歩キ眼デス

てっぺん


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タチアオイの花がいよいよ終わり。下から順番に咲いてきた花も、到頭てっぺんまで来ました。梅雨入りの前に咲き始め、梅雨明け頃に終わるので、別名「ツユアオイ(梅雨葵)」とも言われています。この花が終わって、ちょっと似ているムクゲの花が開き始めます。


アオスジアゲハ(青条揚羽)


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ハゴロモジャスミンの蜜を吸うアオスジアゲハ


朝6時、すでに28度。花の蜜を求め、さまざまな蝶が舞っている。そのなかの一種類の蝶に注目した・・・。これほど落着きのない蝶はいない。アオスジアゲハを見るたびにそう思う。いつも忙しなく飛び回っている。蜜を吸う時だって、一時としてじっとしていない。花から花へ羽を休めないのだ。エゴノキの花にとまり、羽をゆっくりと開閉しながら蜜を吸うミカドアゲハを思うと、同じアゲハの名がついていてもその優雅さは歴然の差。まるで青筋を立てて飛び回っているところから、名がついたのではないかと・・・。



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少しでも涼しい写真をと、最近の写真を探していたら、先日登った岩手山での一枚が見つかりました。深く積もった雪に押されたのでしょうね。1本のダケカンバが谷側に傾いています。残雪を通過してくる風は、湿り気を帯びヒンヤリして、休んでいると汗が一気にひいていきました。
涼しかったなあ〜と、この写真を見ていたら、「こうして入られない!」と、思わず立ち上がりそうになりました。


百貨店



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銀座のど真ん中に、美しい芝生の寛ぎ空間があります。ここは銀座四丁目、三越の屋上庭園。いろんな花が植えられています。風に吹かれるラベンダーを見ながら考えました。今の時代、百貨店経営は大変だ。ネットでモノが買える時代に、百貨店の果たす役割は何だろう・・・と。六丁目の松坂屋は先月末に閉館したし、ユニクロや大きな書店をテナントにする百貨店も出てきて、これからどんな舵取りをしていくのだろうか・・・。
幼い頃「街に行くぞ」と父に連れられて、丸井今井の屋上で遊び、食堂のバナナパフェにうっとりしていた日があった。そんな幸せを提供してくれた昭和の百貨店は、まさに夢の世界だった。想い出の数々を作ってくれた「丸井さん」も今や三越伊勢丹ホールディングスの傘下にあるらしい。



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わざわざ富良野に行かなくてもここで楽しんでは〜


炎天劇場



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百日紅、早くも開花いたしました



突然、幕が上がった炎天劇場。ジェラートもジェラシーも溶けてしまいそうな日差しに、もうどうでもいいや、と投げやりな気分です。アササンをもう少し早目からにしなくては、健康に良いのか、分からなくなってきました。日本は亜熱帯化しているらしく、様々な生き物が日本に漂着。毒をもつヒョウモンダコが見つかったかと思えば、数日後にはヒョウ柄の大型ナメクジ、ジェジェ。これからも仲良くしたくない珍客が現れそうです。


ウィンブルドン


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お向かいの鰻屋さんの玄関に、また一つ睡蓮の花が咲きました


7月7日、ウィンブルドン選手権の男子シングルスで、イギリス男子では77年ぶりの優勝を果たしたのは、昨年決勝で涙したマレーだった。毎年のことながら、睡眠不足はこのファイナルで終止符を打つのだが、二人の壮絶なストロークプレーの連続に目は釘付け。先が読めない展開に長期戦を予感した。マレーはこの一年で驚くほど強くなった。丁度一年前、フェデラーに負け、涙しながらここに必ず戻ってくると語ったインタビューを忘れてはいない。努力の末に、今回の栄光を手にした。敗者のジョコビッチには、可哀想なアウェーコートだったが、勝者を讃えるメッセージに、元チャンピオンの風格と人柄の良さを感じた。ウィンブルドンは、偉大な勝者と敗者によってその歴史を刻んでいることを、今回の決勝戦でも証明した。
いずれにしても、ようやく眠れる日が訪れた・・・。


前祝い


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山を下りながら想うのは、温泉、ビール、地酒、旬の肴、そして蕎麦。途中からは水まで控えてしまうほど、下山後のグビリが待ち遠しい。さて今回の岩手山では、小岩井農場に立ち寄った関係で逆コース。一杯引っ掛けた翌日に登るという、初めての試みになった。


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まな板に溝が一本。旨いネギ焼きを食べさせるために作られた究極の皿だ


盛岡でまたまた見つけてしまった名店は「南部藩長屋酒場」。低い潜り戸を抜け、中に入ると、おう〜当り!思わず、微笑む。どのくらいの時間が経ったら、こんな風合いの店になるのだろうと、アチコチに目をやる。懐かしい電燈と行灯の光が、柔らかく店内を映し出している。カウンターの中は畳敷きで、囲炉裏の上には、鮭や切り餅がぶら下がっている。そしてメニューを開くと、岩手の地酒全22種と旬の肴がほぼ揃っていた。それも東京では、考えられない価格で。地酒の一つ「あさ開」を熱燗で頼むと、鉄瓶でやって来た。
「く〜、うれしいねえ」


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歌に合わせて、めんこいお嬢さんが「さんさしぐれ」を踊ってくれた



小岩井農場


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来ならこの左側に岩手山が見えるはず・・・



岩手山に登る前日、一度は訪れたかった小岩井農場へ。農場から岩手山がクッキリと見えるはずと聞いていたが、あいにくの曇り。まったく見えず。仕方ないので、足慣らしに広い牧場を歩き回った。まあ広いこと〜。
小岩井が、三菱の創業者・岩崎彌太郎の実弟である岩崎彌之助が創業していたなんて知らなかったし、国策である殖産興業の一翼を担って、日本人の体位向上が目的だなんて、ウ〜ム、なるほどの歴史に感心しきり。写真を見れば、明治時代のフロンティア精神を抱いて、若者たちの目が輝いていた。そして宮沢賢治もここに魅せられ、何度も訪れたらしい。詩集「春と修羅」の長編詩「小岩井農場」で紹介されている。それにしても広い・・・。



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展示物が随所にあります

とにかく広い、道に迷うとまったく分からなくなる


P6280065.JPG春、この桜に人が集中。でも柵の中には入れない


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ポニーとサラブレッド


岩手山(3)


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思わず歌いながら、歩きたくなります


岩手山を下山した翌日、早起きして秋田との県境にある八幡平に向かう。山頂周辺には、雪が残り、遅い春が顔を出していた。木道の側には水芭蕉やショウジョウバカマが咲き始め、コバイケイソウも大きくなっていた。今年は雪が多かったらしく、湿地の花は今ごろお目見えだ。ブルーシャトーでも歌って、いくつかの池を歩きたかったが、もち時間が少なくなっていた。
遠くの岩木山を眺め、今回の山道をもう一度辿って、しっかり映像を引き出しに入れる。都会での出来事はほとんど忘れるのに、不思議と山の記憶だけは残る。じつにおかしな頭だと思う。



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これからどんどん咲き始めるのだろう、ショウジョウバカマ


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コバイケイソウの花が吹き出した
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池にも雲が流れていく


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岩手山ともお別れ〜ありがとう



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想い出の花をもう一度。上から、チングルマ、マイヅルソウ、シラネアオイ。


岩手山(2)


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数を減らしているコマクサ。火口付近で風に揺れてい


岩手山は花の名山だった〜♬ 八甲田山や早池峰山、そして八幡平など東北には花の名山が多い。今回の岩手山も麓から山頂まで、多くの高山植物が咲き誇っていた。シラネアオイは、数年ぶりの対面で懐かしく嬉しかった。本家の日光白根山辺りでは、増えた鹿にほとんど食べられてしまい、数を減らしている。淡い紫色の花びらは、透き通るような優美さをもち、まさに森の貴婦人を思わせる。そして、えっ!まだ桜?と勘違いしてしまったタニウツギや可憐なヤマオダマキ、千鳥が飛んでいるようなハクサンチドリなど、図鑑から飛び出してくるかのように次々に現れる。そして最後に「高山植物の女王」と呼ばれているコマクサを山頂の砂礫で見つけたときには、しみじみ、来て良かったと思った。



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コマクサの近くにはタカミスミレの群落


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千鳥の姿に似ている!?ハクサンチドリ


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桜と勘違いしたタニウツギ


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そしてウコンウツギ


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白い花火のミヤマカラマツ


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花以外は毛むくじゃらのエゾツツジ。可愛い花だ


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ヤマオダマキ


岩手山


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おう!ついに山頂が現れた



太ももパンパンの筋肉痛で、七月のスタートです。じつはこの心地好い痛みのなかに、今回の岩手山の素晴らしさが凝縮されています。梅雨時期の山を登るのは久しぶりだったこともあり、木々の美しさと多くの高山植物にため息の連続でした。あらためて雨は、多くの植物にエネルギーを与えているのだと感じました。
麓から見る岩手山は、地元の人が言うところの季節風「やませ」が吹いて、中腹から上は雲の中。でもエゾハルゼミ鳴く樹林帯を越え、溜息がでるような美しいシラネアオイや可愛らしいチングルマを撮りながら登っていくと、いつの間に雲海の上へ。なんと山頂部は、夏山の世界が広がっていました。



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山の貴婦人、シラネアオイの優美な姿にウットリ


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山頂付近は雲海の上


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花が終わったチングルマが風になびく


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八合目に建つモダンな非難小屋


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山頂へ続く火山礫の道を喘ぎながら登る


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山頂は火口の上にある。下からの風を受けながらあともう少し


ベリー


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美味しそうでしょ。この前を通る度に、ゴックンです。もう熟してるんだから、早く摘み取りなさいよ〜。毎年そう思っているのに、ここの御仁は、鑑賞するのみ。ブラックベリーとブルーベリーが、どんどん食べ頃になっていきます。悔しいから、ここを通らなければ良いのに、つい、どうなっているのかと・・・気になるのです。


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標高2038メートル、宮沢賢治の愛した山です


明日から岩手山へ。これで東北の百名山はすべてが終って、一区切り。八甲田山、岩木山、八幡平、鳥海山、早池峰山、朝日岳、飯豊山、月山、蔵王山、吾妻山、安達太良山、磐梯山、会津駒ヶ岳、那須岳と、どの山もその姿が立ち上がり、懐かしく思い出されます。その他にも栗駒山、焼石岳、秋田駒ヶ岳、白神山など、東北の山は自然が豊かで懐が広い。




ヒルガオ


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雨の日は、撮りためていた花を探す・・・。花を失ったヤマブキの葉を伝って、昼の月のように、朧げにヒルガオが咲いている。私も初夏の花よと。ヒルガオは、主張しない雑草だ。繁殖力が強いのに、ナガミヒナゲシやランタナのような派手さがない。それでも増え過ぎるといつの間にか、取り払われて消えている。


カツラ


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カツラの葉からは、甘い香りが漂う


住民の反対を押し切って、マンションが一棟建った。都会では珍しいことではない。広いお屋敷の家主がいなくなると、そこは決まってマンションになるか、戸建ての家数軒に生まれ変わる。緑道に面した一画にマンションの話が持ち上がると、地域の人たちは、空き地に反対のノボリを立て、張り紙を貼った。それから三年の月日が流れ、工事が始まり、何事もなかったかのように大きなマンションが建った。
角に植えられたのが、このカツラの木だ。すでに10メートル以上ある。入居した人は、訪ねてくる友人らに言う。「角に大きなカツラの樹があるマンションよ」と。やがて成長したカツラはシンボルツリーとなって、このマンションの風景に溶け込んでいくのだろう。


ノウゼンカズラ(凌霄花)


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名前がすでに官能的なイメージだ。ひときわ派手なオレンジ色が、遠くからも目を引く。つるでどんどん伸びて、いろいろなモノにからみつく。「凌霄花」は漢名からで、「凌」は「しのぐ」、「霄」は「そら」の意味で、つるが木にまといつき、天空を凌ぐほど高く登るところから、この名がついたらしい。この花は開花期間が長く、いつまで咲き続けるの?と言いたくなる。その頃には百日紅が咲き始めて、キツい夏が訪れる。



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学名は、Campsis grandiflora。Campsis(カンプシス)は、ギリシャ語のKampsis(湾曲、曲がっている)が語源。 おしべの形が、曲がっているかららしい。


コボウズオトギリ(小坊主弟切)


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この花の名前がやっと分かった。「小坊主弟切」。花はビヨウヤナギに似ている。黄色い花が散ると、すぐ赤い実を付けるようだ。小坊主とは、この丸い実からきているのかもしれない。弟切だって凄い字だ。でもこれはオトギリソウのこと。調べると「この草を原料とした秘薬の秘密を漏らした弟を、兄が怒りのあまり斬り殺したという伝説からきている」という。まあそんな話を、この花と実は知ってか知らぬか、じつに明るく可愛い。


菖蒲


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雨をうけて、あやめやしょうぶやかきつばたが元気だ。それぞれ、どう違うのか?何度学んでも、違いが記憶から消えてゆく。きっとその原因の一つに「菖蒲」の字があるのだろう。「あやめ」でよし「しょうぶ」でもよし。なんじゃそれ、と言いたい。
漢字は同じでもアヤメとショウブは別物で、ショウブと花菖蒲も別物。それに杜若(カキツバタ)が加わって4つ巴になって、組んず解れつ・・・。
そこに、アイリスもやってくる・・・もうどうでもいいわい。


コンフリー


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この花の名が分からなかったので、権師匠に聞いた。コンフリー。懐かしい名前だ。ずいぶん昔、親父がどこぞからか仕入れてきたものの中にあったような・・・そうだ、意外なことを思い出した。「健康茶」。麦茶を煮詰めたような風味と味わいのあるお茶で、これも父がどこからか仕入れてきたものだった。子供たちもすっかりハマってしまって、長く我が家の愛飲するお茶となった。これも懐かしい〜・・・。

さてコンフリー、正しい名はヒレハリソウ(鰭玻璃草)。昭和40年代に健康食品として一時期大ブームとなったが、2004年にコンフリーを含む食品は、肝硬変又は肝不全及び肝臓癌を起こす例が海外で多数報告されているとして、販売禁止となった。しかし、すごい生い立ちだ。



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調べてみたらありました。40年の歴史とあります。
今度買って飲んでみようかな。


ネジバナ(捩花)


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不思議な縁を感じた。このネジバナは、先日の吟行歌会の会場である角川庭園の庭で見つけたものだ。ウィキペディアでネジバナを調べていると、『俳人でもある角川源義が「ねじ花をゆかしと思へ峡燕(かいつばめ)」と詠んでいる。』という一文があった。ということは、角川源三はこの庭に下りて、この花のご先祖を見て詠んでいた・・・。何という偶然だろう。別名、文字摺草(もじずりそう)」の名前もちょっと文学的で、歌会との縁を感じた。

この花を初めて見た時から心ひかれた。上へ上へと手を伸ばしていくような上昇志向。ねじれているようだけど、きりりとして、とても素直な感じ。そして可愛らしい。以前住んでいた家の庭にも初夏になると、ピョンピョン現れて花をつけたのだが、ある年から消えてしまった。それだけにたまに見つけると、懐かしさもあり、うれしくなる。


吟行歌会


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吟行歌会の土曜日、お天気がなんとかもって今回もライブな歌会になった。この日の善福寺公園は、人が少なかった。湿気の多い池の周りを歩くよりも、エアコンの効いた部屋で過ごす方が良いのだろうか。爽やかな初夏までは、ボート乗り場は順番待ちだったのに、いたって静かだ。池のほとりの紫陽花は、水を求めるようにやや傾げている。
歌人たちも池をじっくり観察。吟行ならではの歌がいくつも生まれた。


女が一人
ボートを漕いでいる
善福寺池
睡蓮の白を求めて
漕いでいる

いちにの よいしょと
鴨が飛び込む
木の葉がゆらり
枝も木もゆらり
水面の景色

雨上がり
傘を干すように
かわう
羽を広げて
陽を浴びる


シモツケソウ


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小さな淡紅色の粒が弾けているように咲いている。初夏の草原や湿原などに見られ、そのすらりとした姿の美しさから「高原の女王」の呼び名がある。梅雨空の下で濡れる花は、グリーンの葉と相まって華やかだ。
シモツケソウは、漢字で「下野草」。つまり、下野の国(今の栃木県)で最初に発見されて命名されたらしい。ばら科シモツケ属の落葉低木で、英名は「Japanese spiraea」と呼ばれている。


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こちらは葉の形から、シモツケだろうか


蜜月の仲



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本邦初!紫陽花のスカートの中に潜る



「梅雨と紫陽花は蜜月の仲」とAさんは、歌会でおっしゃったが、雨を受ける紫陽花を見ていると、その切ないような美しさに溜息がでてくる。鮮やかな青紫のグラデーション、打ち上げられた花火の煌めき、花飾りのような艶やかな装いなど、それぞれに華やかな個性がある。今年は早い梅雨入り宣言にも関わらず、雨がほとんど降らなかったので、多くの水を必要とする紫陽花を心配していた。でもこの雨で、うっとり、しっとり。紫陽花の滲みにも潤いが戻ってきた。



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睡蓮鉢


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事務所の前に「宮川」という由緒ある!?鰻屋がある。最近は、悲しいかな、縁がない。「鰻のニオイで 飯を食えというのか アベノミクス」という小生の気持ちを代弁するかのような川柳!?があったが、お昼になると、香ばしい匂いが流れてくる。まあ仕方がないと思いながら、ふと玄関の横を見ると、こんな涼しげな睡蓮鉢がひとつ。当然のようにメダカも泳いでいる。いいねえ〜と思っていたら、メダカが一言。
「鰻のニオイで、飯を喰うなんて、お前はまだメダカね」。


江ノ島


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若い頃、夏になると江ノ島の海で青春をしていた。週末、友人との約束は「海の家、クロンボの前で」。クロンボなんて懐かしい言葉だが、夏の終りには、みんな真っ黒になっていた。海が夕日で輝きはじめると、湘南の海を見おろせるコジャレタ店に寄って、必ずといっていいほどジンライムを頼んだ。わずかに残るサンオイルの匂いと青春の一瞬を濃縮したようなジンライムの香り。恋人はいなかったけど、夏の一日の終りを仲間たちと共有し、音楽や女の子の話に夢中だったなあ・・・


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そんなことを思っていたら、デッキで話をしていたオーナーらしき女性が、手づくりの料理を運んでくれた。コヒー一杯では申し訳ないと思いビールを頼むと、またいくつかをトッピングし、「出来たばかりのお店なんです」と言って置いていった。デッキにいる若者たちにもお礼を言って、サザンのBGMを聴きながら深く椅子に沈んで、思い出の続きを探しはじめた。



明月院


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紫陽花といえば、鎌倉の明月院!と、思った人が沢山いたらしく、北鎌倉駅辺りからもう人の列。「紫陽花=アジサイ寺=明月院」。だよなあ〜と思いながらも、吸い寄せられて入園料500円を支払う。ここへくるのは三回目。しっとりと境内を歩こうと思ったら、やはり平日が良いのかも。姫紫陽花ばかりだった庭に、カシワバアジサイやガクアジサイの種類が増えて、時の流れを感じさせる。周辺には、緑に溶け込んでいる素敵なお店も現れて、この時期、しっとりするにはヨロシオスエ。


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少し人が切れました


土のニオイ、花のニオイ


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寝っ転がると思い出もやってくる。クローバーを編んで、髪飾りを作っていた女の子、四葉を一心に探していた人、草野球のグラウドから聞こえてくる声、映画「ミスデイジー」・・・風に運ばれるニオイ、風に任せれば・・・しばし自分を忘れる。


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甘い香り


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誘うような甘いコロンの香りを漂わせて、密かに、秘めやかに、クチナシの花が咲いた。初夏、白い花が次々に咲いていくなか、トリは私よと、白鳥が舞い降りてきたかのような佇まいで浮かび上がる。そしてその香りと白色の美しさで、こちらの心を妖しく揺らす。


ツーショット


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これはエゴノキとヤマボウシのツーショット。二つの木の花が、顔を寄せ合うように咲いているなんて、なかなか見られない。俯きかげんのエゴノキと未来志向のヤマボウシは、どんな話をしているのだろうか。


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白い十字手裏剣をいっぱい付けたヤマボウシ


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甘い香りでミカドアゲハを誘う



ハコネウツギ(箱根空木)


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ハコネウツギは白い花で開花し、ゆっくりピンク、赤へと色を変えていく。一房にそれぞれの色が混在しているから、咲き始めの頃はじつに愛くるしく華やかだ。ハコネの名がついているが、箱根には自生していないらしい。葉が紫陽花に似ているので、雨の花のイメージだなあと思っていたら、近くで花をつけているヤマボウシもエゴノキも、じっと曇り空からの雨を待っているような佇まいがあった。この季節の花は、心なしかどれもシットリしているようだ。


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富士三景


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夜が明けてまだ間もない。鳥の鳴き声を聞きながら、クロバーの芝生を踏みしめて、お気に入りの場所に向かう。ベンチがぽつんと一つあるだけの、富士と対座できる絶好のロケーションだ。わずかの雪を山頂部につけた富士が、薄曇りの中で、両手を広げるように待っていた。ベンチに座ってから富士に挨拶をして、背筋を伸ばし、息を吸い、吐き出す。二三度繰り返す。そしてしばらくその山容の美しさに抱かれる。人生に辛いことがあったとしても、ここで座ってさえいれば、きっと心が軽くなるのではないかと思うほど、富士の姿はあまりにも優しい。


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朝に夕に、富士山を見ていた


手考足思


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本を読んでいたらこんな言葉が出てきた。「手考足思」。「手で考え、足で思う」。なんかうれしくなるような言葉だ。じつは筑紫哲也氏の著書「旅の途中」のなかで紹介されていたのだが、もともとは陶芸家の河井寛次郎の著書名。頭だけでものを考えるのではなく、手で土をこね、足でろくろを蹴って作品を作っていく陶工のありようを述べている。思えば、昔の人はほとんど「手考足思」で暮らしていたわけで、知恵はこうした繰り返しの日々のなかから生まれてきたのだから、「まさに!」となる。鍬をおろす、絵を描く、料理を作る・・・そして歩く。何かを始めようとしたら、手と足に相談するのが良いのかもしれない。
これは「歩キ眼デス」や「吟行」にも通じるのではないかと、またまたうれしくなり、この言葉のもつ奥の深さをしばらく噛みしめてみようと思う。


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しかし不思議だ。好きな人からはいろんなことが繋がる。この本だって、敬愛している写真家星野道夫の名著「長い旅の途上」が伏線にあって、手を伸ばした本が、やはり好きな筑紫哲也だった。そしてこの本の中で、彼は無頼派といわれた本田靖春の全集をぜひ読みなさいといっている。
じつは無頼派にも、弱い。



梅雨入り


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もう梅雨入りだ。ちょっと早いのではないの?とお天気に文句を言いたくなる。聞けば、例年より10日も早いそうだ。爽やかな風が、もう北を目指して通り過ぎていったかと思うと、寂しさが残る。このどんよりとしたお天気を喜んでいるのは、池から顔を出しているカエルと日々色を増す紫陽花くらいだろうか。女性も肌の保湿性が高まるから、喜ばしいのかな。早い梅雨入りを調べると、明けるのも遅いというデータもあるそうだ。仕方がない。今年は雨と親しんで、歌を余計に作るとしよう。



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太宰府天満宮


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引率されているのは、ほとんどが外国人グループだ


霧島〜鹿児島〜博多〜歌会〜九博〜太宰府天満宮という、修学旅行並の過密スケジュールを何とかこなしたが、最後の太宰府天満宮あたりはキツかった。九州歌会の翌日なので、当然二日酔い気味。PMなんとやらの博多の空と同じで、頭もやや黄色く濁っているなあと思いながら鳥居を潜っていくと、太鼓橋あたりから聞こえてくる声のほとんどは外国語だ。北九州は外国人が多いと聞いていたが、韓国人や中国人グループが店を覗いたり、記念撮影をしながら移動している。なにか経済特区のような雰囲気だ。日本は「自然と歴史の観光立国」を目指すべき、と思っているので、そこにとても大きなエネルギーを感じた。もともと北九州は昔から交易が盛んな地なのだから、むしろ当然なのかもしれない。そして日本人もこんな輝きをもって、昔は外国の地を闊歩していたのだろう。



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太鼓橋辺りは、外国語が聞こえてもう海外旅行気分


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自然に溶け込んだ九博の外観の美しさ


昆虫天国


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倒木にヤマキマダラヒカゲが止まった


霧島山で、これほど多くの昆虫に出会えるとは思わなかった。登山口付近からは、蝉の声が聞こえる。声の主はエゾハルゼミ。本州ではもう少し涼しく鳴くのだが、お国が違うと声もやや低音なのか。蝉の声に混じって聞こえるのが、カッコウやウグイス。そして「テッペンカケタカ〜」とホトトギスの声が負けじと森の中に響く。


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エゾハルゼミの声に混じり、様々な鳥の声も響く照葉樹林


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亡き弟が好きだった蝶、アサギマダラ。使者かしらん〜


いやはや、賑やかなこと。蝶も次々に飛んでくる。ミカドアゲハ、ヤマキマダラヒカゲ、そして美しく優雅に舞うアサギマダラ。この蝶の舞いを見ていると、もうこれ以上羽の開閉を遅くすると、落ちてしまうのではないかと思うほどゆったりで、天国にいるような気分になってくる。しばらくその意味のあるような舞いに見入った。


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美しい甲虫ハンミョウ。関東ではなかなか見なくなった


しばらく下りていくと樹林帯が消え、足元を素早く移動していく虫がいる。目を凝らすと、なんとハンミョウ。瑠璃色の美しい甲虫で、ミチオシエの名前があるように、下りていく先でこちらを待っている。何年ぶりに見たことだろうか。ここは本当に、昆虫が濃いなあ〜とうれしくなりながら下山した。


韓国岳(からくにだけ)


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三浦さんの快挙を思い出し、気合いを何度も入れながら、山頂に続くキツくて長い階段を上っていた。色とりどりのミヤマキリシマに見惚れていたのは、一時間ほど前か。最後に段差のキツい階段が待っているとは・・・。おまけに外気は30度を超えているのだろう。白木の階段に額からの汗がポトポトと落ちる。もしかしたら熱中症になりかかっているかもしれない、と思いながらラスト500メートルを何とか登り切った。今年初の百名山(73座目)は、霧島山の最高峰、韓国岳(からくにだけ)1700メートル。


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押すな押すなのミヤマキリシマ

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360度見渡せる山頂には、多くの登山者が待っていた。えびの高原からの楽なルートで登ってきた人たちだろう。標識の前では、年配者、カップル、中学生らしき子たちが記念撮影の順番待ちだ。見通しが好ければ、桜島や開聞岳まで見えるようだが、あいにくモヤがかかり遠くの山々は想像するしかない。一緒に登ってくれた山仲間のSさん、Hさんとお茶で乾杯し、三浦さんのヒマラヤ登頂も合わせて祝福した。


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下山後の楽しみは、宮崎県さんのマンゴーソフトだ


この面白い山名を調べると『山頂付近に草木が乏しいことから空虚の地すなわち空国(むなくに、からくに)あるいは虚国(からくに)と呼ばれるようになったという説がある。また、韓の国(朝鮮半島)まで見渡すことができるほど高く「韓国の見岳」と呼ばれたためとの説もあるが、実際には見えない』とある。


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よか女子の上に、満月たい!
焼酎したたか呑んで、くらり

三浦雄一郎さん


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そうだそうだ、忘れていた。もうすぐ三浦雄一郎さんがエベレストの頂上に達する頃だ。順調に行けばお昼頃、史上最高齢のエベレスト登頂の快挙となる。80才でまあ、そんなところに登らなくてもという人もいるだろう。しかし、目的を持って努力すれば叶うのだということを、彼は伝えようとしている。何とか無事に山頂を極め、その夢を叶えて欲しい。成功したら明日山仲間と一緒に韓国岳(からくにだけ)の山頂で、祝いの盃を上げよう。


ヒメ


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ヒメウツギ(姫空木)が散り始めると、そろそろ入梅


ヒメが頭につくと、植物では「小さい、可愛い」の意味をもつ。このヒメウツギも他のウツギに比べれば、ひと回り小さい。ヒメは漢字で「姫」。だからこの字をもらっている植物は、なにかしら情緒感がある。たとえば、ヒメオドリコソウ(姫踊子草)。思わず映画「踊り子」のうら若き頃の吉永小百合を思い浮かべたりするし、ヒメウキクサ(姫浮草)やヒメウスユキソウ(姫薄雪草)であれば、「大丈夫か?しっかりしろ〜」と、その小さな花に声をかけたくなる。そして極めつけは、このヒメイチゲ(姫一花)。小さいけど、侮れないかも。銀座のクラブにもありそうだし・・・。



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春、空き地や河原に咲くヒメオドリコソウ


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イチリンソウの仲間、ヒメイチゲ



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ニオイバンマツリの香りで、心にゆとりを


時間にゆとりがなくなってくると、髪の毛や爪の伸びが早いように感じる。それはずいぶん昔から感じていることで、忙しくなると決まって爪が気になり、イライラしている。しかし爪を切ると、いや、切り始めると落ち着いてくるのだから、心とカラダは良い関係にあるのかもしれないと、伸びた爪を切っている。


梅雨入り


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沖縄が梅雨入りした。花粉が終り、やっと爽やかな季節になって、さあ山登りだと計画を立て始めると、梅雨入り予想のニュースが流れる。関東地方も今月末には梅雨入りするのだろうか。人の想いとは別に、山も里も植物たちは、この雨を待っている。夏の前にしっかり吸水して、成長するためだ。
山で、雨に煙るお花畑を見るのもなかなか好いものだと思えてきたのは、最近のこと。登山者が少ないこともあるが、雲が多いことで光が押さえられ、撮影には悪くない。そして何より、ゆっくり花を見ながら歩いていると、こちらの乾いた器にも水が貯まっていく。


ニセアカシア


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に夢中になっているのは、クマバチかな?


