2013年7月

ミント



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ミントの一群がついにネットを超えた。ずいぶん前、フェンスの向こうの限られた所で大人しくしていたのに、旺盛な生育力でついに道端まで顔を出してきた。雑草軍に仲間入りしたミントだが、芳しい香りを楽しみたくて、ついつい手を伸ばしてしまう。
ミントは花がつくと葉の香りは弱くなるというので、少しだけ刈り取り、小さな花瓶に活けさせてもらう。香りはしてこないが、テーブルの上に涼しさが生まれた。


ミヤマカラスアゲハ(深山烏揚羽)


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さて昨日の続き。花が咲くと虫が集まる。ということで、ムシムシの暑さの中、花の香りをムシできないムシたちの紹介。蒸し暑い山道に涼風が流れ、ヤマユリの香りを運んでくる。思わず辺りを見渡すと、頭を重たそうにした鹿子百合が、しなるようにして斜面から山道に弧を描いている。私の香りを嗅いでくださいといわんばかりに。そんな百合に、蜜を求めて次々にアゲハたちが集まってくる。


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まずはミヤマカラスアゲハ(深山烏揚羽)。深い瑠璃色の模様は、溜息がでるほどの美しさで、まさに深山の女王。子供の頃、このアゲハを採りたくて、夢中になって追いかけていた。ある日、大きな捕虫網を持った高校生が、「君ね、追いかけ回さなくても、チョウには蝶道があって、じっと待っていれば必ず飛んでくるから、それを採るといいよ」と教えてくれた。その高校生は、網を軽く動かして、蝶を捕獲した。その見事な技に見とれていた日のことを、このミヤマカラスアゲハが思い出させてくれた。



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オオギバボウシで愛をささやくヨツスジハナカミキリ


御岳山


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日の出山山頂では鹿の子百合がお出迎え



久々の奥多摩登山だ。目的は御岳山ビジターセンターで担当者との打ち合せ。じつは幸せなことに、「もっと山登りをしよう」という山登り推進の仕事が入っていて、山岳関係者との打ち合せや取材が続いている。昨日は、打ち合せが終わったら、日の出山からつるつる温泉まで歩こうと、同行の山岳会の友人と決めていたので、湿度たっぷりの低山ハイクを楽しんだ!?このルートは、道がしっかり整備されていて「緑・蜩の声・眺望・温泉・ビール」へと続く、嬉しい優しい日帰りコースなのだ。
さて、この山友N氏とはじつに不思議な縁だ。30年ほど前、ある会社で偶然に名刺交換をして以来、なぜか年賀状の交換だけが続いていた。ところが二年前、たまには一杯やりましょうかとなり、久々に顔合わせをすると、なんと山登りをしているという。ジェジェジェ〜と意気投合して、以来仕事の関係が始まった。彼が日本山岳会の理事でもあったとは・・・人は意外な面を持っているものだ・・・。



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日の出山までは、こんな痩せ尾根もあって、歩きが楽しい

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いま、百合が真っ盛りだ


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なぜか、このカーブの景色が好きだ


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日の出山山頂に浮かぶ夏雲


花から種へ


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植物は花だけでは終わらない。実や種を残して次の世代にバトンを渡す。いつもの垣根を見ると、ムラサキシキブが蕾、花、種と三段階の姿を見せていた。季節にどんな変化があっても、対応できるようにということだろうか。兄ちゃんがダメでもオイラ。オイラがダメでも弟に託すんだ〜生きていくために学んだ、健気な兄弟たちの生存手段だ。曇天の梅雨空に鮮やかな青紫の花をつけていたアガパンサスも、もう種子を抱きはじめていた。



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可哀想な名前


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見かけもワルっぽいワルナスビ


炎天の中、アスファルトのすき間からワルナスビ、フェンスにはヘクソカズラが絡まっている。どちらも個性的な花だ。ワルナスビの極悪非道とヘクソカズラの臭気から、こんな名前がついたのだろうが、ウ〜ム、なんか可愛そうでもある。ワルナスビについては、去年の今ごろ「ワルナスビ(悪茄子)」で紹介した。そしてヘクソカズラを調べると、こんな一文を発見。


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漢字でかくと「屁糞葛」


「屁糞葛も花盛り」。いやなにおいがあってあまり好かれない屁糞葛でも、愛らしい花をつける時期があるように、不器量な娘でも年頃になればそれなりに魅力があるということ。類語に「鬼も十八番茶も出花」がある。

