吟行歌会


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持続は力なり、なんて諺を思い浮かべた。年四回の「吟行・四季の歌会」が、50回目を迎えた。コロナ禍の休会もあるから、かれこれ15年間、あちこちを散策して歌を詠んできたのだから、たいしたものである。

この諺には「何ごとも続けることで、成果が得られるものである」とあるから、気がつかぬうちに何かが備わったはずだ。さてそれは何だろう。感性(発見)→言葉→歌という流れから、創造力と技術力の筋肉が少し付いたのかもしれない。

記念歌会、秋を詠もうと選んだのは、杉並の大田黒公園。音楽評論家、大田黒元雄の元お屋敷跡を訪ねる。ところが先週の土曜日は真夏日。晩夏なのか残暑なのか、湿度もあって、蚊に刺されながらの見学は辛いものだった。こんな歌を詠んだ。

終わらない
夏は
始まりを
予感させる
銀杏 碧々の一本道

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入口から真っすぐ続く、緑の銀杏並木は、温暖化への迷宮の入口のように感じた。

コスモス


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揺れるものを眺めていると、心の片隅にある何かが揺れはじめる。ススキ、ハギ、コスモス、揺れる花が、秋を演出する。

一芸


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今年はどうなのだろうと思っていたら、ようやく金木犀の匂い。夕方神田川沿いを歩いていたら、ほんのり甘い香りがしてきた。見上げると、オレンジ色の蕾がちらほら。花芽もたくさん付いている。

思えば、金木犀は地味な木だ。秋、花の香りがなければ、こんもりとした樹形はそれほど目立たず、存在感がない。でも、一芸があればよし。ここに私がいます。

一芸
あればよし
金木犀
ここに
私がいます