札幌歌会の方から桜が咲きましたと、メールがあった。もうすぐ大通り公園の花壇には、北国らしい花々が咲き始め、リラの花も甘い香りを漂わせるのだろう。いま、そこに吹いている風をイメージすることができる・・・。
さて、こちらにだって、良い香りを放つ花がある。ニセアカシアだ。五月の風が、白いコロンのような房をくすぐると、ホロンとした甘い芳香が零れてくる。ニセアカシアは、マメ科の植物だから細い枝がよく伸び、緑から垂れ下がるように咲く花は白い藤のようだ。
風と香り。ニセアカシアの下にいると、誘惑の香りに酔いそうになる。


初夏は白い花


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エゴの名がつくも下向きの花

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水のそばが好き。だからミズキ



黄色い花が終わると、初夏は白い花だ。ハルジョオン、ガウラ、テッセン、夏蜜柑。木に目をやれば、エゴノキの花が散りはじめて、ミズキの花が白蝶のごとく深い緑に止まっていて涼しげだ。ウツギも咲き始めたし、ヤマボウシも控えている。こんな歌がホイっと出来た。


            ミズキの花は
            空を見て
            エゴノキの花は  
            うつむき加減
            初夏 白い花のいろいろ


リンゴ風呂


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そう。ここへ来たらまずは、このリンゴ風呂。なぜかいつも一番乗りで、どういうわけか最後まで一人。食事までの30分、ゆったり、のんびりと浸かった。こんなことをいうと義母には悪いが、中棚荘で食事と聞くと「おっ、リンゴ風呂に入れるぞ」と、まずはこの湯船を思う。
風呂場の造りが面白い。まず脱衣所と風呂の間に境がない。畳の上で服を脱ぎ、篭の中にポンと入れて、そのまま風呂場へと向かう。湯船は二つあって、一つがリンゴ風呂だ。30個ほどのリンゴが湯から顔を出し、こちらを見上げている。湯につかると、爽やかな香りがフワッと迎えてくれる。贅沢な一瞬だ。リンゴをかき集めたり、匂いを嗅いだり、しばらくリンゴと遊ぶ。一個にかぶりついて、歯形を残してやろうかしらとイタズラを思いつくが、そのまま食べてしまいそうなので、止めることにする。

外に出ると緑に囲まれた湯船があって、竹筒から湯がトボトボと注がれている。冬場であれば、周辺の山々がくっきりと見えるはずだ。湯の温度は、熱くなく温くもない。すっかり丸みを帯びてしまった石造りの湯船に体を伸ばすと、いよいよ緊張のヒモがぷつんと切れる。


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ここを通って


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ここを上がって


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こんな内風呂があって


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露天風呂がある


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おまけに自然にも優しい〜♬


中棚荘


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中棚荘の裏手に廻ると、ここにも野の花が



義母の法要が終わって「中棚荘」という宿で食事をした。ネットには信州小諸・島崎藤村の宿と紹介されている。訪れるのは三度目なので、まずは庭手に続く小径を散策する。シジュウカラの声が木々に響く。都内より半月ほど季節が遅れているのだろうか。ヤマブキやミズキの花がまだ咲いている。ヤギがいたり鶏が放し飼いにされて、ノンビリした空気に包まれている。木漏れ日の下でじっとしていると、とろけそうな眩しさだ。


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藤村はなかなかの男前です


宿へ戻ると、壁やちょっとしたテーブルに山野草がさりげなく飾られ、文人の愛した静かなたたずまいが伝わってくる。藤村の頃から、時間が止まっているような感覚。作務衣を着たスタッフの動きは宿に溶け込んでいるし、目を伏せるような静かな挨拶には、もてなしの心遣いを感じる。いつかここで歌会を開いてみたいと思ってから、もう四年が経っている。


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これはアマドコロという春の野草


七回忌


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小諸駅から車で10分くらいの山の中腹に、義母の眠る墓がある。濃い緑に囲まれているが、光は届くので、夜になれば星明かりも見えるはずだ。信州の自然の中で一生を過ごした人だから、ここはきっと眠り心地が良いと思う。まるで別荘みたいですねと、声をかけたらどんな返事が返ってくるのだろう。御陰さまでとあの笑顔を浮かべるかもしれない。そういえば晩年の義母は、ここまでの坂道を上れなかった。
二才の子は、背負子に担がれて上がってきて、大人たちの行動をじっと見ていた。この子がやがて成人する頃、誰かが登れなくなって、誰かが送られていくのだろう。


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ツツジと


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ヒトリシズカと


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ヤマブキの咲く道を登っていく


ハクウンボク(白雲木)


咲いているのは枝先だけ。もう枯れはじめています



下を向いて咲いているし、エゴノキだろうか、でも花が一列だし、雄しべの色が違うし、何といっても葉っぱが丸くてデカイ。チラ見しながら、毎年通り過ぎていた。そこで徹底的に調べると、ありました。ハクウンボク。やはりエゴノキの仲間だ。白い小花が鈴なりに咲いている姿を、空にたなびく白雲に例えて、白雲木。なるほど〜、そして英語名もなかなか良い。
Fragrant Snow Bell。香りは、ライラックに近いだろうか。


カラスノエンドウ


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知らなかった。カラスノエンドウの鞘豆が食べられるとは。それも結構イケルらしい。あまりにもアチコチで見かけるし、密生しているし、食べられるという話を聞いたことがなかった。調べると「春先の柔らかな若芽と花の部分を摘んで、生のまま天ぷらにするとマメ科特有の風味がして美味しい」とある。豆好きとしては、来春は、いち早く食べなければ・・・。


虫えい


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ジェジェ!?  木の実から葉っぱが吹き出している。周りの枝の実からも、若葉がニョキニョキと出ている。葉っぱの上に実をのせる「花筏(ハナイカダ)」を初めて見た時も驚いたが、今回もそれに匹敵するビックリだ。こんな発見は、トーゼン権師匠に報告する。鼻息を荒くして、写真をメールすると、ジェジェジェ!の解答が送られてきた。犯人は「クリタマバチ」。
なんと、蜂の卵が産みつけられた新芽であるという。さらに調べてみると、
「クリタマバチはクリの新芽に産卵し、4月上・中旬の発芽期に芽は異常に肥大して、赤みをおびた虫コブができます。そして新梢の発育が止まり、樹勢が弱くなり収量が減ります」とある。
この新芽部分の変形した玉状の瘤を「虫えい(虫瘤)」というらしい。青虫などの体に卵を産みつける肉食系の蜂は知っていたが、こうした草食系の蜂までいるとは、昆虫の方が先駆者というか、先輩なのだと感心した。しかしそれにしてもである。


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写真をクリックすると、ファンタスティックなアートです


東大散歩


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元々は加賀藩前田家の領地。池の形が「心」という字をかたどっ
ていることから、夏目漱石の小説「三四郎」以来、そう呼ばれる


ゴールデンウィークの連休中に山に登ろうと毎年意気込むのだが、あまりの人の多さに意気消沈し、静かな都内を歩くことにしている。今年は、東大本郷キャンパスを選んで、静かな散策を楽しんだ。以前、駒場キャンパスを歩いたことがある。強く印象に残っているのは、アメリカンフットボールの学生らの姿が、格好良く映ったことだった。あの大きさと動きは、高校時代から鍛え上げてきたのだと想像した。とすれば、文武両道の若者たち、つまりモノが違う・・・。デカイ体に爽やかな笑顔。どこでもフリーパスだろうなあと羨ましく思ったのを覚えている。

さて、こちらは歴史ある本郷キャンパス。お上りさん気分でキャンパス内の地図を見ながら、各学部をゆっくりと歩く。入って一番に驚いたのは、巨木の数が多いことだった。とにかく樹々の中に建物がある。
大きな銀杏に誘われて医学部の庭に入っていくと、白衣の学生が行き来していた。連休は関係ないのかな。レンガの建物に白衣と緑がよくマッチしていて、ポツンと取り残されたような懐かしい光景だ。自転車が多いのは、広い構内を移動するためなのだろうか。

傷跡も生々しい安田講堂、意外に大きな三四郎池。静かなキャンパスを歩いていくと、歴史や文学のジオラマの中にいるのだなあと実感した。


IMGP2923.JPG医学部の庭には、自転車が並んでいる


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アチコチで本を呼んでいる若者に出会った


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正門の石材にはおびただしい傷跡が残っている安田講堂


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芝生のサッカー場では、試合が行われていた



雨上がり


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雨が上がったので外へ出ると、冷気を感じるほどの寒さ。めげずにいつものコースを歩き始める。忘れそうな名前「セロトニン」を唱えながらしばらく歩くと、強い花の香りがしてくる。あっという間に花をつけたハゴロモジャスミンだ。ゴソッと咲いた房状のかたまりから、雨上がりのせいかドンと衝撃的な香り。たぶんアササンコースの花のなかでは、一番強い香りかもしれない。これからウツギやバンマツリの花も咲きはじめる。


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虫たち



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ミズキの花に夢中のコガネムシ


花と緑に包まれた森には、いろんな虫たちも集まってくる。じっくり見たいが、動きが早かったり、危なそうな場合には、レンズを接写にしてとりあえず撮る。そして後から拡大して、オ〜と驚く。生態を調べると意外な発見があったりして、これがなかなか楽しい。下のカゲロウだって、ウスバカチャンなんて呼んでいたら、調べるとモンカゲロウという立派な名前があって、これは失礼となった。昆虫は拡大してみる機会が少ないから、顔をアップで見るとまずはビックリする。


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眼が大きくて意外に可愛いモンカゲロウ


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1センチにも満たないクサキリの赤ちゃん?



セロトニン


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二日連チャンのアルキメデスで、セロトニンは増えただろうか


脳の神経伝達物質「セロトニン」をご存知だろうか。運動、感覚、自立の各神経に働きかけて、心身を活性化させる脳内物質だが、現代人はカラダを動かさない傾向にあるために、このセロトニンが不足がちだという。ところがこのセロトニンを増やせば、低体温や低血圧などの体質改善の他、現代型の鬱に対しても効果が大きいらしい。
ではどうしたら増えるのか!?答のひとつが、ウォーキング。一日わずか5分のウォーキングでもセロトニンがアップするらしい。歩くことでこの物質が活性化し、体だけでなく心もイキイキ元気にさせ、病気になりにくい体質をつくる。ストレスに強くなり、若々しくなって、不満が少なくなり、コミュニケーション能力が高まるなど、もう良いことづくめだ。
どうも私最近おかしいな・・・と思ったら、まずは町内一周を。ポイントは、何も考えず(左脳を使わない)に歩くことだ。


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セロトニン君は、この拝島大師のフジソソグ香りの下でかなり増えて


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山ツツジでさらにアップした・・・と思う


モッコウバラ(木香薔薇)


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朝、この陰で一休みしていると、何とも爽やかな気分だ。風が吹くとほんの少し香りがする。このモッコウバラ、去年よりグンと蔓を伸ばして葉桜に絡みついている。きっと誰かが枝にかけたのだろう。蕾も増えている。雨でも降ると結構な重さになるだろうから、桜の枝も大変だ。蔓系の植物は、どれもよく成長する。太くなるより伸びる、絡む、花を咲かせる・・・人で言えば、小回りのよい営業タイプかもしれない。


野鳥


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Tさんの撮ったイカルチドリ。目の周りの金環が可愛い


花に向かう人がいれば、馬に向かう人がいたり、鳥に向かってしまった人もいる。山仲間のTさんは、すっかり野鳥の撮影にハマってしまった。野鳥に夢中になってしまうと、まるで鉃道少年のように、その魅力からきっと逃れられないのかもしれない。先週末、あるコンサート会場で、Tさんから猛禽類だけを追いかけているカメラマンの話を聞いた。猛禽類とはワシやタカの肉食系の鳥の種類。ツミ、ハヤブサ、チョウゲンボウなど小型の猛禽類が東京近郊に生息していて、猛禽マニアを夢中にさせているらしい。分かるよなあ〜、狩りの瞬間はワクワクするし、肉食系の動物の顔はどれも引き締まって、カッコイイし・・・。
夢中になれるものが見つかると、人生はがぜん楽しくなる。


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何かを狙っているのか。ノスリはカラスくらいの大きさ



ツツジ


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お天気がめまぐるしく変わる。果たして去年の今ごろは、暖かかったのか、寒かったのか?今日は何日か?はっきりしないのは、二日酔いのせいもある。濡れたアスファルトからは、クルマの音がしっとりと聴こえて心地がいい。道端のツツジも雨を受けて淑やかだ。都会のツツジを見るたびに想うのが、今ごろの山に咲くミツバツツジの淡い藤紫の色だ。週末、会いにいこうかな。
ところで漢字にすると「躑躅」。なぜ、こんなに難しいのだ?


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ミツバツツジの咲く山道を歩きたい


ニガイチゴ(苦苺)


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イカンイカン、忘れていた。せっかく権師匠に時間をかけて調べてもらったニガイチゴの花。イチゴの花といえば、丸くフワッとしたものと思っていたから、この細い花びらを見て、すぐに特定できなかった。でも権師匠は、葉のカタチや枝のトゲからイチゴではないかと推測。さすが!
甘いのにニガイチゴ(苦苺)。別名はゴガツイチゴ。山ではよく食べているのに、失礼をいたしました。


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実はルビーのような美しさ


「オバンデシタ」


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後一ヶ月くらいで札幌ライラック祭りだ


久々にこんな挨拶をした。先週末、銀座のイタリアンレストランに集ったのは、北海道を故郷にもつ人たちで、その名も「いぃんじゃない会」。仕事先の知人に、その笑ってしまうような会の存在を教えられて、「行きたい!」と返事をした。
驚いたのは、参加者の半分が30代!?の女性だったこと。北海道弁なら「なしてさ?」となる。同じ中学校の後輩がいたり、世界一周旅行から帰ってきたばかりの若者が、大学で教鞭をとっている友人の教え子だったりと、故郷の話に花が咲いた。人はこうして不思議な縁で結ばれていくのだろう・・・。

*オバンデシタ・・・オバンデスでも良いが、過去形にした方が胸に沁みる。


ベニシジミ


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花とくれば・・・蝶でしょう。ということで、今日はシジミチョウ。正しくはベニシジミ。日当りの好い草地で見かけるかわいい蝶。春先のベニシジミは、赤橙色の部分が鮮やかで、花や緑に止まって羽を広げるとポッと目立ちます。大きさは1.5センチくらい。小さな頭部に対し眼が大きいので、よけいに愛らしい。春一番に〜〜♬、出てくる蝶がこのベニシジミです。



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ハルジョオンに止まる


新丸ビル


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考えごとが多くなると、人は高いところに登りたくなるのだろうか。少し離れたところに、じっと遠くの景色を見ている男がいる。東京駅前の新丸ビル七階フロワーは、夜景を楽しむカップルが多いから、ちょっと目立つ。もしかしたら中間管理職の悲哀でもを抱えているのだろうか。
フロワーに戻ると、モダンなレストランが配置されている。ニューヨークには行ったことはないが、どの店もオシャレな調度品や大きな観葉植物で、大人の街の雰囲気を上手く演出している。暗めの照明もホテルのロビーにいるようで、とても落ち着く。夕食を楽しんでいるのは、この界隈で働くエリートたちだろうか。若い人が圧倒的に多い。
時代は変わったなあと、昔々新宿の赤ちょうちん辺りで飲んでいたおじさんは、お上りさん気分でキラキラの若者たちを眺めるのだった。


珍かな花/シラユキゲシ(白雪芥子)


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この花を見てKさんは、すぐにシラユキゲシと言い当てた。この花もじつは初めて。シラユキゲシ。クサボケに比べて、こちらは美しい名前だ。やや下向きに咲き、雄しべと花びらの対比もよろしく、夏椿のような涼しさがある。調べると「日陰に滅法強く、やや湿った場所を好む」とある。ムムム・・・なんか怪しい。さらに「根をのばして、よく増える」。ウ〜ン、これは意外。「葉はハート型をしている」チェックしなかった・・・・別名、スノーポピー。☆☆☆


珍かな花/クサボケ(草木瓜)


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玉川上水歩きで見つけた不思議な花。ボケじゃないのかな〜と思わず言ったが自信なし。よく見ると、地表近くの花は枝から出ていて、誰かがイタズラに差した造花のようでもある。こんな時は権師匠へ。すぐに返事が来た。「生え方からして多分『クサボケ/草木瓜』」。なんという味気のない名前!。調べると、「ボケよりも背丈が低く、冬から春にかけてオレンジ色の花が咲く。盆栽としても利用される。」とあった。日本特産種らしく、ノボケ、コボケの別名もあった。ノボケとコボケで、まったく関係ないことを思い出した。
ボケもトボケも「惚け」の同じ字。知っていました!?



玉川上水緑道歩き


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春になると「玉川上水緑道を歩く会」を企画し、玉川上水駅から鷹の台駅までの4キロの緑道を仲間たちと歩いている。川沿いにはナラやクヌギなどの武蔵野を代表する木々が遥か遠くまで続いている。風が吹くと新緑がきらめき、小径に落ちる影は眩しいほどだ。春の花も今が盛り。ニリンソウやヤマブキ、木イチゴの花がお喋りと撮影をせがむので、なかなか前へ進めない。でも良いのだ。時間はたっぷりある。そして「歩キ眼デス」の楽しさが、みんなに伝わっていくのだから。


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ニリンソウの花


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木イチゴの花


シャガ


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ずいぶん昔、杉林に覆われたうす暗い山道を下りて行ったときの話。緩やかな斜面にシャガの花が一面に咲いているのを見て、ドキッとしたことがある。それがシャガとの出会いかもしれない。日が届かないいような木陰で、なぜこんな花色をしているのか。まるでなにかの化身のようにも思え、不気味に感じた。それ以降シャガが咲いていても無視して通り過ぎていた。ところが公園や池の淵で見る機会が多くなると、アヤメ科らしい清楚な味わいと花がない時期の葉姿の美しさもわかり、心引かれるようになった。


オウバイ?


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神田川沿いを歩いていると、対岸にヤマブキかレンギョウのような花が垂れ下がっていた。枝ぶりが違うなと思って確認してみると、花びらが八枚。毎日のように歩いていても、見落している花があるとは・・・。調べてみると、どうも「オウバイ」のようだが、近い種類の「オウバイモドキ」にも似ている。だいたいオウバイを知らないところへもって、モドキをつけられては困る。ジャスミンの仲間らしいが香りはなかった。


ヘっ!


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「ウっ」ときたら、「ヘっ!」。春は目覚めの季節だ。この1.5メートルのアオダイショウもどうやら冬眠からのお目覚め。腹をすかして獲物を探しているようだ。ときどき、頭を上げては周りの空気を気にしている・・・チロチロ。ここ数年で見た蛇の中では一番大きい。距離を取りながらじっくり観察する。池の側をゆっくり進む・・・チロチロ。


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突然、鳥の声がした。少し離れた小島からだ。すると頭を持ち上げチロチロ・・・ゆっくり石垣を下りはじめた。こちらも前に廻り石垣から顔を乗り出す。すると顎のあたりを二三回水につけたかと思うと、小島に向かって泳ぎ始めた。その早いこと。滑るように泳ぎ、アっという間に向こう岸にたどり着いた。高い石垣もなんのその、スっと登って消えてしまった。

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どの生き物も餌を得るために、必至なんだね。メジロもカモも、昨日の鵜も。



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ずっと片脚でひなたぼっこ



善福寺池の杭に一羽の鵜がとまっていた。鵜を見ると、複雑な思いが過る。あの長良川鵜飼を思い出すからだ。鵜は篝火の下、潜水して鮎を捕えるのだが、首には細い糸が巻かれているので呑み込めない。鵜匠は巧みに鵜を引き寄せ、首を絞める。すると「ウっ」と鮎を吐き出す。これが1300年の歴史を持つという鵜飼。なんとも哀れで可笑しい漁法だ。
さてこの鵜の餌となるのは、おもに鯉だと思うが、どの大きさまでを獲物と判断し呑み込むのだろう。鵜を見ると、つい思う。


風立ちぬ


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遠くから見るとモソモソと動くので、初めは鯉かなと思った


風雨が強い週末だった。外歩きをすっかり諦めていたので、日曜日の朝、雨があがって日が射してきたのにはびっくり。カメラや双眼鏡、地図などをリュックに入れて、野鳥の多い善福寺公園に出かけた。春の嵐がまだ通過中なのか、絶え間なく風が吹いている。桜はすっかり花を失って、なんとも弱々しい姿。緑をつけ始めた柳は奔放に揺れ、水面のハスの葉は風に拾われて、ヒラヒラと舞い立つ。ラクショウもすっかり実を落されて新芽だけがクッキリ。空のチリも一掃されたのだろう。夏雲を思わせるような真っ白な雲が遠くに見えた。


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ラクショウの木の下には、こんなカタチの実がたくさん落ちていた


イカリソウ(錨草・碇草)


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花の名前を覚えていると、ときどき知らない人と話に花が咲く。以前読んだエッセイでのお話。作家の伊集院静が一人で呑んでいると、カウンターの奥に椿が一輪。「おや、侘助ですね」とポツリ。それを聞いた女将が、「花のこと、お詳しいですね」その後どうなったかは知らないけれど・・・。
ご婦人二人がしゃがんで花を見ていた。すぐに分かったので、「おや、イカリソウですね」と呟いたら、「あら、あんた、詳しいわね〜」と元女将らしき人の濁声が返ってきた。


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こちらは初めて見た「キバナイカリソウ」


さみどり


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春らしい光が戻ってきたが、二日間の「花散らし」で桜の木々はすっかり寂しくなった。春に三日の晴れなしというが、週末はまた雨らしい。ところが、高見に目をやると木々の緑が始まっていた。新緑のスタートだ。
ケヤキは油断がならない。桜に目を奪われている間に、いつの間にかさみどりを揺らしている。芽吹きすると、さささっ〜と新緑が進むのだ。満開の桜も好きなのだが、新緑のケヤキもたまらない。桜餅も好きだが草餅も好き!という和菓子党の嗜好だろうか。大きく伸ばした枝の先々にさみどりをどんどんつけて、空を掃くようにしてなびく姿を見ていると、清々しい気持ちになって、心ここにあらず〜。良い季節が始まった。


ハナミズキ(花水木)


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桜並木の対岸が新宿区



この雨が止むと葉桜になっているんだろうなあと、神田川沿いの桜並木を歩いていると、ハナミズキが花をつけていた。神田川は新宿区と中野区の間を縫うように流れていて、それぞれに植えられている樹木が財政状態を伝えている。お金持ちの新宿区には桜が植えられ、財政難の中野区はハナミズキ。成長が遅く、枝打ちをあまり必要としないハナミズキは、一年を通して見栄えがよいので重宝がられている。桜の次はハナミズキ。新宿の次は中野だよ〜と言っているような雨の朝だった。


ヤマブキオー


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ヤマブキの花を見ると、70年代を駆け抜けた鹿毛の競走馬ヤマブキオーを思い出す。一体いつまで走り続けるのだろうと、衰えを知らないオーナー思いの孝行馬を追いかけていた。じつは昔、日高で牧場を営んでいた祖父が、ある出版社社長の買い付けた若馬数頭を預かり育てていた。その中の牝馬一頭がデビューすると、秋までに四連勝してしまい、すっかり競馬にハマってしまった。運が悪いといおうか、その当時の部屋の相棒があの権師匠だったから、大変!週末は二人で競馬新聞とにらめっこに・・・。
ヤマブキオーは八才まで走り続け生涯成績は、47戦20勝。複勝率は約66%。賞金総額が約三億。無事これ名馬というが、まさにヤマブキオーはそれを実証した馬だった。

花散る頃


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鳥たちも花の終りが分かるのだろうか。それとも落花の頃に蜜が甘くなるのか、散りゆく花のなかで囀りが休みなく続いている。曇天の空の下、桜の花は風に誘われように舞いはじめた。神田川にかかる欄干からヒヨドリ、ツグミ、スズメ、そしてメジロが花びらを啄み、落していく様を飽きもせずに眺めていたら、不思議な気持ちが広がってきた。染み入るような幸福感と滲み出てくる喪失感。無常の思いを桜が引き出すのか・・・。この五年の間に逝ってしまった弟そして友人たちの笑顔が浮かんで来た。花びらが舞っていく川では、この春生まれたのだろう小ガモの数匹が烈しく水遊びをしている。それをじっと見つめる親ガモ。季節は、きちんと歩を進めていく。


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ベニバナトキワマンサク(紅花常盤満作)


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あれ、形状と咲き方がマンサクに似ている・・・。でもマンサクは黄色のはず。咲き方もマンサク特有のチラチラではなく、びっしり〜。チアリーダーが赤いボンボンを振っているみたいです。葉っぱは茶色だけど、これから緑になっていくのだろうか。調べてみると・・・

マンサクの変種にあたり、紅紫色の花を咲かせます。葉が赤紫になる「銅葉」と緑色の「緑葉」があります。美しい花色で鑑賞価値も高いことから、庭木にも広く利用されています。また、葉が密に茂り樹高も低く抑えることができるので生垣に用いることもできます。ベニマンサク(マルバノキ)という樹木もありますが、これは別種です。(ヤサシイエンゲイ)


桃白娘


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桜に似ているが違うよなあ〜、調べて分からなければ権師匠に聞こうということでパチリ。翌日、師匠から返事が来た。「竹箒を逆さにしているような枝ぶりなら、まず「テルテシロ」だろう」と。そうそう、そんな形状だった。別名「シロテルテ」とも言うらしい。これは桃の仲間で「照手桃白/白照手桃」。どっちもどっち、漢字にするとさらにややこしくなり、記憶しようとすると脳が押し出す。そうだ!(^^; 桃白娘と覚えよう〜♬


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この木の枝にぶら下がっていたミノムシ君
なんか、久しぶりに見たなあ〜


ヒトリシズカ(一人静)


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あいにくの雨と昨夜のスッキリしないヨルダン戦の影響か、いまひとつモチベーションが上がらない。「サクラサク」のタイトルが消えてしまった。というわけで、こんな雨の日は「一人静か」。週末の砧で見つけた。ヒトリシズカといいながら、いつも群生しているので、見つけると「おっ、ミンナシズカ」と冷やかしている。例年なら4月から5月頃に咲く花なので、都内とはいえこれも開花が早い。名の由来は「一本の花穂を磯禅師の娘で源義経の愛妾である静御前が、一人で舞う姿に見立てたもの」とあった。そうかねえ〜。



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ヨルダン戦が始まる頃、四谷の土手の満月桜


オオシマザクラ(大島桜)


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例年だとソメイヨシノが咲き始めてから、オオシマザクラの開花が始まると思っていたが、今年は早いようだ。寒い日が続いて梅やマンサクはゆっくりと咲き、暖かくなると順番を待てないレンギョウやユキヤナギなどが、桜と一緒に開花スタートラインに並んでしまった。
さてご存知だろうか。このオオシマザクラの葉だけが、あの芳しい桜餅のグルリになっていることを。塩漬けにされた葉っぱは、甘〜いアンコをより引き立たせて、和菓子党を喜ばせる。最近は「長命寺」と「道明寺」がセットされているのもあり、二個一緒に楽しめる。


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これは関東風の「長命寺」


砧公園


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久々に砧公園で花見客見物?をしてきた。こんな具合です。この公園の芝生はよく整備されて広く、桜の木はどれも驚くほど大きい。というわけで、近隣以外からも人が続々と集まる。曇り空もなんのその、いろんなグループがシートの上でお喋りと食事を楽しんでいる。世田谷ということもあるのか、時代が違うのか、じつに皆さんお上品な酒盛りなのだ。昔はフラフラしていたオトッツァンが一杯いたよなあ〜と思いながら、平成の幸せな週末の中を歩いた。


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なぜこんな細い枝からこれだけの花が吹き出るのだろう


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神田川ナウ・・・砧に比べるとちょっとしょぼい


貝母(ばいも)


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昨日のスノーフレークのそばにこんな花が咲いていた。先日の歌会で、この花は「貝母」であると歌会仲間から教わった。「貝母」を「ばいも」かあ〜。何とも不思議と思って調べると、別名「編笠百合(あみがさゆり)」。ユリ科の多年草。高さ約50センチ。春、薄い黄緑色で鐘形の花を下向きにつけ、内面に紫色の網状の模様がある。地下茎は厚い鱗片(りんぺん)からなり、漢方で貝母(ばいも)といって薬用。有毒。はるゆり。

たしかに網目模様の深い編み笠の形をしているから編笠百合は分かる。しかし「貝母」の字はどこからきたのか。さらに調べると、地下にある茎が二枚貝のようになっている、又は蛤に似ているからという説が有力らしい。日本固有の百合で、万葉集にも詠まれていた。


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この姿から、歌ができそうですか!?


神田川ナウ



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北日本は今日も雪だというのに、都内のアチコチでソメイヨシノが咲き始めている。日本列島の長さというか、自然の多様性をしみじみ感じる。アササンの神田川コースでは、三分咲きの桜を見上げながら歩く旧お姉様たちのお喋りが満開だ。これも毎年のことで、花を啄むヒヨドリの鳴き声になんかに負けてはいない。日本のご長寿はこうしたアササンからつくられているのかもしれない。


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さてこの時期は、桜ばかりに目を向けていてはいけない。地上の花たちも囁き始めている。これからは役者が揃って、ネタ不足の冬の「歩キ眼デス」も終演なり〜。


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ズランを思わせるようなスノーフレークもお目見え


ミモザ


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近所にあった二カ所のミモザの木が、どういうわけか切られてしまった。これは寂しいもので、ミモザのあった箇所にチラリ流し目を送って通り過ぎていた。花粉を飛ばすからかもしれないと誰かが言っていたが、果たしてそうだったのだろうか。
ところが週末、歌会で歩いた杉並区の住宅街でなぜかミモザをよく見かけた。多くが玄関の門柱辺りに植えられていて、黄色のぼんぼりが温かい雰囲気を醸し出していた。春の風にフワフワと揺れて・・・やはり良いね、ミモザは。


新宿御苑


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左下の女の子の所作が可愛くて、ついつい目がそちらへ



お天気に恵まれた週末の新宿御苑で、吟行歌会の仲間と春の午後を楽しんだ。わずかの間に暖かくなったことで、春の花が次々に綻び、ハクモクレンやカンザクラの下には多くの人が集まっていた。キブシ、トサミズキ、レンギョウ、マンサク、ユキヤナギ、枝垂れ桜、河津桜、水仙、ハナニラ・・・。たぶん今週末から、ソメイヨシノも咲き始めるはず。
あそこにも、あそこにも・・・行きたい見たい桜が年々増えて、困る。



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空に花を向けて咲き誇るハクモクレン


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咲き始めた白の妖艶、ユキヤナギ

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珍しいトサミズキの花


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この枝垂桜をモチーフに詠みました



花粉晴れ


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マスクとゴーグルをかけているような雲にも見えたりして


複雑な思いを言葉にした・・・「花粉晴れ」。花粉さえなければと我が体質を呪い、地団駄を踏ませるような恨めしい青空。カーテンを開けた瞬間にヤバいと感じさせる笑顔の空・・・。
その空につい愚痴ります。お前は知っているか。春雨を歓迎する人たちが、どれだけいるかをと・・・。


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オッタチカタバミの花も咲き始めました


白い沈丁花


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ウ〜ム・・・良い香り。風に運ばれて、沈丁花の心躍るような甘い香りが辺りに広がっていた。いつものアササンコースには赤い花ばかりなのだが、この陽のあたる一画には白花が咲いている。秋の金木犀に対して、春はこの沈丁花が、芳香力の強さでは一番かもしれない。
花粉と黄砂、PMさえなければ、幸せな春の気分なのだけど・・・。


天気晴朗なれど


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山茱萸(サンシュユ)の花が咲きはじめた


風が凄い。どこにこんなに残っていたのか、枯れ葉が集められて、路上に舞い上がっていた。それとゴミ収集日にぶつかったのだろう。車道にまで紙やビニールの袋が舞っている。この時期は、春一番が吹き荒れた後も寒の戻りがあったり、短い雨とおかしな陽気が続くものだと分かっていても、今年は何かめまぐるしいように思う。四季の豊かな国だから仕方がないのか。もうすぐあの風薫る季節がやってくる・・・舞っても、俟っても、待つことにしよう。


サクラサク


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入学予定の中学生だろうか。父母と正門から出てきた。皆重そうなバックをもっているので、教科書一式がその中に入っているのかもしれない。どの親も若々しい。ここは明治大学付属高等学校の前。入学を祝うかのように、一本の早咲きの桜が満開で、見上げる誰もがほころんだ顔になる。ここから東中野駅までの沿線にソメイヨシノの並木が続く。
さて?である。何故この正門前の一本だけが早咲きなのか。怪しいのだ。想像してみた・・・ある晩、切れ者といわれる教頭が早咲きの苗木一本をもって土手に入り、ソメイヨシノの苗木と取り替えたのではないかと・・・。


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煙霧


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わざわざ中国まで行かなくてもその気分が味わえるではないかと、昨日茶褐色に染まった空を見上げながら、苦々しく帰宅した。すると夕方のニュースで、黄砂ではなく煙霧(えんむ)だという。「えっ、何ソレ!?」。北風と南風がぶつかることで発生する気象現象・・・。目と鼻を黄砂にさんざん痛めつけられたと思っていたが、なにか煙に巻かれたような解説。しかし春は、色んなものが飛んでくる・・・ズルズル。


我が足


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これはオーダーメイドの我が登山靴。日本の名だたる登山家が注文していたこの靴を手にしたのは、今から15年ほど前。足に合った靴が欲しくて、当時四谷にあった登山靴専門店「タカハシ」を訪ねては、老職人が説明する登山靴のハウツウに聞き入った。決心したのは訪れて三度目。我が素足に触れて、身長や職種、生まれを北!と、彼が当てたからだ。もうこの人に任せようとお願いをした。外形がほぼ決まって、完成前の靴に足を入れてみると、その包み込まれるようなフィット感に驚いた。革の厚さは5ミリ、重さが片方1200グラムある。えっ!と思われるかもしれないが、登山靴は、頑丈で重いからこそ足は守られる。指、足首がガードされることで疲れが軽減して、どんな道でも捻ったりすることはない。
もうどのくらいこの靴と山を共にしたことか・・・。もうすぐ出陣だ。


松田山


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今週紹介してきた花は、どれも小田原の松田山ハーブガーデンで撮影したもの。菜の花やロウバイは終りを迎えていたが、梅と桜はまだ二分から三分咲きだった。たぶん今週末から見頃となり、夕方からはライトアップされるはず。花も良かったけれど、小田原市外が見おろせる景色も素晴らしい。とくに夕日が富士の稜線に沈む僅かな時間に、空の色が変化し酒匂川が光りはじめる。おすすめです。
・小田急「松田駅」から「松田山ハーブガーデン」までバスが期間中運行しています。


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★さて権師匠から新たな天文ニュース!
 なんと、パンスターズ彗星が週末に最も地球に近づきます。

 詳しくはここで ⇒ パンスターズ彗星


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まだ咲いてるバイ


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桜の前に私たちでしょう〜と梅がまだ咲いている。冬が寒かったせいか、いつもより遅く咲き始めた。気象庁の発表によると平年より遅れた所が多く、遅い記録を塗り替えた地点もあったそうだ。しかし冬の寒さが厳しいほど、花は美しくなる。昨年の桜もそうだっただろうか。
もしかしたら震災のこともあったので、ことのほか美しく感じたのかもしれない。花をゆっくり楽しめるということは、幸せなことだと思う。


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                                先日の歌会で、こんな素敵な梅の歌に出会った。


                                白梅の
                                ちいっちゃな つぼみ
                                ポップコーンが
                                はじけるように
                                咲き始める


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八重


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会津は父方の故郷ということもあり、今年はNHKの大河ドラマ「八重の桜」を真剣に観ている。そんなこともあって「八重」と聞くと、どうしてもココロ騒ぐ。八重を演じる綾瀬はるかの「ありがとなし」とか「だけんじょも・・」などのまあるい会津弁を聞いていると、ココロがゆったりと満たされていく。そうだ、あの映画「たそがれ清兵衛」を観た時も、たしかそうだった。庄内弁と会津弁は、もともとは違うのだろうけど、東北地方特有の訛りに反応するのは、カラダのどこかに内陸系のDNAが棲みついているのかもしれない。

八重で話がそれてしまったが、水仙はシンプルと思いきや、この八重咲きを含めるとかなりの種類がある。原産地は地中海沿岸で、室町時代以前に、中国を経由して日本に入ったらしく、品種改良の中心地は栽培に気候が適しているイギリス。オランダ、日本がそれに続いているとあった。


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春の小川でも歌っているのだろうか


河津桜


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河津桜を一度くらいは見ておこうと、小田原市内と相模湾を一望できる松田山を訪ねた。河津桜はオオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑種であると聞いて、意外な印象だ。というのは、早咲きで淡紅色、そして花の量が豊かで開花期間が長いというのだから、どう考えても人工交配種だろう。なんか腑に落ちんなあと、枝を見上げると、なんだか派手好きのお姉さんといった感じがする。枝につく蕾の数が半端ではないくらい多い。満開になると千人風呂と言われる青森の酸ヶ湯温泉で、ギュウギュウ詰めの女子大合唱といった雰囲気だろうか。好き好きかもしれないが、このタイプの桜はちょっと苦手・・・かも。


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飛んで来たメジロを撮ったつもりが、動きが早く行方不明。残ったのはスゴイ蕾たち


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河津桜のこと
1955年に飯田勝美が静岡県賀茂郡河津町田中で原木を偶然発見したことが由来である。当初、発見者の飯田氏の屋号から「小峰桜」と地元で言われてきたが、その後の学術調査で新種と判明し、1974年に「カワヅザクラ(河津桜)」と命名され、1975年に河津町の木に指定された。現在も原木はこの地に存在し、2007年現在で樹齢50~60年である。また、1968年頃からこのサクラが増殖されるようになった。


こっちをムクドリ!


