2009年12月

良いお年を

散歩の途中で、入院中に感じたいくつかのことを思い出しました。
環境問題をテーマにしたテレビ番組がありました。海をすすむ大きな氷山の写真が映し出されていたのですが、それが破損した右膝半月板の一部に見えたことです。ここにも海があるのかなあと、膝を撫でながら、離れてしまった氷山に心を馳せました。また術後の夜、空に半月が浮いていました。失った半月板がまだ何かを伝えようとしているのかなあと。どうも未来のことのようですが、なにせ半月、ヒントの半分しか見えてきませんでした。
年明けは、きっと回復をしていると思います。みなさまもお体に気をつけて、良い年をお迎えください。今年一年、多くの温かいコメントをいただき、ありがとうございました。1月4日から、アルキメデスを始める予定です。


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こんな日の出が見えると良いですね。歌会で訪ねた江の浦です。


アルケルンデス

二泊三日の旅から帰ってきました。右膝の半月板切除のためで、二日間はアルケナインデスになっていました。長年の山歩きとテニスの影響らしいのですが手術は無事成功し、ステッキを握りしめて、今朝からゆっくり歩き始めました。いつものコースに倍以上の時間をかけて歩いていると、思いがけない発見がありました。メジロの鳴き声が意外に小さいことや犬たちの仕草がなかなか可愛いことです。すれ違う人たちの気遣いもうれしいものでした。ゆっくり歩くと失った半月板は、何か新しいことを教えてくれそうです。


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♥の葉っぱが三つ、自然界では揉めることないようです


冬至

昨日は冬至でした。北半球では太陽の高さが一年中で最も低くなり、昼が一番短くなります。北国で育ったせいか、寒くて日が短いというのは心身ともに寂しいもので、暗いイメージがあります。そんなわけで冬至の日を過ぎると、気分は壮に早変わりして、何となくウキウキ気分です。ただゆず湯に入り、カボチャを食べたにも関わらず、喉が痛くて風邪気味。明日からの旅が心配です。


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この中吊りは、山手線の一車輛すべてにぶら下がっていました。驚いたことに、白い生地に金の刺繍が施されています。初めてこのロゴを見たときに、高い完成度とセンスの良さに脱帽しました。以後広告一面に使われているようです。彼らのように走り出さなければと、エールを送られているような気持ちになりました。

デイジー

デイジーが寒さのなか、愛らしい姿で声をかけてと黄色の花をこちらに向けていました。なにげに「ミスデイジー」というアメリカ南部を舞台にした映画を思い出しました。お金持ちの婦人と黒人運転手のコミカルでちょっと涙をそそるストーリーです。主人公は、少女のような優しさで、ぶっきらぼうだけど誠実な彼に文字を教えていくのです・・・。
デイジーは「Day's Eye」が由来で、「太陽の目」のこと。なかなか楽しいネーミングですね。和名はひな菊です。
花言葉は「無邪気」「純潔」「お人好し」「幸福」「明朗」



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鮮やかに紅葉している蔦が一本、ブロック塀に伸びていました。紅葉した色が、痛いように沁みてくるのはなぜでしょう。自然のなかの赤をかき集めて情熱色に仕上げると、こんな色になるのでしょうか。蔦は落葉蔓性植物で、他の木や家屋の壁面に伝うようにして広がることから、「ツタ」の名がついたと言われています。もうすぐ暗褐色になりそうです。
蔦にも花言葉があります。「永遠の愛」「誠実」「結婚」「勤勉」


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濡れているとより鮮やかさが増します


師走

飯田橋駅でちょっと楽しい広告看板を見つけました。
さてどこが良いのか!?


