こいつはじつに人に慣れていて、見ていても逃げない。この名コンビとしばらく池の淵を歩いた・・・。よく工事現場を日がな一日見物している人がいるが、そのような世界に入ってしまった半日だった。
外でもペットを飼えるんだなあ〜 そして相思相愛のコンビ、素敵でした。


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シダレヤナギ




長く垂れ下がったシダレヤナギの枝が、風と光に遊ばれて池の上で気持ち良さそうです。樹々の中でもいち早く緑になるのがヤナギでしょうか。五メートルくらいに伸びた細い枝々には、花の芽も吹き出しています。柔らかく撫でるような風には、糸のようにそよぎ、雲間から光には淡い緑の陰影で応える。春の楽しみのひとつです。
柳といえば銀座には「柳通り」と呼ばれる細い並木道があって、百本以上のシダレヤナギが植えられていました。いろんな理由があって抜かれてしまったようですが、一度は「銀座の柳」に酔った頬を撫でられてみたかったと、常々思っているのです。



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