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これはモズの仕業のリンゴの「はやにえ」か!?なんて、思いながら、このリンゴを枝に刺したモズ人間を探してみる。たぶんこのリンゴが見える二階のベランダあたり?と見上げてみると、カーテンが閉じたまま。この散歩道にもう一カ所、柊の枝にもリンゴが刺してあった。同じようなリンゴだけど、鮮度が少しばかり違う。もしかしたら、同じ人が刺したのかもしれない。餌の乏しい季節だけに、鳥たちにはありがたいよなあ・・・。
さてこのリンゴをムクドリ四羽が食べていた。グリーン色の派手なダウンを着込んでいたせいか、警戒してしまい餌に近寄ってこない。
「こっちをムクドリ!」と念じたが・・・シカトしたままなので諦めた。


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寒緩む


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二月も終り。年が開けて、あっという間だ。お屠蘇気分などあったのだろうかと振り返れば、記憶だけが遠くにあって、何かが変わったということもなく、数え年だけが一つ増えている。行って、逃げて、去っていく・・・そして桜が咲いて、良いんじゃない〜。そう、それで良いのかも。寒さを強く感じる歳になってくると、時計の針さえ進めたくなるし、何かにつけて流されやすい性格なのだから、花綻ぶまではこのペースで流されても良いのだ〜と。まだまだの蕾を眺めながら、寒さが緩んだ日のアササンはやはり嬉しい。


トリコローレ


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ラーメン屋や寿司屋の応援するわけではないが、イタリア料理店はいいよなあ〜と、この三色旗トリコローレを見るたびに思う。一体誰が最初に「イタリア料理店ここだよ」とぶら下げたのだろうか。素晴らしいアイデアだと思うのだが、イタリア人がこれを見るとどう思うんだろう。


レッドロビン


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今日は寒かった〜。今年は例年になく寒い日が多いように思う。アササンしていても、春をなかなか見つけられない。そんななか、このレッドロビンは、わずかな温かさにも反応するかのように、新芽を脹らましていた。もともと生け垣用に交配されて生まれた品種だから、この寒空でも平気なんだろう。ヤブ椿が花を落していくなか、花のような赤い新芽には、春の息吹を感じる。

さて今日はISSの観察DAYです。
★東京では・・・19:10:57/西北西 〜 19:14:11/南西 〜 19:14:29/南
よく見えそうです。

沙羅ちゃん


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おい、決めてくれたぜ〜♬


「前畑ガンバレ」から早77年。女が泳ぎ、やがてマラソンを走り、そして今やスキーのジャンプだ。「イカン!もう二時過ぎている!」と焦りながら、ノルディックスキー世界選手権の「ジャンプ混合団体」という競技を最後まで観てしまった。男子複合団体4位の悔しさを晴らしてくれるかのように、金メダルをビシッと決めたのは、この日の最長不倒記録を出した沙羅ちゃん。大ジャンプを決めた後も、ポワ〜ンとしていて、これがじつに好いのだ。キミはスポーツ選手なのか!?優勝がアナウンスされた後も、先輩女子選手が泣いている横でニコニコしている姿は印象的。まさにサラッと勝ってしまう沙羅ちゃん。努力を感じさせないようなあの笑顔に、いま痺れている。撫子のサッカーに続いて、女子ジャンプの底辺も広がるのではないだろうか。



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これは先日の女子ジャンプでの準優勝



日本の面(おもて)



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目の位置を動かしても問い続けてくる、狂言面「福の神」


少し前あるコンサートの帰りにひょいと立ち寄ったのが「日本の面(おもて)展」。意外や意外、これがじつに面白かった。能楽は世界に誇る伝統文化だが、そこで使われている面100点ほどが展示されていた。どれも能や狂言で使用される面ばかり。じっと見つめていると、こちらを見透かしているような眼差しなので、しばしにらめっこ状態が続く。とくに笑っている面と対峙すると、何かを問いただしているようで、長期戦になるとどうも不利だ。思わず「スマン!」と呟いて、立ち去ることになる。展示されている面は全て愛好家による手づくりの作品ばかり。いろんな創作の世界があるものだ・・・。



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悪には見えないよなあ〜。狂言面「武悪(ぶあく)」


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いいね、能面「若女(わかおんな)」


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これが一番のお気に入りでした。狂言面「乙御前(おとごぜ)」


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コンサート帰りの人たちで盛況だった



記念撮影


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雪祭りが終わった札幌の市街は、心なしかノンビリしていた。時計台や道庁の前では、家族や恋人たちが楽しそうに記念撮影。そこで面白いことに気がついた。オーバーアクションでポーズをとる人たちは、ほとんどが外国人なのだ。たぶん台湾や中国の人たちだろう。写真好きな国民性なのか、思わず笑ってしまうようなポーズをとる。写す方もしきりになにか指示をしている。可笑しくて、ぼんやり見ていた。別に恥ずかしがることもなく、撮り終えるとカメラを覗き込み、笑いあってから消えていった。



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道庁の前に大きな雪だるま。台湾の人は雪が珍しいらしい


写真は自分たちのために残すものだが、時代を経て、いつか子どもや孫たちが見たときには、違う姿を標している。この歌を思い出した。

よそゆきを着せられ
よそゆきの顔して
立っている
写真の裏に 満三歳
父の字が元気



サクラマス


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妹のつれ合いである、ソーちゃんが「来たら食べてもらおうと思って・・・」と自ら釣ったサクラマスをご馳走してくれた。海好きの彼はヨットマンで、仕事の合間に北海道中のヨットレースの大会に参加している。こちらが山なら、彼は海。フィールドが違っても、お互いスポーツが好きだから、話がよく合う。さて肝心なこのサクラマス。今回の旅では、タラバガニ、ツブ、ホタテ、ホッケと美味しいものを沢山いただいたが、最後に登場したサクラマスの刺身は絶品だった。濃厚にして繊細。舌に絡まってくるような甘い触感は、じつに官能的でじんわりと悦びが脳へと広がっていく。あ〜どの酒と合うのだろうと、銘酒の名が頭を過っていく・・・。なんとも北には、まだまだ隠れた味覚が眠っている、たいしたもんだ。このサクラマス、鮮度が良くなければ刺身には出来ないとのことだった。


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釣れたら引きが強いだろうなあ。開高健が見たら、何というだろう・・・


餌台



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そっとカメラを向けても、気づいて飛び立ってしまう



弟が作った鳥の餌台に、妹がいくつかに切り分けたミカンと種子らしき餌をバラバラと蒔いた。聞けば毎朝だという。餌台は、母がソファから観察できるようにベランダの角に設置してある。餌台の作りを見ると、粗野だがなかなか趣きがあって、母と鳥たちへの愛情がこもっている。柱を補強しているのか、アール状の枝が優しい。
餌台のことをすっかり忘れて、ストーブのそばで微睡んでいたら、外が何だか騒がしくなった。カーテンの隙間から観ると、二十羽ほどの雀が喧しく餌を啄んでいる。これは面白い。啄むたびにキョロキョロするもの、一心不乱に啄むもの。どれも個性的だ。しばらくすると一斉に飛び立ち、スッと一匹のヒヨドリがやってきた。こいつはミカンが好きだ。雀たちは、そばの松の枝で大人しく待っている。テレビをぼんやり見ているよりもよほど面白い・・・。カササギ、シジュウカラ、カラスまでやってきた。純粋の田舎育ちなのだろう。カメラを向けると皆飛び立っていく。警戒心が強い。


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これが結構大きい。台を入れると、左右70㎝くらいはある


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スズメ目カラス科のカササギ。一説によると韓国からの貨物船で持ち込まれたという


歌舞伎|江戸の芝居小屋


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サントリー美術館で開催されている「歌舞伎|江戸の芝居小屋」を観てきた。新歌舞伎座のライトアップの試験点灯が昨日から始まったが、この企画展は第五期歌舞伎座新開場を記念したもので、歌舞伎の変遷がじつによく分かる。浮世絵だけでなく舞台衣装や役者絵なども展示されていて賑やかな構成だ。とくに国貞の描く団十朗(五代目、七代目)半四郎(五代目)菊之丞(三代目)など(何とか覚えている)の役者絵なんかは、いかにも本人に似ているようで可笑しくなった。そして舞台風景の絵では、役者の姿よりも桟敷で見ている庶民の振る舞いが様々に描かれていて、賑やかな江戸っ子の様子を伝えている。「あ〜この時代に行ってみた〜い!」と、ワープしたくなること、間違いなし。

*明日から18日まで、ふるさと札幌です。

チーズフォンデュ


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ャ〜ン! マイフォークに好きな具を挿してチーズフォンデュの始まり〜♬


一夜明けても真青な空。今日の最大の楽しみは、森の中でのフォンデュ。直ぐに食べられるようにとフォンデュ最高責任者Tさんが、部屋で野菜の下茹を済ませている。「チーズと白ワイン、フランスパンと赤ワインね」などと、指差し確認しながら外へ。コースはホテルから一時間ほど登る高峰山だ。すっかり慣れたスノーシューを付けて、眩しい雪のなかを進む。動物たちの足跡、風紋、木の実などを見つけては、みんなで雪のなかを自由に歩く楽しさを満喫する。陽がサンサンと注ぐ尾根をしばらく歩くと高峰山頂。目の前に広がるのは小諸市内。その遥か向こうには雪をつけた北アルプス。う〜ん、良い日に来たよなあ〜。小さな社に手を合わせてから下山を開始。途中にチェックを入れておいた場所で、いよいよチーズフォンデュじゃあ〜。


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これは雪ウサギの足跡。枝先の木の芽を食べている


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コメツガの実だろうか〜


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ほら、宿から近いでしょ。高峰山は花の名山に入っています


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北アルプスがはっきり見えます


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これはおまけ。望遠で撮ったら、谷川岳まで見えました


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これに弱い・・・ロビーにあった薪ストーブ



スノーシュー


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バスでちょっこし居眠りをしていたら、標高2000メートルの高峰高原は銀世界だ。雪の上に一歩を標したのは朝10時前。早いねえ〜。山を見上げると、前日の雪だろうか?木々に雪の花が咲いて、じつに美しく、目映い。しかし寒〜!マイナス10度くらいだな。歩くと雪面からキュッキュッと高い音が響く。久しく聞いていなかったから、なんだか懐かしい。リュックを預け、山歩きの準備をしてスノーシューを装着。全員が初体験だ。いいね。「初めて」は、いくつになってもドキドキして楽しい。スノーシューは「西洋かんじき」。足元に力強さを感じて、何だかロボコップになったような気分だ。新雪めがけて歩き始めると、お〜凄い!沈まないではないか!
みんなと相談して、チーズフォンデュは翌日に廻し、まずはスノーシューに慣れようということで、ホテル前に立ちはだかる黒斑山(くろふやま/2404メートル)を目指した。



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靴に雪が入らないようにスパッツを付けてから、スノーシューを装着


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雪に沈むことなく、グングン進める


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樹氷で覆われた黒斑山の山頂が見える


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しばらく進むと浅間山が「イラッシャ〜イ」


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黒斑山の最大の難関「トーミの頭」。谷側に落ちると、サヨ〜ナラ〜


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二時間半で山頂に着きました(^O^)/ 標識も埋まるほどの積雪


アルキミクス


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これが、雪深い森や急坂もグイグイ歩ける「スノーシュー」


「歩く、食べる、見る」のアルキミクスで心身の活性化を!ということで、標高2000メートルの高峰高原の山々をスノーシューで歩き、チーズフォンデュに舌鼓を打ち、ワインを呑みながら遥かなる雪山に思いを馳せる。そんな雪山の旅を楽しんできました。
今回のメンバーは、山系男子四名と歌会の紅一点とのスノーシューコラボ。この時期、予約が難しい宿に、年明け早々連絡を入れるとキャンセルが出たばかりだとか。ラッキーとばかりすぐに予約。当初は歌会の予定だったが、2000メートルの雪山に怖れをなしたか、参加者はひとり。山系男子に助けを求めると、次々に名乗りが上がりすぐに定員に。さてどんな旅になったかは、アシタノココロ。


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一年に数度あるかどうかの快晴と、ガイド氏が言っていた。絶景!浅間山


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佐久平駅から高峰高原ホテルまでバスが直通。ロビーからは
富士山、八ヶ岳、甲斐駒、中央アルプスがクッキリと見えた


パピルス


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これも珍しい。神代植物園の温室のなかでパピルスの花が咲いていた。水辺などで見かけていたが、花は初めて。カヤツリグサ科の多年生植物で、茎の繊維は紙の原料となる。紙を意味する英語の「paper」やフランス語の「papier」などは、この「papyrus」に由来する。


風が強いので、今夕にISSが見られそうです。

◎8日 18:15:14 南 〜 18:18:30 南東 〜 18:20:11 東北東
○10日 18:10:37 西南西 〜 18:13:51 北西 〜 18:16:42 北東



カカオ



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なんである?。カカオである。枝ではなく、幹に。それもまあこんな、しがみつくようなお姿で。大きさは大人の拳くらい。このなかにカカオマメ(cacao beanns)が20〜60個入っている(らしい)。マメというがマメ科の植物ではなくアオイ科。バレンタインデーが近づいたので、カカオマメからチョコを作ってみよう〜、というわけではなく、神代植物園の温室のなかで偶然見つけた。オクラの実の付け方もスゴいが、このカカオも蝉みたいでなんか可笑しい。
そういえばオクラもアオイ科だった。



「帰ってきた寺山修司展」


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二階の展示室に向かう前に、「短歌の森」を思わせるようなこの部屋に入って、その仕掛けに驚いた。いくつも下がる懸垂幕には寺山の代表的な短歌が書き込まれていて、それを朗読しているのは、なんと寺山自身だ。闇のなかから聞こえてくる抑揚のない声には、なにか大切なことを伝えようとする響きがあって、気がつくと朗読の歌を探しながらこの中を彷徨っていた。
この仕掛け、もしかすると寺山自身のアイデアだったのかもしれない。
没後30年を記念したこの展示会には、初出品となる高校時代の貴重な書簡や中学時代の幻の文芸誌「白鳥」など、約500点の資料で構成されている。



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寺山修司展


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寺山修司・・・修司・・・シュウジ。そうだ、太宰の本名も修治、シュウジだったと、やや蒼白に見える十代の寺山青年の写真を見て、その不思議な偶然に気がついた。端正でありながら、ちょっと自信無げな二人の表情を重ねると、ふたりの天才を生んだ青森のやや暗い冬の空を思い浮かべた。
寺山の溢れ出るキラ星のような言葉は、俳句や短歌、戯曲となり様々なジャンルの人たち、そして若者を魅了していく。世田谷文学館で開催されている「寺山修司展」は、中学時代の貴重な文芸誌や高校時代の俳句や書簡を並べて、創作活動の原点ともいうべき青春時代を紹介し、その後の寺山修司の足跡を辿っている。いやはやその点数と言葉からのエネルギー・・・一度熱を冷ましてから、もう一度行こう。


権師匠から久々のISS情報です

◆久々のISS情報・・・やっと夕方パターンになりました。
◎8日 18:15:14 南 〜 18:18:30 南東 〜 18:20:11 東北東
○10日 18:10:37 西南西 〜 18:13:51 北西 〜 18:16:42 北東
以上東京データですが、関西方面は7日から10日の4日連続◎です。
下記JAXAサイトで観測地を選び、ご覧下さい。


立春


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先週末から、春を思わせるような暖かさ。立春の今日は、父の命日、そして娘の誕生日が重なるので毎年不思議な気持ちになる。暦の上ではもう春と言われても、明後日に雪の予報が出ているわけだから、おいそれと喜んではいられない。それでも待ち遠しい春をどこかで見つけては、人は喜ぶ。今朝、こんな短歌を見つけた。

雪かきを終へたる夫は頬を染め雪は重いと言ひつつ燥(はしゃ)ぐ

間違った解釈かもしれないが、雪国育ちの人間が詠むと、この夫婦に春の訪れを楽しんでいる姿を重ねてしまう。人はいつも春が待ち遠しい。
神代植物園の帰り、心にも潤いを忘れずにと娘にプレゼントしたサクラソウ一鉢。しかしいまひとつ感動がなかった。きっと花より団子らしい。


薮椿(ヤブツバキ)



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記憶がゆっくり戻ってきて、とどまった。娘が入学する小学校がここかと見上げた時も、このヤブツバキの花が咲いていた。もう小学生か・・・と感慨深く思った(はずだ)。その娘がもう、就活だという。月日の流れるのはなんとも早い。少子化がこの地域にも押し寄せ、小学校や中学校が統合されて数を減らしているらしい。娘から小・中の両方を無くした子もいると聞いていたので「おい、いつまでもここで咲き続けてくれよ」と願ってしまった、アササン親父の一コマである。

根気力


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後楽園ドームでキルト展を観てきた。毎年感じることだが、どの作品からもとてつもないエネルギーが伝わってくる。多くが縦横2メートル以上の作品ばかり。様々な色や柄の布に、糸が細かく無数に無尽に走っている。この根気はどこから来るのだろう。大作の前では、そのスケールと細やかな手仕事に打ちのめされ、ため息が出て、頭が下がる。


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とくにこの作品のコメントを読んで驚いた。「70才を機に、思い出の多い故郷の風物を作品にした」とある。もうキルトは生き方そのもの、作家の魂もキッチリと縫い付けられているのだ。根気は日本人が育んできた心の一つ、そう思った。
それに比べて「アベノミクス」のなんとお手軽な経済政策なこと。余り布を活かして時間をかけ縫い付けてきた先人の技を思うとき、二世ボンボン政治家たちの目先に走った「いまがよけりゃ策」に危うさを感じてならない。


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グランプリの作品


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その一部!ビルのラインは全て糸だ


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葉っぱ一つひとつへの優しさ・・・虫喰いもあるぞ



茨木のり子


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図書館である本を探していたら、詩歌の本棚で「茨木のり子の家」という一冊を見つけた。隣には以前二度ほど借りた「倚りかからず」があるのだから、きっと長く留守をしていたのだろう。心をときめかせて本を手に取る。想っていた人が突然現れた時のような空気がフワッと包む。シンプルな表紙。じっくり眺めてから、最初の一ページを開く。彼女が使っていた眼鏡の写真が絵画を思わせるような色調で飛び込んでくる。前半は写真集。彼女の家はやはりこんなだったのかと思わせる、モダンな室内と趣味の良い家具や食器の数々、そして自筆の原稿・・・。この家からあの凛とした詩のいくつもが生まれたのだ。亡くなる前に書かれていた詩「遺書」に目を通せば、先月に亡くなられた歌会の先輩Iさんと重なり、胸が痛んだ。



「遺書」

このたび私'06年2月17日クモ膜下出血にて この世におさらばすることになりました。

これは生前に書き置くものです。

私の意志で、葬儀・お別れ会は何もいたしません。

この家も当分の間、無人となりますゆえ、

弔慰の品はお花を含め、一切お送り下さいませんように。

返送の無礼を重ねるだけと存じますので。

「あの人も逝ったか」と一瞬、

たったの一瞬思い出して下さればそれで十分でございます。

あなたさまから頂いた長年にわたるあたたかなおつきあいは、

見えざる宝石のように、私の胸にしまわれ、

光芒を放ち、私の人生をどれほど豊かにして下さいましたことか...。

深い感謝を捧げつつ、お別れの言葉に代えさせて頂きます。

ありがとうございました。




*2月19日に訪ねてきた親戚が、死亡しているのを発見した。


冬のアベリア


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おお〜もう花が咲いている。と思ってよく見ると、雄しべ雌しべがない。何だろうと思っていたら・・・待てよ・・・ついこの前まで、これに白い花が咲いていたではないか。もしかしたら、これはガク!? そうだ、アベリアだ。
花が落ちて、この淡紅色のガクだけが残っているのだ。開花期間が半年以上もあって、その後もこんな色で楽しませてくれる。まさに生け垣の王者!。乾燥に強く、虫がつかず、汚染に強くて肥料なしでも良く育つ。
あ〜こんな相棒が欲しい。


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花が咲いていると、こんな


それ好いカモ


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どんなひそひそ話をしているのか。「まだまだ寒くなるのカモ」「なら、雪見ながら温泉が良いカモ」「トーゼン熱燗カモ〜」なんて言っているのだろうかと、カモを見ながら雪の景色と旨い日本酒を想う。JRの車内誌に載っていたハタハタ鍋のグツグツ写真が時折、頭をよぎる。カモも好いがハタハタのホクホクが舌の上で踊る。


陽気に誘われて


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沈丁花の蕾がもうこんなだ。いったい寒いのか温かいのか、分からなくなる。日が当たってスイッチが入ってしまうと、一気に開花がすすむのだろうか。まだ椿の蕾を見かけるというのに、何となく不思議だ。こちらも陽気に誘われて、思わず手にしたのがこれ。どんな味を想像しますか?



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居るだけで、食べるだけで・・・


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「男は喰いもののことでガタガタ言うな」と作家伊集院静が言っていた。なるほどと思い、ブログにもほとんど料理のエピソードなど書いてこなかったのだが、好い店を見つけた時は自慢したくなる。野菜のおいしさを引き出す料理を好むようになってから、最近薬膳系のランチをときどき楽しんでいる。そして偶然見つけたのが、渋谷駅に近いこの店。隠れ家のようにビル街の一角にポツンとあって、デッキで食事する人にはストーブとブランケットのサービスがついている。選んだ料理は10種類ほどの野菜を蒸しただけのシンプルなもの。
旨い!
お店の名前は「daylight kitchen」。店主は音楽家でピアニストで・・・・。
よろしければ訪ねてみてください。今年一番の嬉しいお店の発見でした。


小石川後楽園−3/枝垂桜


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この枝垂桜が満開になると、どんなだろうと想像した。福島県三春の滝桜や京都祇園の枝垂桜ほどの賑わいはないだろうけど、花が流れ落ちるような様はさぞかし見事だろう。なぜ桜は人を魅了させるのだろう。多くの日本画家たちを引きつけ、花びらの一枚一枚まで丹念に描き上げさせた桜たちを思い浮かべた。



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小石川後楽園は、梅、桜、藤、そしてカキツバタ、菖蒲と初夏までの間に花が次々に咲き誇る。こんな食事処から枝垂桜を楽しめます。

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小石川後楽園−2


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園内には、ロウバイ、ヤブツバキ、冬牡丹などがひっそり咲いていた。ロウバイは梅林の奥にあるのでちょっと分かりにくい。多くの人が梅林の道を選んで通り過ぎていく。もったいない。このロウバイたち、雪を被って咲いていたのだろう。どの花も直射を避けるように下向きに咲いている。ほんのり甘い香りが、柔らかい日差しとよくあって、至福の時間をつくる。


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庭園は愛でる愉しみを優先して造られているので、生態が優先される植物園と比べると、伝わってくるものが違う。東大の小石川植物園の木々はどれものびのび。こちらは木々の手入れも常に目線。梅も当然、目の高さで花を楽しめる。咲き始めは二月に入ってからだ。


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日当りの良い場所に冬牡丹が咲いていた



小石川後楽園


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氷が融け、雪を挟んでの映り込みが、冬ならではの景色をつくっていた


小石川後楽園を訪れるのは、35年ぶりくらいだろうか。周辺をひと回りしてみると、記憶に残っているのは日中友好会館だけで、それさえも大きなビルに変わっている。昔は低層の建物が並ぶなかに、ひっそりとこの公園はあった。当時この近くに印刷所があって、試し刷りが上がるまでの待ち時間を使い、園内をぶらつきよく本を読んでいた。たしか入園料は無料だったはずだ(と思う)。歌会の先輩Sさんが、最近ここを褒めていたことを思い出し、大寒の昨日、暖かくして訪れた。


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こんな茶屋がいくつか立っている


江戸の初期1629年水戸徳川家の中屋敷として造られた庭園で、二代藩主である光圀の代で完成した。中国の庭園様式を取り入れ、園名も「岳陽樓記」という書にある「天下の楽しみに後(おく)れて楽しむ」からつけられた。国の特別史跡と特別名称という指定を受けている。


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ボランティアガイドが分かりやすい説明していた


入ってその広さに驚いた。あの頃ちゃんと歩いたのだろうか。お隣の東京ドームの約三倍の敷地面積だというのも初めて知った。総ての道を歩いたわけではないが、撮影をしたりバードウォッチングしていたら、なんと園内を約二時間も歩いていたことになる。
景色を見て感心したことが一つあった。金沢の兼六園と同じように雪の降ることを計算し、主だった木への配慮が、冬の景観をさらに美しくさせていたことだ。それは、命が眠りにつく冬の厳しさと静けさを、上手に受けいれようとする先人たちの知恵なのだろう。人の少ない冬の公園歩きはなかなか楽しい。


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どうしても周辺のビルが池に映りこんでしまう


入園料は大人300円。65才以上は150円とリーズナブル。席亭「美都屋」の松花堂弁当は、18種類のお惣菜が入って、お値段がなんと630円。窓辺で景色を見ながらのお味も素晴らしく、おすすめ。


山茶花


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タイミングがずれてしまい、お蔵入りしそうな写真を救済しました。山茶花です。さて椿との違いはどこなのか。見るたびに思います。まずは開花時期が違う。山茶花が終わって椿。そしてパラパラ散るのが山茶花で、ポトリが椿。ここまでは誰もが知っている。
大胆な違いとしてこんな識別法があった。原則として山茶花は白花で、椿が紅花。本当かね〜。まあ原則としてだから、良いのかな。山茶花が散り始め、固かった椿の蕾も少しほころんできました。寒さが遠のく頃、一気に開花しそうです。




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さてこの年賀状ですが、もなかの使用のお礼を添えて、森八の女将にこれを送っていたところ、一昨日に返事がありました。「今年もなか良く お願いします」。この蛇玉マークは森八のロゴマークにもなっていて、388年の歴史があるそうです。



コブクザクラ(子福桜)


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白い八重の桜を見つけた。表示に目をやるとコブクザクラ。花びらの真ん中に切れ込みがあるのが特長で、この桜も冬と春に二回咲くとあります。なんでこんなハッピーな名前がついたかというと、一つの花から二つ以上の実ができる(子宝に恵まれる)そうで、そういえば雌しべが二つある(ように見える)。


「文展から日展へ」


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山種美術館で奥田元宋と高山辰雄二人の生誕100年を記念する作品を観てきた。雪の到来があったので一日遅れの報告になってしまったが、味わいの深い日本画展だった。この二人の画家にはいくつかの共通点がある。日展ではお互いがライバル同志、そして90歳を超えてもなお描き続けた情熱。もう一つは、描くことの思いを伝える言葉の素晴らしさだった。対象を見つめ、とらえていこうとする心は、そのまま歌作りと重なる。
髙山は「命あるものの、何をしたいのかを、絵の上に探している」と語り、奥田は「対象をありのまま描写するのではなく、心でとらえた姿を描く」と絵への思いを表現している。
そして嬉しくなる奥田の言葉を見つけた。「旅にあって、雨に遇えば、それもまた良し」。また雨かと愚痴っている山男には、珠玉のような助言として、沁みた。


雪の日


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ここからの景色を追ってみます


今日の空は、降り積もった雪の光を受けて、いつもより青く見えます。昨日は成人の日だというのに、まあよく降りました。この雪で喜んでいるのは、たぶん子供たちと歌人たちだろうなあ〜と思いながら、降り続く雪を眺めていました。皆さん良い歌が出来ましたでしょうか。
昨年は、定点観測に迎賓館前を写してきましたが、今年は桜の名所である神田川のこのポイントを選びます。ここはときどきテレビのロケにも選ばれる場所で、にっくき三浦百和(ももかず)と市毛良枝さんのワンシーンのために、アササンのコースを変えられてしまった曰く付きの橋です。一年間、楽しみましょう。



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山茶花に水分の多い雪が・・・


モダンアート


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このトリミングだから良いんだろうなあ。もしこの柄を、壁紙にすると圧迫されるだろうなあと思いながら、仰向けになって大腿四頭筋の筋力アップ運動をしていた。これはプラタナスの樹皮。ときどき顔を寄せては、この不思議な色合いと柄のカタチに感心する。ちょっと斜めにするだけで、雰囲気が変わるでしょ。プリントしてピシッと額裝すれば、お洒落なモダンアートになるかも。


十月桜


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十月桜がまだ咲いていると思ったら、この花も開花期間が長い。3分の1の蕾が10月頃から咲き始め、残りの3分の2は春に咲く。つまり一年に2回楽しめる。花は春に咲くほうが少し大きいらしい。秋から冬にかけて「季節はずれに桜が咲いてるな」というときは、この十月桜であることが多い。
ただこの寒々しい時期に桜の花を見ると、健気さを感じてならない。



ミツマタ(三椏、三枝、三又)


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新宿御苑で見つけました


珍しい花を見つけた。ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木「ミツマタ」。花というより木なのかな。「コウゾ、ミツマタ」のあれです。調べると「中国中南部、ヒマラヤ地方原産。皮は和紙の原料として用いられる」とある。名前の由来は、枝が必ず三つに分かれるところからつけられ、三枝、三又とも書く。たしかに枝が三つに分かれている。
この花も春を待ち切れないように、蕾が膨らんでいる。一斉に咲く姿を万葉歌人は「サキサク」とよんだとか・・・。


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花が咲くとこんなです


枇杷の花


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寒さのなか、枇杷わの花が咲いていた。植物にはあえて厳しい環境で生育することで、競争相手や天敵を減らし、生存率を高めようとするものがいる。枇杷もそうなのだろうか。
枇杷の花は、11月くらいから咲き始めて、3か月から4か月と極めて長い期間ゆっくりと咲き続ける。寒波が襲っても、生育が揃っていなければ、蕾や花や幼果を混在させることができる上、その被害を最小限に抑えることができる。マンボウやウミガメの生育率はかなり低いが、枇杷も実をつけるのはわずか3%だ。虫のいない寒くなる時期をなぜ選んで咲くのか。詳しい解明はされていないようだ。


明けましておめでとうございます



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々木の国立オリンピック記念青少年総合センター


いつもと変わらぬ夜明け。なのに、私たちは願いを込めて新たな始まりを期待する。人生という旅路の茶屋で一区切りをつけたら、次の旅にスタートだ。
どんな出会いがこの先に待っているのだろうか。今年もお付き合いください。


良いお年を


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今年も瞬く間に、一年が過ぎようとしています。こんな装備をして、今年もアチコチの山をよく歩きました。来年はどこの山を登っているのでしょう。日本地図と山地図を眺めながら、お正月を過ごそうかと思っています。歩くことは未来に向かうことだから、いろんな人との出会いや自然からの学びがあるのではと期待しています。「歩キ目デス」を見守っていただいた皆様、一年間ありがとうございました。良いお年をお迎えください。


振り向くと木々がいて


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迎賓館前の新緑から落葉までの八ヶ月間をアップしました。信号待ちの間、そして緑を見ながらここを渡り続けて、早30年以上・・・。この木々と一緒に歳を重ねて来ました。クルマの流れを河に見立てると、何度も白線の橋を往復してきたことになります。橋を渡る小生を誰かが30年、いやこれからずっと撮り続けてくれていると面白いのになあ〜と思うのですが・・・。
ちょっと、タイムスリップしてみましょう。



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蘖・孫生え(ひこばえ)


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寒いです。風が強くて冷たくて、すごすごとアササンは中止。というわけで、今日は室内編。我が家のパキラの根元から、小さな枝が出てきたと思ったら、いつの間にか数が増えた。これは「ひこばえ」。20年ほど前、奥多摩の尾根を登っている時に出会った、初老の植物学者から教えて貰った。「ひことは孫の字です」。そんな話を覚えている。銀杏やブナなどの根元でよく見かけるあの新芽のような枝だ。ナラやウバメガシといった炭の原料となる木を切る時に、必ず切り株を残して、ひこばえを育て、次の森をつくる。昆虫写真家の今森光彦さんはそれを「やまおやじ」と呼んでいた。



美術にぶるっ!


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「冷える時は 寒いところが 温かい」という冬の東北を紹介する広告コピーがあったが、「寒さにブルッ」しながら近代美術館の「美術にぶるっ!」を観てきた。日本近代美術100年からのベストセレクションというテーマで、約300点の作品が紹介されている。なぜ「ぶるっ!」なのかというと、美術を体感する。深く感動する。知的に考える。すべての出発点である衝撃をこの言葉で表現したとある。300点を総て観て、ブルッしているわけにはいかない。一点一分としても約五時間。最後はぐったりとしたが、展示した方々も大変だっただろうと思う。



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この大きさでは迫力を伝えられませんが・・・


さてその中でのお気に入りは、川端龍子の「炎葉」。黒に近い紺地に金泥を組み合わせて、夏草だけを描いた作品だ。この作品を部屋に飾って一人鑑賞してみたいと真面目に思った。左右三間、6メートル近くある大きな屏風絵だ。闇のなかから湧き出るような熱気をはらんだ野草が、動いているかのように見える。まさに妖艶な「炎」を感じさせるような作品だった。

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展示はゆったり、すっきり

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圧巻!横山大観の40メートルの蒔絵「生々流転」


近代美術館の「美術にぶるっ!」はここで



冬至に思う


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北国の人は今日の冬至を迎えてホッとする。陽が少しずつ長くなっていくからだ。寒さはこれから本番というのに、日照時間の方が優先される。こんな習性をもっているのは、北海道人だけかと思っていたら、アラスカや北欧の人たちも同じだと、あるエッセイに綴られていた。そんな思いで北の人の心は繋がっているのかと思うと、なにか嬉しくなってくる。緯度が高いほど、この思い入れ濃度も高くなるのだろう。地球儀あれば、くるっと回してみたくなる。

さてこのカボチャ、事務所の一画を占拠している。ハロウィンが終わった翌日、二千円だったカボチャがなんと300円。昼食帰りに衝動買いした。カボチャに原発マークを彫って、どこかに飾るか、プレゼントしようかと考えたのだが、ついに冬至まで・・・これもやらなければ・・・・。


不老不死!?