美しい花を人の姿に喩えるのは分かるけど、こんな喩えがあるとはねえ〜知らなんだ・・・。ワルナスビと命名したのは、植物学者の牧野富太郎博士だが、この他に自宅の近く(経堂)の掃溜めで見つけた菊には「掃溜菊(はきだめぎく)」とつけている。



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こんな可愛いのにハキダメギク。「ツルギク」ではダメカシラン〜


ハゴロモジャスミン


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常連さんのクマバチは必ず来ています



いつまでも強い香りが衰えません。徒長枝もずいぶんと伸び、花が湧くように咲いています。ジャスミン系の中では、とくに香りが強く、好き嫌いがはっきりしている花の一つかもしれません。でも昆虫たちはこの蜜が好きらしく、次から次とやってきます。羽ばたきと飛行が素早いセセリチョウや可愛いミツバチ、そしてクマバチ。魅力的な香りで、多くの虫たちを集める・・・。
ウ〜ム、あの人に似ているかもしれない・・・。



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今日は紋白蝶も朝食を楽しんでいます


大暑



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今日は、暑さが最も厳しくなるという大暑。ということで、朝7時には30度を超えた。紫陽花や立葵が終わる頃、いつものアササンコースに、このユウゲショウがポツンポツンとお目見えする。花は小指の先ほどの大きさだ。全体に白い短毛がうすく生えている。明治の頃に輸入され、観賞用に栽培されていたものが、野生化して全国に広がったらしい。夕方にかけて咲くから、この名が付けられたようだが、この通り朝から咲いている。



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戦い終わって



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選挙戦が終わって、街が静かになりました。アササンの途中に参議院選の立候補者ポスターを眺めては、顔写真は優先ポイントのなるのだろうか?と思っていた。区議選や都議選ならともかく、政党名さえ大きく出ていれば、顔は小さくたって良いのではと・・・。体制が決まって、取り戻された日本丸は、期待と不安を乗せて、これからどこへ漕ぎ出していくのか。港をでれば、厳しい海が待っている。


ブログカウント1000!



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選んだ花は、昨年の秋に見つけた千日紅


なんとブログを始めてから、1000回を数えました。無事これ名馬、犬も歩けば棒に当たる。継続は力なり。棚からボタモチ、ヒョウタンから独楽。気がつくままに、歩キ眼デスの今までを振り返っても、この程度の諺しか出てきませんが、これからも週休二日を守り、歩いて「見た・思った・考えた」の拙い独り言をアップしていきます。これからも末永くお付き合いください。


ロイヤルベビー



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イギリスでは、「ロイヤルベビー誕生」のニュースを今か今かと待ち望んでいると聞きました。病院の前の取材陣の数は増える一方で、いつ生まれるか、どんな名前か、賭けにまで人気が集まっているとか。皇室のあるところは、どこも同じだなあと思いながら、紅白の芙蓉で前祝いです。


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ムクゲ(木槿)


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先日の豪雨でムクゲの蕾がいくつか落ちました。水を絞った白い布巾のようなカタチをして。ムクゲは一日花と言われているから、せめて咲いて散りたかったろうに・・・。長く咲いているように見えるのは、次々に咲いているからで、その日暮らしの我が人生と重なり、親愛の気持ちが湧いてきました。

それがしも
其の日暮らしぞ
花木槿
        
小林一茶

てっぺん


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タチアオイの花がいよいよ終わり。下から順番に咲いてきた花も、到頭てっぺんまで来ました。梅雨入りの前に咲き始め、梅雨明け頃に終わるので、別名「ツユアオイ(梅雨葵)」とも言われています。この花が終わって、ちょっと似ているムクゲの花が開き始めます。


アオスジアゲハ(青条揚羽)


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ハゴロモジャスミンの蜜を吸うアオスジアゲハ


朝6時、すでに28度。花の蜜を求め、さまざまな蝶が舞っている。そのなかの一種類の蝶に注目した・・・。これほど落着きのない蝶はいない。アオスジアゲハを見るたびにそう思う。いつも忙しなく飛び回っている。蜜を吸う時だって、一時としてじっとしていない。花から花へ羽を休めないのだ。エゴノキの花にとまり、羽をゆっくりと開閉しながら蜜を吸うミカドアゲハを思うと、同じアゲハの名がついていてもその優雅さは歴然の差。まるで青筋を立てて飛び回っているところから、名がついたのではないかと・・・。



