根府川駅
ある冊子の特集「駅ものがたり」のレトロ駅舎のなかに、かつて下車した駅のいくつかが紹介されていた。門司、旧大社、そして根府川駅。いまから15年ほど前、東海道線の根府川駅で下車したときに閃いたのは、詩人茨城のり子が戦時中、青春期を過ごしたはずの駅という記憶だった。
いま一度、詩「根府川の海」を読み返すと、青春時代を振り返りながら、戦争によって報われなかった日々を悔いを込めて詠んでいることがわかる。
根府川
東海道の小駅
赤いカンナの咲いている駅
・・・・・
ほっそりと
蒼く
国をだきしめて
・・・・・
眉をあげていた
菜ッパ服時代の小さいあたしを
根府川の海よ
忘れはしないだろう?
・・・・・
海よ
あなたのように
あらぬ方を眺めながら・・・・・・。
のり子さんもこの美しい朝日を眺めていたのだろうかと、その日を思い出していた。
根府川駅は、大正14年に造られた
根府川駅からすぐ、江の浦湾の朝日
2024年3月19日 14:46 | 歩キ眼デス4 | コメント(0) | トラックバック(0)