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この紫陽花に記憶があるでしょうか。11月15日に紹介した「谷間の紫陽花」の今日の姿です。あれから一ヶ月。どうしてこんなに元気なのでしょう。変わったところと言えば、花色がやや白っぽくなった。少し小ぶりになった。しかし花数はむしろ増えて見える。奥にぼんやり見える木の葉はもう色づき、ほとんどが落ちているというのに。人にもそんな方がいらっしゃいますが、遺伝子が違うのでしょうか。この紫陽花、どうも返り咲きではないようです。要チェックです。


立寒椿 


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山茶花だと思ったら「タチカンツバキ」の表示がある。えっ、もうこの時期に椿なんだと調べてみると「サザンカを母種としたカンツバキ群の園芸品種で、違いは名前からも推測できるように、立ち性で枝は比較的まっすぐ上に伸びる傾向があり、樹高はカンツバキより高くなる」。山茶花との違いが分かっていないのに、サザンカを母種なんていわれ・・・・・ますます分からない。


落ち葉の日


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穏やかな初冬の日差しが心地好い


落ち葉を踏みしめながら歩くのは、秋の贅沢だ。すこし風のある日に紅葉した道を歩くと、いろんな落ち葉に出会う。最初は柳の葉だ。これは意外。柳がこんなところにあったとは知らなかった。ひらひらと塀を越えて落ちてくる。柳の葉はあまり紅葉しないようだ。次々といろんな葉が落ちてくると、まるで植物図鑑を開いて、その上を歩いているような気分になってくる。



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ヒラヒラと落ちてきた柳の葉


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これは木を見ても分からない


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これはケヤキだろうな


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豚の饅頭


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知らなかった。この可愛らしいシクラメンの和名がなんと「豚の饅頭」。豚まんと言えば、横浜中華街の旨味たっぷりの饅頭を思いだすが、なぜこの花にそんな情けない名前がついたのか。調べるとこうだ。
明治の植物学者大久保三郎という人が、シクラメンの英名「sow bread」(雌豚のパン=シクラメンの球根が豚の餌になることから命名)を日本語に翻訳した名が「豚の饅頭」。花への優しさがみられない凄い命名だ。しかし、それを不憫に思ったのかどうか知らないが、日本のある貴婦人(九条武子だといわれている)が、「これはかがり火の様な花ですね」と言ったのを聞いた牧野富太郎が名づけたのが、「篝火花」。こちらは上手く言い当てている。いずれにしてもいまそんな名前で呼ぶ人たちはいないが・・・。


☆彡双子座流星群


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権師匠から届いた双子座流星群の写真。見えるかな〜〜


今朝にかけて双子座流星群がたくさん飛ぶらしいと聞いていたので、深夜、ほろ酔い気分で高台にある、交番の横から天空を眺めると、いきなり流れ☆。いつも最初が感動的だ。思わずおおっと声が出る。次が現れないので、しばらく目を凝らして見ていると☆が多いことに気づく。東京の空にもこんなに☆があるんだ。山頂から見る数には叶わないけど、オリオン座もはっきり見えるし、凍るような☆明かりを見ていると、いろんなモヤモヤが消えていく。二個目を見つけたところで寒さに負けて帰宅。権ちゃん今ごろ撮影しているのだろうかと思いながら・・・。


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君も寒いだろうけどこちらもだ。ヒメツルソバ。手がかじかんでピンがなかなか合わない


12・12・13


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昨日は「121212」の日だったらしい。では「111111」は、何をしていたのだろうと、ブログを戻すと「私を通り過ぎていった花たち」というタイトルで、「スピランテス・オレラシア」という花を紹介していた。時間はなぜか、急いで進む。
久々の定点観測写真。新緑の頃が懐かしい。もうこんなだ。茶褐色になった頃、台風が来て、あれよあれよという間に大半の葉が散った。撮り始めたのが4月初めだから、約八ヶ月間、緑の移ろいを楽しませてもらったことになる。何十年も見続けてきたのだから、ここは自分の原風景になっているのかもしれない。


銀座


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昨日ひと仕事を終えて銀座通りを歩いていると、なんとビルそのものをパッケージにしてしまった一画を発見。さすが銀座!と近づいてみると、BVLGARIの文字の上に、まるで宝石を散りばめたような鳥が翼を広げている。こんなに金をかけて元は取れるのだろうか、と余計な心配をする。

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そして向かいを見れば、こちらは赤いリボンに結ばれたCartier。無数の赤いライトが燦然と輝き、年末の女性の心を否が応でもくすぐっている(のだろう)。時計の看板や広告も目立つし、男は大変だ・・・。しかしどんな時代でも銀座はこうでなくちゃいかん!と妙に納得し、前から目をつけていた四丁目の居酒屋「ささもと」の暖簾を独りくぐった。


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BS「吉田類の酒場放浪記」でも取り上げられた「ささもと」
煮込みは串で出てくる。酒は焼酎+ワインの「葡萄割り」


琳派芸術


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琳派と言えば金色でモダンなデザイン。そんなイメージを抱いて出光美術館の「琳派芸術」に行くと、いかに琳派について無知であったかを思い知らされた。かの有名な「風神雷神図屏風」を、俵屋宗達や尾形光琳、酒井抱一という琳派ビック3がそれぞれ描いていたとは、まったく知らなかった。
それどころか豪奢な金屏風のひとつであるカキツバタの「八ツ橋図屏風」。この絵も光琳のほかに抱一が描いていた。継承者たちが琳派の伝統を真摯に学び、超えていこうとしたことが作品の比較から見て取れた。
江戸文化のなかで磨かれていったモダンで、洗練された江戸琳派の新たな創造性というものが伝わってくる分かりやすい企画展だった。


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こちらが宗達


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こちらは、宗達の模写をした光琳の「風神雷神図屏風」


宗達は絵画的で、光琳はデザイン的だといわれています。
そしてこれが継承者、抱一の作品。


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光琳の「風神雷神図屏風」を模写したものです



リース


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不思議だ。どうってことのない玄関のドアに、リースが掛けられているのを見ると、その周囲に灯るような暖かさを感じて、こちらまで幸せな気持ちになってくる。きっと私たちの心に、人の幸せを願う優しさがあるからだろう。
週末、拾い集めておいた木の実や葉でクリスマスリースを完成させた。


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土曜日、サワラの木を剪定している植木屋さんから貰った小枝が効いた





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雀が一所懸命に餌を啄んでいる。誰かが蒔いたお米だろうか。鳥というのは、常に捕食活動に明け暮れているなあと思っているが、もしかしたら違うのかもしれない。実は巣に戻れば、夫婦で子育てのことや巣の増築について話し合っている・・・。そんな事を想像していたら、人間社会の方が働き過ぎのワーカーホリックがいたり、家族がバラバラだったりして・・・いつも身近にいる雀たちが、なにか愛おしく思えてきた。


勘三郎


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明るくなるまで見守ろうとしているのか、朝の半月がまだこの高さにある。梨園の太陽が沈み、こちらも半泣きの気分だ。いつも華があった。もし同席の機会をもてたとしたら、彼の表情を気にして見ていたかもしれない。所作や笑いには、周りを明るく華やかにする不思議な力があった。
ある雑誌で、一年に渡り12人の女優と対談する企画があったが、話の聞き方やツッコミがお茶目であるにもかかわらず洒脱で感心したことがある。若い時分から男の色気が備わった人で、年下にも関わらず羨ましく思っていた。あ〜勿体ない。この気分、星野道夫や筑紫哲也を失った時の気持ちに似ている。
これから先、もし彼がここにいたら、どんな表情でどんな話をするのだろうと、思うことがあるかもしれない。そうでしか想いやれないからだ。しかしそれもきっと寂しいに違いない。



箱根旧街道


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「1680年、江戸幕府は箱根旧街道に石を敷き、舗装をした」とこの石畳の道に標識が立っていた。ここは「箱根八里」と呼ばた東海道の小田原宿から三島宿までの32キロの途中にある。以前、箱根湯本駅から元箱根まで、この道を通ってハイキングしたことがある。途中いくつかの石畳を通り、畑宿本陣跡や甘酒茶屋などで休憩をとって、江戸時代の空気を味わいながら歩いた。薄暗い石畳を歩いていると、いまにも飛脚が駆け抜けていくのではないかと思うことがあった。箱根旧街道。名前もなかなか良い。

華やかな大輪の花が、ポツンと散った。中村勘九郎、57才。好い男だった。
合掌。


彫刻の森美術館


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水滴も体温を下げているのでは〜と心配


先週末、箱根の「彫刻の森美術館」を訪ねた。この冬一番の寒さという日に、標高の高い箱根とあれば、当然吐く息は真っ白。庭園内を歩いているだけで、作品のように固まりそうだった。とくに、作品のほとんどが鉄素材だから、見ているだけでゾクゾクとしてくる。たとえば、お気に入りとなった上の作品。「おい!しっかりしろ〜」と、呼びかけたくなるほど、寒々しさが伝わってきた。


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ピカソ館も内装がすっかり変わった


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雨が降りそうだ、と心配をしているのか・・・


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木の彩りも計算されているのか!?と、思ってしまう


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草紅葉が美しい


早明戦


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お呼びがかかって大学ラグビーを観戦することになった。東京・国立競技場で100試合目となる伝統の早明戦だ。若い頃は、高校ラグビーから有力な選手をチェックして、大学、社会人までその活躍ぶりを追いかけていた。記憶に残る選手といえば、早稲田のスタンドオフ堀越正巳とウイング今泉清、そして明治のウイング吉田義人やセンターバック元木由記雄、強いキャプテンシーで両校の試合を湧かせた。忘れもしないのは1987年の雪の早明戦だ。雪のなか、重戦車と称される明治FWと必死のタックルで守る早稲田、体から湯気を上げるほどの攻防は、観る者の胸を打った。そんなことを思い出しながら、伝統の一戦を応援すれば、明治がロスタイムに逆転し33-32で勝利した。ノーサイドの瞬間、歓喜が寒気を吹き飛ばした。歴史に残る一戦に立ち会えた。


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さすがに伝統の一戦。80分間の攻防は寒さを吹き飛ばすほどの熱戦だった


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戦いが終わって応援団に挨拶の選手たち


桜紅葉


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残すところ後一ヶ月。さて先日の歌会で「桜紅葉」なる言葉を知りました。なるほど、この言葉を知っていれば、桜の葉の美しさを的確に伝えられるなあと、一つ勉強になりました。ちなみにデジタル大辞泉には「秋に桜の葉が紅葉すること。また、その葉。《季 秋》」とあります。日々寒さがキツくなっていますが、小菊の花だけは、この冷気を受けて元気に咲いています。



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東京駅


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お上りさんばかり!?


丸の内駅舎が開業時(大正3年)の姿に復元されてから、東京駅に全国から観光客が押し寄せているらしい。なんでもリニューアルしてから乗降客が約25%もアップしたという。ホンマかいな〜どうも合点がいかない。駅が新しくなっただけで、人が増えるものなのか?日本人は一体どうなってしまったのだ〜!
しかし、私もここにいる。


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八重洲口の南北にある丸屋根ドーム


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その下には東京ステーションホテル


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随分昔、鉄ちゃんは上から見たことがある



リース



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じゃ〜ん!蔓をゲット


今月の初めに、このブログで空さんにリース作りを約束したので、今回の山歩きは蔓をゲットすることも頭に入っていた。探しながら登って行くと杉林の根元に剪定された枝とともに、根元を切られた蔓がいくつかあった。一番長い蔓をいただき〜♬ さて、そもそも、蔓とはどんな植物なのか!?

ウィキペディアには
つる植物・蔓植物(つるしょくぶつ、英語: climbing plant)は、自らの剛性で体を支えるのではなく、他の樹木を支えにすることで高いところへ茎を伸ばす植物のことである。蔓草(つるくさ、まんそう)、葛・蔓(かずら・かつら)などともいう、とある。

さらに面白いことも
植物は基本的に光合成によって栄養を得る。そのため、複数の植物が一緒に暮らした場合、背の高くなるものが有利である。したがって、環境条件のよいところであれば、樹木が上を覆い、背の低い植物は、その層を通り抜けるわずかな光だけで生活することになる。しかし、背を高くするには、たとえば樹木の形を取らなければならず、そのためには体を支える組織に多くを投資しなければならない。これに対して、つる植物であれば、背の高くなる植物に支えられることで高く伸びるので、自らが支持のための組織に投資する量が少なくてすむ。草地であっても、つる植物は他の植物の上を覆って、広い範囲を占めることが可能になる。

「自らに投資をしないで、広く利益を得る」なるほど〜人にも組織にも当てはまりそうな輩が、いるよなあ〜 この選挙戦にも・・・。


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・リース作り
軍手をはめて幹を掴む棘の部分を専用のハサミで全てカット。リースの大きさを想定して蔓を延ばし、適当な長さで切る。後は正円を一つ作り、スパイラルさせて丸をまとめていく。仕上げは徒長している小枝の部分を絡めて、締めて出来上がり。


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大中小と三つ出来ました〜♬


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そして木の実が付いたカタチをイメージする



山の秋を探して(2)



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枯れ葉の積もる山道をゆっくり上がっていく。このコースはとても楽だ。約一時間登れば、高尾〜陣馬山の尾根道に出られるからだ。落葉した林には燦々と日が射すから、落ち葉は乾き、歩く度に気持ちの好い音を立てる。とくにホウノキの葉は大きいので、踏みつけるとシャリシャリとひと際高い音がする。この音と葉が朽ちてゆく匂いは、秋の山の楽しみの一つだ。
尾根道に出ると突然人が多くなる。ここまで数人としかすれ違わなかったので、高尾山の現実に戻ってしまう。仕方がない。ここから景信山まで踏み固められた尾根道を歩こう。


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ち葉をよく見ると、木の種類が多いことが分かる。思わず仰ぎ見ると・


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 花も虫もまだ頑張っている



山の秋を探して


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宿副都心からスカイツリーまで見える景信山山頂



いやはや、高尾山は週末に登る山ではないかもしれない。ここ数回は高尾山ルートを外して、裏高尾から陣馬山方面を歩くことにしているが、昨日の混みようも半端ではなかった。何でも数日前にテレビで紹介されたらしく、登山口一つ手前の高尾駅は、JRから乗り込むの登山客がホームでごった返していた。何とかその電車に乗り込もうと子供を小脇に抱えていた親子連れを始め、ホームにさえ上がれない人たちが階段の下まで並んでいた。
シーズンの高尾山はもうだめだ。多くのブログにもう二度と行かない、とあったが、なるほどである。


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朝のラッシュアワーか!昨日の高尾駅の様子


さて、陣馬山麓の人の少ないルートから登りはじめた。枯れ葉が舞うなか踏みしめて進むと、落ち葉独特の芳しい香りがしてくる。誰かが置いていったのか、可愛い寅さんのお地蔵さんを見つけた。とても似ている。今度来る時にも必ずいてね、と手を合わせた。山の秋を探しながら、陣馬山から小仏峠までの枯れ葉舞う尾根道を楽しんだ。



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この大きさを伝えたくてS氏のアイデアを失敬する


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寒さもなんのその。まだ咲き続けています


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秋の日差しに映える紅葉


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人がまばらな景信茶屋


四阿山(その4)


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予定をオーバーして登山口まで下りてきた。すでに落ちかけた陽は、山の端から低山のカラマツ林にオレンジ色の光を送っていた。娑婆は、まったく別世界だ。冬から秋の世界に戻って来て、また季節通りの道を歩いていく。
C.W.ニコル氏も常々語っているが、日本の自然の多様性はすごい思う。北に流氷、南にサンゴ礁があるのは日本だけだ。広大な森の恵みは自然環境を整え、人の心を癒す。ドイツのようにもっとこの森を活かした国づくりが出来ないのだろうかと思う。



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週末の並木には、まだ緑があった。それがわずか三日で、こんなに黄葉


四阿山(その3)


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二人の年配者が下りてきた。山頂への道が見つからないので、下山するという。いくつかのパーティがもう30分以上探しているが、分からないそうだ。そうなのか、よし彼らと一緒に下山しようと待つ事にした。ところが6人の若者が小雪のなか、腰まで埋まりながら、懸命に目印を探している。・・・30分経過・・・一人がついに松の枝のピンク色のテープを見つけた。しぶといというか、下山のチャンスを逃してしまったが、追いていくことにした。深い樹氷のなかは音も風もなく、白い無の世界にいるようだ。しばらくこのなかを歩き続けたいと思ったのは、きっと若者らと登っている安心感があったからだろう。そして頂上に行けるという喜びもあったのかもしれない。写真で見た夏山の階段が雪のなかに現れた。このすぐ上に、頂上がある。



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6人の若者が頂上へのルートを探している


IMGP0738.JPG待っている間、小雪まじりの風が冷たい。薄明かりが時々、顔を出す


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若者の一人が、頂上へのルートを見つけた


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写真で見た夏山の階段がすっかり雪のなかだ


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雪が深いが、もう少しで山頂だろう


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山頂の標識を眺めながら、氷点下の遅い昼食をとる。でも、お握りが美味い!


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さあ、気をつけて下りよう。予定を二時間半オーバーしていた



四阿山(その2)


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下品なピンク色の目印の何と心強いことか



おいおい、雪が深くなってきたじゃない。大きなリュックを背負った若者二人が、途中追い抜いていったが、彼らの足跡が半分消えている。まだ目印のリボンが分かるから良いが、ガスがかかるたびに不安になる。若者らの足跡を用心深く目に止めて、山頂を目指す。雪がさらに深くなり、一歩が膝まで沈む。足を抜いてから次の踏み跡に・・・どうしてもスピードが落ちる。そしてこのコースおかしいのではないか、と思った時に、足跡が消えた。えっ!?。若者らは、そこでUターンしていた。そうだよな〜とホッとする。どこまで戻るのかな。新たな踏み跡を見つけ、彼らを追う。一人だったら、とっくに下山していただろう。彼らは凄い、ここをもう何度か登っているのだろうか。それでなければ、雪を被った樹林の間を進めるわけがない。深い雪は、体力を消耗させる。やがて雪原に人影を見つける・・・。


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追い抜いていった若者の姿がポツンと見える


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どっち!? 踏み跡も消えかかっている


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踏み跡が深い


えっ、ここを登るわけ〜


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もう、どこを歩いているか分からなくなる


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雪原の向こうに人影!


四阿山(あずまやさん/2.354m)


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土曜日の雨は、山々を雪に覆って青空が広がる。そんなイメージをもって、日曜の早朝に長野県北西部に聳える四阿山(あずまやさん)に向かった。登り口はスキーのメッカ、菅平スキー場のそばにある。登り口付近の白樺が上の写真。お〜、良いじゃない。イメージ通りだけど、お天気がイマイチ。午後に向かって晴れてくれるのだろうか。登山道には、すでに踏み跡がある。良かった、これは心強い。約二時間半で頂上に着き、そこからは北アルプスや立山連峰、南アルプスまで、360度の山々が見られるはずだ。アイゼンを装着して、雪道を登りはじめる。



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夕べの吹雪が想像される


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カシワの木だろうか


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カラマツも落葉する前に雪化粧


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あれれ〜、雪が降りはじめる


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そして、景色が消えていく


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Before   トドマツも


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After 徐々に重装備になっていく・・・



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昨日今日と朝の冷え込みが厳しい。そんなわけで、ヨシ!と気合いを入れなければ、外に出るのが辛い。でも歩き始めれば、真っ赤に染まったハナミズキに陽が差しはじめ、あまりの美しさに頭がシャキッ!そして思わず、深く息を吸いこむ〜。
冴え冴えとした晩秋の朝、どの花を見ても凛とした儚げな美しさがある。



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谷間の紫陽花


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ビルの谷間に、まだ紫陽花が咲いていた。この一房以外は、どれも茶褐色になっている。少し前にツツジが、秋の陽射しを受けていくつか咲いているのを見て驚いたが、まあこの紫陽花の生命力といったら、いったいどうなっているのだろう。今日はこの冬一番の寒さだったらしいが、御苑に咲いていたあの冬バラも、堪えたんだろうか。


はぜかけ


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先日訪ねた昭和記念公園の一画に、こんな風景があった。すでに刈られた稲が、はせ(地方によっては、ハサとかハザともいう)に掛けられている。「はぜかけ」という。干された稲は、雨や朝晩の露、風や陽に繰り返しさらされることで、葉や茎に貯まった栄養分をモミに移していく。だから、はぜかけで自然乾燥させた米は味が良いらしい。
はぜは、南北の方向に伸びるように組むのが普通だ。つまり陽はハゼに対して垂直に動くので、裏と表にもまんべんなく陽が当たるというわけ。なるほどである。


擬木の橋


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公園で木そっくりの囲いや橋を見るが、あれを擬木と言うらしい。初めて見た時には、嫌なもんだねえ〜と思った。メンテナンスや諸経費を考えると仕方がないのかと、少し大人の見方が出来るようになったが、それでも違和感は消えない。御苑を歩いていたら、小さな橋が日本初めての擬木の橋であると書いてあった。明治38年、フランスで制作されたもので、組立のためにフランス人が3人も来たらしい。なるほど、よく見ると日本のそれよりも、幹を随分切り落としたような跡があり、じつに芸が細かい。でも何か形が変。110年の間に、コンクリートの幹を切り落としたのだろうか・・・。


プラタナス



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プラタナスの見事な黄葉だ。ここは新宿御苑内のイギリス風景式庭園からすぐの並木。新緑の春も美しいが、極めつけは今の季節だ。思わず誰かと散歩でもしたくなるなあと思いながら、空に伸びる色づいた梢、風が吹く度にカラコロと転がっていく落ち葉を見ながら、ウ〜〜〜ンと唸って五行歌を作っていた。文化の日は毎年良く晴れる。雲ひとつなくカラッとされると、言葉までカラッとしてしまい、湿度がなかなか言葉に広がっていかない。
う〜ん、参った・・・。


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そして、ついあの頃の歌を歌ってしまう。

プラタナスの枯葉舞う 冬の道で〜♪
プラタナスの散る音に 振り返る〜〜♪



銀の穂


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秋の陽と風を受けて、ススキの穂が銀色に光っている。秋をしみじみ感じさせてくれるススキだが、アメリカではこのススキが侵略的外来種として嫌われている。日本にやって来たあのセイタカアワダチソウのように。ところ変わればである。このススキ、穂が飛んでいくと、野もいよいよ冬支度だ。



零余子(むかご)


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なんの変哲もない葉がツツジの上を覆っている。しかしよく見ると・・・・


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葉は蔓状の茎から伸び、茎に小さな零余子がついている。これはヤマイモの蔓だ。「零余子」で調べてみると「茎が肥大化して形成された肉芽」とあるが、塩ゆでしたものを食べてみると、芋のような味わいがある。この春、いつもいただいている零余子の蔓数本がバッサリと切られていたので、うれしい発見だ。しかしこれも来春には、抜かれてしまうのかもしれない。


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もう少し大きくなってからいただこうかな〜



団栗(どんぐり)



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帽子を忘れてどこへ遊びに行ったの〜



やはり花より団子だ〜と、菊展を見てからナラの木が多い千駄ヶ谷門への道を歩く。ここはコナラ、ミズナラ、クヌギが多く、飢えている熊やリスたちに食べさせたいなあ〜と思うくらいドングリがビッシリと落ちていた。木の種類によってドングリの形が違うが、どれが何か詳しくは知らない。ここは幼児になったように拾い集める。12月に山に入って、細い蔓を少しいただきリースを作り、このドングリや松毬をつけるのだ〜♬。



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大きな実はスズカケ、青いのはユズリハかニレの実だろうか

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大きな団栗に小さな帽子を被せたりして


菊花壇展



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全国的に雨模様だ。迎賓館前の緑が色づいている。先週末ここを訪れる前に、新宿御苑に立ち寄った。ちょうど園内では菊花壇展も開かれていて、秋の雰囲気が漂っていた。じつは菊そのものは好きなのだが、造形物にするというのがどうも苦手だ。花はなるべく雑作しないものが美しいと思っているので、どう評価して良いかが分からない。きっと菊好きのある御仁と腕の立つ庭師による酔狂な遊びが発端で、今日まで残っているのだろう。桜や薔薇、菖蒲と同じように、菊もさまざまな姿に品種改良されている。花を見て、なんの仲間か解らなくても、葉を見ればおおよそ種類は分かる。と言っても、分かるのは菊と百合くらいだが・・・。


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たった一本の茎から、これだけの花を咲かせているのは、凄い!


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錦糸卵を思わせる「伊勢菊」


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真ん中の頭が特長の「丁子菊」


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触手みたいな花びらの「嵯峨菊」


迎賓館


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迎賓館の前庭が一般解放されていることを知り、週末、どれどれと見てきた。午後の遅い時間を選んだにも関わらず、長蛇の列。やっぱりね〜、庶民の暮らしとは縁のない場所だから、つい覗きに来たくなるよね。迎賓館は、かつて紀州徳川家の江戸屋敷があった広大な敷地の一部に、明治42年に東宮御所として建設された。日本唯一のネオ・バロック洋式の建築物で、一時期は昭和天皇がお住みになっていたらしい。いまは、世界各国の国賓らが来日するとここに宿泊している。
まあそれにしても凄い人。撮影をしている人たちをじっと見ていたら、ここはもしかしたら日本ではなく、外国の宮殿か美術館なのではないかと錯覚してしまった。そして、もうひとつ。ここは節税とは無縁の世界。優雅な噴水、物々しい警備、清掃がしっかりされた庭園、どこも国の威信がキラキラと輝いていた。


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一瞬、帰ろかなと思ったほどの行列


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この中を見たいのだが・・・


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おっ!虹が出た〜


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わあ〜、すごい装飾ね〜


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と、言いながら、パチリ


赤い実



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なぜなぜ赤い〜赤い実を食べた〜♬ 前節の詩が思い出せない。シャボン玉消えた〜なぜなぜ赤い〜ではないし、と思いながら歩いていると赤い実が目につく。ハナミズキに赤い実がついているが、すべての木についているわけではない。もしかしたらハナミズキにも銀杏のように雌雄があるのだろうか。それともヒヨドリやツグミが、もう食べてしまったのだろうか。


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センリョウの赤い実も食べるし


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ピラカンサスの実だって食べるが


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これは食べられないだろう〜



太陽と月


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今朝は寒かった。多くのアササンウォーカーが手袋と帽子を身につけている。天気予報のお姉さんが、足元から寒気が上がって来ますと言っていたが、まさに底冷えを感じながら歩いた。でも陽が上がってくるとふゎっと温かくなる。日の出後、しばらくすると「月の入り」を迎える。6時40分くらいだろうか。太陽と月の高さが、線対称で向かい合った。



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ストロボをたいたら月が映った!なぜ?


ジョロウグモ(女郎蜘蛛)


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こんな引用は乱暴かもしれないが、インドへの関心とこのジョロウグモの見方は、ある意味で似ているのではないかと思う。
つまりイエスかノーか、どちらかに別れるはずだ。別にインド好きな人は、ジョロウグモが好きである、といっているのではないが、成否がはっきり別れてしまうものの一つに、このジョロウグモが入っていると思う。
誰がつけたのか女郎蜘蛛。きっと遊女であるお女郎さんを重ねて命名したのだろうと思ったら〜調べてみると意外なことが分かった。

古人はジョロウグモの姿を雅やかで艶やかと感じ、当時の身分の高い女官の上臈(ジョウロウ)になぞらえ名づけたという。

「上臈」の意味は「①年功を積んだ高僧 ②身分の高い人、上流の人 ③身分の高い女官、上臈女房 ④江戸幕府の大奥の職名 ⑤身分の高い婦人、貴婦人」とある。
つまりどれも大変な評価で、昔の人は、ジョロウグモの姿を愛し、高く評価していたことになる。

ちなみにこの女郎蜘蛛はメス。艶やかな色合いの腹をしているからだ。腹部をじっと見ると、まるで刺青か隈取りのようで、この不思議な美しさにウットリする。



酉の市


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えっ! もう! 早っ! 短い。



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昨日の酒が残っているのか、やや二日酔い気味のアササンとなった。いつものように、犬の品評会を思わせるような賑やかなこの橋を渡って家に戻るのだが、10頭ばかりの犬はじつにうれしそうだ。「おい、痩せたんじゃないの」「違うのよ〜、服を着せられているのでスリムに見えるだけよん」などと話をしているのか、どの犬もカラダを寄せ合ってじつに仲がよろしい。
昔は、犬同士がすれ違う時かならず歯を見せ、威嚇し合っていたはずだが、いまの犬は躾が行き届いているので、犬見知りなどせずにクンクンと近づき合って、情愛を深めている。
それに比べて、すぐシツケ糸が切れてしまう大風呂敷は、ついつい飲み過ぎてしまう。ワンとも言えぬ恥ずかしさを感じながら、アササンを終了。


そうだ、今日は夕方からISSだ。シャンとしよう。
29日  18:29:30 北西〜 18:32:00 西北西〜 18:32:00 西北西


セイタカアワダチソウ


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夕日を浴びているネコジャラシの写真を見ていたら、先日新聞に出ていたある記事を思いだした。福島県の作付けできなかった水田や畑が、セイタカアワダチソウに覆い尽くされているという記事だ。小さなカラー写真には、田畑の区画一杯に、セイタカアワダチソウの黄色が広がっていた。
「もうここは荒れ地なんだね」と判断したセイタカアワダチソウが、警戒区域の田畑を黄金色ではなく、黄色に覆い尽くしたのだ。

人が手を加えなくなった田畑は、すぐに自然の元に返る。しかしこの風景は、何を物語っている。セイタカノッポの原発政策の末路はこうなるのだよと嘲笑うかのように、セイタカアワダチソウは悠然と咲き続けていた。



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センニチコウ(千日紅、千日草)



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陽をうけてセンニチコウが愛らしく咲いている。もうずっと咲いている。ドライフラワーになったのではないかと思うくらい。千日とあるのは、そんな意味なのだろうか。そう言えばお線香にもこんな名前があった。先っちょが線香の火に似ているから?。千日と言えば三年だから大げさだけど、百日紅なら、なるほどねと分かる。調べてみるとストロベリーフィールドという名前もあるようだ。


シュウメイギク(秋明菊)



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お兄さ〜ん、一枚撮って〜


今朝の冷え込みはキツく、アササンの人たちはほとんど厚着。緑道の桜の葉はすっかり落ちたので、陽が上がるとすれ違う人の顔が明々としてきます。花も少なくなりましたが、これからが私たちの出番よと、咲き始めた花があります。たとえば、このシュウメイギク。別名、貴船菊。京都の貴船で多く見られたことに由来します。中国から古い時代に入ってきた帰化植物で、実はキンポウゲ科の仲間です。たぶん和テイストの佇まいなので、こんな名前を付けたのでしょう。クリスマスローズなんかもキンポウゲ科。名前ひとつで、イメージは変わるものですね。
そういえば「おい、小池」の小池さんも名前を偽って、小豆島で亡くなっていたなあ〜、あの「おい、小池」は名コピーだったよな〜と思いながら、今朝のアササンを切り上げました。


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昨日の雨で、金木犀の花が散っていました


香り



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広い公園を歩いていると、金木犀の香りが漂ってきた。その香りに早く気づく人と、そうでない人。嗅覚は人によってかなりの違いがある。プロを別とすれば、鼻の効く人は女性に多いのではないかと思う。男性が鈍感なのかもしれないが、普段の生活で匂いに最初に気づくのは、いつも女性のようだ。
「あら変な匂いしない!?」と草食動物は、辺りに気を配る。子供を守らなければいけないメスは、どうしても嗅覚と聴覚がオス以上に発達してきたのではないだろうか。そんな気がしている。
さてこの金木犀の木は大きかった。高さは10メートルくらいあっただろうか。遠目からは、オレンジ色の実をたくさん付けているように見えた。




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コスモス550万本





昨日、お天気に恵まれた西立川の昭和記念公園での「秋をアルキメデス」企画に9人の歌会仲間が集まりました。主催者発表によると550万本というコスモスが園内の二カ所に植えられていて、そのスケールはまさに壮観。風が吹く度に、コスモスは大きく揺れて風の道をつくり、パステルカラーが華やぎます。ひとりでポカーンと見ていたいけれど、この日は箱根駅伝の予選会がこの公園を使ったこともあって、次々に人が押し寄せて来て、畑のなかはアチコチで撮影会。約一時間、ここで吟行してから芝生で、車座になってランチ。皆さんがつくったご自慢のお料理をいただき、幸せな時間を過ごしました。美味しかったです。ごちそうさまでした。


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こちらのコスモス畑の向こうには、駅伝参加大学のノボリが見える




山の秋



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3000メートルを超える稜線部では、ウラシマツツジが素晴らしい紅葉を見せていた



北岳の紅葉が素晴らしいと聞いていたが、ん〜〜どうだろうか。北海道で燃えるような紅葉を見て育っているので、こちらで凄いといわれても「ん〜〜」となってしまう。温暖化のせいではないだろうが、今年の紅葉は「イマイチ」だと思う。
北岳は花の山といわれているが、この季節はどうしても数が減る。それでも朝晩の冷え込みに耐えている花たちがまだいくつか残っていた。登り口と山頂では、気温がほぼ10度以上違う。そして森林限界といわれる高さまで行くと、花をほとんど見ることはできなかった。高さに合わせて花を並べてみた。


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ノコンギク(シオン)


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巨大なアザミ



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日当たりのよい草地に生えるヤマハハコ


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明るい草地に生育するタカネグンナイフウロ

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大きさでいえばこれがNO1のシシウド


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鮮やかに赤く色づき始めたウラシマツツジ



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山に行っている間に金木犀も咲き始めている〜〜来週の心だ〜♬



北岳(4)



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夜、風の音を聞きながら8時に眠る。疲れているのに睡眠が浅い。レム睡眠を何度か繰り返している。
朝5時起床。小さなリュックに水とスナックを入れて、間ノ岳を目指す。稜線をお散歩気分で往復するはずだったが、風と寒さでピクニック気分が吹き飛ぶ。谷からせり上がる風は、音をたてて顔に当たる。手袋をはめ、毛糸の帽子を深めに被っていても強烈な寒風が全身を打つ。鼻水が止まらない。その鼻水を風がさらっていく。なんか面白い。
東を見ると雲海の遥か向こうが赤く染まっている。チラチラ目をやりながら進んでいく。雲が厚くて日の出は無理だ。
しかし陽が上がるにつれ、雲間からの光が下り水墨画のような富士が現れた。


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振り返ると北岳山荘がすっかり小さい


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雲海の下の富士のラインが美しい


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風が強い。突飛が吹くと反対の谷へ飛ばされそうだ


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ついに百名山72座目、間ノ岳に登頂!


北岳(3)


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誰もがご機嫌になってしまう、3,193メートルの山頂


吊尾根から20分、リュックを置いて空身になったにもかかわらず、息が上がりカラダが重い。気持は頂上へと向かうが、疲労と酸欠でカラダがなかなか進まない。それでも一歩ずつ、喜びを噛みしめながら登る。頂上直下で、やはり息が上がっているOさんを待つ。ここまで来たら、一緒にゴールするのだ。標識が見えて、ヨイショと山頂に立つ。気分が一気に高まる。紺碧の空、360度の展望に、かつて登った山々が見える。遠くは北アルプスの槍ヶ岳、そして大キレットまで。ここまでの道のりをもう忘れてた。ただただ、ため息!



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指さなくたって分かるよ!


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山体が白い花崗岩からなる、南アルプスの貴公子「甲斐駒ヶ岳」


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こちらは南アルプスの貴婦人といわれる「仙丈ヶ岳」


日本の高い山のトップ5は富士山の3,776メートル、そして北岳(3,193)、奥穂岳(3,190)、間ノ岳(3,189)、槍ヶ岳(3,180)と続く。今回の山旅の北岳と間ノ岳を入れると、トップ5を制したことになる。頂から見えるどの山にも懐かしい思い出があり、それを一つひとつ噛みしめるのは、至福の時間となった。



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宿泊する北岳山荘が尾根上に見える。遠くには間ノ岳


北岳(2)


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北岳山頂付近の草紅葉が美しい


樹林帯を抜けると、大樺沢という広い沢道に出る。夏なら、色とりどりの花が谷一帯を埋め尽くしているはずだ。右手には北岳の岩壁が、圧倒的な迫力でせり上がっている。北岳バッドレスだ。果たしてあのてっぺんに立てるのだろうか、と高所恐怖症の症状がチラチラと頭をもたげるが、目の前の大樺沢を一歩一歩進むと、確実に高度を上げている事が分かる。振り返ると鳳凰三山がどんどん低くなっていくからだ。二股という分岐点まで到着。小休止だ。出発からほぼ三時間。そこから次の八本歯のコル(名前からして怖い)まで二時間。そこからさらに一時間、20くらいのハシゴを登って北岳の尾根(吊尾根分岐)に出る。そこにリュックを置いて、頂上を目指した。



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二股付近から振り返ると鳳凰三山。登るにつれ低くなっていく


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ここから二時間登れば、遥か先の八本歯のコルに着く〜


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突然、八本歯のコル付近から帯状の雲が現れる


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高度を稼ぐ、うんざりするほどのハシゴが続く


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お〜遂に到着!吊尾根まで来た!