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・押し付けがましくない。
・この時期、ホームに立つ人の気持ちを刺激する。
・見やすくシンプル。(あと2週間なんだ〜)
・「一歩、一歩、良いお年を。」のメッセージがうれしい。

こんな粋でやさしい広告、最近少なくなったな〜
「金麦」ね、よし!帰り買ってみようかな1本 ♪〜

ホームには、中島みゆきの「ふるさと行きの乗車券」が流れていました。
下記で故郷を偲ぶことができます。

http://www.jreast.co.jp/furusato/index.html

CH1で「チェロと女性の朗読」
CH4で「ふるさと行きの乗車券」が聞けます。

下記もご覧ください(ドサクサまぎれに)

http://1c.3coco.info/5gyo/


寒桜

ライターのWさんから桜が咲いているよと教えてもらったので、四谷駅すぐの公園に行ってみました。近づいてみると花の数が少なく、すでに花びらを落としているものもあります。桜は春のイメージがあるので、寒空の下に咲くこの姿に、なにか儚さと健気さを感じてしまいました。公園でぼんやりしている人たちは、この寒桜をどんなふうに見つめているのでしょう。調べると寒桜は2月頃とあるので、これは違う種類なのかもしれません。



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「冬のはなびら」という短編があったなあ〜


頼る、頼られる

よほど気に入られたのでしょうか。蔓にすっかり巻き付かれてしまった大きな木がありました。蔓の葉がほとんど枯れているので、その密度がよく分かります。それはちょっと不気味なものです。大きな木を支えにしながら、どんどん成長していく姿は、種の広さと生命の逞しさを感じます。大きな木か、蔓か、人生を感じる今日この頃です。


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アジアンタム

アジアンタムが石塀から溢れ出るように咲いているのに気がつきました。この寒さのなか、環境に順化したのでしょうか。上京間もない頃、部屋が淋しいのでアジアンタムを買い、窓辺に飾ったことを思い出しました。水をかかさず与えていたにもかかわらず、一週間も経たないうちに枯らしてしまいました。友人の家にも、なぜか枯れたアジアンタムがあったように記憶しています。
このアジアンタムには、もうすでに何度かの冬を乗り越えているような逞しさを感じました。


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温暖化の影響もあるのでしょうか


環境ポスター展

友人のデザイナーらが作品を出している環境ポスター展を観てきました。会場は廃校になった四谷の小学校です。今は東京おもちゃ美術館や生涯学習を目的にしているNPOなどが運営しています。ギャラリーとなっている教室は、70年間利用されていたこともあって、懐かしさと落ち着きを感じました。廃校がこうした形で市民に活かされる施設に変わり、芸術活動の拠点となっていることは、うれしい発見でした。


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天井も高く、空調も照明も完璧です


神楽坂

歌会の友人Sさんの帽子展を見に神楽坂へ行って来ました。落語を聞きに来る街なのに、地図を持たなかったせいか、しばらく路地を歩き回り、見つかるまでに時間がかかりました。でも余裕がある日は、それも愉しいものです。
坂の途中にある画廊には、編集者でありながら帽子デザイナーの顔をもつSさんの作ったお洒落な帽子が、秋の日差しを受けながら並んでいました。


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抜け道のような細い路地には、昨日の雨が残っていました


戦後の新宿と文士たち

林忠彦写真展を観てきました。会場は事務所から徒歩7分の新宿歴史博物館です。市ヶ谷にお住まいのイラストレーターMさんもご一緒です。林忠彦は戦後間もない頃から雑誌のカメラマンとして活躍した人物で、懐かしい昭和の文士たちの姿を数多く撮り続けています。戦後間もない新宿界隈の暮らし、復員兵や怪しげな酒場、個性の強そうな文士たちなど、一瞬の輝きが永遠という記録になっていました。昭和に戻れるモノトーンの時間を体験しました。


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昭和へのタイムマシーンは12月19日まで


クリスマスツリー

屋内では国内最大級といわれる日本橋三越のクリスマスツリーを見ました。高さは15メートルで25,000個の電球はすべてブルーのLED。カメラ撮影は自由で、カメラのビューポイントが床に表示されています。しかしツリーが大きすぎて、どのポイントからもすべてをおさめることが出来ません。
パイプオルガンの生演奏がホールに流れ、クリスマスパーティーに招待されたような気分になりました。週末、江戸バスとあわせて一足早いクリスマスを楽しんだらいかがでしょう。


