2013年8月

残暑



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日差しが痛いほどきつい。36度で久々の猛暑。きっとこれが最後の暑さなのかもしれない。あまりにも眩しくて、信号待ちで木陰に隠れた。すでに何人かがさり気なく、信号を見つめながら待っている。すいません、ちょっと乗せてくださいな。木陰という乗り物に一時非難すると、ずいぶん温度が違う。風が吹くと気持ちが良い。反対側の歩道でも、何人かが木陰に入っている。女性の大半は日傘を差している。夕方になれば、きっと涼しくなるのだろう。

謎解き



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歩いていると、花や木々以外にも目がいく。たとえばこんな看板。一年前くらいから登場した、不思議なメッセージボードで、当初は相田みつおチックな格言集だったから「ハイハイ、そうね、おっしゃるとおりです」とスルーしていた。ところが、ここへきて原発のことや憲法のことなどに及び、今週はなんと「謎解き」が登場した。するとウォーキングしている人らが立ち止まり「あら何かしら〜」などと話し込んでいる。もしかしたらそれを見て、カーテンの隙間から、ご本人が覗いて喜んでいるのではないかと、窓にチラリと目を向けたが、その気配はなし。アルキメデスもネタ探しが大変だけど、こちらも大変なんだなあと思いつつ、ちゃっかり頂いてしまった。

権ちゃん、知っていたら、遅くにコメントです (^^ゞ


初風



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光が真横から当り、サルスベリのピンクがより美しい



「外はとっても爽やかですよ〜」とNHKのアナウンサーがアササンを急がせるので、外に出ると湿度がなく、秋の風をわずかに感じて清々しい。空は青というより、水色。おもわず、雲はどこだと探すが、低い所にわずかにあるだけ。見事な日本晴れだ。サルスベリのピンクと空の水色が、こんなに解け合うなんて、やはり自然は自然だよなあ〜と、季節が動き始めたことを実感した。


紋白蝶


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北国で目が覚めたような朝でした。窓からの爽やかな風は、暑さに慣れてしまった肌にヒンヤリと心地良く、秋到来かとうれしくなりました。待ち遠しいですね〜秋。さて、こんな日に相応しい!?、出番を忘れていた紋白蝶です。
紋白蝶は、まるで天使のようと誰かが言っていましたが、この写真を拡大して、じっくり見みると、なるほどねえ〜と思う。ヒラヒラと飛んでいる姿も、それなりに愛らしいけれど、触覚や目の大きさ、それにカラダと羽の比率なんか、じつにバランスが良くて美しい。


一雨ごとに



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朝方までの雨が、秋の扉を開いたのか。雨上がりの昨日、アササンすると、色づき始めた落ち葉が遊歩道を飾り、草の間から虫の音が聴こえた。澄んだ風は肌に優しく、酷暑の日々を一時忘れた。蝉の合唱団もいくぶんメンバーが少なくなったようだし、このまま秋の中に入っていくのだろうかと思って嬉しくなった。さて秋の訪れと言えば、あまちゃんのアキ。9月でドラマが終了するとなると、なんか淋しくなりそう。


処暑



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もう「熱闘甲子園」が観られないかと思うと、心の夏が終わったようで、ガクッときてしまいました。きっと甲子園の球児たちや応援する人たちから、見えない元気をもらっていたんだなあと思います。毎年、決勝戦を映し出す外野の風景には、赤とんぼが飛んでいたりして、秋の兆しを感じていたけど、今年は変わらぬ猛暑が続いているので、シックリこない。
今日は、暑さが終わるという処暑。「昼間は暑い日が続きますが、朝夕は涼しい風が吹き渡わたり、気持ちのよい時期です」と用語解説にはあるけれど、この暑さ、ショッショと消えて欲しい〜。