北岳


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これぞ北岳。標高約600メートルのバッドレスの迫力に圧倒される



朝四時前、まだ暗い甲府駅前に大きなリュックを担いだ登山者たちが集まってくる。ほとんどが四時発の広河原行きのバスに乗りみ、北岳や甲斐駒、仙丈岳、鳳凰三山を目指す。
広河原に着くと、遥か彼方に北岳が聳えていた。果たして今日中に、あんな高いところへ登れるものだろうかと思う。パッキングをし直して、相棒のOさんと約六時間の予定で、北岳のピークを目指す。
紅葉が始まった白樺の樹林帯の緩やかな登りを行くと、雪渓が融けた水音だろうか。切れ味の良い流れの音が聞こえてくると、気持ちが少しずつ荒ぶってくるのが分かる。早くここを抜けでて、沢に出たいと思う。北岳のピークが見える大樺沢がもうすぐだ。




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樹林帯から大樺沢を目指す登山者たち(北岳が彼方に見える)



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大樺沢の途中、振り返ると鳳凰三山が顔を出す


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二股から北岳の直登コースを仰ぎ見る

カクトラノオ(ハナトラノオ)



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ルピナスのようにも見えるが、時期と花の付き方が違う。茎に四列に並んで咲くのも珍しいと思いながら、花の本を調べていると、ありました。カクトラノオ。漢字では「角虎尾」。なるほど、「角」はたぶんこの茎の四角いカタチからつけられたのだ。山で見る茎が細長いトラノオの仲間とは、ちょっと違う。改良されたのだろう。ネジバナと同じように、花は上へと咲いていくようだ。

さて本日の営業は二時まで。久々に重いリュックを担いで、いざ北岳へ〜。




曼珠沙華(ヒガンバナ)


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ヒガンバナをあちこちで撮っているのだけど、どうもイマイチのデキなので、ブログに出さないでいた。すると、友人のMさんから、こんな写真が届いた。ナンダコレ〜!?赤い絨毯!森を埋め尽くしている。言葉が出ない。ヒガンバナは、てっきり収穫の終わった畦に、並んで咲くものだと思っていた。場所は、埼玉県日高市にある巾着田(きんちゃくだ)という「曼珠沙華の里」。今年はピークは過ぎたようなので、来年にでもこの目で見たい。周辺は、野鳥も多いようだし。しかし・・・凄い。



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上手く光を入れて、ゴージャスに見えますね


実りの秋に



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日の当たっている花を見つけると、しばらくの間虫を待つことにしている。このミツバチがやってくる前は、ヒョウモンチョウが蜜を吸っていた。この時期は花が少ないので、コスモスの花粉は貴重な食料源なのだろう。ミツバチの花粉集めを見ていると、ほのぼのとした気持ちになる。近くではスズメたちが、落ち穂に集まっている。
一方、山ではドングリの実が少ないらしく、熊が人里に下りて来ていると聞く。小麦もトウモロコシも今年は世界的に不作らしい。
いつかは人間も、食料確保に必至の時代が来るのかもしれない。


北岳へ



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20年以上前から、いつかは登るぞと決めていた憧れの北岳。ついにその念願を果たす日が近づいてきた。一人でのアタックは今回止めようと、友人のOさんに同伴をお願いした。体力がどのくらい落ちているかが心配だ。お天気は良さそうだが、ここ数日一気に冷え込んだので、朝晩はたぶん氷点下になっているはずだ。3000メートルへの憧れと興奮が微熱のように続いている。


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アイゼンは必要だろうなあ・・・とか


凌霄花 (ノウゼンカズラ)



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今年の暑さのなかで、この花と百日紅だけは、やはり元気だった。去年何度も紹介していたので、この夏は控えめにしたが、ノウゼンカズラの花を落した姿を見て、叔母が話していた「テッセンの花が散った後も落さずに楽しむの」を思い出した。なるほど、このカタチも悪くない。
終わりがないように何度も花を咲かせては、夏の日差しと風を受けていたノウゼンカズラだったが、まだ、何か、言いたげでも、ある。



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こんな様子でした



ツルハナナス(蔓花茄子)



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なすの花にそっくりで、この時期あちこちの庭やフェンスから溢れるように咲いている。ナスの花そっくりなので、調べてみると「ツル+ハナ+ナス」で、ツルハナナス。おいおい、それは手抜きの命名だろう。白とブルーが混在しているので、ニオイバンマツリの花を思い出したが、香りはしない。咲き始めは白だが、徐々に薄紫の色に変化していくとある。秋の花は、どうも青系の花が多い。別名にソラナム。え〜と、なんだっけ?ナスツルバナ!?覚えにくい。


道民の皆様へ



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道民の皆様、日本ハムファイターズの優勝おめでとうございます。先日札幌に帰った際に、発見したひとつが道民の「ファイターズ愛」でした。「昨日ファイターズどうした!?」「今日勝った?」の声をアチコチで聞きました。旅行先では、恩師までが「昨日勝ったの?」と言っておりました。はたして野球を知っているのかは分かりません(失礼)が、これには驚きました。地元チームの勝利で皆が幸せになったり、喜んだりという姿はじつに微笑ましいもの。ファイターズは札幌をフランチャイズにして本当に良かったと思います。
そしてもうひとつ。道民は地域単位での郷土意識は強いけれど、道全体に向けての連帯意識は、いま一つでした。でもファイターズによって少し繋がったのではないでしょうか。経済的にも厳しい北海道ですが、この優勝はじつに嬉しかったです。

栗山監督の手腕は、たいしたものでした。就任時から優勝は無理だろうと思っていましたが、選手全員で戦う姿は、素晴らしかった。
選手誰からも愛される人間性と卓越した手腕は、これからクローズアップされるかもしれませんね。

CSを勝ち抜き、是非日本シリーズへ。一緒に応援します!


スミレのパパ



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花の写真を整理していたら、「そうだったのか!」と思う発見をした。
前々からスミレを見るたびに、誰かに似ているなあと思っていたのだが、やっと分かった。
赤塚不二夫のキャラクター「バカボンのパパ」。
スミレには申し訳ないけど・・・似ていませんか!?
似てない!? 似てるでしょ、似てる似てる! 
これでいいのだ〜!
結局 これ言がいたかったのか・・・(^^;)



台風一過



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凄い風だったね〜とタマスダレ



まあ凄い勢いで台風17号が日本列島を縦断していきました。Kさんからもらった中秋の名月セットを窓辺において、久々のお月見を楽しみにしていたのですが、台風では仕方ありません。しかしよりによってこの日とは、まあ野暮な台風なこと。風がいくぶん収まった頃、外に出ると、ほぼ真上に小さくまん丸な月がで輝いていました。
お前も残念だっただろうね、晴れ姿を見せられなくて・・・。
一夜明ければ、真青な空。まさに台風が空をクリーニングしてくれたかのようなピュアブルー。駅では赤い羽募金の女の子たちが、空まで届くような大きな声で呼びかけをしていました。10月のスタートに相応しい秋晴れの風景です。



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嵐の前の静けさ。9月30日、午後4時半頃



フォレストガンプ



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風のなか、アササンしていたら、白い花びらのようなものがゆっくりと降りてきた。それが羽毛だと分かったのは、浮遊している時間があまりにも長かったからだ。掌に乗せると重さの感覚がない。鳩の羽だろうか。映画のオープニングシーンを思い出した。フォレストガンプだ。フワフワと降りてきた羽が、無欲の主人公(トム・ハンクス)をさまざまな出会いに導き、思いがけない体験をさせていく演出に使われていた。
人生というものは羽のようなものだと、その映画は伝えたかったのだろうか。どこへ行くのか分からないが、こうして誰かの掌に届いていくものもある。つまり一期一会。羽は手を離れて、神田川を旅していった。



韮の花



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アササンのコースに韮の花が咲いていた。毎年、花をつけているので、野生化しているのだろう。ふと全国歌会の作品集にあった、この歌を思い出した。

「おかえり」と
姉さん被りのを解く
かあさんに
挿してあげた
韮のかんざし

スッと立ち上がった茎の先に、カンザシの飾りを思わせるような白く小さな花。いつ見てもキリッとした清しさを感じる。この花をつけてもらった母さんは、きっと疲れが消えていったことだろう。野の花がもっと身近だった頃、親子の関係も、季節の営みのなかで、今の時代よりももっと心が通い合っていたのかもしれない。


秋へ



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日の出の時間が遅くなったせいか、朝早くの景色にはまだ力がない。川沿いの桜並木の葉が、いつの間にか半分ほどになって見通しが良くなっている。長く咲いていたヤマブキの花が消えて、徒長枝がもの寂しげに揺れている。花が少なくなったなあと思いながら、ムラサキシキブを見ると、随分と赤味が増していた。そうだもう実と種の季節だ。次の世代にバトンタッチしようと、植物は季節よりも早く身支度を始めていた。



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合田草 (ごうだそう)



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北海道では野生化して道端に咲いているらしい


珍獣という言葉があるが、植物の場合は何というのだろうか。珍花?先だって帰郷した際に、菜園作りに熱をあげている弟から、不思議なドライフラワーを見せてもらった。「ナンダコレ!」。「北海道にしかない新種かね」などと言いながら、とりあえず写真を撮って、早速、権師匠にメールすると〜「合田草 (ごうだそう)もしくは大判草」という返事があった。調べてみると、110年ほど前、フランスから種子を持ち帰った合田清さんの名前をとって、合田草と命名したらしい。今では「ルナリア」という素敵な名前がある。ルナは月の意味だろうか。
葉っぱだと思っていた部分は、子房が脹らんだもので、実際の葉はギザギザとしている。まず花が咲き終わると、その付け根にあたる子房の部分が、実として平たく脹らみはじめ、やがてこのカタチになる。その後、種は実から破れ落ち、ドライフラワーが出来上がる。写真をよく見ると、確かに種の有無が分かる。昨年の春にコバンソウを紹介したが、まさか大判草まであるとは思わなかった。



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アブラナ科で4〜5月には、こんな花が咲く


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実は半透明で団扇のような形で育つ


マーラー「巨人」



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始まる前のロビーコンサートの風景



昨日は「世田谷フィル」の定期演奏会だった。正しい名称は「世田谷フィルハーモニー管弦楽団 」。ここのPRの仕事をお手伝いして、もう10年あまりになる。演奏会のプログラムはハイドンとマーラーで、いずれも交響曲だった。前半のハイドンの「時計」は弦楽器中心の軽快な旋律で30分の演奏。休憩後がマーラー。マーラーについては難解な曲のイメージをもっていたので、昨日の「巨人」が意外に明るく若々しい曲だったので、驚いた。どの楽章でもそれぞれの楽器のソロが入るので、各パートの演奏者は緊張したのではないかと思った。第一楽章から全ての楽器が次々に奏でられ、第四楽章に入ると、打楽器が圧巻となる。シンバルの一撃で始まり、ヴァイオリンによる息の長い美しい旋律の後、ティンパニの連打、トランペット、ホルンが高らかに響き、主旋律が繰り返されてフィナーレ。最後は大太鼓も加わり、観衆の声が聞こえてくるような勝利に満ちた演奏となって終結。観客からは、拍手が鳴り止まなかった。


叔母の庭



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リウスをアクセントにしていた


さて北海道編の続き。今回も叔母の庭を見せてもらった。「もうほとんど花が終わってしまい、何もないわよ」と、庭に残っているわずかな花を一緒に眺めながら、一つひとつの花の名前を聞いた。しかし、どうもカタカナの花の名は記憶できない。ほとんどすぐに忘れてしまった。叔母は、「貴方がもう少し庭作りを続けてと言うから、しばらく頑張ることにしたわ」と、うれしいことを言ってくれた。そして玄関前には、シンボルツリーの苗木が1本。これは夏来た時にすすめたのだが、すぐに桜にしようと決めたらしい。
何ごとも行動的な叔母らしい思いが、庭のあちこちに工夫されていて、庭は人柄が出るものなのだと思った。



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クレマチスは花が終わってもその後が良いのよ、と


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漢字なら覚えられる。ハクチョウソウ(白蝶草)


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安藤久三連続講演会



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安藤さんの若さはどこから来ているのだろうか。皺ひとつない表情と話し振りを見ていると、若さや健康はどうも努力だけではなく、小生にはもちあわせのない品格の如く、生まれつき備わっているものではないかと思ってしまう。「安藤久三連続講演会」。昨晩は、101年に渡る波乱に満ちた人生の話を聞く会だった。

生まれたときは未熟児で一キロにも満たなかったが、脱脂綿に含んだヤギの乳を飲み、なんとか育ったと話す。もしかしたらその時に、強い生命力を身につけたのだろうか。
戦前、小林多喜二の講演を聞いている時に、特高に踏み込まれ一緒に連行された話や支那事変(昭和12年)後、徴集されて中国に渡った話など、頑強な心身を持ち合わせていなければ、到底試練を超えられなかったはずの事件をじつに穏やかに話す。まるでつい最近、体験してきたかのように。

そして戦前戦後を通して交流のあった太宰治、天丼をご馳走させられた井伏鱒二、役者にならんかとすすめた小津安二郎など、西荻窪のフォレストガンプは、昭和の時代のエピソードをいきいきと語った。
間近で話を聞いていると、安藤さんのように100才まで生きられるのではないかと思ってしまうのが不思議だ。
さて来月はどんな話が聞けるのだろう。早く山の話が聞きたい。


登別温泉



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「小学校の修学旅行は、登別温泉で男女混浴でした」。この話をすると、だいたいの人は驚く。当時こんなことは当たり前の道産子だったので、あえて問題にしたり、騒ぐような親はいなかった。
修学旅行の頃、大きな旅館は次々に増築していたので、大浴場までは迷路のような廊下をいくつも曲がることになった。浴場に入ると、湯気がもうもうと立っていて、見通しが悪かったが、目を凝らすと恥ずかしがるように歩く6年生がアチコチにいたのを思い出す。皆ドキドキ、キョロキョロ。湯に浸かれば、どちらも出ることができず、お互いに顔を赤くした。
上がるからあっち向いてね、の約束を破って、Aさんのお尻をしっかり見たことを小学校のクラス会で白状したら、「可愛かったでしょ」と笑った。道産子のおおらかさは、今も変わらない。



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地獄谷の奥へ行くと、間欠泉を見ることができる


中島公園



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札幌に着いた夕方、中学時代の仲間が三々五々集まり、ショットバーから始まりジンギスカンがメインのビール園、友人のスナック、〆の鮨屋まで四軒のハシゴをした。翌日の旅行会でゆっくり話ができるというのに・・・。しかし寝る前に水をしっかり飲んだで、アササンの時はスッキリ。
想い出を掘り起こしながら、ホテルの前に広がる中島公園を一時間ほど歩いた。朝の涼しさのなか、まだ弱い光は、芝生のコントラストに秋の訪れを感じさせ、森を贅沢な景色にさせている。
幼い頃、父とサーカスを見にきた。関取になる前の高見山の稽古姿を見た。グループサウンズを友人らと観に来た。高校時代はここで喫煙をして、補導されかかった。デートをした。この近くのホテルでバイトをしていた。アレもコレも、思い出のなかの中島公園である。


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芝生を自由に歩ける中島公園には、いろんなオブジェがある


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白い百日紅



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アササンのいまの楽しみは、白い花の咲く百日紅の下を通過するとき。鼻腔をくすぐる淡く切ない香りは、こちらが意識しなければ分からない僅かなものです。開花が始まってもうすでに一ヶ月以上。歩調を緩めてゆっくり息を吸い込むと、香りが全身に広がるようで気分が和らいできます。花の付き方も矢じりのような赤い百日紅に比べると、サワサワとしていて優雅です。
暑さもこの香りも後10日くらいでしょうか。



明日からふるさと札幌へ4日間の旅です。着いた夕方は、ここで中学時代の友人らとジンギスカン!そして翌日から登別温泉にて同窓会。楽しみです。

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秋雲は砂の如く



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アササンが終わってテレビの天気予報を見ていると、アナウンサーが「夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く」と正岡子規の喩えを出して、雲の話をしていた。なるほど、今朝の雲はまさにそうで、子規は上手い喩えをするな〜と感心した。朝方の小さな雲は、陽が上がるに連れて消えてしまうが、秋はその気配を見せ始めている。あの暑さは一体なんだったのだろうと、思える日が、すぐそこに来ていると信じたい。



●講演会のお話
札幌に住む弟から101才の凄い登山家がいるぞとメールがあったので、調べてみると、いやはや凄い人物。話すときりがないので、チラシと下記のサイトで安藤氏の人生の一端を垣間みてほしい。先月に続き、今月も講演会があります。是非聞きたいという方はご一緒しましょう。

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↓安藤久三さんのパワフル人生




トワイライトクルーズ



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約2時間のトワイライトクルーズコースは、恐竜をイメージした東京ゲートブリッジを左手に見ながら、羽田沖辺りでユーターンをします。羽田に着陸する飛行機が、船のほぼ真上を次々と通過するので歓声が上がります。改めてこの鉄の塊がよく飛ぶもんだなあと、感心する間もなく次の飛行機が・・・。その頻度にも驚きます。東京は凄い都市だ〜。


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日が落ち始めると暑さが和らぎ、船内にいたカップルたちがデッキに上がってきました。結婚式を挙げたばかりの二人が登場すると、ウエディングベルが鳴り、誰彼なく祝福。良い雰囲気です。そして辺りが夕日色になると、流れていく景色をみんな静かに眺めていました。
う〜ん、外国人だと絵になるんだろうなあと思いながらも、パチリ。
今度誰と来ようかな〜。


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海を見守る鉄のキリンたち


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ミッドナイトも良いだろうね



カモメ


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海の上はなぜこんなに気分がいいのだろう。気持ちの良い風を受けながら、変わる景色を見ていると、山屋の癖で富士山を探したり、房総半島や横浜方面を確認して、舟の位置を俯瞰から想像している。


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一羽のカモメがやってきた。餌を求めてきたに違いない。以前松島では、手からエビセンを与えたが、今日は何も持っていない。手だけを差し伸べてカモメを呼ぶが、利口だから一定距離以上は近づかない。

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カモメを追いかけていると、足元がぐらつく。側までやってきて20メートルほど上昇すると、爆撃機が降下するときのように、美しい横滑りのラインを海面に向かって描く。それを何度も繰り返し見ていると、平衡感覚が失なわれていく。浮遊感は脳を痺れさせ、別世界にいることを体感させてくれる。そろそろ追うのを止めた頃、カモメも方向を変えて遠離っていった。



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良いなあ〜恋人同士。羽田に向かう飛行機が真上を横切っていく


旅をする木



きっと
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緑も
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同じ
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時間を
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歩いている


本屋さん



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町からお気に入りのお店が消えて久しい。お茶屋さん、パン屋さん、酒屋さんなど、時間があればいろんな話を楽しめたのだが、駅に大型スーパーが二件進出すると、あっという間になくなってしまった。駅前に二件あった本屋さんもそうで、おかげで隣町まで足を伸ばすようになった。
ところが我が東中野駅にもJRの駅ビル「アトレ」がオープンしたというので、週末に覗いてみると三階に小さな本屋さんが入っていた。本屋大賞や話題の本コーナー、そして新刊の文庫本が揃えられているなど、なんとなく温かい雰囲気だ。そして窓際には喫茶室も併設されているので、お天気の日には西の山々をチラチラ眺めながらを本が読めそうだ。方位が合えばISSもチェックできるこの特等席に座ってみたい。


オレンジコスモス



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とても分かりやすい。オレンジ色だからオレンジコスモス。盛夏の頃から咲き始め、しっかり夏を受け止めている元気なコスモスだ。コスモスのイメージは秋なのだから、夏からこんな風に主張されると、花と季節のバランス感覚がずれてしまいます。はいはい、良い子だから少し静かにしてなさいね、と言いたくなってしまう。
オレンジといえば、懐かしい想い出があります。それは夕張メロン。子供の頃、我が家に夕張メロンが届き、家族の見守るなかで切ると、なんとオレンジ色の果肉。メロン、アジウリは、グリーンだと思っていたので、驚きました。そして口にすると、果汁溢れる強い甘み!衝撃でした。
もうひとつ、巨人軍が北海道遠征に来る度に、選手、コーチ達が大量に買っていくので、なくなってしまうと父が嘆いていたなあ〜。



朝の雲



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朝の雲を見ると、おっ、秋だね、と思うのですが・・・


ここ数日続いている夕立で、少し秋らしくなってきました。風が吹き始め、辺りが暗くなると、足早に雨が下りてきます。こんなことが何日か繰り返されると、だんだん夕立が分かるようになるもので、つい足早に。それでも間に合わなければ雨宿りとなります。事務所の窓から軒を借りている人たち見ると、後どのくらい降るのだろうという顔で雲を追っています。
夕立は江戸の名物だったというので、数日続くとなんとなく嬉しい。



火の車



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消防自動車とかけて、今週の仕事と解く。そのココロは〜、「火の車」。な〜んて、こんなトンチ頭はよく廻るのに、と独り言を言いながら消防博物館を取材してきました。目的は消防に関する写真の手配なのですが、中に入るとうれしくなるような資料が展示されていて、しばし見入ってしまいました。その一番が、江戸から続く各町にあった「組のまとい」。これが颯爽と並んでいて、思わず手に取って回し上げたくなります。そして江戸の大型地図。これは四方から眺められるようになっています。例えば半蔵門からの道は内藤新宿まで続き、途中に知っている町名やお屋敷がいくつもあったり、虎ノ門辺りにはトップクラスの名家がひしめいている。銀座なんかは、海の底・・・など、江戸の歴史に詳しい人が見たら、しばらく動けないんじゃないかなあ〜。
さあ、自分の火を消さなければ・・・。


肉食系



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世の中、肉食系がもてはやされているが、昆虫の世界も生まれたときから肉食系というタイプがいる。芙蓉の花を見ていたら、小型のスズメバチがクマバチを襲っていた。細かく団子状にして巣に運び、幼虫の餌にするはずだ。危ないので顔を寄せて観察できなかったが、写真をよく見ると、右の脚一本を花の蕾に引っかけて、作業をしている。飛びながら補食するヤンマや、木の枝を使ってカミキリムシの幼虫をとるカラスなど、動物の世界には器用な種類がいるが、このスズメバチもなかなかだ。残酷だが、弱肉強食、命の連鎖を思えば自然の掟なのだから仕方がない。ただ動物たちは、必要な分だけを摂取すれば終わり。決して食べ過ぎることはない。


イトトンボ



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小金井にある曹洞宗のお寺で、ロケハンをかねて撮影をしていたら、ホテイアオイのある小さな池でイトトンボが羽を休めていた。いつ見てもその繊細なカタチにウットリする。イトトンボは、池や葉の色に同化しやすいので、目を凝らさなければ見つけにくい。風を感じながら飛翔はゆったり、そして羽をたたむ時は尾に合わせてやや上に向ける。イトトンボの所作を見ていると、時間がゆっくり流れていく。


内藤唐辛子



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「錦松梅」の玄関前にあった内藤唐辛子。色もカタチも和テイストだ



この「内藤唐辛子」の話をしたくて、以前迷いこんだ内藤神社と内藤新宿を昨日、枕話にしました。暑くなり始めた頃から、唐辛子をつけた緑のプランターが新宿通りに並び始めたので、不思議に思っていたら、「錦松梅」という佃煮屋の玄関前に内藤唐辛子の説明書きを発見。「その昔、内藤新宿一帯は秋になると、内藤藩の栽培する唐辛子(上を向いて実る八房という品種)で赤い絨毯が敷かれたような風景が見られた・・・・七味唐辛子売りの口上でもその名は全国的に知られていた」。なるほど、そう言うわけね・・・。

さらに調べてみると、「参勤交代のために江戸に屋敷を構えた内藤家(後の高遠内藤家)では、内藤唐辛子や内藤南瓜をはじめとする野菜を作った。そして、江戸の人口が増加するに従って野菜の需要が増大、近郊農家では、これらの江戸野菜が盛んに栽培された」。

どんな風景がそこには広がっていたのか・・・。唐辛子で街を真っ赤にして、特産をつくるという動きは、地域の歴史と文化を伝えるユニークな試み。いつかこの界隈を真っ赤にしてほしいものです。


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*権師匠が、先日のISSの飛行を見事に撮影しました。写真をクリックすると星も見えます。

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8月26日のISS、右から左へ・・・・・
15秒開放撮影・・・1秒ブランク・・・15秒開放撮影・・・1秒ブランク・・・の6回連続を合成。
月が邪魔をしていたので畑の桑の木で隠した。
最後のカットは、例のスッーと消えるところです。
アングルが今ひとつであるが、一度セットすると途中で動かす事が出来ず、これも運!再度挑戦しま〜す!

内藤新宿



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明治5年、内藤氏の屋敷が大蔵省に買収されと、藤原釜足を祭った多武峰神社と共に現在地(内藤町1番地)に内藤神社が建てられた


さて長く仕事場にしているのが、ここ新宿区四谷。山手線のヘソに当たり、「交通の便が良く、皇居に続く新宿通りは風水上もよろしい」と、不動産屋の年配担当者から巧みな説明を受け、ここに事務所を決めて久しい。新宿は江戸時代に「内藤新宿」と呼ばれ、日本橋から甲州街道に向かう最初の宿場町だった。何故ここを内藤新宿と呼ぶようになったか?
ある週末、迷い込んで辿り着いた内藤神社。そこを管理している方が、掃除の手を休めて教えてくれた。


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新宿歴史博物館で内藤新宿の宿場町のジオラマが観られます


1590年、徳川家康が江戸入城の日に、家康は内藤修理之亮清成(ないとう しゅりのすけきよなり)信濃高遠三万三千石の疎に「お前の馬が一息で回れるだけの土地を与えよう」と言った。そこで清成は白馬に跨がり、南は千駄ヶ谷、北は大久保、西は代々木、東は四谷と現在の新宿御苑内を中心に駆けだした。ぐるりを一周して馬は死んだが、家康は約束通り清成が馬で駆けめぐった土地を与えた。そして犠牲となった愛馬を祀っているのがこの内藤神社だという。

1698年、内藤新宿は宿場町として開設され、次第に旅籠屋や茶屋が増え、岡場所(色町)としても賑わっていった。当時、宿場に遊女を置くことは認められていなかったが、客に給仕をするという名目で飯盛女・茶屋女として置かれていた。ところが1718年10月、幕府は廃止を決定する。吉原がしばしば奉行所に提出していた遊女商売取り締まり願いの対象にもなり、これが宿場廃止となった原因の一つといわれ、わずか20年の歴史を閉じることになった。



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新宿御苑の東側に位置する内藤町。昔は色町だったらしい




夕焼け


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週末、横浜のコートを美しい夕焼けが覆った。以前大山を登った帰りに立ち寄った松江の県立美術館。そこで見たマジックアワーの感動が甦った。日が落ちてから絶え間なく色が変化し、空が燃えるような色に染まっていく。東京では、こんな広い空がみられないから、夕焼けの迫力に圧倒された。
分かっていたら、一眼レフを持ってきていたのに、ちょっと残念だった。
さて昨日のISS、権師匠が予想した通り、すっと空に消えていった。今日もバッチリみられそうです。

◎27日(-3.1) 19:08:03 北西 〜 19:11:23 北東 〜 19:13:29 東南東


モルゲンロート



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朝の光の下では百日紅も爽やかムード



アササンの前にテレビの天気予報を見ると、晴れマークが今月末まで続いている。「まだまだ残暑が続くのかよ〜」と、ブツブツ言って、緑道を歩き始めると、これが意外に涼しい。夜中のヒンヤリした空気がまだ残っているのと、朝の光は弱いから爽やかに歩ける。ビルの側面をオレンジ色に染める朝日は、その日の快晴を約束するモルゲンロート(山で見る朝焼け)のようで、山屋はおおいに喜ぶ。しかし、しばらく歩いていると、気温が10分単位で上がっていくので、後半はついつい急ぎ足になり汗をかいてしまう。



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帰る頃には、百日紅がイキイキしてきます



*さて権師匠からISS情報です。
 日・月とよく見えそうです。

◎26日(-3.2) 19:56:41 北西 〜 20:00:02 南西 〜 20:00:04 南西
名古屋上空になってしまいました。たまさんよく見えますよ。

◎27日(-3.1) 19:08:03 北西 〜 19:11:23 北東 〜 19:13:29 東南東
こちらは福島上空通過です。



哲学堂



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聖徳太子・菅原道真、中国の荘子・朱子、印度の龍樹
・迦毘羅仙の六人を「六賢」として祀ってある六賢台



娘が小さい頃、よく自転車に乗せて哲学堂に遊びにきた。雑木が多く薄暗いところが多いので、子供が少なかったからだ。つまり娘の楽しみより、自分の興味が優先だった。実にけしからん親である、ということを久々に訪れて思い出した。哲学堂は仏教哲学者であり教育家の井上圓了博士という人が、全国で揮毫した際の謝礼を基金として設立した。東洋大学の学長にまで上りつめた人だが、ある事件(哲学館事件)によって職を辞し、この哲学堂で生涯教育活動を続けたようだ。
思い起こせば、愚かな親に似ず思慮深い人になってほしいという願いを込めて、連れてきたような印象もある。この日も歩いているのは、散歩の老人か、本を抱えていた青年とカップルだけで子供は捕虫網をもっている親子の一組だけだった。そういえば「哲学の道」という響きにも弱い。京都に行くと、若王子神社から銀閣寺まで続く疎水に沿った散歩道「哲学の道」がお決まりのコースなっている。もしかしたら「***の道」という***に弱いのかもしれない。



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シオカラトンボがホバリングをしている。歌を考えたが・・・


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池のほとりに韮の花が咲いていた


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書がうまくなりますように




玉川上水(三鷹〜富士見ヶ丘)



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三鷹駅を出ると「風の散歩道」に出ます。この左側が玉川上水



まあ、よくこの暑いなかを歩きますね〜と声がかかりそうですが、アルキメデスなので仕方がありません。二年半前にスタートした玉川浄水全コース踏破に向けて、週末の夕方、三鷹〜富士見ヶ丘間を歩いてきました。下調べもせず、期待していなかったのですが、途中にある山本有三記念館や井の頭公園、スタジオジブリなど、寄り道したいポイントが多く楽しいコースでした。三鷹駅南口を出るとすぐに玉川上水に出ます。そこは「風の散歩道」という標識が出ている通り、風が爽やか。川の側、木立が続くからでしょうか。緩やかな川の流れに沿って、ツクツクホウシとヒグラシ、そしてミンミンゼミの声を聞きながらの散歩は、懐かしい夏の夕方を感じました。
そして富士見ヶ丘に着く頃、雲行きが怪しくなり、突然の夕立。慌てて飛び込んだ喫茶店。ここが良かった。古い日本家屋風で図書の趣味、少し暗めの照明、そして白玉ぜんざい・・・ニッコリです。ロバート・キャパの写真集を見ながら、白玉ぜんざいとコーヒーのセット。幸せは前触れもなくやってくるものです。



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しばらく歩くと山本有三記念館が右手に


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幅約2メートルの「路傍の石」。でかい!イメージと違った


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こんな道ではミンミンゼミが鳴き


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こんな道ではツクツクホウシが鳴き

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この道ではヒグラシの声が遠くから


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この緩やかな川の流れ。江戸時代の土木技術は凄い


アメリカンスロープ



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磐梯山のほぼ中間くらいから猪苗代湖に向かって、長い下りがスキー場の中にある



磐梯山の帰り道、うんざりするほど長い猪苗代スキー場を下りていたら、ふるさと札幌にあった幻のスキー場のことを思い出した。昭和30〜40年代の頃だろうか。誰が付けたのか、「アメリカンスロープ」という名のスキー場が藻岩山の麓にあった。なんとハイカラな名前だったのだろうと、今も懐かしく当時のことを思い出す。当時の小中高には、スキー遠足という授業!?があって、昼食とおやつを持ってスキー場で一日を過ごす。アメリカンスロープといってもリフトなんかない。到着すると生徒はスキーを装着して並び、斜面の雪を踏み固めながらゆっくり下りていくのだ。当時そこは地崎組という会社の広大な所有地だった。たぶん市がスキー場として借りていたのだろう。スキー上手は楽しかったが、苦手な生徒は転んでばかりで辛かったに違いない。吹雪の日の昼食時は、動物のようにみんなが寄り添い、冷たくなったおにぎりを黙々と食べた。週末もスキーを抱えては、友人同士で暗くなるまで滑った。
今は市街を一望できる高級住宅地となっている。あの時のみんなは、アメリカンスロープのこと、知っているのだろうか。



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一歩踏み出すごとにたくさんのトノサマバッタやイナゴ、コオロギが翔ぶ、飛ぶ、跳ぶ


磐梯山(3)



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花粉を食べていたツマグロハナカミキリ


番外編です。昆虫写真家の六田晴洋さんの新聞連載「里山に生きる」の記事の中に、気をつけて野山を見ていると、いろんな昆虫に出会えるとあった。どの昆虫にも好きな花木があって、注意深く見ると、吸い寄せられるように集まっていることが分かる。子供の頃から甲虫が好きなせいか、鎧をつけたようなその姿を見ると、いまでもつい目を奪われる。触覚や頭、そして六本の足が実に精巧に動く。子供たちがオオクワガタに夢中になるのがよく分かる。


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タデ科の植物イタドリの花に夢中のセマダラコガネ


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緑色の光沢が美しいルリハムシ。体長は6㎜くらい


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レースの葉っぱを作った犯人は誰だろう!?



