2022年10月

パンパスグラス


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秋空を見よ!とばかりに、パンパスグラスの帆が高々と伸びている。気持ちのいい秋の新風景だ。風に揺れる真珠色の穂は、大空に向って手を振っているかのようだ。

コクワ


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標津遺跡群の管理事務所の方から、「そこのコクワ、取って食べていいよ」と言われた。敷地の隅にある藤棚のような蔓植物に小さな実が付いていた。なんか懐かしい。内地ではサルナシという。手を伸ばしていくつかを口にすると、キウイフルーツに似た甘い味がした。

猿が我を忘れて食べるので、サルナシ。山ではほとんど見ることも少ない。しっかり、貴重な味を記憶した。


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子供の頃、故郷の藻岩山でも食べた記憶が・・・

標津遺跡群


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熊鈴効果か、現れなかった

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時々、熊除けの鐘も鳴らす


道東は、野生動物の宝庫だ。到着してすぐに道路端でキタキツネを見た。そして、エゾリス、シマリス、オオハクチョウ、雄のエゾシカ、トビ、タンチョウとひと回りしただけで、こんなに多くの動物たちと会えた。

ヒグマには、会えなかったが、熊はどこかからこちらを伺っていたかもしれない。海の町、標津には、一万年に渡って人々が暮らし続けた日本最大の竪穴式住居「標津遺跡群」があった。広大な原野には4,400の竪穴住居群があり、いまにも古代人が現れるような雰囲気がある。


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長い木道が続いていた

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この川にも鮭が上がったのだろうか

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こんな竪穴式住居に暮らしていた

いくつもの川では鮭を狩猟し、縄文文化、アイヌ文化と変遷したいったとあった。そんな歴史を感じながら、長い木道を風に吹かれて歩くというのは、いい気分だった。


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ヒグマは頭もデカイ

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最後に現れたのは、糞虫のオオセンチコガネ


シマリス


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小中のクラス会二つ楽しんでから、動物写真家の久保さんの事務所(中標津)へ飛んだ。中標津は知床半島の付け根に位置し、大規模の農業、酪農の盛んな町。緩やかな丘陵が続き、北海道らしい風景が広がっている。

カレンダーのための写真選びを終えた翌日、早起きして、野生動物に会えるかもしれないと近くの公園に出かけた。園内に入ると、アマチュアカメラマンがすでに何かを写していて、よく見るとエゾリスが大きな岩の上を跳ね回っている。その動きの速いこと。素人には簡単には撮れないトリッキーな動きだ。

これは無理と分かって、人の少ない林に移動。しばらくすると、昨年に知り合ったKさんがやって来て、「すぐそこにシマリスがいます」と云う。指差す先を見ると、木の穴から小さなシマリスが顔を出していた。


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「これ、コッコですね。今年生まれた一匹です」。「まだ警戒心がないんだわ」。

あまりの可愛さに、しばらく眺めていた。Kさんのシャッターが聞こえてきたので、ゆっくり撮り始めた。顔洗い、欠伸、ウトウト・・・もう、可愛くて、笑みがでる。尾を入れない体長は15センチくらい。手の平に乗るかもしれない。


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気がついたら100カット以上撮っていた。ありがとうね。カラスに気を付けろよ。今年一番の「可愛い」を体験して、素晴らしい一日になりそうだよ。

故郷


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雪虫も出迎えてくれた


先週は、一週間北海道でした。小学校と中学校のクラス会では、懐かしい友らと旧交を温め、そしていつもの二人とマドンナを誘っての三次会では、熱燗とおでんで体を暖めました。

実家は無くなりましたが、友らが迎えてくれる故郷が、まだあるというのは幸せなことです。会っている時は、時間が戻って誰もが少年少女になり笑っている。あの日々は、なんだったのだろうと、帰ってきてからまた懐かしんでいる。

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「昨日熊が出ました」の表示があった藻岩山の登山口

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昔は石階段。中学時代、スキー部の連中は、ほぼ直下降で下りた


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拡大して、初めて知った「雪虫」の正体


一本杉


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高尾山のある痩せ尾根を登っていくと、杉の山並を覗きこむように、見事な曲線を描いている一本の杉、この姿でもうかれこれ10年?、倒れずに頑張っている。