ユウゲショウの種





アササンの時、少しずつユウゲショウの種を集めている。tamaさんに送りますねと約束したからだ。葉がまだ付いているのだから、もう少し待てばいいのだけれど、ある日突然、パチーンと種が飛び出すかもしれない!
そう思うと、ついつい良さげなのを選んで、摘み取ってしまう。窓辺で乾燥させていたら、我が家でも来春、小さな鉢に捲いてみようかなと、可愛い花を思い浮かべた。



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グリーンカーテン



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歌会の二次会を楽しんだイタリアンのお店


グリーンカーテンを一度体験すると、毎年繰り返すんだなあと、ゴーヤの蔓が伸びたお宅を横目に見ながら通り過ぎる。五年ほど前、仕事でグリーンカーテンをテーマに、その一石四鳥的魅力をまとめたことがある。涼しい、美味しい、美しい、そしてエコノミー。直射を隠す野外のカーテンは、心地の良い日陰と時間を作り、しばし夏の鬱陶しさを忘れさせてくれる。
読書、冷えたワイン、手紙、ボサノバ、昼寝・・・涼しい風が恋しい。


影絵


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同じ時間、ほんの少し離れている場所。それなのに、壁に映る木陰の色がこんなに違う。鬱蒼とした森が、深い緑に染まっていることがあるけれど、ここはいつものコース。この緑色は、何かの色を拾っているのかもしれない。
風が吹くたびに揺れて、いいなあ〜なんて立ち止まっていたら、蚊の攻撃が始まって、足のアチコチがすぐに痒くなってきた。今年はずいぶんと蚊に献血されている。


蝉の成る木



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アササンコースの途中に、メタセコイアの木が五本並んでいる。何年か前、地上2〜3メートル辺りの枝に、いくつもの蝉の抜け殻を見つけた。それも、どういうわけか、こんなにたくさん取り付いていたりして・・・。なぜメタセコイアを選び、なぜ一つの枝に集中するのか!?
周りにはサルスベリの木が多いので、幼虫はこのメタセコイアを選ぶことはなんとなく分かる。でもなぜ一つの枝にだけ集まるのだろう・・・。もしかしたら、彼らだけが分かる匂いがあって、その匂いの後を追いかけていくのが、安全だと思っているのかもしれない。


イナゴ(蝗、稲子)


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イナゴの強靭な後ろ足と関節部がスゴイ!跳躍には、このくらいの大きな足とジョイントが必要なのだろう。この後ろ足がきっとイナゴの生命線だ。そして矢じりの先を思わせる連続模様の美しさ・・・。進行方向に強く進むぞという意志を感じさせる。どのパーツにも無駄がなく、機能的だ。
イナゴといえば「佃煮」。昔は、居酒屋や蕎麦屋などのメニューにあったと思うのだが、最近は見かけない。食が豊かになって消えてしまったのだろうね。


覆水盆に返らず



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あっさて、あっさて、さてはナンキンタマスダレ〜



朝のニュースを見ていたら、ユニークな看板が紹介されていた。「最高気温日本一」「41度」。四万十市の誰かが作った看板で、顔が出せるように工夫されている。やはり日本一は、勲章になるのだ。暑いけど自慢にしてしまうことで救われる。

ところで、これだけ日本列島が暑いのに、電力の使用規制が一向に出ない。原発は止まっていても、電力は十分に足りているのだ。その一方、福島第1原発では、一日300トンの汚染水が、海に漏れている。漏れていることが公表されたのは、参院選が終わってから。その漏れている量も、日増しに増えている。国家的なプロジェクトで対応するらしいが、対応策を見聞して、無理なのではないかと思った。汚染水を毎日140トンを汲み上げても、残りの160トンは海へ流れ、延々と何十年も土と海を汚していくのだ。国が除染を含め、原発事故後に使った費用は一体どれくらいになるのだろう。

省エネを求めながら、天文学的な金を使って原発事故の後始末をしながら、原発を再稼働しようとしながら、国の借金を増やしながら、腰まで浸かって未知の川を渡ろうとしている。希望の岸は、見えるように思えない。