磐梯山(2)



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小さなクルマユリがポツンと絵になっていた



花の季節を過ぎていたので、期待をしていなかったが、それでもいくつかの高山植物に出会えた。ヤマハハコ、ウメバチソウ、ウスユキソウ、ソバナ、タカナナデシコ、シシウド、アキノキリンソウなど、秋の花が野山を埋めていた。今年の夏は雨が多かったので、花たちも大変だっただろうと思う。どれもやや疲れているように見えたが、夏を謳歌したのだろうか。この日、磐梯山の山頂と麓では温度差がかなりあった。山頂ではダウンを着ている人もいたのに、登山口は射すような暑さ。下りてみて、季節が夏であることを実感した。



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打ち上げ花火を見ているようなミヤマシシウド


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日当りの良い湿地に咲く、梅の紋そっくりのウメバチソウ


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秋の代表的な花、アキノキリンソウ


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開花期間が長いタカナナデシコ


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名前を聞くだけでなぜか心がざわつく、ヤマハハコ


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花の季節を終えたウスユキソウがまだ残っていた


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山頂付近はシシウドが枯れ、アキノキリンソウが夏の終わりを伝えていた


磐梯山(1)



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おっ!山頂か?と喜ばせて、約40分の急勾配が続く



ついに「雨男」の由々しき名を返上したか、と思わせるような朝を磐梯山の麓で迎えた。降り続く雨音を聞きながら自棄酒で眠りについて、朝、目が覚めると鳥たちの声。お〜呪縛は切れたか!すぐに荷物をまとめて登山口へ。雨が降り続いたせいか、人が少ない。いいぞ〜。軽い準備運動をしてから、ブナの森に入っていく。水を吸い込んだブナの森は、神々しいほどの静けさがある。なんども深呼吸をして、森の澄んだ空気をいただく。時折、風が吹いて歓迎の飛沫を頭から受ける。その気持ちの良いこと。身体が純化されていくようだ。



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時折ガスが切れて、下界が顔を見せる



磐梯山に来たのは今回で三度目。一度はスキー場から登り始めたのだが、コースを間違えたのとあまりにも良い天気だったので、動いていないリフトの降車場でつい昼寝をしてしまい、諦めた。二度目は、友人の車で山を一周した。良い山なのですぐに登るのはもったいないと思った。しかし、昨年登った吾妻からこの山を眺めて、よし来年は登ろうと決めた。



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はい、記念すべき70座目に登頂!


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山頂近くのお花畑は秋を思わせる雰囲気


エンジェルウイングジャスミン



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今日も女子選手らにエールを。いまエンジェルウイングジャスミンの香りが爽やかです


未明にアチコチから応援の声が聞こえてくるなか、連日の睡眠不足も忘れ、ナデシコの決勝戦に力が入りました。惜しくも破れはしましたが、立派な銀メダル。一生懸命頑張ることの感動と喜びをもらい、スポーツの素晴らしさを満喫しました。吉田選手も三連覇、見事でした。娘に肩車をしてもらえる父親の気持ちはどんなものなんだろうと、日の丸を掲げてリングを廻る二人をぼんやり見ていました。
あ〜これで一段落だと思ったら、今度は男子サッカーと女子バレーボールで因縁の日韓戦。磐梯山(百名山の70座目)への体力が消耗しそうです。


ヒメジオン(姫女菀)



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やりました〜〜レスリング!女子二人「金」!ナデシコのサッカーをはじめ、柔道、バレーボール、卓球、水泳・・・そしてレスリング。今回のオリンピックでは多くの競技で女性たちが大活躍。観ていて惚れ惚れします。そんな活躍を期待して、先週末テニスコートの近くで撮ったこのヒメジオンを今日の一枚にします。春から咲き始めるハルジョオンに代わって野原に咲く強い花。「姫」は「小さい」、けれど辛抱強くて逞しい。まさにこの花と同じ。
ヒメジョオンは1個体あたり47,000以上の種子を生産し、さらにその種子の寿命が35年と長いこともあり、驚異的な繁殖能力をもっている、と紹介されていました。
今晩も下りたがろうとする目蓋をテープで止めて、バレーボール、レスリング、陸上を応援しましょう!



アメリカフヨウ



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炎天下の道端に巨大な花が咲いていた。直径は30センチくらいか。ハイビスカスをそのまま大きくしたような花で、フヨウの仲間だろうと想像がついた。花びらに光が当たり涼しげだ。調べてみるとアメリカフヨウとあった。宿根草で冬になると地上部を枯らせ、春になると芽が出てくる。開花は7月頃からで、花をつけると一日で萎んでしまう一日花。つまりこの花は今日でお終いなのだ。


昨日の女子バレーボール準々決勝は、最後まで目が離せない素晴らしい好試合でした。今日は3個目の金メダルを目指して、レスリングに伊調 馨(いちょう かおり)が登場します。


そしてISS情報
◎8日/19:15:19 南西 〜 19:18:30 南東 〜 19:21:42 北東
昨晩は、雲の中からくっきりと現れました。今日はどうでしょうか。



熱中症


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テニスでチェンジコートする度に、熱中症にならないようにとかなりの水分補給をするのだが、どうも間に合わない。人より発汗するのか、必ずと言っていいほど軽度の熱中症になる。休む度に水道の水を頭にかける。こんな暑い日にみんなよくやるなあと、水場からコートを見渡すとほとんどが年配者だ。テニスにも熱中症なのだ。育った時代環境が特別なのか、この暑いなかよく動くなあと感心する。あれだけガブガブ飲んでいたのに、終わって体重を量ったら二キロほど減っていた。


さて、未明のなでしこサッカー、熱中させてくれました。興奮冷めやらぬ権師匠からも祝福の写真が届きました。


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なでしこJAPANがフランスに勝利した直後、お祝いのISSが北西に現れました!
左のちょこちょことしたのがプレアデス星団/スバル。その下が木星。
一番下にナナメのオリオン座


今夕もISSショーが待っています、男子サッカーの前に観ておきましょう。
◎7日 20:08:18 西南西 〜 20:11:31 北西 〜 20:14:45 北東


荒川兄からは、長岡の花火の写真が〜。

■長岡花火B(光川十洋)IMG_0178m.jpg

夕立



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つくづく雨男だと思う。週末、吟行歌会の庭園で突然の夕立にあった。雲が低く重そうなので、そろそろ降り出すかなと思っていたら、空が割れたのではないかというほどの雨が落ちてきた。樹々や屋根、石畳から気持ちの良い雨音が聞こえ、夏の暑さをしばし鎮めてくれた。皆さんシャワーのような雨の景色を見つめている。どうやら「夕立」がお題になりそうだ。

突然の夕立は
ほんの少し
夏を沈める
飛翔も合唱も
この音の向こう


ビヨウヤナギ(未央柳)



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この花は開花期間が長い。咲き始めは5月の初め頃だったと思うので、もうかれこれ3ヶ月くらい咲いている。夾竹桃のようなスリムな葉の上に、触手を思わせるような細長い雄しべ。放射状に広がれば、打ち上げ花火のようで華やかだろうと思いながら見ていると、わずかばかりだが心が涼む。



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すぐ近くにヤマブキもまだ咲いていた。なぜか花びらが白くなっているものがあった。


サルスベリの花の香り



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以前サルスベリの花の香りのことを書いた。赤よりもピンク、ピンクよりも白、色が淡くなるほど香りがあると。白いサルスベリの花がもう散り始めていたので、顔を寄せると藤色を薄めたような白色から、やはり上質なコロンを思わせるような香りがした。足早にこの下を通り過ぎさっていく人は、たぶん気がついていない。もったいないなと思う反面、ひとり悦に入っているのも悪くないような気がした。



権師匠から珍しい甲虫「マメハンミョウ」の写真が届いた。


東北地方の南部以南に分布し、年1回発生する。土中の蛹で越冬した後、成虫は7~8月に出現する。成虫は豆類等の葉を食害した後、土中に産卵する。ふ化幼虫は作物を加害することはなく、バッタやイナゴの卵等を食べて成長する。
つまり幼虫時代は益虫、成虫になると害虫になるので、どう対応したら良いのか分からん昆虫のようだ。


マメコガネ



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まあこの熱い時期に、何をしてるのマメコガネよと廻りを見渡すと、どれもカップルだ。このマメコガネは子供の頃から好きな甲虫で、手の平に乗せては足先のくすぐったさを楽しんだものだ。緑色の光沢が美しく、動きも鈍くて可愛い。小さいからマメだと思っていたが、マメ科の植物によくついている。調べてみると意外なことが分かった。

マメコガネは日本在来種だったが、1916年にアメリカ合衆国のニュージャージー州・リバートン(Riverton)で発見された。これらはアメリカで甲虫類の検疫が始まった1912年以前に、日本から輸出されたアヤメの球根に幼虫が紛れて移入したものと考えられている。
以後、マメコガネは天敵の少ない北アメリカで一気に分布を広げ、重大な農業害虫となってしまい、太平洋戦争時には「日本憎し」の宣伝材料にマメコガネも使われたほどであったといわれる。日本発の外来種であることから、現地では"Japanese beetle"(ジャパニーズ・ビートル)と呼ばれて嫌われている。

戦前に日本を飛び出した和製ビートルだった。たしかに繁殖しそうだよね。




農園



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友人の畑を訪ねた。自治体が地域の人らに貸している農園で、彼はここの班長をしている。「買った方が得なのは分かっているけど、有機農法の野菜作りは面白い」と言って、取れた夏野菜を分けてくれた。茄子、胡瓜、トマトなど毎日のように収穫できるようだ。とくにトマトはどんどん食べ頃になるので、トマトのレシピが増えたと言う。他の野菜と合わせ、酸味が効いた熱々のソテーなんかは、冷えた白ワインとの相性も良くて実に旨い〜。

ついに金メダルが獲れましたね。世界は強い!を実感します。


トウフジウツギ(唐藤空木)



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この時期にこんな花はうれしい。枝先に淡い紫色をした筒状の花を房のようにつけて、わずかな風にも揺れている。もう一ヶ月前から気に留めていたのだが、名前が分からなかった。権師匠に聞いたところ「たぶん、トウフジウツギだろう」という。唐藤空木。名前からなるほど〜と分かる。藤を思わせる小花と色が涼しげで、順々に咲いていくのも楽しめていい。

外も暑ければ、テレビの向こうも熱い!
期待の種目が次々にダメ!果たしてニッポンは金を取れるのだろうか?



蝉の声


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四谷駅を出ると蝉の声だろうか。耳を澄ませて木のそばにいくと、確かに蝉のような小さな声が止むことなく聞こえる。都会で最初に鳴く蝉だとすると、ニイニイゼミか。夏の始まりを実感する。通り過ぎて行く人らは、蝉だと分かっているのだろうか。そこを離れる時に、今度は目の前をゆっくり大きな甲虫が飛んでいった。カミキリムシだ。その光沢と大きさからするとたぶんゴマダラカミキリ。何とタイミングの良いこと。あ〜、仕事場に行かず、森か高原にでも行きたくなってきた。今日は暑い、熱い〜


ランタナ


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暑いですね〜。先週から日傘を使っているんですが、なかなか便利です。男も日傘。流行らせようかなと思います。さて昨日のワルナスビと同じように、このランタナも帰化植物ですが、こっちはこんなに可愛い。花色がどれも暖色系なので温かい感じ。白いものはピンクに、黄色はオレンジや赤に色が変わり別名「七変化」。園芸用としても人気があり、よく見かけるようになりました。
さて今晩、サッカー男子は優勝候補のスペイン戦。応援しましょう〜。


ワルナスビ(悪茄子)


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なにか見てくれが良くないヤツだなあと、散歩の度に思っていましたが、ここまで厄介なヤツだとは思いませんでした。名前をつけたのが植物学者の牧野富太郎博士。博士は明治39年に千葉県成田市の御料牧場で、これを見つけ「ワルナスビ」と命名しました。まあこいつの悪さ加減は凄まじい。

ウィキペディアにはこうあります。

茎や葉に鋭いとげが多いうえ、垂直および水平に広がる地下茎および、牛糞などに混じる種子でよく繁殖し、除草剤も効きにくく、一度生えると駆除しにくい。耕耘機などですきこむと、地下茎の切れ端一つ一つから芽が出て独立した個体に再生し、以前より増えてしまう始末の悪さである。和名の「ワルナスビ」は、このような性質により付けられた。
花は白または淡青色でナスやジャガイモに似ており春から秋まで咲き続ける。果実は球形で黄色く熟しトマトに似ている。しかし、全草がソラニンを含み有毒であるため、家畜が食べると場合によっては中毒死することがある。英語でも"Apple of Sodom"(ソドムのリンゴ)、"Devil's tomato" (悪魔のトマト)などという悪名でも呼ばれている。

さらに
鋭い刺や毒を有するため、家畜に被害を与え、作物の品質を低下させる。また、ナスやジャガイモなどの作物の害虫であるニジュウヤホシテントウの温床ともなる。外来生物法により要注意外来生物に指定されている。

人間だと、どんなタイプだろう。こんな凄いヤツに近づいてほしくないなあ。



ネムノキ(合歓木)



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ネムノキの花が咲いていました。淡紅色の雄しべがいくつも放射状に広がって、なんとも華やかです。名前の由来は、葉が夜になるとピタッと閉じ、眠っているように見えることからネムノキ。眠る木と聞いて、何か温かで童話の世界のイメージです。宮城まり子さんの養護施設「ねむの木学園」もそんなイメージから命名されたのかもしれません。花のない時には、葉がオジギソウと似ているので、よく叩いてしまいます。


高校野球



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写真をクリックするとボールが見えるます



梅雨が明けて、高校野球の予選が各地で熱を帯びてきています。ポンと時間が空いたので、興味深い一試合を神宮球場で観てきました。都立日野高:日大三高の五回戦。日野高は、シード校や日大桜ヶ丘などの強豪高を撃破していたので、もしやこれも好い試合になるのではと注目していました。そして目の当たりにしたのは、熱の入った投手戦。とくに日野高のピッチャー佐々木君の頭脳的なピッチングは素晴らしく、一昨年全国制覇をした日大三校を二回からほぼ完璧に抑えました。
じつはチケット売り場に並んでいる間に開始のサイレンが鳴り、歓声が聞こえ、観客席に上がった時には、日大三のスコアボードに「3」の数字。これはコールドになるかと心配していたら、佐々木君は二回から打者を次々に打ち取ってゆく好試合。日大三高の選手は全国レベルの大柄の選手ばかり。一方、進学校の日野高の選手はひと回り小さい。しかし踏ん張る。そしてピンチを守りきった五回裏、三本のヒットでワンアウト満塁。応援席のボルテージは一気に上がる!次打者が内野フライ。そして佐々木君が放った打球がセンターへあがるが好捕されて、ため息〜。とうとう「0」ばかりを17回見て試合が終了。一回に慌てなければ、もしかしたらの試合だったのかも。
でも爽やかな好い試合でした。先日訪れた花巻には、160キロのスピードを誇るピッチャーが決勝戦に出てくるというし、甲子園がますます楽しみです!



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五回の裏の「3」の数字。ヒット3本で「0」。惜しかった〜


早池峰山(4)



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お天気なら頂上直下、こんなコースを歩いていたはず



山頂直下まで来ると、花の種類が増えてくる。早池峰山は岩手を代表する山で、百名山の一つ。花の名山としても知られ、一年を通して約200種の高山植物が山を賑わす。とくにハヤチネウスユキソウは固有種で、エーデルワイスによく似てこの山の女王といっても良い花だ。生憎の天気で雨に濡れ、風に小刻みに揺れ続けている。身体を固定しながらじっと見ていると、何万年もこうした環境の中で耐え続けたからこそ、今日があるのだろうと想像できた。プルプルと計り知れないくらいの時間をこの花は、厳しい高地で雨風にもまれてきた。そう思うと、このお天気で見られたのは、かえって良かったのだとひとり納得した。




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おなじみミヤマオダマキ


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これも早池峰の固有種ミヤマヤマブキショウマ


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高山の菊といえばミヤマアズマギク。葉っぱが違う


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揺れる揺れるヨツバシオガマ


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これはめずらしい、色素がないギンリョウソウ


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一応証拠写真、1917メートル山頂



この旅は、何とももったいない日帰り。大好きな温泉が近くにいくつもあるというのに。新花巻に戻ると、夕方を過ぎていたこともあって、楽しみにしていたお弁当が完売。仕方ないと車内販売で買ったのが「こわっぱ」という、変な名前の丸形のわっぱ弁当。ウニ、イクラ漬け、カニ、細切りのワカメが小さな器に入っている。「こわっぱ」かあ〜、最後まで意地悪な、と思って食べてみると意外に旨い。お腹が空いていたこともって、ビールに良く合う。うん、最後にやっと満たされました。





早池峰山(3)



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しゃがみ込んでは撮る

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お天気なら最高のロケーションだろうにと視界の悪い景色を見渡しながら、岩手山や太平洋の大パノラマを想像する。日本海側からの風が容赦なく吹き続け、ストック無しでは身体を支えきれない。見上げると霧か雲か、猛烈なスピードで尾根上を舐めていくので、全ての草木が右へ倣いだ。いくつかのウスユキソウを撮ったので、引き返すはずだったのに、花の種類が増えてくると、つい欲が出てもう少しとなって、苦手のハシゴとご対面〜。


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下を見ずに上がると、またハシゴ。この間、風が容赦ない。クソ〜と登る。



すると、さすが花の百名山!!




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★権師匠からその後のコニャンコの写真が届いています。
 里親はまだ決まっていないようです。



ソッキーが授乳にやって来ます。
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お腹いっぱいになると、またひと暴れ・・・ソッキーは帰ります。
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そして、遊び疲れ・・・グーグー・・・
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私も疲れた!!!

 権



早池峰山(2)


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山道に沿って雨が小川となる


梅雨の頃から山の花が次々に咲き始める。すると決まって早池峰のウスユキソウを想って、心は高鳴る。もうこれ以上待てない、待たせてはいけないと、ついに決心をしてやって来た。この雨のせいか、麓まで行く日に一本のバスに青年ひとりだけ。静かな山行が楽しめる、はずだった。
雨より恐ろしいこととは・・・・。
熊の爪痕が幹に残っている。上には大好物のキノコがいくつか。


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IMGP8072.JPGのサムネール画像

答は、樹林帯を抜けた二合目に!
猛烈な風が西の方向から吹き付けてきた。身体が傾くほどの勢いだ。心が萎えてしまい、どうするか悩んで考え込む。若い女性が下りてきて「この上はさらに強い風で諦めました」と言う。強風は北アルプスの薬師岳と昨年の八ヶ岳で経験はある。よし!ウスユキソウだけ撮影しようと決めて登り始めた。風の息というのがなくて、吹きっぱなし。喧しくて耳鳴りのような音が続く。ストックを取り出し、バランスをとりながら登る。だんだん可笑しくなってきた。なんでここまでして会いに来たのか。きみのためなら、花も嵐も踏み越えて〜♬。すると、一輪のウスユキソウがお出迎え。身体を風上に向けて、最初の一枚を撮る。感動〜〜。


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早池峰山


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「おはようございます。岩手県の新花巻の駅前に来ています」とNHK「心旅」のショーヘイ君なら、さしづめそんな第一声でしょうか。お天気になると信じて、長年憧れていた花の山「早池峰山」に行こうと決め、飛んできました。中腹に咲く可憐な花「ハヤチネウスユキソウ(早池峰薄雪草)」に会いにです。しかしやっぱり・・・。雨男は辛いよ、です。梅雨前線嬢が「離さないわよ〜」と前線を押し上げて後を追いかけてきました。仙台までは晴れていたのに、降り立つと小降りの雨です。予報だとこれから本格的な雨に。東京では猛暑というのに、雨具の準備です。
さてバスを待っている間、駅前だというのに、野鳥の声があちこちから聞こえてきました。こんな新幹線の駅は少ないんじゃないかな。さて山では、雨より恐ろしいモノが待っていました。



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当初予定していたルートは川の水かさが増えているというので「小田越」ルートから・・・。


原っぱ



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原っぱがなくてもアスファルトの隙間から咲いちゃうよ〜



私たちの日常には、ささやかかな出来事が繰り返されている。気に留めていたらきりがないので、見過ごしていく。例えば散歩の途中に出くわす空き地。ここにどんな家があったのだろうと、周辺の家並みから思い起こそうとするが、すぐにイメージできない。見ていたはずだが記憶されていなかったことに気づく。そうこうしているうちに新しい家が建ち始まると、記憶からすっかり消えてしまう。
散歩の面白いところは、思考も歩き出すことだ。目にする風景から連鎖して思いがけないことを考えていることがある。新しい疑問を見つけて、その答を探そうとしたり、ずいぶん昔の何故が、ふと解決したり。あの原っぱで草と草を結んで、転ばせて泣かせた女の子。あの子は誰の妹だったのだろうとか、原っぱという言葉もやがて埋め立てられるのだろうかとか・・・。


梅ちゃん先生



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雲がものすごいスピードで駆け抜けてゆく



昨日の爽やかな風はどこへやら。今朝は風の音で目が覚めたのか、なんと四時半。仕方がないからアササンに出ると、いつもと違うメンバーが歩いていたり、走っていたり。なるほど同じ空間をいろんな人と共有しているんだ。帰ってきて新聞を広げると、小沢ナントカという男が新しい組をつくったとある。「自分の懐が第一」。なかなか正直な男であるが、反原発だけは旗印にしてほしくなかった。この男と共闘は組みたくない・・・・ついウトウトしていたらしく、朝ドラの「梅ちゃん先生」のテーマ曲が流れてきた。
「〜歩いてばかりじゃ見つからない〜」。朝、いつも気にしていたフレーズで、聞き取りにくい。じっくり聞いてみると、前にある歌詞が「うつむきながら」と分かったので納得 (^^♪   



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強い風にノウゼンカズラの花びらがずいぶん散っていた



ムクゲ(木槿)




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七月になるときちんと折り目正しく、ムクゲの花が咲く。いかにも韓国の国花らしい。この雰囲気もチマチョゴリのシンプルでフンワリしたデザインと重なって、淑やかな雰囲気がある。開花期間は7月から10月までと長く、伸長した枝につく蕾から次々と花開く。一日花といわれているが、どうもそうではないようだ。観察から数日は咲いているように思う。ハイビスカスと同じアオイ科の仲間。

アオイと言えばタチアオイ。花がもうてっぺんまで咲きました。梅雨明けはもうすぐなのかな。


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ミントの花・ジャスミンの花



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よく見んと、原っぱにミントの花が咲いていた。じっくり見たいが、フェンスの向こうなのでよく分からない。花粉がずいぶん落ちている。香りは無い。葉のカタチからアップルミントだろうか。そしてその近くには、ハゴロモジャスミンの花が終わりを迎えている。こちらは強い香り。クマンバチの数も減ってきた。クマンバチのホバリングを見ていると、よくこの小さな羽で大きな体を宙に浮かせているものだと感心する。



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クマンバチがハゴロモジャスミンの蜜に夢中〜


ボタンクサギ(牡丹臭木)



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週末、セレブな住宅地といわれる井の頭線の浜田山を散歩した。南側には広いバルコニーのあるマンションがいくつも建っていて、その街並は都会的で日本離れしている。この住宅地に隣接しているのが三井の森。足を踏み入れると、入り口近くにボタンクサギの花が一面に咲いていた。
紫陽花の季節に咲くので、赤い紫陽花のイメージが強い。丈が約2メートルくらい。大きめの葉の上に、赤い蕾と咲き始めた淡いピンク色の花がポツンポツンとある。花は良い香りなのだが、葉をこすると嫌な臭いがするするらしい。名前からくるイメージなのか、何となく華やかさが少ないように思う。



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モダンなマンションが何棟も立つパークシティ浜田山





アガパンサス(紫君子蘭)



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アガパンサスを覚えられない。どうしてもアバカントス「暴かんとす」になってしまう。まあこれでも良いのだ。聞かれても、知らない人はすぐに忘れるし、早口で言ってしまえばきっと分からない。梅雨の時期に爽やかなブルーが印象的で、すっとしている姿がとても涼しげ。放射状の花がすべて開くとお洒落な玉のカタチになる。アガパンサスはギリシア語のアガベ(愛)アンサス(花)の造語。「愛の花」という意味らしい。



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さてこの花が咲き始めました



さてウインブルドンですが、女子は事実上の決勝と睨んでいた、セレナVSクビトバ戦(準々決勝)が終わったのでもう興味無し。男子は今日の試合のジョコビッチVSフェデラー戦がほぼ決勝かもしれない。今後もう見ることはできないだろうと思われるフェデラーの芸術的なシングルのバックハンドを見てほしい。ご夫人には人気がないらしいが、彼のプレーはクールビューティ!


クチナシ



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散る花と萎れていく花がある。日本人が好むのは、散っていく花だろうか。コブシやハナミズキ、そしてこのクチナシも咲いている間、際立つ白が美しいだけに、萎れていく姿を見ると、哀れを感じてしまう。しかし錆びていくような色合いには、退廃的な妖しさがある。
花びらの真ん中にあるのは種子だろうか。萎れていこうとする花びらを小さなタコが必死に支えているように見える。そして蟻が一匹。よく見るとちょっとアートっぽい。えっ、アラーキの写真に似てる!?いえ、アルーキです。


栗のアカチャン



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風が緑の香りを運んでくるので、目を向けると大きな栗の林。誰もいないので柵を越えて入ってみる。歩くと目線辺りに、可愛い栗の実がいくつも生まれていた。
梅雨の初め、栗の林は真っ白な花に覆われる。匂い立つような栗の花。その白い花のほとんどが雄花だ。その付け根近くにある雌花に、匂いを嗅いでやってきた昆虫たちが花粉を運ぶ。受粉してこんな栗のアカチャンが誕生。青い匂いもいくぶん柔らかくなってきた。



ウィンブルドン



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ノウゼンカズラも長い夏を咲き誇る



眠い目をこすりながらウィンブルドンを観ている。なぜか。それは世界トップの選手のプレーを観たいからだ。選手もそれを知っているから、信じられないプレーを見せて、ポイントを奪う。決まれば拳を決め、ミスをすると両手を広げて残念がる。とくに長いラリーが終わると、観客は惜しみない拍手を両者に贈る。トッププレーヤーは観客から様々なパフォーマンスを学び、身につけていく。この華やかな舞台こそが伝統あるウィンブルドンだ。国技といわれる相撲も見習ってほしい。逃げて勝つ姿はみっともない。真っ向からぶつかり合う相撲を見たい。そうすれば勝者も敗者も讃えられるのだ。もうすぐ夏場所。それが終わるとオリンピックと夏の甲子園だ。あ〜眠れない夏が続く。



*権師匠からお中元の写真が届きました。

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一部にマニアアックなファンがいるカブトエビ君です





綿毛



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春を謳歌したタンポポが、次の世代に命を託して、綿毛を空に飛ばしている。どれも同じように見える綿毛だけど、背が低いけど茎が太い、黄色の花びらが鮮やかなど、それぞれがいろんなDNAを抱えているのだろう。見れば見るほど、この機能的な美しさには溜息がでる。自然が創りだしたものには、まったく無理や無駄というものがない。それに比べて知恵を持ってしまった人間は、どれだけの無駄を抱えていることだろう。
この綿毛をじっと見ていたら、記憶は消えていくのではなく、どこかに飛んでいくのかもしれないと思えてきた。まだワスレナグサを引きずっているのか?


ワスレナグサ



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あ〜もう半年が終わる。この半年、何もしていなかったように思う。ただただ時に身を任せている。光陰矢の如し、か。「ゴーイン イヤ、ノゴトシ」とシャレても、なにか空しい。
このワスレナグサは、先日のイコロの森に咲いていた。「フォーゲットミーノット」、私を忘れないでください、と言われても、最近はあれをしなければ、ということも忘れていく・・・。



トゲアザミ



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「世界トゲトゲ植物総合第一位」をあげたいくらいのトゲトゲぶり。昨年からこの空き地で勢力地図を広げている。撮るためちょっと近寄っただけで、刺されてしまった。じっくり見てほしい。ここまで花を守らなければいけないの!?といいたくなるほど、強烈でワイルドなトゲの鎧を身につけている。葉や茎はもちろん、花の下までびっしりだ。さらに驚いたのは、何とトゲにもトゲが生えている。写真をクリックし、拡大してほしい。ほら、その長いトゲに、小さな棘が生えているでしょ。
みゆき嬢もビックリ〜〜!♬




★お知らせ
友人のかにさんことかおるさんが、6月30日より「てぬぐい展」に作品を出しています。場所は恵比寿駅からすぐのギャラリー「い沙ら」。
タオルにはないさらっとした使い心地の手拭に、ユニークなデザインが施されています。


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ヤマボウシ


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ヤマボウシの花(総包片)が開き始めた。花が開くと緑まで濃く感じるのは、十字のカタチをした花の美しさとスッキリとした白色だ。ただ上向きに咲くので、少し高いところから見なければその美しさは分からない。涼しげに咲いている姿をみていると、うっとうしさも少しだけ忘れてしまう。山帽子、山法師の字も花の姿を言い当てて良い感じ。カツラとともに庭木にしたい樹木だ。



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グスベリ



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北海道では、誰もがこの実を「グスベリ」と呼びます。そして信州では「スグリ(酸塊)」。もしかしたら正しい名称があって、それが変化した違いないと思って調べると、やはりそうでした。ベリーの仲間の「グーズベリー(gooseberry)」。短くなって「グスベリ」。
子供の頃、この実をあちこちの庭木から、無断で採って口に放り込み「スッペ〜」なんて言いながら遊んでいました。きっと成熟しないうちに食べていたのでしょう。酸味を生かして、肉のソースにも使えそうです。




★さてお知らせ
まずは権師匠からの「小猫の里親探し」
ネコ好きで心優しき方がいらしたら、ぜひご紹介ください (^_^ )( ^_^)

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そしてもう一つ
友人の空さんが、帽子展を開いています。
会場で帽子を被って、その魔法にかかってみてください (^^)V

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妹の庭


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今日も北海道の続きです。妹の仕事は旅館の女将。忙しい時は連日睡眠4時間くらいしか取れないと愚痴ってますが、暇をみては庭にせっせと花を植えている。旅館の前を襟裳岬方面に向かうジーゼルカーが通過していく。その乗客の人に楽しんでもらおうと、約100メートルくらいを花の庭にした。いまはアヤメとルピナスが咲き、雨を受けたアヤメの色合いが美しい。
アヤメを見て思うのが、紫と緑の色を組み合わせた「ウインブルドンカラー」。もうすぐ華々しく開幕するが、こちらもやがて睡眠不足になになっていく。



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通称「逆さ藤」と言われるルピナス



叔母の庭


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母を連れて叔母の家を訪ねたら、丁度庭仕事をしていました。毎年花の種類が変わるので、一つひとつの花の説明してくれるのですが、なかなか覚えられません(写真の左手は説明をする叔母の手)。いつも元気で話のテンポも早く、人を笑わせるのがじつに上手い。線路の枕木を敷いたアプローチや紹興酒の瓶などを上手く配置して、演出もなかなか凝っています。老後の話に及ぶと「この家を買い取って、庭を作って〜」と頼まれてしまいました。



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庭へのアプローチはキングサリから、別名キバナフジ

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ごっつい枕木にも年期が入っています

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鯛釣草(タイツリソウ)はいつも見かけます

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壁一面には紫陽花が広がりました

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カモミールもあったり

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この窓辺で庭を見ながらお茶するそうです


青いケシと黒い犬



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イコロの森の続きです。この時期だけ、それも二年振りに咲きましたという係員の説明を聞いて、青いケシを探しに森の中へ入っていきました。水の流れている側に、まあ、自然界にはあってはいけないような青い花色。ありえない、不思議な存在感です。正式な名前は「メコノプシス」。ヒマラヤの青いケシとも呼ばれ、タチアオイのような薄い花びらに、強い光が差して、空色に染色された布のような風合です。見れば見るほど危険な花。ケシだからでしょうか。


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この日はカンカン照りだったので、ソフトクリームでもと思い小さなレストランへ。すると生まれて間もない三ヶ月のラブラドールレトリーバーがいました。名前はニョッキ。嬉しく嬉しくてどうしようもないと行った動きで、シッポ振り振り歩き回っています。しばらく戯れて遊んで、庭に出ると、飛ぶようなスピードで駆けていく。犬の走る姿のなんと美しいこと。いつ見ても良いなあ〜〜。
お前は幸せ者だ、こんな大自然のなかで自由に駆け回り、いろんな人と知り合って。スタッフも毎日の仕事が楽しいだろうな。



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イコロの森



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中学校時代の友人が勧めてくれた「イコロの森」。場所は千歳空港からわずか15キロ。原生林の中にひっそりとある、森というか、大きな庭園だろうか。アイヌ語でイコロとは「宝もの」。車から降りると、エゾハルゼミの鳴き声が迎えてくれた。ウッドランドガーデンという森のなかを歩いてから、イギリス式の庭を散策する。広い空の下、建物と庭のバランスが美しく、心が北国バージョンになっていく。スタッフらの仕事ぶりも何となくのんびり。その笑顔を見ていると森への愛情も伝わってきた。


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北海道神宮例祭



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札幌市の初夏の風物詩「北海道神宮例祭」が帰郷した日と重なりました。今年が133回目。子供の頃、このお祭りが近づくと浮き浮きしたものです。浴衣を着せてもらい、わずかな小遣いをもらって、手を引かれて市内の中心中島公園に行くと、まさに天然色で埋め尽くされたサーカス小屋や露天がビッシリと並んでいました。低い視線から見上げると、見世物小屋や野師のおじさんらが大声を上げていました。上京後この時期に帰ったことが無かったので、久々に神輿や山車の行列をじっくり見学しました。
色とりどりの時代装束に身を包んだ参加者が市中心部をゆっくりと行進。4基の神輿と8基の山車に馬車や人力車が加わり、1キロを超える長さの壮麗な行列に、沿道から歓声が上がっていました。


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どうしても目は・・・・


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翌朝、雨男が祭り後の公園を散歩すると、露天はきれいに片付けられていました

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雨に濡れるバイカウツギの美しさにウットリ・・・



トンボ



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先週の月曜日(6/4)に四谷の土手を歩いていたら、きれいな木陰が出来ていた。もしかしたらこの木陰、先日の金環日食のリングをきれいに映していたのでは・・・知っていたら来ていたかもしれない・・・残念!と思っていたら、目の前をトンボが横切った。お〜っと、声を出して新宿方面の空を見ると、トンボが数匹飛んでいる。トンボって六月の初めだっただろうかと想い巡らしたが、分からない。今年は少し早いような気がした。



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目の前が谷になっているせいか、四谷の土手は標高が高いように感じます



*明日から北海道です。アルキメデスは火曜日から〜♬



柏葉紫陽花



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最近よく見かける柏葉紫陽花。柏の葉に似ていることから命名されたようだが、他の紫陽花の名前を思うと、ほかの名前が合ったのではないかと思う。隅田の花火をはじめ、ブルーダイアモンド、ミセスクミコ、乙女の舞、伊予の十字星、花まつりなど、改良された種類には魅力的な名前がつけられている。名前は花の魅力を引き立て、想像力を働かせてくれるというのに、葉っぱから名前を決めるなんて、命名者はヤボな御仁である。
そう思っていたら、八重咲きの柏葉紫陽花には「スノーフレーク」という名前もあった。でもこれだとスズランにそっくりな花にあるんだよなあ〜。



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この紫陽花には素敵な名前があるのかもしれない


お洒落泥棒



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白い紫陽花を見ていたら、映画「お洒落泥棒」のオードリーの帽子を思い出した。たしか花模様の白い小さな帽子が、彼女の頭に収まっていたはずだ。愛らしく、清楚で聡明で、溌剌としていたオードリー。その姿を見ているだけで幸せになれた。「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」など、オードリーが演じると主人公はチャーミングで気品のある女性になった。
永遠にそうしたイメージで歳を重ねていくと思っていたら、晩年は飢餓で苦しむ子供たちのためにユニセフの親善大使として情熱を傾けた。スクリーンの主人公から、愛に満ちた一人の女性になったとき、オードリーの天使のような演技がどこから来ていたのかを知った。


*「お洒落泥棒」の帽子を調べてみると、なんと白いヘルメットのようなデザインだった。記憶というものは、案外いい加減なものだ。




菖蒲



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菖蒲のスッと伸びた姿とスカイツリーは合うね



美女が多くいる場合に「いずれアヤメかカキツバタ」の例えがあります。「ショウブ」と打っても「アヤメ」と打っても「菖蒲」と出る場合の例えは「いずれアヤメかショウブか!?」というのでしょうか。ずっとおかしいと思っていました。するとアヤメには「文目」の漢字があることを発見。調べると「織物や木目(もくめ)などに現れた模様。いろどり。あや。物の区別。見分け。けじめ」とあって、花の紹介はありません。
「文目」の語意に「物の区別」とは、何か馬鹿にされているカンジです。



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荒川区の堀切菖蒲園


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一つひとつに改良者が命名!?


