2014年10月

函館最終章


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年寄りは朝が早い。早くにチェックアウトをして港へ来たが、赤煉瓦の倉庫街はまだ開いていない。仕方がないので、ベンチに座ってぼんやり空を見ながら、ポツリポツリと話をする。朝食後、仲間三人が鞄から胃薬を出して飲んだのには驚いた。胃薬は身体への影響はないので、よく飲んでいるという。そうなのか・・・。


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この大きな倉庫は「金森赤レンガ倉庫」。明治初期に渡邊熊四郎という男が、九州から函館にやって来て、船具店などを開業する傍ら倉庫の数を増やして財をなし、一代でつくりあげた。倉庫を前にして雲を見ていると、海運業が盛んな頃の、男たちの大きな声が聞こえてくるようだ。


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こんなのも、好きだ


三浦綾子文学を支え続けた三浦光世さんが死去された。
一年前にお会いし、そのお人柄と笑顔の素晴らしかったことを思い出した。
合掌。



函館(3)


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瞬間、誰もいなくなった・・・


毎夜、酒に溺れている我らは、トラピスチヌ修道院で懺悔し、啄木記念館に向かった。ロボット啄木先生の教室では、素直な少年となって短歌の授業を受けた。すると記憶していた歌の一つを口にすることができた。「しらしらと氷かがやき千鳥なく釧路の海の冬の月かな」。頭のどこに入っていたのだろう。この歌は「一握の砂」に収められている。
函館の大火災の後に、啄木は札幌、小樽、釧路と仕事を探し、世に認められないうちに貧窮の中で胸を病んで早世した。享年27歳。


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外に出ると、今まさに函館山に日が沈もうとしている。この岬の突端に、啄木とその家族の墓があると言っていた。


函館(2)


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函館といえば、やはりイカだろう。ということで、今回はおもいっきりイカを食べようと思っていたら、夕飯の時に「しおから鍋」という一品がついた。じつは昔、友人らに「ジャガイモ+バター+シオカラ」という、海・畑・牧畜の三味一体となった究極の品を食べさせたことがある。それ以来、北海道系の居酒屋にいくと、強引にこれを作って、皆で食べている。

さてその「しおから鍋」だが、絶品だった  (^O^)
肝心の塩辛は、やや薄めなのがポイント。野菜が煮えてきたら、塩辛を滑り込ませて、一煮立ちさせて・・・レンゲにスープ、野菜、塩辛を乗せて口に運ぶ。「お〜」と言う声が、みんなから上がった。「美味いはずだ、ベースの塩辛が、すでに美味い!」。日本酒も持ち込みで三種類〜〜
朝食もイカ刺を目一杯食べたのだった。


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これはズルい販売方法だ


函館


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タワーの影が高度感を演出し、怖さをそそる


函館の町も人も元気だった。その理由は、2016年に北海道新幹線が開通するからだろう。五稜郭も赤煉瓦の倉庫街も、外国人観光客がどっと押し寄せて賑やかだった。聞けば、台湾や韓国からの直行便があるという。経済成長は、観光にシフトしたらどうだろう。

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幕末の北辺警備と対外折衝の重責を担った箱館奉行所

函館といえば、函館山と五稜郭。今回は中学時代の仲間4人のクラス会旅行なので、ゆっくりもしていられない。まずは、五稜郭タワー(107m)に登る。展望台に立てば、五稜郭の美しいこと。当時の測量技術の高さに舌を巻く。しかし、窓ガラスが前傾なので、その怖いこと〜。右手だけを差し伸べて写真を撮る。じつにみっともないスタイル。
函館戦争の戦記をゆっくり読みたかったのだが、もう一人の高所恐怖症が、早く下りたいというので、園内を歩くことにした・・・。


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母のこと


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週末、母と会ってきた。母はいま、苫小牧の小さなグループホームにいる。今回は妹の息子、つまり甥っ子と一緒に帰ったので、千歳空港から真っすぐホームに向かった。
来年、米寿を迎える母はとても元気だった。昔からあれこれ話す人ではなくて、いつも人の話を笑顔で聞いている。あまりにも大人しく話を聞いているので、確認をしてみると、ちゃんと分かっている。「お母さんは、ときどきお部屋で絵葉書をよく読んでいますよ」と、職員の方が教えてくれた。そんな母を想像すると、これからもせっせと筆まめになろうと思う。


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皺が少ないのがご自慢のようだ

辞任党


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まあ、次々に。ウチワもめの大臣が辞任。原発推進派が期待していた大臣が辞任。すると、後任の大臣の資金管理団体がなんと、SMショーを行っているクラブに政治活動費を支出していたとか・・すごい!。このSM大臣・・マスコミに攻撃されても「叩かれたって平気よ〜」なんて、シンゾー麻痺おこしそうなことを言うのかもしれない。
このドタバタ劇は、どうなるのか・・・。

*明日から、北海道です。

出陣学徒壮行会


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忘れていた。71年前の昨日、明治神宮外苑陸上競技場で「出陣学徒壮行会」が行われた日だった。雨のなかを水しぶきを上げて行進する学生たち。その映像を見ると、悲壮感をかき立てられ、いつも胸がつまる。