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の飾り付けは、だれが!?恐ろしい〜


ヒメツルソバ

コースを変えて歩いていると、垂れ下がるように咲いている白とピンクの花を発見。まるで昔よく口にしていたコンペイトウみたいです。蔓系で広がっていて、どの葉にもVの模様があります。調べてみると「姫蔓蕎麦(ひめつるそば)」。明治時代に観賞用として入ってきたらしく、今は雑草化して道端で見られるとあります。葉は紅葉するようです。
花言葉は「愛らしい」「気がきく」


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かなりの繁殖力をもっているらしい



江戸バス

日本橋から小伝馬町に向かっていると、突然赤い小さなバスに出会いました。「江戸バス」とあり、狭い路地へと消えていきました。しばらくするとまた一台・・・。どうやら何台もこの界隈を走っているみたいです。どのバスにも可愛い猫が描かれており、百円のコインをもっています。つまり招き猫なのか。コミュニティバスという、区が運営している小型バスかもしれません。


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百円なら安いかも


漁師

朝6時半、漁を終えた男たちが、朝日を浴びながら網の繕いをしている。陽が昇る前には港に戻り、片付けをしている姿を見て、感じるのは敬意だ。だれもが熟睡、もしくは眠る頃に、漁場へ向かい、風や潮を読み波を頭からかぶりながら、命の糧を獲ていく。男たちの顔と姿は、自然が時間をかけて磨きつくりあげたものなのだと、潮の香りを嗅ぎながら思った。


自然と共に生きていく男たちの逞しさと美しさ、江ノ浦港の朝


アメジスト

赤紫色のふわふわしたビロードのような花はアメジストセージ。アメジストだけでも良いみたいです。秋早くから花がつき始め、風に揺れています。石のアメジストは紫水晶と呼ばれるので、この花は色を名前にもらったのかもしれません。隙間から手を伸ばしているようなので、つい触ります。ポプリやドライフラワーとして楽しめるそうです。
花言葉は「家族愛」「炎のような情熱」「素朴」。なんかバラバラですね。



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石のアメジストは「真実の愛を守り抜く」です


ホームにて

人の少ないホームにチェロの音が流れ、やがてスピーカーから女性の朗読が始まりました。時おり快速電車の通過音が響くので、聴き取りにくいのですが、どうやら母の待つ故郷へはJRで行きましょうという内容です。朗読が終わり、チェロの音も静かになりました。
そうかETC割引でJRも大変なんだなと思いながらも、ホームにチェロの音と朗読、タイミングの良いJRの演出がちょっと心にしみて、遥か昔、列車で帰省をしていた頃を思い浮かべました。


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オフィスの7階から見た昨日の夕焼け。綺麗だったのになぜか今日は雨・・


銀杏(イチョウ)

都心の銀杏は、12月に入ってから色づき、落葉していくものと思っていました。しかし今年は何度か冷え込んだこともあり、少し早いようです。3年ほど前、外苑の銀杏並木を歩いていると、風が吹くたびにかなりの葉が落ちてくるので、驚いたことがあります。数日後、木は丸裸になっていました。
この週末あたり、多くの人が黄色い絨毯の上を歩くのかもしれませんね。
花言葉は「鎮魂」「長寿」「しとやか」


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葉は外から黄色になっていくことを発見


再会

銀座鳩居堂の書道展に行ってきました。35年ぶりに会う女性を訪ねてです。仕事先で知り合い、その後年賀状だけのやり取りを続けていました。一年のあいだに起きたお互いの人生を綴って35年の月日が流れていました。趣味の書を今回の展覧展に出品する旨のハガキを受け取り、ドキドキしての再会でした。
会った瞬間、お互い凍りついたようになり、声を出してあって挨拶。あの頃とほとんど変わらない姿と立ち振る舞い、そして君(くん)付けで名前を呼ばれ、なんとも懐かしく、面映く、時間の流れが一気に消えた瞬間でした。しばらくの間35年間の空白を埋めていきました。こんな体験は、もう無いかもしれません。


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帰り道、からくり人形の前でぼんやり