草野球



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雨が上がりの空は、透き通るようなブルーだ。雲は前日までのくすんだ色を洗い落され、青空の中に浮かんでいる。行ったこともないのに「これはモンタナの雲だなあ〜」と、独り言をいいんながら、土手を下りると、小学生らが野球の試合をしていた。


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ごろっと横になって、眩しい光を浴びながら、子どもたちの声を聞いていたら、父を思い出した。野球好きだった父は、幼い私を自転車に乗せて、少し離れた市民球場によく連れて行った。野球の分からない私は、球場の外野席(土手)でトンボを追いかけていたのかもしれない。父がそのときに言ったのか、「ノンプロ」という言葉を不意に思い出した。


ベリー



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ベリーの実が、すくすく育っています。これはブラックベリー。受粉が終わると、花が散ってツブツブの実が生まれてきます。当たり前のことだけど、小さな庭の一画にも自然のメカニズムがあるのだと、日々大きくなっていくベリーの実を見ては感心します。


無意識のうちにベリーの成長を見ては、自分を見ているのかもしれない。自然に対する興味の行きつく果ては、自分自身の生命、生きていることの不思議さにつながっていくのだと思う。




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グイグイと大きくなってます


デンタータラベンダー



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新築と思われる家の周りにラベンダーが咲いていた。花色は、よく見るラベンダーより赤みがかっている。顔を近づけると良い香り。指先で挟んでみると、さらに芳しい香りが広がり、気分は富良野。名前を調べると「デンタータラベンダー」とある。デンタータとは、「dentata(歯状の)」。たしかに葉っぱが鋸状だ。
ラベンダーは育てやすいし、香りも良いので、一鉢買ってみようかな。



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よく見ると穂の間から小さな花が咲き始めている



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昨晩のISSを権師匠が見事に撮影いたしました。東京では南南西から飛行してきました。予想時刻に、現れるはずの方角を向いて待つ。そして光を見つけた瞬間の軽い驚き。彼方に消えていくまで、光を見つめます。





トケイソウ(時計草)



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すべてのパーツが主張しています。カブトムシの角のように三つに分裂した雌しべ、黄色の靴を履いたような雄しべが五本、放射線状に広がる細い管のようなのは副冠。そして周りを囲む10枚は交互に花弁と萼ですが、ほとんど同じ色と形に見える。時計草の名は、長針、短針、秒針を思わせる三つの雌しべから命名されたようです。



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パッションフルーツも同じような花が咲く



権師匠から金星通過の写真が届きました。これは後半だね。
右側のホクロのような黒点が金星です。

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水滴



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一体どうなっているのか。朝の目覚めが日々早くなっていく。もう一度眠るなんて器用なことができないから、諦めてアササンに出ると、もう多くの人が歩いている。歩けば午前中はスッキリなのだが、午後になると睡魔が襲ってくる。とくに昼食の後だ。いつの間にか椅子にもたれて眠ってる。わずかな昼寝は体に良いらしい。
さて葉っぱの上に残っている水滴も、わずかな睡眠しかとらない。朝日が当たり始めると、スッと消えていく。
「人生は朝露の如し」の言葉を残すかのように。


スカイフラワー



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上へ上へとタチアオイの花が開いていく。名人の手で漉いた和紙を思わせる花びらに、朝日が美しい陰影をつけている。今人気のスカイツリーにあやかって「スカイフラワー」と勝手に命名してみたが、実はコケコッコー花の別名がある(あった!?)。子供の頃、この花びらを引き抜いて、鼻の上やオデコにつけてコケコッコーと声を出して遊んだ。コケコッコー花と呼んでいたのは北海道だけらしいが、今はどうなのだろうか。



*さて権師匠からその後のニャン日記が届いています〜♬


みなさん、お元気ですか?
昨日6月3日は・・・・・染五郎・姫のお誕生日でした!!!
警察署前の空き地に捨てられていた75gの染五郎は今や5800gに、姫85gは4700gになりました。

        (=^・^=) Happy Birthday (=^・^=)

・・・・などと言ってはいられません!

毎日毎日、何度となく孫ネコ探しで〜す!

どうした訳かおせつが孫ネコを隠してしまうのです。
それも一匹だけ、下の写真左から2番目のバンザイニャンコです。

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毎日毎日・隠す・探す・隠す・探す・隠す・探す・の連続で〜す!

どうもおせつは自分の子供と勘違いをして連れて行く様です。
この一匹限定の訳は・・・昨年おせつが生んだ3匹の内、居なくなってしまったあの子にそっくりなんですよ!
おせつ・・・えらい!!!・・・・・などと言ってはいられない。
叱るわけにもいかず、それで・・・毎日毎日・隠す・探す・隠す・探す・隠す・探す・の連続で〜す!


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この子で〜す!

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どうだ〜〜可愛いだろっ〜〜〜

だれかぁ〜〜〜

飼ってぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!


 権

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ビヨウヤナギ



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この時期、オトギリソウの仲間が多く咲いている。これはビヨウヤナギ(未央柳)。雄しべの花糸が放射状に広がっている。一本の長さが約三センチ。繊細な花火を見ているようだ。この名前の由来は、花が美しく、葉が柳に似ていることから、江戸時代はビオウヤナギ(未央柳)と呼んだのが訛ったらしい。未央とは楊貴妃の宮殿、未央宮(びおうきゅう)のこと。


ドクダミ



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ドクダミ。昨日のユウゲショウ(夕化粧)のすぐ近くに咲いていながら、このネーミングでは、イメージが天地ほど違う。濁音が二つもあり、まるでワルのような印象。たぶん臭気のせいに違いない。漢字で書くと「毒」はすぐ出てくるけど、「ダミ」は!?と思って調べると、「蕺」。この一文字で「ドクダミ」と読む。草冠に「口」書いて「耳」を書き「戈」を書く。何やら意味がありそうだが、よく分からない。もしかしたら「口・耳」だから、生薬の意味があるのかもしれない。
傷口や炎症の患部に、葉っぱを炙ってから軽く揉み、貼りつけておくと効果があるらしい。



ユウゲショウ


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この可愛い花を見ていると、生命力の強い花とは思えない。紫陽花の頃になると咲き始め、何か言いたげに上を向いている。名をユウゲショウ(夕化粧)。南米から北米に渡り、明治の頃に観賞用として日本にやってきた。意味ありげな名前をもらい、花好きの人たちに愛されていたのに、ひょんなことから外に飛び出した。いまでは道端や空き地などで往来の人を眺めている。


赤いクローバー


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テニスコートまでの緑道脇に、赤いクローバーが一面に咲いている。早朝の柔らかい光の中で揺れるピンクは、瑞々しくて心が癒される。テニスを止めて、ここで昼寝しようかと本気で思った。緑の中を抜けてきた風は、肌に気持ちが良い。この花は別名アカツメクサ。お昼頃には、家族がマットを敷いてランチを楽しんでいた。こんな週末の憩い方もあるね。



どんどん咲いていくのでどんどん紹介します

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名前も美しいバイカウツギ(梅花空木)


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雌しべがユニークな形のキンシバイ(金糸梅)




八重テッセン(クレマチス)



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一昨日の歌会の帰り、フェンスから顔を出している涼しげな花を発見!調べても分からなかったので権師匠に尋ねると「八重テッセン」で種類は「ペパーミント」だろうと。確かに花びらを見るとテッセンの特長である細い筋が入っている。じっと見ていると、この緑の八重には命のエネルギーが広がっていくような力強さがある。なにか人気が出そうな予感!



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こちらはよく見る一重のタイプ


ニオイバンマツリ



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カーブの多い神田川沿いの散歩道には、花好きのお宅が多い。だから毎日のように同じコースを歩いても退屈することはない。「シンボルフラワー」のあるお宅はすべて頭に入っているので、近くに行くと自然に歩が緩む。ここのお宅はニオイバンマツリ。ときどき見かける花だけど、このコースではここだけ。咲き始めは紫で、数日すると白に変化する。今は混色の状態なので、涼しげな色合になり、とても美しい。そして名の如く、ジャスミン系のような爽やかな香りがするので、誰もが顔を寄せて通り過ぎていく。
ナス科の花で別名、ブルンフェルシア。


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権師匠のところで事件です!


いつもの風景!・・・ソッキーとおせつ・・・・・???

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なんじゃこれ?????

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どこから湧いて出たのじゃあ〜〜〜〜〜〜〜?

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どうも最近ソッキーの様子がおかしいと・・・・・

獣医へ連れて行こうという、その日の事でした。

ソッキーは小さくて、臆病であまり近くに来ないので・・・判らなかった!!!


去年の今日は、外におせつ、家に千代・福助の、猫は3匹でした・・・・・
それが・・・一年で・・・外に7匹、家に4匹・・・・・猫・11匹!!!!!

今度こそ、飼い主さがすぞぉ〜〜〜〜〜!

皆さんも、探してくださぁ〜い、おねがいしまぁ〜す!


というわけで、権師匠の家ではもうすぐ運動会が始まるかもしれません。
里親になってくれる方がいらっしゃいましたら、ご連絡くださいね。




紫陽花


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紫陽花の蕾が開き始めました。大きさも色も外から広がっていきます。爽やかな季節なんだから、もう少し蕾でいなさいよ、と言いたくなるけど、色づくと、宝石でも眺めるような気分になります。そういえば和菓子にもこの季節になると、紫陽花を形取ったものや、透き通った川底の小石を見るかのようなツルンとしたお菓子があったなあと、思い浮かべるのでした。


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ガクアジサイは白鳥が舞うよう


甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)



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捜索を受ける二時間前には、呑気にこんな写真を撮っていた。
百名山の一つ甲武信ヶ岳は、名前の通り甲州・武州・信州の境に聳える2470メートルの名山だ。いつかここを登ろうと、ずいぶん前からこの周辺の地図を眺めていた。この山の稜線上にある雲取山、国師ヶ岳、朝日岳、金峰山など、すでに何度も登っていたので、地図はほぼ頭に入っていた。しかしこれが落とし穴になった。山小屋の位置を間違えて覚えていたのだ。山頂に着いたのが4時半。小屋に向かって下山を開始した。ここで最初のミス。20分後に道を間違えたことに気づき、すぐに山頂に向かってUターン。このときケータイのアンテナが立っていたので、山小屋に到着が遅れることを伝える。再び山頂で地図を見て、方向を確認して歩き始める。これが二度目のミス。(山頂から3本の道があった)
歩けど歩けど稜線上に小屋が見つからない。時計は六時近くを差し、夕闇と寒さが下りてきていた。初めて間違いを犯していることに気がついた。
これはマズい。しかし何故だ。もう一度地図を確認した。絶句!なんと記憶していた場所に小屋などはなく、未だ歩いていたことのない稜線上にあったのだ。
分かった瞬間に、つっていた足の痛みがさらに強くなり、数カ所に広がった。つったまま歩いていた。ヘッドランプ、携帯食、ダウン、アイゼン、すべてあるので最悪のケースを想定しても下りる自信はあったが、すでに小屋に連絡を入れていたので、それが気がかりだった。気力を絞って、戻り返す。すでに7時間以上歩き通していた。バテ、そして足のツリが全身を締めつけている。甲武信ヶ岳の直下に差しかかったときに、上から声がした。数人の声だ。名前を呼ばれている。人生でこれ以上、大きな声を出したことがない返事で答えた。安堵感が広がり、疲れが広がった。

・反省点
早くから登る。地図を良く見る。体力の低下を自覚する。
反省の多い今回の山行でした。

甲武信小屋の徳さん、今回は大変ご迷惑をおかけしました。

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下山すれば雪はなく、新緑の美しい西沢渓谷が迎えてくれた


千曲川源流



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積雪部分までの「水源地標」の文字が剥げています


金環日食を優先したので「千曲川源流〜甲武信ヶ岳」が一日遅れました。
山地図の一点を見ながら「ちくまがわげんりゅう」と声にして、ルートは決まった。西沢渓谷から一気に登って甲武信ヶ岳へ登頂するはずだったが、「千曲川源流」の魅惑的で挑発的な五文字を見て、気持ちは変わった。千曲川と言えば信濃川の主水源となるっている川だ。最深部の源流を訪ねれば、最初の一滴をこの手で掬える。週末、そのイメージを脹らませて出発した。
土曜日の天気は晴れ。雨男よさようなら〜そんなルンルン気分を、小海線のトンネルで火災事故の車内アナウンスが消し去った。車内が一気にざわつく。それはそうだろう、この電車は単線で小諸方面に行くには、他に手立てがない。ここから雲行きが怪しくなっていった。
野辺山で強制下車され、仕方なくタクシーに乗って、千曲川源流域の登山口となる梓山を目指す。しかし悔しい、思わぬ散財だ。JRよ、払ってくれと言いたかった。
高原野菜畑の梓山から千曲川源流域まで、8.5キロ約四時間。「ちくまがわげんりゅう」と呟きながら、強すぎる日差しを受けながら登り始めた。雪解けの水は、清涼感のある音をたてながら登山道の脇を流れていく。高度を稼ぐと川幅が狭くなり、途中から雪道となる。やな予感が当たる!なんと〜最初のひと雫は雪の下だった。がっくり!時期が早過ぎた。
そして、ここ「千曲川信濃川水源地標(2230メートル)」まで余計にかかった時間が、後で尾を引くことになる・・・(続く)



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新緑が遅い上流部の森には、燦々と日が入っていた




金環日食


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Photo by Gon-shisyo


今朝、日本列島を多くの歓声が包んだ。世紀の天体ショー、金環日食。聞くと観るとでは大違い。赤いリングになった瞬間は、まさにファンタスティック!素晴らしいの一語でした。リングよもう少しこのままでと願いましたが、幸せはこのくらいの時間で良いのかもしれない。満ちる喜び、欠けていく寂しさを抱きながら、記憶に残る夢のような時間でした。
そういえば、相撲でも「旭天鵬」という最年長の名の関取が優勝したのは、始まろうとする旭日の大きな力があったからかもしれない・・・と思ったのはワタシ一人だけ!?



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前日から我が家の蛍光灯でテストを〜



*千曲川源流域と甲武信ヶ岳の旅は、明日に〜。


チゴユリ(稚児百合)


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遅寝早起きをしていると週の後半、起きるのがキツクなる。今朝はてっきり雨だと思っていたので気が弛み、目が覚めたら七時過ぎ!あ〜もったいない。
さて、出番を待っていた花がこのチゴユリ。以前、山の中で写真を撮っているおじさんに、この「チゴユリ」の名前を教えてもらった。稚児百合。なるほど可愛い〜と、すぐ覚えた。今では葉を見ただけでもすぐ分かる。丈はわずか10〜20センチで、花は1センチほど。半日影の林にポツポツ咲いている。



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*明日から、千曲川の源流域となるとなる山間を抜けて、山梨・埼玉・長野の3県の境に聳える、標高2475メートルの甲武信ヶ岳をアタックします。千曲川が信濃川の主流水系なので、雪さえ少なければ、信濃川の最初の一雫を見られるかもしれません。来週に報告します。


さくらんぼ


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宝石のようなさくらんぼが、今年もタワワ〜たわわ〜タワワ〜♬
近所の幼稚園の桜の木に、この時期になるとびっしりとさくらんぼがなる。一昨年は、撮る直前に園児たちの口に入った。昨年は、いつまでも枝についたままだった。そして今年、半分ほどになったから、希望するママたちが持っていったのかもしれない。一粒失敬して口に運んだ。プリッとした果肉から、初夏の甘みが広がった。


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青梅は梅雨を待っているのかな


果実の花


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朝、背伸びをしてこの花を撮っていたら、蚊にふくらはぎを二カ所刺されました。もう蚊の季節なんですね。さて、アササン中に白い花びらが路上にパラパラ〜。手に取るとやや厚めの触感で、ジャスミンとグレープフルーツを足したような、爽やかな香り。いかにも柑橘系の涼しげな香りです。最近まで夏蜜柑がたわわになっていたのですが、すっかり消えています。この花、咲いたばかりに見えるけど、もう受粉は終わったのだろうか?



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こちらはブルーベリーの花。雄しべの多いこと


歩キ雨デス


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いつも仲の良いスイカズラの花


アササンの途中に雨になった。仕方なく駆け足で帰り、いつもより早く新聞を広げると、沖縄が本土に返還されて40年とあった。いくつかの記事を読んで分かったことは、沖縄も福島と同じような不条理という重荷を背負わされていることだった。原発と基地。受益者のための犠牲となっている。抱えている怒りは、基本的人権の問題にもつながる。共有しない限り、本当の痛みは分からない・・・。「歩キ雨デス」で、いつもと違うトーンになってしまった。

ヒトリシズカ


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名前が良い。ヒトリシズカ(一人静)。四枚の葉に支えられるように白い花がポツンと直立している。日のあまり当たらない野山に咲いているので、淑やかで品の良さを感じる。調べると、なるほど〜「静」とは静御前のことを意味して命名されたようだ。しかし群生していることが多いので、そんなときには「ミンナシズカ」と言って冷やかして通る。



白い花


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つい黄色い花にばかり目が行きがちですが、白い花も咲き始めました。ヒメウツギ(姫空木)とテイカカズラ(定家葛)。ウツギは「卯の花の匂う垣根〜♬」と歌われていますが、香りはイマイチ。ところがテイカカズラは、垣根いっぱいに花をつけると、柔らかく雅な香りがして、歩くスピードが緩んできます。卯木と葛。先日の黄色い花を「洋」とすれば、この二つは「和」の面持ち。対照的な感じがします。


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このテイカカズラの花、ヒップホップを踊っているみたい〜♬


イカリソウ(錨草・碇草)



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実に不思議なカタチ。やや暗い林の中でひっそり咲いていた。4枚の淡いピンクの花びらが四方に広がっている。色が抜け落ちているようで、儚なく弱々しい。イカリソウの名前は、和船の四本鉤のイカリから命名されたもの。葉には精力を高める成分があるらしく、ユンケルにも使われているとか。


小さな森


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大きな倒木の隅っこに、小さな世界を発見。あまりにも小さいので、よく見えません(^^;)。そこでカメラのピントをマクロに調節し、手を伸ばしてパチリ。見るとスギゴケの上には、可愛いキノコと細長い植物がちいさな芽を出しています。キノコは二センチくらいの大きさ。朽ちた木の栄養分をいただきながら、小さな森をつくっていました。


黄色い花


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緑ばかりに目を向けていたら花たちが次々に開花。香りも芳しい黄色の花たちが目につきます。最近生け垣などでよく目にするモッコウバラ。小さいけれど花付きが良いらしく毎年増えています。そして甘い香りのカロライナジャスミン。名前からも溌剌とした雰囲気が伝わってきます。ヤマブキそっくりのクサノオウは、最近増えてきた花の一つ。帰化植物でしょうか。虫たちを集める黄色い花は、この時期に最も種類が多いようです。


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甘い香りのカロライナジャスミン


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花なのにクサノオウ


山笑う


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この時期の山を見ていると、緑にはこんなにもたくさんの色があるのかと圧倒される。どの色も風と光が織りなす命の輝きだ。吹き出したばかりの緑は、わずかな風でもよく揺れる。
山笑うとは、良い喩えだとしみじみ思う。緑色に染まりそうな山道を歩いていると、この幸福な時間が永遠に続かないだろうかと、つい願ってしまう。


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雨上がり



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雨が上がったので、事務所まで久々のウォーキング。神田川、新宿西口公園、新宿御苑という新緑のゴールデンコースを歩いて来ました。曇空が消え、突然太陽がお目見え。
見上げると眩しくて目蓋が閉じてしまうけど、笑顔になりました(*^-^*)


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西口公園から御苑へと続く緑の陸橋


牡丹


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いつもと違うルートをアササンしていると、牡丹が咲き誇っている庭がありました。3/12に紹介していたお寺です。牡丹があるとは知りませんでした。絢爛豪華とは、この花のためにある表現でしょうか。手の平くらいの大きな紅、赤、ピンク、白の四色の牡丹が、艶やかで妖しいほどの美しさを誇っています。繊細な花びらに包まれ、顔を寄せると甘い香りも漂ってきました。姿、形、色合いの素晴らしさ。この花にハマってしまう人は多いかもしれません。


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迎賓館前の新緑がこんなに濃くなりました(最終回)



リラ



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アササンをしていると花の香りがアチコチから漂ってきます。これはライラックの花。すれ違いざま、呼び止めるように独特の香りが漂いました。ふるさと札幌では皆リラと呼んでいます。



さて、ゴールデンウィークをどうお過ごしでしょうか。毎年のことですが、混雑する遠出を控え、身近な所で楽しむことにしています。三連休は、美術館とコンサート、そしてテニスと上手く組み合わせることができました。

初日は山種美術館恒例の「桜さくらサクラ展」。好きな作家である奥村土牛と加山又造の対称的な作品をじっくり見たことで、日本画のもつ奥の深さを改めて感じました。花びら一枚一枚を丁寧に描き上げる作家たち。気が遠くなるような幾千もの花びらは、幻想的で優美な世界をつくりあげていました。

一昨日は世田谷フィルコンサート。尾高忠明氏による指揮の下、武満満「波の盆」、モーツアルト「ピアノ協奏曲」、ショスタコーヴィチ「交響曲」が演奏されました。交響曲の後半、第4楽章では、さまざまな打楽器が二階席まで響き渡り、ロックコンサートにいるような興奮が湧きおこりました。




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土牛の代表作といわれる「醍醐」



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演奏前には打楽器によるロビーコンサートがありました


八重桜


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朝起きると雨。もう上がっていると思っていたので、仕方なく撮りためておいた写真を見ていると、アチコチで撮った桜が出てきた。これは、朝日を浴びた八重桜。八重桜といえば、濃いピンク色がほとんどだが、この八重は色白。溢れるように咲き誇っていても、ふんわり柔らかで優雅に見える。じっと見ていると、犬のシーズーを思い出した。



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この桜は珍しい花色でした。名前は分かりません。



影絵


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ここ数日、朝の散歩のときに、この前で立ち止まる。マンション建設反対が続いた敷地を囲む、白いフェンスの前だ。このフェンスに、小さなコブシが朝の光を浴びて、うっすらと影を映す。朝の光は弱いから、日が雲に入ると、影は壁に吸い込まれるように淡くなっていく。風が吹けば、さらさらと動く。こんな発見も早起きのトクというもの。



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*二枚の写真は、昨日のものです。

ハナミズキ(花水木)


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春の花木にすっかり定着したハナミズキ。いつからこんなに増えていったのでしょうか。ハクモクレンやコブシ、桜に変わって街路樹の代表選手になりました。ハナミズキは北アメリカが原産なので、別名アメリカヤマボウシとも呼ばれています。たしかにヤマボウシの特長をもっていて、花(苞)は通常空に向かって開きます。ところが、この赤いハナミズキは、なぜか花を下に向けていました。ちょっと不思議。



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幹や枝がすっかり緑に覆われてきました


クマリン



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クマンバチがお尻をだして、蜜に夢中。



花より団子の例えがありますが、桜といえば「桜餅」。塩漬けにされた葉から漂う独特の香りとこし餡の甘い匂いを思うと、もうツバが溢れてきます。前置きが長くなりましたが、オオシマザクラを見るとこのクマンバチの気持ちもよく分かるのです。桜餅に使う葉っぱは、このオオシマザクラの葉です。塩漬けにするとクマリンと言う成分ができて、脳を刺激し、たちどころに桜餅をいくつか注文させてしまうという魔力を持っています。

オオシマザクラは遠くからでもすぐに分かります。葉の緑色を受けて、花びらが淡い黄緑に見えるのですが、じつは白色。清々しく見えるのは、葉と花の比率がほぼ同じくらいだからでしょうか。その涼しげな美しさには、ため息が出ます。



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富士山


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ブルーグレーの曇空が広がり、今回は富士山が見られないだろうと思っていたら、日曜の朝、窓を開けると凛々しい姿があった。垂れ込めた雲がゆっくり下りていくと、雪を抱いた富士らしい姿になり、さらに堂々としてきた。それにしても富士というのは、突然出現するのが良い。関東周辺の山の頂きに上がった瞬間、電車や車での移動中に、そしてカーテンを開けたときなど、これほど圧倒的な存在感で自分を伝えてくるものは、他にないかもしれない。


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下に見えるのは御殿場の街。スケッチの道具をもってくれば良かった。


ヤマブキ(山吹)


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ヤマブキが光を集めて眩しく揺れている。花の名前が色だなんて、ファッショナブルで羨ましいネーミンだ。桃、藤、スミレも色のイメージはできるけど「ヤマブキ」のインパクトは半端じゃない。なんせ、大判小判もヤマブキと言われたくらいだから、赤味の強いこの黄色は、エネルギッシュで、なんとも魅惑的だ。ヤマブキは万葉の時代から、春の花として日本人に親しまれた植物。群生するこの色が山を覆えば、まさに山が吹き出すように映ったに違いない。



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週末また、雨が降りそうな気配。緑には甘雨かな。



カキツバタ


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ハナショウブかカキツバタか。神田川を見おろすと紫色の花が揺れている。アヤメは乾燥した場所でなければ咲かないから、これは違うとして、たぶんカキツバタだろう。しかしこの仲間は、どれも似ていて判別がつきにくい。そして何よりおかしいのは、ショウブと打てば菖蒲。アヤメと打っても菖蒲。これはどういうことだろう!?
ショウブ!と迫っているのに「アヤメ」と肩すかしをされているようで、腑に落ちない。調べてみると、今はアヤメの漢字表記は「文目」らしく、「菖蒲」は誤用とある。でも「文目」の漢字は、感じが悪い。アヤメとは読めないし、読みたくないですねえ。


てんとう虫


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春、てんとう虫を見つけると、嬉しくなる。まあるい形が何とも可愛いいし、小さな足を懸命に動かして、葉っぱの上を移動する姿は、見ていて飽きない。アブラムシを食べる益虫というのも支持を集めているようだし、なにより幸せを運んでくるという言い伝えが、どの国でも愛されている理由のようだ。
たとえば、イギリスでは「聖母マリアのお使い」と呼ばれているし、オーストリアでは、てんとう虫にお願いすると良い天気になる、スウェーデンでは、てんとう虫が女性の手を這うとその女性の結婚が近いとか、てんとう虫は世界各地で幸せのシンボルとして親しまれています。日本では天に向かっていく「天道虫」。これも良い。
しかし調子のってテントーしないように〜。えっ!ムシ!?


ケヤキ


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ケヤキの梢は遥かな高見にある。芽吹きのときはやや赤味の色をしているが、太陽の光を浴びてしばらくすると、さ緑の色を一層濃くしていく。風に揺れているはずなのだが、枝が自由に動いてようにも見える。実に気分がいい。信号待ちの間にケヤキを見つけたりすると、ちょっと得した気持ちになる。
ケヤキを調べると「けや(きわだって他と異なっているさま=広辞苑)木」とある。だからなのか、こんな頼もしいケヤキが多い街は、なんだか見守られているようで、とても落ち着く。

桜吹雪


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杉並区善福寺の公園内を歩いていると突然の桜吹雪。風が吹く度に無数の花びらが舞い降り、アチコチから感嘆の声が上がる。最後の別れの際まで、桜は愛おしく美しい。そういえば、娘が小さかった頃、両手を上げながら花びらを追いかけ、芝の上を飽きることなく走り回っていたことを思い出した。


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池に花びらのキャンバスをつくって、自らの影を投影する





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桜・さくら(5)


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さあ、見納めだ、と思って桜並木のアササンを楽しんできました。風吹けば、諸行無常の別れの舞い。美しいものの命は短く、儚いものです。たくさんの花びらが、風の息にあわせたように梢から吹き出されていきます。今年は桜への期待も大きかっただけに、ゆっくり堪能する時間をもてました。清々しく、お分かれした後は、美術館で静かなお花見を楽しみます。山種美術館「桜さくらSAKURA2012」は、5月20日まで。大観、御舟、土牛らの絵画が展示されています。



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桜・さくら(4)


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夕べの雨と風で、川面にたくさんの花筏があるのではと期待して行くと、水量が増えた川は流れが早く、花びらが浮かんでいても風情ありません。満開の花にばかり目が奪われていましたが、枝先には葉がもうチラホラ。早いものです。いま、花びら、萼、若葉の三つの色合いが楽しめます。


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桜・さくら(3)



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光と影の織りなす桜の色合いを額縁が演出!?



どこから舞ってきたのか、桜の花びらが濡れた道路に点々としています。風が強くなってきました。午後からかなりの雨も降りそうです。桜は覚悟しているのでしょうか。残酷だけど仕方ないですね。そんな思いとは裏腹に、桜吹雪舞う様子を見たいなあ〜。


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今日の雨に喜ぶのは木々の緑でしょうか


桜・さくら(2)


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中野区に長く住んでいるのに、じつは区内をよく知らない。桜日和となった8日、薬師様の桜はどんなだろうと思い、我が家から歩いて約30分の新井薬師梅照院を訪ねた。着いて、まあ〜ビックリ!八の日は縁日とかで、境内はもう大勢の人。まるでここは浅草か帝釈天か。懐かしいアンズ飴やソースせんべい、たこ焼きなどの屋台、そして鉄砲やヨーヨ釣り、口上も楽しい大きな生地を売る怪しげなおじさん。下町の空気がプンプン。知らなかったなあ〜。裏の広場は、もう歩けないほどの花見客、ウ〜ムこれぞ、日本の花見!驚きました〜。


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桜・さくら



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遠くを見通せた神田川。ついに両岸からの枝が重なりました。



週末、都内の桜の名所はどこも凄い人出だったようです。小金井公園は昨日、なんと10万人。信じられないような数字です。いつも散歩する神田川沿いの通りにも、朝からブルーのシートが敷かれて予約者の名前が表示されていました。いつからでしょう!?ブルーのシートが桜の下に敷かれるようになったのは。若い頃は酒屋(四谷・鈴伝)に予約を入れておくと、ゴザの貸し出しもあり重宝していました。ところがこのブルーのシートが登場し、桜の色とミスマッチしてなんとも落ち着かない。とても不快な気持ちになり、今後この上に座るのは止めようと思ったことを覚えています。




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わずか3日間で萌えが広がったようです。


千鳥が淵


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平日だというのに、千鳥が淵周辺はお花見客で溢れていました。千代田区の環境ボレンティア「さくら美守り隊」の方々が「さくら祭りガイドMAP」を配っていたのですが、この機知にとんだネーミングがなんとも可笑しく、桜を見る幸福度がアップしました。
ボート乗り場の上に絶景ポイントがある事を初めて知りました。よく見る桜の景色がここ(上の写真)。水面からサクラを堪能できるボートですが、この時期はかなり待たなければ乗れないようです。
さあ週末はサクラ日和になりそう〜


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正面に小さく見えるのが迎賓館です



白い手


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白い手が伸びてきて、ふわりと触れる。春の陽気に誘われたのだろうか。これから嫁ぐ花嫁のような初々しさを感じるユキヤナギ。桜の開花とほぼ同じ頃に花をつけて、五月中頃まで楽しめます。


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定点撮影を始めました。変化していく新緑をお楽しみください。



フキノトウ


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どこからか歌が聴こえてきた。「も〜う忘れた〜♬ すべて〜あなたの事は〜♪」見上げると土手でフキノトウが歌っていた。
あらら、もう薹が立っている。食べられない、ガックリ・・・。するとそれが聞こえたのか「ちょっと、待ちなさいよ!何、薹が立っている!?盛りが過ぎたからって、馬鹿におしでないよ。まだ十分に食べられるんだから!フキミソにしてごらんなさいな、ちょっとごま油なんぞ入れて〜昔はそうして食べたもんだよ」。はいはい、分かりました、歌を続けてください〜♪

サギおじさん

「サギおじさん」といっても、AIJの社長さんの話ではありません。


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このアオサギ、じつはあるおじさんとグルになっていた。池の淵で長い首をS字にしたかとおもうと、突然首先がビュンと水面に突き刺さり、小魚をクチバシにくわえている。まことに鮮やかな早業で、何度かクチバシを動かし、小魚をゴクリと呑み込んでしまう。素晴らしい!
さてこのアオサギの側には、相棒のおじさんがいた!驚きの事実がそこに!


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池の淵にいるアオサギの足元に向かって、小さな固形物を投げ入れているおじさんがいた。アオサギは、それが水の中に落ちると首をS字に曲げて、攻撃の形を取る。そして小魚をゲット。おじさんが淵を歩きだすと、その後ついて行く。たまらずに聞いてみた。「もしかしたら魚の餌を投げ入れているのですか?」『もう5年になりますかね。この池はブルーギルが増えてしまって、あいつに食べてもらっているんです。もうペットのようなものです』ブルーギルとは、ブラックバスと同じ外来魚の一種で、鯉や鮒の稚魚を片っ端から食べていく嫌われ者なのだ。餌がポーン→首がS字→パックン→ゴックン。おじさんのコントロールの見事なこと。アオサギの目の前に次々と餌が沈んでいく。パック〜ン!パチリ!