週末、偶然に見たNHKの「カラーで蘇る東京」の「戦後復興・オリンピックへ」でもその映像が流れた。そこで作家杉本苑子さんの言葉が流れ・・・胸に沁みた。


五輪開会式の興奮に埋まりながら、20年の歳月の果たした役割の重さ、不思議さを考えた。
同じ若人の祭典、同じ君が代、同じ日の丸だが、なんという意味の違いだろうか。
きょうの五輪はあの日につながり、あの日もきょうにつながっている。
私はそれが恐ろしい。


杉本さんは71年前、明治神宮外苑陸上競技場で、ワアワア泣きながら隊列を乱して、出て行く学徒らの後を追っていった。「行ってらっしゃい、行ってらっしゃい」と、びしょぬれの日の丸の小旗が破けて棒だけだったのを、夢中で振り回していたそうだ。

2020年のオリンピックに向けて、神宮の森に大きな競技場が造られる。そのために「出陣学徒壮行の地」碑が一時的に移設された。昨日は元学徒や遺族らがそこに集まり、学業の志半ばで命を落とした多くの人たちを追悼した。わずか50人の出席だったという。


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アサギマダラ


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週末の高尾山でアサギマダラが優雅な舞いを見せていた。亡くなった弟が、この蝶が好きだったので、飛んでくるとこの美しい舞いをしばらく追う。秋の花のアザミやフジバカマの蜜を吸って、もうすぐ南西諸島や台湾までの長旅に出るはずだ。こんな優美な蝶がはたして辿り着けるのだろうか、といつも思う。


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高尾山は住みやすいニャン


男は黙って


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というわけで、久々にdeuter(ドイター)の大型リュックの登場。
週末の「高尾山で鍋パーティー」のために引きずり出した、80センチ・60ℓ強のテント泊用リュックだ。いくつかのリュックに酒、焼酎、ワイン、水の各2ℓと大鍋、ガスコンロ他を入れてみたが、まったく収まらず、仕方なしとこのリュックに押し込めた。日帰りの高尾山なのに、なんでこのリュックなのだ!?背負ってみると、ズシリとなんか縦走するような気分。おかしくて笑ってしまった。


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しかし、鍋が出来てみんなの喜ぶ声を聞いていると、疲れも吹き飛ぶ。帰りは一気に軽くなるし、みんな、どんどん食べて呑んでくれ〜。

*この日の鍋:きのこ鍋、芋煮(味噌仕立て・すいとん入り)
*一人一品:漬け物、キンピラ、枝豆、特性味噌キュウリ、手づくりケーキほか多数
*アルコール:ビール、日本酒、焼酎、白ワイン、赤ワイン



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photo by nomanii


鍋〜トーチャコ


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アマゾンで購入した鍋がようやく、我が家に届いた。事務所のY君に「なかなか届かないのだが・・」と聞けば、「アマゾンだからといって、すぐ届くとは限らない。商品説明の一文にその表記があるはず」という。慌てた。18日のORMACの会「高尾山で秋の鍋を楽しむ」に間に合わないではないか〜。
ところが、通販の神様は見捨てなかった。昨日、帰宅するとトーチャコしていたのである。大きい〜!これで、みんなが幸せになれる〜/^o^\


オシロイバナ


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オシロイバナは、白粉をつけているので、寿命が長いのだろうか。夏の前から咲き始めて、かれこれ四ヵ月。どうってことないピンク色とそれなりの白色の花が、次々に花をつけていたが、ここに来てちょっと花の色が変わった(たまたま違う種類かも)。じっくり見ると、桃のような肌色だ。オシロイバナの別名は、ユウゲショウ(夕化粧)。夕方から咲き始めるので、この花は閉じるのを忘れているのかもしれない。


女心は〜


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秋の朝というより、秋は朝かなと思うくらい、今朝は良い雲が広がっていました。ところが、アササンの終り頃からポツポツ・・・・・見る間に雲が慌ただしくなり・・・・やはり秋の空は「・・」かな。


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台風一過


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セイタカアワダチソウにツマグロヒョウモン(雄)


台風一過の良いお天気です。この三連休は、比較的大人しくしていたので、すっかり疲れが取れました。アササンコースを歩くと、秋の花と実りに溢れていました。キンモクセイや萩の花はもう散り始め、セイタカアワダチソウは目一杯の背伸びをして、フェンスからこちらを覗いている。クチナシの実やアケビのあるところをあらたに発見〜 ^o^


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クジャクチョウ(孔雀蝶)


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ポロポロの
花に
ボロボロの
蝶に
秋の眼差し


レトロなマッチ


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よくこんなマッチを見つけたなあ〜と感心してしまった。オーヤンフイフイ似のお姉さんと女の子のツーショット。先日のレトロなキャンプで、Iさんから貰ったのだ。第一声は「これは、日本のマッチ!?」。
裏を見ると、多摩の某信用金庫の名前が印刷されている。ウ〜ム、昭和の匂いプンプン!なんか、クサイというか、笑っちゃうよなあ・・・
さて、マッチといえば・・・。今朝、福岡のTさんからこんなメールが。

