根府川駅


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ある冊子の特集「駅ものがたり」のレトロ駅舎のなかに、かつて下車した駅のいくつかが紹介されていた。門司、旧大社、そして根府川駅。いまから15年ほど前、東海道線の根府川駅で下車したときに閃いたのは、詩人茨城のり子が戦時中、青春期を過ごしたはずの駅という記憶だった。

いま一度、詩「根府川の海」を読み返すと、青春時代を振り返りながら、戦争によって報われなかった日々を悔いを込めて詠んでいることがわかる。

根府川
東海道の小駅
赤いカンナの咲いている駅

・・・・・

ほっそりと
蒼く
国をだきしめて

・・・・・

眉をあげていた
菜ッパ服時代の小さいあたしを
根府川の海よ
忘れはしないだろう?

・・・・・

海よ
あなたのように
あらぬ方を眺めながら・・・・・・。

のり子さんもこの美しい朝日を眺めていたのだろうかと、その日を思い出していた。

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根府川駅は、大正14年に造られた
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根府川駅からすぐ、江の浦湾の朝日

白い花も


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黄色だけじゃないよ〜と、白い花も咲きはじめた。散歩コースにハナニラに覆われる庭があって、ポツポツと顔を出し始めた。この花は、かつて娘の学校の定期刊行物の名称だったので、目にするとふと思い出してしまう。

そしてコブシ、モクレンもグーからパーへ。まもなく蝶か鳥のような賑わいとなる。

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手づくり


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まさに最後まで手作りとなった。五行歌「麹町倶楽部」の記念歌集ができあがり、本誌にカバーをかける作業を始めたのだが、お洒落な防水処理加工を施したため一冊のカバー掛けに意外と時間がかかっている。

パソコンが無かった時代、こうして手を動かして作品を仕上げていた。企画、編集・構成、デザイン、制作、印刷までの流れを思い出しながら、モノづくりの至福をひとつ一つに込めている。