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少しでも涼しい写真をと、最近の写真を探していたら、先日登った岩手山での一枚が見つかりました。深く積もった雪に押されたのでしょうね。1本のダケカンバが谷側に傾いています。残雪を通過してくる風は、湿り気を帯びヒンヤリして、休んでいると汗が一気にひいていきました。
涼しかったなあ〜と、この写真を見ていたら、「こうして入られない!」と、思わず立ち上がりそうになりました。


百貨店



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銀座のど真ん中に、美しい芝生の寛ぎ空間があります。ここは銀座四丁目、三越の屋上庭園。いろんな花が植えられています。風に吹かれるラベンダーを見ながら考えました。今の時代、百貨店経営は大変だ。ネットでモノが買える時代に、百貨店の果たす役割は何だろう・・・と。六丁目の松坂屋は先月末に閉館したし、ユニクロや大きな書店をテナントにする百貨店も出てきて、これからどんな舵取りをしていくのだろうか・・・。
幼い頃「街に行くぞ」と父に連れられて、丸井今井の屋上で遊び、食堂のバナナパフェにうっとりしていた日があった。そんな幸せを提供してくれた昭和の百貨店は、まさに夢の世界だった。想い出の数々を作ってくれた「丸井さん」も今や三越伊勢丹ホールディングスの傘下にあるらしい。



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わざわざ富良野に行かなくてもここで楽しんでは〜


炎天劇場



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百日紅、早くも開花いたしました



突然、幕が上がった炎天劇場。ジェラートもジェラシーも溶けてしまいそうな日差しに、もうどうでもいいや、と投げやりな気分です。アササンをもう少し早目からにしなくては、健康に良いのか、分からなくなってきました。日本は亜熱帯化しているらしく、様々な生き物が日本に漂着。毒をもつヒョウモンダコが見つかったかと思えば、数日後にはヒョウ柄の大型ナメクジ、ジェジェ。これからも仲良くしたくない珍客が現れそうです。


ウィンブルドン


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お向かいの鰻屋さんの玄関に、また一つ睡蓮の花が咲きました


7月7日、ウィンブルドン選手権の男子シングルスで、イギリス男子では77年ぶりの優勝を果たしたのは、昨年決勝で涙したマレーだった。毎年のことながら、睡眠不足はこのファイナルで終止符を打つのだが、二人の壮絶なストロークプレーの連続に目は釘付け。先が読めない展開に長期戦を予感した。マレーはこの一年で驚くほど強くなった。丁度一年前、フェデラーに負け、涙しながらここに必ず戻ってくると語ったインタビューを忘れてはいない。努力の末に、今回の栄光を手にした。敗者のジョコビッチには、可哀想なアウェーコートだったが、勝者を讃えるメッセージに、元チャンピオンの風格と人柄の良さを感じた。ウィンブルドンは、偉大な勝者と敗者によってその歴史を刻んでいることを、今回の決勝戦でも証明した。
いずれにしても、ようやく眠れる日が訪れた・・・。


前祝い


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山を下りながら想うのは、温泉、ビール、地酒、旬の肴、そして蕎麦。途中からは水まで控えてしまうほど、下山後のグビリが待ち遠しい。さて今回の岩手山では、小岩井農場に立ち寄った関係で逆コース。一杯引っ掛けた翌日に登るという、初めての試みになった。


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まな板に溝が一本。旨いネギ焼きを食べさせるために作られた究極の皿だ


盛岡でまたまた見つけてしまった名店は「南部藩長屋酒場」。低い潜り戸を抜け、中に入ると、おう〜当り!思わず、微笑む。どのくらいの時間が経ったら、こんな風合いの店になるのだろうと、アチコチに目をやる。懐かしい電燈と行灯の光が、柔らかく店内を映し出している。カウンターの中は畳敷きで、囲炉裏の上には、鮭や切り餅がぶら下がっている。そしてメニューを開くと、岩手の地酒全22種と旬の肴がほぼ揃っていた。それも東京では、考えられない価格で。地酒の一つ「あさ開」を熱燗で頼むと、鉄瓶でやって来た。
「く〜、うれしいねえ」


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歌に合わせて、めんこいお嬢さんが「さんさしぐれ」を踊ってくれた