枝の先を見ると、わずかな葉を付けているから、生きているのだ。
ここに来るたびに、東日本大震災で荒波に耐えて残った「奇跡の一本松」を重ねる。

この杉も台風によって大きく曲がってしまったのだろう。ところが、すでに折れてしまった杉に寄りかかり、なんとか踏ん張っている。

また来るから、頑張れよ〜。

浅草界隈


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10日は、定例の吟行歌会だった。案内をお願いしているYさんと共に歌友六人、江戸の風情が残る浅草界隈を歩いた。

浅草は、江戸の頃よりもっとも賑やかな遊興地だった。一言でいえば、聖と俗がひしめき合う巨大なワンダーランド。神社やお寺があるかと思えば、芝居小屋、遊郭などもあって、男は吉原へ、女は猿若町の歌舞伎見物へ、というのが浅草の楽しみ方の一つだった。


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車屋のお兄さんとお客さま


今回、面白かったのは、浅草寺の子院の待乳山聖天(まつちやましょうでん)。ここは健康を祈願する場合、社務所で大根を買って奉納するという習わしがある。奉納された大根はふたたび境内の横に積まれ、心付けを納めれば持ち帰ることができる。


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皆さんどのくらいの心付けだったのかな?

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女性陣は、心付けを収めてご利益のある大根をいただいていた。人とモノと金が、上手く回っている浅草の姿はいまも変わらない。

「日に三箱 鼻の上下 ヘソの下」という諺をYさんが教えてくれた。かつて浅草界隈では、日に千両箱が三つ動いた。「鼻の上は、目で楽しむ歌舞伎などで、鼻の下は、口、つまり魚河岸で、そしてヘソの下は・・・私にはよく分かりません」とYさんは含み笑い。

こんな話にニヤニヤしながら、秋の半日、吟行歌会を楽しんだ。

お供物の
お下がり大根
一本買って分けようか
ご利益も
等分に       Uさん(一席)

森吉山(1454m)


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東北の地図を眺めては、いつか行こうと決めていた森吉山。山岳会の友人がこの山には何回も登っていて、いいよ〜と強く推していた。

そしてこの日が来た。やっと会える〜。ただ天気予報が午後から雨とあったので、ロープウェイで一気に上がることにした。

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彼方に日本海と男鹿半島

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王冠の形をした秋田駒ヶ岳

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山頂駅から20分ほど登って、展望台に到着。なんと日本海、そして男鹿半島が見える。そして遠くには秋田駒ヶ岳。こんな一瞬がたまらない。地球の上に立っている実感が沸く。


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雲で見えないが、北に八甲田山、南には鳥海山、月山、蔵王まで遠くに見えるはずだ。木道をしばらく歩くと小さなピーク「石森」に到着。ここから森吉山のたおやかな山容が見えた。こんもりと左右対称、美しい山だ。さて、向おうかと思ったときに、雨が降りだした。

山頂を目指そうと思ったが、雨は強くなりそうだ。花の季節にもう一度訪れようと決め、下山した。


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地を這う茎から伸びていた不思議な植物

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寒さのなか、竜胆は蕾のままで終えるのか

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冷えた体はいで湯で・・・

八幡平(1614m)


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久しぶりの八幡平(岩手県)の駐車場に着くと、気温は氷点下だった。冬の装備をしていたが、立っているだけで体温が奪われていくのが分かる。
辺りの木々は霧氷をまとっている。雲は低く垂れ下がり、今にも雪が降りそうな空。冬が触手を伸ばしている。


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前回はピークハントで、登山口から真っすぐ山頂に向かい、360度の景色を見て、すぐに下山した。これが100名山名なのか?という印象を抱いた。

今回は余裕をもって八幡沼、がま沼を回って山頂に向かうコースを選んだ。草紅葉のなかに沼がいくつか点在し、長い木道を辿って行くと、尾瀬の秋を思わせる景色が広がっていた。南には10年前の夏に登った岩手山が見える。体力もまだあって、グイグイ登っていった頃だ。