本年度の福岡市民芸術祭の「ふるさと」作品募集に応募いただきまして、ありがとうございます。この作品が、南の風優秀賞を受賞しましたので、ご連絡します。
 
故郷はマッチ棒
シュッと
リンの匂いをさせた父と
そおっと
火を熾していた母と

この歌は、レトロなキャンプの前に送っていたものだから、このマッチがヒントではないが、心にポッと火が灯ったことは、たしか(^^♪


オニグルミ(鬼胡桃)


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何年ぶりに口にしただろうか。尖った枝を使って、実を慎重にほじりだす。口に運ぶと、皮の苦さと実の油分が混じって、濃厚で香ばしい味が広がった。子どもの頃は、秋の山でよく食べた。ただ、殻が固くて、口にするまでが大変だった。
子どもたちは、両手に抱えた石で割っているのだが、加減が分からないので、多くがグシャと割れてしまう。でも、どの子も逞しい。実を集めては、平気で頬張って食べている。都会では、なかなか遭遇できない子どもたち・・・彼らを見ていると、なんだか嬉しくなった。


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これは栃の実。制作工程の長い栃餅には、いつも感謝をして食べている


レトロなランプ


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インタープリター(自然観察員)のIさんが、大きな箱から次々にランプを取り出した。どれも懐かしい・・・。聞けば、すべてIさんのコレクションだという。「これご存知ですか!?」。ユニークな形をしたランプを2つ見せてくれた。燃料がカーバイトで、アセチレンガスの炎が灯となる、不思議なランプだ。カーバイドと水を反応させ、発生したアセチレンを燃焼させるランプ。つまりアセチレンランプ。カーバイトに水をポタポタ落としていくと、ランプのなかから音が聞こえてくる。ガスが噴き出している音だ。ガスの噴き出し口に火を近づけると、ポッと点火した。お〜レトロだねえ〜


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なんかこの2つ、スターウォーズの3POとR2-D2に似てるね


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当然、食卓は、おいしい&楽しいになる


*権師匠よりISS情報
本日 18:03:08 南南西 〜 18:06:21 南東 〜 18:08:53 東北東
(最大で角度50度、見やすく明るい!)


レトロなキャンプ


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終末取材した親子キャンプのテーマだ。キャンプなので、全て自分達の手で賄うのは当たり前なのだが、ポイントにレトロがお目見えする。たとえば、木々を集めて火をおこす、お釜でご飯を炊く、ランプの灯で過ごすなど、年配者にはレトロどころか郷愁を覚えても、子どもたちには、どれも新鮮なのだ。


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まずは大人が見本を見せる


森の中からパチパチ君(杉の葉)、ポキポキ君(小枝)を集め、マッチを擦って火をおこし、大きなたき火をつくる。大きな薪が燃え始めても、竹筒で空気を送ったり、小枝を焼べたりと、子どもたちはそこから離れられない。
そうだよなあ〜大人だって、たき火には心が吸い寄せられるんだから。


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日曜日、雨のなか傘を差し出して、最後の火にも別れがたし


海洋散骨(2)


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散骨が終わると、遺族は二階のデッキに上がる。鐘が10回鳴らされるなか、黙祷。そして船は花の浮かぶ水面を三周。それぞれが故人とお別れをして、船は帰港する。海の好きな人は、こんな埋葬が良いだろうなあ・・・

今海洋散骨以外では「樹木葬」とよばれる自然葬に人気があって、「樹木葬墓地」には応募が多く、倍率は高いと聞く。それぞれの考え方や家族の形態によって、埋葬の形式も変わってきている。やがて宇宙の果てに散骨ということも実現するのかもしれない。


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喪主に選ばれた方が、最後に海へ献花された


海洋散骨


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東京湾から帰ってきました。海洋散骨の体験ツアーなるものに参加し、その流れや仕組みを目の当たりにしました。海ではなく、山だろうと言われそうですが、まずは終活の第一歩です。
勝鬨から小型船に乗ると、参加者は皆遺族になり、司会者から葬儀の流れを聞く。祭壇には故人の写真と花が飾られている。故人の好きな音楽が流れると、船内の空気がそれらしく変わる。献花を終えると、故人への思いを折り紙の鳩に書き込み、粉砕された骨と一緒に海へ投下・・・。
東京湾に浮かぶ花を見ていると、自分の骨が今捲かれたのだという気分になった。


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粉砕された骨(この日は塩)は、水に溶ける紙に入っている


ブロッケン現象


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頭に虹色の輪。御仏の気分〜〜


燕山荘から燕岳までの尾根をゆっくり登っていくと、東の谷から雲が上がってきた。もしかすると、もうすぐブロッケンが見えるかもしれない。そんな予感があった。そして、頂を極めてからの帰り道、下の方から「ブロッケン」の声が聞こえた。東の雲に向かって、みんな両手を上げて、動かしている。やはり、出ましたね〜〜♬
彩雲や虹に出会い、トリはブロッケン現象。いろんな体験が出来ました。


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拡大すると光の輪が、薄くなります