小岩井農場


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来ならこの左側に岩手山が見えるはず・・・



岩手山に登る前日、一度は訪れたかった小岩井農場へ。農場から岩手山がクッキリと見えるはずと聞いていたが、あいにくの曇り。まったく見えず。仕方ないので、足慣らしに広い牧場を歩き回った。まあ広いこと〜。
小岩井が、三菱の創業者・岩崎彌太郎の実弟である岩崎彌之助が創業していたなんて知らなかったし、国策である殖産興業の一翼を担って、日本人の体位向上が目的だなんて、ウ〜ム、なるほどの歴史に感心しきり。写真を見れば、明治時代のフロンティア精神を抱いて、若者たちの目が輝いていた。そして宮沢賢治もここに魅せられ、何度も訪れたらしい。詩集「春と修羅」の長編詩「小岩井農場」で紹介されている。それにしても広い・・・。



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展示物が随所にあります

とにかく広い、道に迷うとまったく分からなくなる


P6280065.JPG春、この桜に人が集中。でも柵の中には入れない


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ポニーとサラブレッド


岩手山(3)


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思わず歌いながら、歩きたくなります


岩手山を下山した翌日、早起きして秋田との県境にある八幡平に向かう。山頂周辺には、雪が残り、遅い春が顔を出していた。木道の側には水芭蕉やショウジョウバカマが咲き始め、コバイケイソウも大きくなっていた。今年は雪が多かったらしく、湿地の花は今ごろお目見えだ。ブルーシャトーでも歌って、いくつかの池を歩きたかったが、もち時間が少なくなっていた。
遠くの岩木山を眺め、今回の山道をもう一度辿って、しっかり映像を引き出しに入れる。都会での出来事はほとんど忘れるのに、不思議と山の記憶だけは残る。じつにおかしな頭だと思う。



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これからどんどん咲き始めるのだろう、ショウジョウバカマ


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コバイケイソウの花が吹き出した
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池にも雲が流れていく


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岩手山ともお別れ〜ありがとう



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想い出の花をもう一度。上から、チングルマ、マイヅルソウ、シラネアオイ。


岩手山(2)


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数を減らしているコマクサ。火口付近で風に揺れてい


岩手山は花の名山だった〜♬ 八甲田山や早池峰山、そして八幡平など東北には花の名山が多い。今回の岩手山も麓から山頂まで、多くの高山植物が咲き誇っていた。シラネアオイは、数年ぶりの対面で懐かしく嬉しかった。本家の日光白根山辺りでは、増えた鹿にほとんど食べられてしまい、数を減らしている。淡い紫色の花びらは、透き通るような優美さをもち、まさに森の貴婦人を思わせる。そして、えっ!まだ桜?と勘違いしてしまったタニウツギや可憐なヤマオダマキ、千鳥が飛んでいるようなハクサンチドリなど、図鑑から飛び出してくるかのように次々に現れる。そして最後に「高山植物の女王」と呼ばれているコマクサを山頂の砂礫で見つけたときには、しみじみ、来て良かったと思った。



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コマクサの近くにはタカミスミレの群落


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千鳥の姿に似ている!?ハクサンチドリ


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桜と勘違いしたタニウツギ


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そしてウコンウツギ


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白い花火のミヤマカラマツ


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花以外は毛むくじゃらのエゾツツジ。可愛い花だ


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ヤマオダマキ


岩手山


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おう!ついに山頂が現れた



太ももパンパンの筋肉痛で、七月のスタートです。じつはこの心地好い痛みのなかに、今回の岩手山の素晴らしさが凝縮されています。梅雨時期の山を登るのは久しぶりだったこともあり、木々の美しさと多くの高山植物にため息の連続でした。あらためて雨は、多くの植物にエネルギーを与えているのだと感じました。
麓から見る岩手山は、地元の人が言うところの季節風「やませ」が吹いて、中腹から上は雲の中。でもエゾハルゼミ鳴く樹林帯を越え、溜息がでるような美しいシラネアオイや可愛らしいチングルマを撮りながら登っていくと、いつの間に雲海の上へ。なんと山頂部は、夏山の世界が広がっていました。



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山の貴婦人、シラネアオイの優美な姿にウットリ


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山頂付近は雲海の上


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花が終わったチングルマが風になびく


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八合目に建つモダンな非難小屋


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山頂へ続く火山礫の道を喘ぎながら登る


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山頂は火口の上にある。下からの風を受けながらあともう少し