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八幡平、その名の通り、じつに懐の広い山であることが分かった。山頂だけでを目指すのではなく、遠く近くの有り様を眺め、山を一つの命として受け止めなければと思う。

雪の重さに耐える幹、風雪になす術なく身をさらす枝、北の木々はみんな辛抱強い姿をしていた。
その日、東北の山々に初冠雪があったと宿で知った。

日本哺乳類図譜


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しばしキタキツネの写真と対峙する。凛々しいその眼差しに見入られて、動けなくなった。動物写真家の久保敬親(くぼけいしん)氏の作品である。

動物写真家は、対象が現れるまでひたすら原野で待つ。待ち続ける。待っている間に、動物たちの生き方や暮らしを学んでいくのだろう。だから出逢ったときには、その思いを抱きながらシャッターを押すのだ。

このキタキツネは、そんな思いを感じているのだろうか。眼差しには、対峙している両者の思いが通じ合っているように映る。交歓の一瞬。

動物写真には、ときとして撮影者の息づかいを感じる。待つと云う時間を感じる。

そんな原野での動物たちの世界を会間見ることができる写真集が出来上がった。


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久保敬親著「日本哺乳類図譜」。持ち上げると約二キロにもなる重量級の写真集。大きさはA4変形版。この写真集の特長は、デジタルカメラのデータではなくポジフイルムを使って印刷していることだ。その自然な色合いの美しさに魅了される。私たちはその昔、こんな素晴らしい印刷物を眺めていたのだと、改めて気づく。

エゾシカやキタキツネの凛々しさ、ヒグマの迫力、シマリスの愛らしさ、野生の臭いさえたちこめてくるような写真集。こんな距離感でカメラマンは、野生動物を追いかけ、ジッと見つめていたのだと、ズシリとしたメッセージが伝わってくる。
ぜひご覧いただきたい一冊です。


村上選手


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これは、昨日ヤクルトの村上が56号を打った瞬間
ではなく、9月23日、ベイスターズの濱口投手にセカンドゴロに打ち取られたシーンだ。

その日、ベイスターズファンのIさんと神宮球場でヤクルト戦を観戦していた。昨年の観戦も雨の日だった。前半からヤクルト打線にボカスカ打たれ、雨に打たれ、ガックリして途中で球場を後にした。

しかしこの日は違った。ベイのホームラン攻勢で四回までに7点のリード。こうなると雨なんて平気だ〜、のはずが、五回に雨足が一気に強くなり試合が中断した。
30分後に試合は開始、ヤクルトの猛追を受け、なんとか二点差で逃げ切った(ヤレヤレ)。


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ベイの⑦番、佐野選手のホームラン

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傘をさすことが許されない球場で、ビッショリになってビールを販売する売り子さんたち。優しい濡れネズミのおじさん達がビールを頼むと、大きなコップにはビールの泡と一緒に雨粒も入る。優しい売り子さん達の声も入る。とても不思議な光景だ・・・。

そんなことを思い出していたら、22歳の若武者は、三冠王と三億円の家をゲットしてしまった。

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ヤクルトに点が入ると小さな傘が回り、カクテル光線に煌めく



野の花


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麓で見つけたワレモコウ、他はアササンコースの道端から


花野風という美しい言葉がある。秋の花を揺らす風とあるから、きっと切なく、愛おしさを感じるような風に違いない・・・。
土曜日の朝、窓を開けると金木犀の香りがふんわり〜。これがその花野風だろうか。

空は晴れ上がっている。書を捨て山にいこう〜!というわけで、四ヵ月続けての高尾山へ。春に歩いたコースを辿って、ハナイカダの実を探してみようと決める。


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ハナイカダの特長ある葉っぱから実はほとんど落ちてしまったようだ。探し求めて、ようやく一つ見つけることができた。実はすっかり熟して、鳩さんになって可愛いこと。


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その他にもツリフネソウ、ハギ、ミゾソバ、シロヨメナ(上から)を見つけた。

あざみの群落には、アサギマダラが舞っていた。その飛翔の優雅なこと。南の国へはまだいかないのだろうか。数少ない花を愛でながら、ようやくの秋を満喫した。


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