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呑み込むまでが早すぎる〜


近寄ると逃げるはずのアオサギだが、こいつはじつに人に慣れていて、見ていても逃げない。この名コンビとしばらく池の淵を歩いた・・・。よく工事現場を日がな一日見物している人がいるが、そのような世界に入ってしまった半日だった。
外でもペットを飼えるんだなあ〜 そして相思相愛のコンビ、素敵でした。


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シダレヤナギ




長く垂れ下がったシダレヤナギの枝が、風と光に遊ばれて池の上で気持ち良さそうです。樹々の中でもいち早く緑になるのがヤナギでしょうか。五メートルくらいに伸びた細い枝々には、花の芽も吹き出しています。柔らかく撫でるような風には、糸のようにそよぎ、雲間から光には淡い緑の陰影で応える。春の楽しみのひとつです。
柳といえば銀座には「柳通り」と呼ばれる細い並木道があって、百本以上のシダレヤナギが植えられていました。いろんな理由があって抜かれてしまったようですが、一度は「銀座の柳」に酔った頬を撫でられてみたかったと、常々思っているのです。



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黄色の花


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遠くからでも目立つサンシュユの花


ロウバイ、フクジュソウ、マンサク、菜の花・・・黄色い花が春に多いのはなぜでしよう。人を幸せにするため!?イイエ、答は、花自身のため。ハチやハエなど虫たちが黄色に反応することを知っていて、多くの花は黄色を選んだのでしょう。日本の花の約30%が黄色で、春に集中しています。このサンシュユが終わる頃、レンギョウ、ヤマブキが咲き始めて、周りを見渡すと緑も広がっている・・・・あ〜もう、4月!


カワガラス


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NHKの「仁淀川〜人と川の原風景〜」という番組を見て、感心した。日本でも最も美しいといわれる仁淀川の四季の映像記録で、水の神秘的な力と川で育まれる命の豊かさを実に丁寧に、時間をかけて撮影していた。さすがNHK。いまこんなに時間をかけて撮影できる局は多くないはずだ。さて番組の前半に、カワガラスを撮り続けている男性が紹介されていた。
この人もカワガキ(川の好きな少年)がそのまま大きくなったような人だった。それで思い出したのが、先日の日光沢で撮ったこのカワガラス。カイツブリのように水中を自由に泳ぎ回り、カワセミのように餌を取ると一気に水面へ飛び出す。そしてセキレイのように尾羽を上げ下げしながら、次を待つ。見ていて飽きることがない。
カワガラスや星空のような模様のあるホシガラスなど、山には個性的なカラスがいる。



クロカワゲラ


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雪の上を歩いていると、ときどき動いている虫を見かける。きっと温かくなったので、越冬した虫が起きだしたのだろうと思っていたら、違っていた。ネットで紹介されていたのは驚くべき事実。たとえばこのクロカワゲラは、冬に羽化し繁殖をするという特殊な生態をもっていた。天敵が少ないこの寒い時期を選んで産卵するのだ。雪のある頃、川から上がって羽化し、交尾後に再び水に戻って産卵。そして命を終わらせる。つまり春、卵から孵った幼虫は、ほぼ一年を川で過ごすのだから、その一生は水か雪の上ということになる。
花の世界を知らない虫、クロカワゲラを思うとなにか哀切の情が湧いてきた。



キブシ(木五倍子)


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淡黄色の花が鎖状になって、いくつもぶら下がっています。名前を思い出そうとするのですが、海馬辺りで何かにしがみついているらしく、なかなか思い出せません。帰って調べると「キブシ」。果実を五倍子(ごばいし;フシ)の代用として黒色の染料にするのでこの名前がある。
五倍子とは何でしょうか!?さらに調べると、ヌルデの若葉などに寄生したヌルデノミミフシが作る瘤状(こぶじよう)の虫癭(ちゆうえい)。紡錘形でタンニンを多く含み、染織・インク製造に用いるほか、昔は婦人のお歯黒に用いられた。
つまり「瘤状」を「節(ふし)」と呼び、「キフシ」が「キブシ」に。なんだか、ややこしい命名です。


花より団子


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桜が咲けば人が集まります。ここは新宿御苑。江戸時代に高遠藩主内藤家の屋敷があったところで、明治時代に皇室の庭園として整備され、今は国民公園として開放されています。寒桜が咲いていると聞いて見に行ったところ、カメラを桜に向けたまま固まっている人たちがいました。見上げるとものすごい数のメジロが集まっていて、花の蜜に夢中です。鳥にとってはまさに「花より団子」のようでした。


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日光沢温泉(4)


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岩の上に残るソフトクリームのような雪


朝食後「オロオソロシノ滝」という、まるで童話に出てきそうな、見ずにいられよか〜と思わせる滝にアタックする。しかし滝までの雪が深く、トラバースする急斜面では雪崩が覆い被さり断念。小屋に戻ってから、4回目の温泉を楽しんで下山を開始する。降り続いた雨は雪を融かし、景色を一変させていた。川を覆っていた大半の雪が消え、瀬音の響きが大きくなっている。さまざまな野鳥の声も聞こえてくる。こうでなくちゃ〜と、女夫淵温泉に続く森の道を楽しみながら下山した。



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Oさんの写真。トリミングが上手いなあ。


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氷瀑や滝が次々に現れる


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新緑の道を想像しながら歩く


日光沢温泉(3)


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奥の襖を開けると囲炉裏があった。この部屋は知らなかった。



温泉をでると直ぐにプシュッ!と缶ビールで乾杯!この小屋はサッポロビール主義なので嬉しい。そして目の前には薪ストーブが燃えているのだが、これは少しガックリ。炎を楽しめるはずの耐熱ガラスが、長い時を経たせいなのか、汚れていて中がよく見えないのだ。薪の燃えるのを見て呑めるよと、Oさんにも話していたのでこれはショックだった。仕方がないから部屋に移動してコタツに入り、お互いが持参してきた酒を確認する。Oさんは日本酒でこちらはワインの赤。ツマミを総てテーブルに乗せ、外の雨音を聞きながらチビチビ始めた。



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15年前はピカピカで、ずっと薪の炎を見て楽しんでいたのだが・・・


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歴史を刻む柱時計の下にはワイン各種が。


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チャング、わらび〜また来るからね〜


日光沢温泉(2)





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これは雨が上がった翌朝、高台の風呂。雪がすっかり融けていました。


さて一昨日の続きです。濡れ鼠となった友人のOさん(北アルプスの燕岳以来の山行)と共に、着替えを持って風呂場へ直行です。内湯には目もくれず、はだか姿にサンダルというミョーな格好で露天風呂までダッシュ。なんせ霙になりそうな雨がカラダを打つので、寒いのなんの。湯は淡いブルーの硫黄泉。湯に首までつかり、目の前の崖にぶら下がる大氷柱を見て、辛かった後に訪れる幸福の大きさをしみじみ語り合いました。鬼怒沼までの道やここの宿の良さを話すと、Oさんはすっかり気に入った様子。この後のビールも楽しみになってきました。


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こちらは白濁しています。

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こんな階段を下りていきます。行きはヨイヨイなんですが・・・。


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はい、こちらが母親のチャングです。


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部屋から手を伸ばしてパチリ。




春の選抜高校野球が始まりましたが、
石巻工業高校の主将の阿部君の選手宣誓に感動しました。
ぜひお聞きください。




日光沢温泉


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腰の痛みとリュックを携えて、週末に日光沢温泉に入りました。雨男の行くところは、決まって雨。「オイラが行けば嵐になるぜ」とか「温泉、温泉」と萎える気持ちを鼓舞し、女夫淵温泉からの雪道約三時間、降りしきる冷たい雨のなかを歩き続けました。宿が見えた時は、力が抜けるほどの安堵感。久々にバテました。15年ぶり三度目の山小屋は、何も変わっていません。故郷に帰ってきた嬉しさが込み上げてきました。



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変わったといえば二匹の柴犬。親の「チャング」と子どもの「わらび」です。柴犬が好きなのでメロベロになって遊びました。まあ〜よく毛が抜けるね〜。二匹ともメス、つまり「シバの女王」!?


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日光沢温泉は分校のような山小屋で、木造の二階建です。温泉は屋内のほかに、野趣あふれる露天風呂が二つあります。夜、満点の星のなかに、北斗七星がひと際はっきりと輝いていました。



クリスマスローズ



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明るい日差しを受けているクリスマスローズ。季節外れの名前を知っているのか、なんか照れています。名前はローズとありますが、じつはキンポウゲ科。フクジュソウやオダマキ、秋明菊、ラナンキュラスなんかもその仲間で、種類が多いのです。***キンポウゲより「クリスマスローズ」や「秋明菊」のほうが、グッグと心に響いてきます。名前は大切ですね。



シロバナジンチョウゲ


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白い沈丁花の蕾が、春の光を受け、押し合いへし合いをしながら、咲きたくてうずうずしているように見えます。紅花色の沈丁花よりも蕾が多いので、開花すれば花は重なりあって、凄い香りがしそう〜。きっと今年は、北国の春のように、次々に蕾が開花していくのではないでしょうか。
花も人も、もうすぐ我慢が終わります。




ユキヤナギ


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同じ木々の蕾を眺め続けていると、最初に綻んだひとつには、何ともいえない愛おしさを感じます。ユキヤナギの小さな芽から、白い花になるまで随分と時間がかかりました。温かくなっていくとポツポツと開き始め、やがて雪が舞うように枝いっぱいに花が連なるはずです。寒さをすっかり忘れ、ほんわかした春に「雪柳」なんて、くすぐったく、ずるいような風情のある名前です。



黙祷



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家からわずかの圓照寺の枝垂の梅が見事です


昨日、神田川沿いを歩いていると「もうすぐ2時46分になります。ただいまより黙祷を・・・」のアナウンスがあったので、すぐに帽子を取り、北の方角を向いて黙祷をしました。しばらくしてから廻りを見渡すと、多くの人たちが黙祷をしていたことが分かりました。きっと全国でこの風景が見られたんでしょうね。ちょっと温かな絆を感じました。


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まあ、柳のような細い枝からも蕾が吹き出でています

満160歳


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威風堂々とした狛犬。昨日の井草神社で本殿の前に鎮座していました。年号を見ると嘉永六年と彫ってあるから、西暦にすると1853年。つまり約160年もの間、ここで番をしていることになる。この年にはペリーが浦賀に来ているし、二年後には安政の大地震も起きている。多くの庶民は大事を恐れ頻繁にお参りに来たはずだから、この狛犬は着任早々から江戸庶民の心配顔を見ていたことになる。歳を重ねてきたせいか、心なしか顔が丸くなっているようにも見えます。


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流鏑馬

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杉並区にある善福寺公園のそばで、撮影の仕事が思ったより早く終わったので、井草八幡宮の境内を歩いた。じつは若い頃、ここから数分の今川町という閑静な住宅街の一角に住んでいた。だから八幡様の境内とこの周辺は詳しい。休みの日の朝は、二日酔いの頭を覚ますために、この鳥居をくぐって善福寺公園までの道をよく歩いた。大鳥居から社務所までは150メートルくらいはあるだろうか。5年に一度催される「流鏑馬」の日は、おおいに盛り上がる。清掃をしていた方に話を伺うと、今年がその年で、秋に行われるという。たくさんの見物客が集まるため、トイレに立つともう戻れないとおじさんは、何度も口にした。どうやら苦い想い出があるようだ。



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ちょうどここが真ん中辺り


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歴史があるから風格もある


沈丁花


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昨年の今ごろは、良い香りをさせていた沈丁花。半月もこんなままです。でも今日のような温かさが続けば、歩いている人を、おやっとさせるでしょう。さて「チンチョウゲ」なのか「ジンチョウゲ」が正しいのか!?調べてみると学術名では「ジンチョウゲ」。香木の「沈香(じんこう)」のような良い匂いがあるところから命名されたようです。


コブシ(辛夷)



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雨に濡れた後の動物の毛足みたいです。春一番の白い花といえば辛夷ですが、ようやく脹らんだ芽にもフワフワした毛が生えてきました。雪や雨、そして今年の寒さ、いつもよりこんもりしているのではないかと触ってみました。一本一本がとても細いのか、とても滑らかです。
春先の河原で山頂に向かって手を振っているような辛夷を見かけると、今年も山登を始められるという喜びが溢れてきます。
辛夷の名は、花のカタチではなく、果実が拳のようにゴツゴツしているところから付けられたようです。近くにあるモクレンの芽はまだ固いままでした。


和のよそおい



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春は名のみの〜風の寒さや〜♬、今日は暦の上では、二十四節の啓蟄に当たる日だというの、この雨と寒さ。早春賦の歌詞が沁みてきます。暖かさが訪れた週末、山種美術館の企画展「和のよそおい」を観てきました。「和のよそおい」なので和服のたしなみがテーマなのかな〜と思ったら、なんとなんと、華やかな和服女性の作品ばかりで思わず頬が緩みました。伊東深水、上村松園、鏑木清方らの美人画が約60点。浮世絵や近・現代の日本画・洋画など、艶やかな色彩の作品が並びます。舞妓や初々しい娘、そして若妻らが、伝統的な着物や帯と、そして独特な髪形には髪飾りを身につけ、和装のもつ美しさと日本女性の魅力を余すところなく伝えていました。小倉遊亀や片岡球子の力強い作品と比較するのも面白いですよ。

・山種美術館「和のよそおいー松園・清方・深水ー」3月25日(日)まで。



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土牛の作品も


都電荒川線



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箕輪駅


東京に残った唯一の都電が、早稲田から箕輪までの約12キロを結ぶ荒川線。世田谷区内を走る東急世田谷線と同じよう、住宅地の間を縫うように走りますが、時折交通量の多い道路にでます。そのとき車に乗っている人から見られているようで、ちょっと気恥ずかしく感じるのは何故でしょう。もしかしたら心地よいのかもしれません。そんな気分を高めてくれる昭和のレトロな風景が駅や沿線にいくつも見られます。



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ご存知!


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箕輪商店街にて


弾ける



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じっと我慢していたのでしょうか。弾けるような勢いでネコヤナギが芽吹いていました。まるでピーナッツの殻を破っているかのように見えます。寒さが続いていたので、今年の春の花はどれも鮮やかな色を期待できそうです。


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梅も負けじと吹き出しました


閏日の雪


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四谷駅そばの坂道


閏日に雪。4年に一度の日、暦を直すのでちょっと幕を下ろします、と時の神様がこの雪を降らせているのでしょうか。それに「閏(うるう)」に「氵」をつければ、潤うだし、なにかそれもぴったりの閏日の雪です。
朝のテレビで「雪道の歩き方」をやっていましたが、今日という日に、まあ何とタイムリーな企画でしょう。この日まで温めていたのでしょうか。見ていて思ったのは、北国の人の足には滑り止めセンサーが付いているのかもしれない、ということ。そしてもうひとつ。転んでいる人は内地から来た人に違いないと、見ていたこと。雪はいろんなことを思い出させます。


オオバン


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光の加減で黒みのカラダが灰色がかって見えます



おおっ、これは珍しい。井の頭公園の池では初めて見ました。カモの仲間に見えますが、ツルの仲間のオオバン。渡り鳥で北から飛んできたものと思われます。特長はカラダに似あわず、足が大きいこと。本来は水草を食べるはずですが、雑食性らしく、マガモやキンクロハジロと一緒に、餌のパンに挑んでいました。ところが口が小さいため、なかなかゲットできません。強敵は小回りの効くキンクロハジロ。あの目つきとピッタリのすばしっこさなので笑ってしまいました。



餌を口にするにも競争相手がいっぱい


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カイツブリ、これは上手く撮れました



伊藤若冲




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なぜ、公園に鶏がいるのか分からない。このニワトリ君、警戒心が無くて目の前でいろんなポーズをとってくれる。その様子を見ていたら、江戸中期に名をなした天才絵師、伊藤若冲の絵を思い出した。なるほど、このトリーッキーな動きとポーズの数々を見ていたら飽きないし、色彩も多様だったら、筆をもちたくなるはずだ。年末にテレビ放映されていた皇室秘蔵の若冲の名画「動植綵絵(どうしょく さいえ)」を生で観たくなった。


ひっつき虫


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秋から冬にかけて河原を歩くと、この植物の種子がカラダにいっぱい付きます。よく見ると、この種子の造形がよく出来ているんです。放射状に伸びた一本一本の先が銛のようになっていて、どれにも二三本のトゲがあります。そのトゲにはカエシも付いているので、一度付くとなかなか取れない。花の名前はセンダングサ。子供の頃は、ひっつき虫〜といいながら友達につけて遊びました。
http://1c.3coco.info/arkmds/2010/12/post-389.html

最短登山記録達成


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最短登山記録を達成しました。標高25.4メートル、北区王子駅の真ん前にある都内最低山の飛鳥山です。王子駅を下りるとわずか5分くらいで山頂。上からの眺めは、ビルよりも低いためにサイコー!とはいきませんが、新幹線、京浜東北線と都電が交差する様子を見ることができます。もうひとつのポイントは桜並木。八代将軍徳川吉宗が江戸庶民を喜ばせようと、桜を植えて名所にしたと記されていました。ちなみに都内最低山の二位が愛宕山の25.7メートル。


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名物は「あすかパークレール」。これも最短モノレールではないかな。無料です。


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ちょうど三種類が交差しています。

六田晴洋君


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今日は午後から昆虫写真を撮っているの六田晴洋(ろくたはるひろ)君が訪ねてくるので、多摩川の河川敷で撮影したオオカマキリの卵をアップしました。さてさて六田君がなぜ、我が事務所に来ることになったかを簡単に説明しますね。
今年予定している山「斜里岳・阿寒岳」を登った後に、道東に住む動物写真家Kさんに会おうとネットでブログをチェック⇒すると同じサイトに昆虫写真家六田君の紹介ページを発見⇒甲虫の素晴らしい写真と彼の生き方に釘付け⇒会いたくなってメール⇒東京に来るなら会いましょう・・・
まあこんなところから出会いが生まれようとしています。甲虫の話で盛り上がるのではないかと、今から楽しみにしています。

六田君のHP「6チャンネル」をご覧ください。



都電最中



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餡好きの鉄ちゃんが「都電最中」を手にすると、嬉しくてこんなことをします。都電荒川線の額面広告に、販売は「都電もなか本舗・明美製菓」ただ一軒とあったので、「梶原駅」で途中下車(一日乗り放題のチケット(400円)を持っているから乗り降りが自由)して購入。カタチも味もしみじみ良くて、レトロな東京散歩気分を楽しませてくれる。7500形から8800形までの5種類が揃っていて、1車輛が140円なり。


*先日ご紹介しました友人の丸田さんですが、今朝の朝日新聞に折り込まれている「定年時代」で紹介されています。
またCSのスカパー「時代劇おもしろ雑学虎の巻」にも登場していますので是非ご覧ください。
http://www.jidaigeki.com/program/detail/jd00001701_0123.html


カイツブリ


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すっかりこいつを紹介するのを忘れていました。なんせ落着きがない奴で、紹介しようにも動きが早く、すぐに潜ってしまう。別名「息長鳥(しながどり)」といわれる通り、一度潜るとなかなか出てこない。そしてカメラを構えて待っていると、思わぬところから浮き上がってくる。まあ随分水中で泳ぐこと!小さなカラダでどんな姿で泳いでいるのだろうか。これもキンクロハジロと同じように池では人気者だ。



*友人NEWS
 先輩で友人の丸田勲さんが、昨年作家デビューを果たしました。
 著書名は「江戸のたまごは1個400円!--モノの値段で知る江戸の暮らし」(光文社新書)
 なんとこの本は、いきなりベストセラーに。江戸時代の物価を調べまとめるのは、大変な作業だったそうです。いつの間にか評判を呼び、明日のスカパー「CS292 時代劇専門チャンネル」の『時代劇おもしろ雑学「虎之巻」』で彼が「江戸の物価 」でコメントします。
また、朝日新聞の「定年時代」の一面にも記事が出ます(2/20予定)ので、ぜひご覧ください。
若き頃、今は無き香港の「九龍城」に二人で突撃取材をしたことがあります。犯罪の巣窟といわれた場所で、それはそれは怖かったことを思い出します。懐かしい〜。


アオキ


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以前に住んでいた庭でのこと。ある日よく伸びる若木を見つけた。見るたびに大きくなっていく。やがて枝の節の部分に実をつけた。淡い緑色したオリーブのような実だ。しばらくすると赤く染まりはじめ、幾日か過ぎると真っ赤な色になった。毎朝その赤い色を見ていた。ある朝、鋭い声をしたヒヨドリがやって来て、パクッと実を丸呑みにして飛び去った。あっという間の出来事だ。残りも数日中に消えてしまった。がっくり・・・。アオキの赤い実を見るたびに、あの日のヒヨドリの鋭い声を思い出す。


*昨日のISSは、雲が広がってしまい見えませんでした。
 次の機会を待ちましょう。

観覧車


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ゆっくりと回る「観覧車」。人生を重ねれば、今どの辺にいるのだろうか。「メリーゴーランド」が幸せを乗せて回った日々だとすれば、観覧車は想い出と未来を乗せ、人生の軌道を進む時間なのかもしれない。高みは過ぎたのか、まだこれからなのか、観覧車はいつもそんな問いかけをしてくる。



*さて本日夕方、ISSが未来を乗せて飛んできます。
 東京は、17:27:58 南西 〜 17:31:03 真上 〜 17:34:10 北東

ユリノキ


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まるでハリーポッターの魔法学校の庭に映えている巨木のようで、今にも動きだしそうだ。これはモクレン科のユリノキ。葉を落とした木はどれもそうだが、あるがままの姿で春を待っている。四方八方に伸ばす枝のカタチのなんと自由なこと。天に向かって光を求めているようだ。このユリノキも春になれば、新緑の装いを始め、あっという間に若葉で樹形を隠す。新緑の美しい時期は意外と短い。


ここでまたまた権師匠からISS情報!

15日 17:27:58 南西 〜 17:31:03 真上 〜 17:34:10 北東
マジックアワーの南西の空、角度10度から現れたISSは・・・
まず、角度40度ほどにある金星の脇を通過・・・そして、角度60度あたりで
『木星にドッキング!!!』・・・東京限定のサプライズです。
都内でも場所によって多少ずれるかもしれませんが、木星にほぼ重なると思います。
これも大変珍しい瞬間です。お見逃し無きよう・・・!

メザセコイヤーイ



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メタセコイアが、すっくと空に伸びている。新緑の頃はどんなだろう。花や木には、覚えにくい名前がいくつかあって、このメタセコイアもそのひとつだ。ある人は覚えるために、友人のひとりを想像して「メチャセコイヤ」で記憶したという。実に上手い!これが一番覚えやすいと分かっていても、駄洒落好きなものだから、この木の姿を見ているうちに「目指せ恋ヤーイ」はどうかなと思った次第・・・メザセコイヤーイ。どうかな、違えて覚えても、良いと思うけど・・・。


そうだ!昨日のISSは、お天気にも恵まれ、見事でした。権師匠の予測通り真上でスッと消えていった。実に不思議でした。

キンクロハジロ


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誰が名づけたか「キンクロハジロ」。金色の目、黒のタキシードに身を包み、羽は白。ヨッ、カッコイイ〜。と思いきや、このユーモラスな顔つき。だから名前がキンクロハジロとなる。メジロやオジロワシなど、姿そのままが名前になったものは多いが、こいつは見てから納得の名前だ。だからジロジロ・・・ナルホドとなる。もしかしたらあんまり見られるので、ついこんな不貞腐れたような顔つきになった、としたら、可笑しい。起きたばかりのような後ろの毛もミョーに決まりすぎてる。


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一方こちらはメス。とすると、キンチャハジロか!


アオサギ


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アオサギが泰然自若といった雰囲気で、池の中洲でひっそりと一点を見つめていた。全身を包むブルーグレーの羽色は、冷え込む空気を凛とさせ、そこだけを日本画の世界にしていた。それにしても力が入っていない、静のカタチのなんと美しいこと。無理、無駄のないものはいつも美しい。

公園(2)


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「麿赤児」風の白塗りをしたお兄さんが、子どもや外国人の若者に静止のポーズを指導すると、集まった人は大笑い。


公園は、訪れる人、誰にもやさしい。笑い声があると一緒に笑い、ギターの音が聴こえればリズムを合わせる。そして三色団子の香ばしい香りを運んだり、ベンチで昼寝をする人がいれば穏やかな陽射しをかけたりと、あちこちに目配りをしながら忙しいのだ。

公園


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公園の週末は忙しい。沢山の人が遊びにやってくる。小さな広場、道、池の上まで家族連れやカップル、シングル、そして野鳥までが思い思いに楽しんでいる。だから公園は、一日中両手を広げたままで、ニコニコしながら見守っている。


平清盛展


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両国の江戸東京博物館で、NHKで放映されている大河ドラマ「平清盛展」を観てきました。初めて武士による世の中を作り上げた平清盛。じつは詳しいことは何も知りませんでした。しいていえば源氏に滅ぼされたことと、平家の落人が隠れていたと言われる地があちこちにあるらしいくらい。清盛の人間像などまったく分からずに、肖像画や書、源平合戦を描いた絵画、美術品などを鑑賞しました。清盛が生存したのは、1118〜1181年の64年間です。この数字をすぐに暗記したので、後半の説明書きに1178年、清盛に初めての皇子が出来・・・・と言う説明を詠んだ時に、何?61才で!!すごい、それで世界遺産・厳島神社で派手なお祝いをしたのか・・・。っと。
実は大きな勘違い。娘徳子に男子(後の安徳天皇)が誕生したことが分かった。つまりお孫さん。そうだよな〜となぜかひと安心(^^;  似たような名前の人物が次々に出てくるので日本史は大変です。それにしても江戸時代に書かれたという源平合戦を描いた絵画はどれも詳細に描かれており、見事なものでした。


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[保元合戦図屏風] 江戸時代/馬の博物館蔵


立春


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蝋梅は寒さにロウバイすることもなく、元気いっぱい


今日は節分で明日が立春。それに合わせたかのように、明日から少し暖かくなるようでうれしい。週末でもあるし。さて、あちこちから梅の開花が遅いと聞きます。年が明けても固い蕾のままです。この寒さのせいでしょうか。先週末に梅園を歩きましたが、綻んでいるものがありませんでした。昨年は早かったのに。温暖化は進んでいるのだろうか・・・と思ってしまうのは早合点でしょうか。



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コサギ


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コサギの一歩一歩は用心深い。一歩踏み出すにも何度も水に足を出し入れしながら、深さを確認して前へ進む。その所作は前へ行くか行くまいかと見えるので、見ていて飽きない。そしてときどき素早くクチバシを水に入れては餌を漁る。大きなサギは悠然として、獲物をジッと待つことが多いのに対して、コサギはなんとも落着きなく歩き回る。
なるほど、一般的に小さな生き物ほど、よく動き回るのかもしれない。



・撫子さんから雪だるまを見るニャンコ写真が届きました。

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外にも大きな雪だるまがあるようです


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もう一匹のニャンコは、ただただごろ寝〜



カワセミ


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こに止まるはずだった


確かにこの目で見た。目の前を飛んでいった鳥は、水辺の宝石といわれるカワセミだった。久々に興奮した。どうしてこんな池にいるのだ?先週末訪れた文京区小石川植物園。小さな橋を渡ろうとしたら、目の前を通過して、池に伸びる枝に止まった。そして羽を何度か動かして飛び去った。よし!必ずまたあの枝に戻るはずだから、ピントを合わせ、息を殺して隠れて待とう。・・・じっと・・・待った。寒さが凍みてくるけど、じい〜〜〜っと待った。30分。もう限界。体の芯まで冷えてしまった。う〜む、残念。だけど自然を相手にしているのだから仕方がないか。瑠璃色に光る一瞬の輝きを目にしただけでも幸せ!と思わなくては。そうか〜都会にもカワセミが還ってきているんだ。今年は良いことがあるかもしれない。帰ってから、達磨にひとつ目を入れた。



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やはり小石川植物園に現れるようです。この瑠璃色を見たら心騒ぎます。



カクレンボ


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キミ〜!何やってるの、木影に隠れてカクレンボかい。先々週の雪の時に、誰かに作ってもらったんだろう〜。なに?溶けてしまわないように木の影に隠れて、ジッとしてる。なるほど、ちょっと背をかがめて、手を小さく合わせたりして、な〜んか可愛いじゃない(^^♪ 。キミの雪、日本海側に舞い降りれば、ここで身を小さくしなくても良かったのにね。影は動くから移動するんだぞ〜〜。


5時間53分


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「みなさん、おはようございます」全豪オープン男子決勝、5時間53分を戦い抜いて栄光を手にしたジョコビッチの優勝インタビューの第一声だった。疲れ果てた後のなんと爽やかでユーモア溢れた言葉だろう。まず彼は敗者となったナダルを誉め讃えた。「二人が勝者になることはできない。彼は勝者に値する選手だ。また来年ここに帰って彼と戦いたい」と続けた。一方負けたナダルは胸を張りながら「素晴らしいショーになった。結果は受け入れる以外ない」と言った。体力ばかりでなく、戦略やメンタル面、そして話し方も超一流の両選手だった。そういえば、最近のトップアスリートのインタビューの落ち着いた話し方は一流選手特有のものだろうか。ゴルファーの石川遼やサッカーの長谷部や長友らがそうだし、最近活躍している中学生の女子ジャンパーやフィギアスケート、卓球選手たちなどの大人顔負けのしっかりした話し方がそうだ。自分と真摯に向きあうような穏やかな話し方は、トップアスリートとして必なのだろうか。見習わなければいけません。
まあ、それにしても行き詰まる試合〜観ている方も疲れました・・・。



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粘る


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そして勝利


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四大大会の最長試合記録


ダイアモンド富士


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西日暮里から見える富士山の前にビルができるという


今朝は氷点下になるというので、氷った池を見に行こうかと思ったが、止めた。歩き始めれば温かくなることは分かっていても、陽射しが当たらない外を見ていると気持ちが萎えてしまった。諦めてテレビをつけると、富士山の真上に夕日が沈む「ダイアモンド富士」が話題になっている。去年は都庁に上がって瞬間を待ったが、雲が多くてダメだった。都内にある富士見坂は全部で16カ所。ただし見えるのは、西日暮里駅の南側にある「富士見坂」だけ。しかしここも近々ビルが眺望を塞いでしまうという。あ〜江戸時代にタイムスリップして、広々としたお江戸のあちこちから富士を眺めてみたい。

ダイアモンド富士は、観測場所によって日付が変わる。詳しくはここで。


ツワブキ(石蕗)


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いくたびか  時雨のあめの かかりたる  石蕗の花も  つひに終はりぬ
と斎藤茂吉が歌にしていますが、日の当たらぬ公園の片隅では、まだひっそりとツワブキが咲いています。葉にツヤ(艶)があり、蕗に似ているので艶葉蕗(つやばぶき)、そこから名前がついたとか。黄色い花なのに、なにか物悲しく見えるのは、この寒さのなか日陰で咲いているからでしょうか。


ああ〜錦織選手、残念でした。全英、全仏に期待しましょう。

寒気に歓喜を


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日本列島を冬型の強い寒気が居座っているらしく、ここ数日寒さが厳しい。しかし南半球は真夏。オーストラリアでは、テニス界の新星、錦織(にしこり)圭選手がベスト4に向けて、もうすぐ熱い戦いをスタートさせる。久々に現れたスーパースターだが、実に粘り強くクレバーな試合運びをする。一昨日の対戦相手はひと回り大きいランキング6位の選手だったが、弁慶と牛若丸を想像させるような戦い振りで、ついにフルセットの末打ち負かした。この戦いぶりは、観る者を魅了させ地元の新聞も大きく取り上げた。さて寒気居座る日本列島に、歓喜するような勝利を呼び起こすだろうか!
ワクワクします。テレビの前で応援しましょう。

雪溶ける


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期待したより積もらなかったね


不思議です。ふだん何気なく見ている景色や自然が、雪によってこんなに冴え冴えと浮き立ち、輝いて見えるとは。それは雪の白、白の力。どの色や形も印象的に映し出します。しかし都会は、白いキャンバス地から顔を出すモノトーンのような景色にはなかなかなりません。都会の脆弱さを現すかのように。


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もう沈丁花の芽がついていたんですね


松本幸四郎


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週末、このブログでおなじみの権ちゃんが東京へ歌舞伎を観に来るというのでお伴をさせてもらった。権夫婦は大の歌舞伎好きで、新幹線を使って年何回か群馬からやってくる。この日は伝統歌舞伎保存会の研修発表会なるもので、国立劇場の大ホールに入ると客席のほとんどは埋まっていた。この会の主旨は「伝統的な歌舞伎の保存とその振興」が目的で、配役には若手実力派が勢揃いしている。さてオープニング。雪のなか手前花道を番傘をさし、高下駄をゆっくりあげて進むのは松本幸四郎だ。一斉に「高麗屋」の声がかかる。好い男になったねえ〜。立ち姿、表情、声どれをとってもほれぼれとする。
思えば、幸四郎がまだ市川染五郎と名乗っていた頃、「野バラ咲く道」というフォークソングを歌っていた。仲の良い友人とこの歌をよく歌っていたのだが、染五郎はすでに格好良かった。そして同じ時代を歩いて来たのだが、まあなんとこちらは大きな男になったのだろう。今回の演目の監修は幸四郎によるものだが、その姿から歌舞伎界を背負っていくという気概と風格が滲み出ていた。よ〜高麗屋!


初雪に咲く花


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東京に初雪が舞っています。いましたかな。積もればどこかを撮ろうと待ち構えていたのですが、気温が下がらないせいか、雨に変わりました。
さてこの寒さのなか、公園の片隅に花を咲かせている植物がふたつ。よく探せばあるものです。上はイヌホオズキ。調べるとやはりナス科、葉っぱに小さな波状の鋸歯があります。6、7ミリの小さな花です。そしてもう一つが、ユキヤナギではないか、と写真を見た権師匠は判断しました。花の様子はそっくりですが、果たしてこの時期に咲くのだろうか!?疑問は残りますが、葉も落ちずにまだ残っています。


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放射能汚染


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先日の日曜日に衝撃的な番組があった。NHKスペシャル「知られざる放射能汚染〜海からの緊急報告〜」だ。原発事故以降、海の汚染がどうなっているかを調査した報告だった。その内容はショッキングなもので、憤りを感じずにはいられないものだった。蓄積したセシウムは食物連鎖を繰り返しながら海底に堆積している。また関東平野に舞い落ちたセシウムは、水の流れとともに湖や河口付近に集まり堆積している。写真は一昨年、赤城山中腹から大沼を撮影したものだが、ここに生息するワカサギから昨年八月、640ベクレルという放射性セシウムが検出された。原因は湖底に堆積する泥の中の高濃度のセシウムだった。流れ出る川が1本しかないため堆積が進んでいるのだ。また東京湾に流れ込む江戸川や荒川河口付近は、原発周辺に匹敵するくらいの汚染状況だった。今後ゆっくりと東京湾の汚染が進んでいき、最大になるのは二年二ヶ月後と予測していた。屋形船はどうなるのか。ハ