昔、パロディでこんな諺を作った。「福助、盆に帰らず」
これなら、笑えるのだけど・・・



神代欅(じんだいけやき)



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御岳の続き。御岳山のケーブルを下りて10分ほど歩くと、この神代欅に会える。推定樹齢は、なんと約一千年というのだから、平安時代からここで御岳山の歴史を見つめてきたことになる。国の天然記念物に指定され、高さ約30メートル・幹廻りは8メートル余り。樹皮には、風蘭などのさまざまな着生植物が根を下ろしている。巨樹といえば屋久杉だけど、大正時代に立てられたという茶店で、冷えた胡瓜を齧りながら、ここで巨樹を見上げるというのもなかなかです。



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この茶店の奥には、ヤマブドウとアケビの棚と素敵なテラスがある


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冷えた胡瓜に味噌をつけて齧る!暑い日にはサイコー


宿坊



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今が時期、そして大人気の御岳山のレンゲショウマ



娑婆は暑いですねえ〜、なんて。御岳山で行われた子ども自然教室の取材から帰ってきました。御岳の坂はとてもきつく、移動するたびに大汗をかきましたが、木々を抜ける涼しい風と子どもたちの元気で、なんとか乗り切ることができました。さて今回の大発見は、宿坊の素晴らしさ。歴史のある木造建築の宿を選んだこともありますが、朝夕の食膳にならんだ料理の一つひとつが良かった。野菜料理がほとんどで、「白和え」「野菜の煮浸し」など、以前読んだ水上勉さんの著書「精進百選」に出てくる一品は、きっとこんな深い味わいだったのではないかと想うほどの美味しさでした。
厨房と膳を結ぶものは、料理人の心である。



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白い百日紅


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毎年、ジリジリと暑くなる頃、白いサルスベリの花が散り始める。丁度顔の辺りまで房が下りてくるので、ウォーカーはこの香りを楽しんで通り過ぎる。花はフンワリ、しべはクルリン。だからつい房に手が伸びる。すると、花はポトポトと落ちる。風が吹いても、ポトポト・・・。緑色の実をもう付け始めているので、花はきっと散りたがっているのかもしれない。

明日から、奥多摩の山に入って取材・撮影です。
二日間、お休みします。

ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)


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さて今週は、どんな写真を出しても権師匠のミステリーには敵わないよなあ〜と、赤いハゴロモジャスミンの花を撮っていたら、ツマグロヒョウモンがすぐ近くに飛んできた。ヒョウモンチョウは、その名の通り豹柄をしていて、明るい野山でよく見られる。ツマグロヒョウモンを調べてみると、以前は南にしか生息していなかったらしいが、徐々に生息域が北上し、関東地方でも観察される蝶になったとある・・・ウ〜ム、豹柄と言えば、関西が主流で本場と思っていたが、蝶までが関東にきていたとは・・・! やはり、日本は関西化、亜熱帯化しているのだ。



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珍しい赤い色したハゴロモジャスミン


タマアジサイ



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権師匠の話の次を聞きたいと思いつつ、なぜかタマアジサイの話になる。高尾山や奥多摩の山道に、タマアジサイが咲き始めた。小さな球形の蕾が少しずつ大きくなり、あるとき百合根のような苞の一枚が開くと、その中から零れるような可愛い宝石の粒が顔を出す。隠れていた小さな蕾たちだ。ぽこっと外に広がって、ツンと最初の花が咲く。半日影をつくる山道に、じつに涼しげな装いで、登山者の目を楽しませてくれる。たまさんは、お元気でしょうか〜。



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蝉の声



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大雨に当たらず、無事に羽化したらしい


あっという間に7月が終わった。「今年は蝉の声を聞きませんねえ〜」なんて話をしていたら、ここに来て、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシまで一緒に鳴き出した。じつは「蝉の声を聞かない」という話は、毎年出る話らしく、とくに6月頃から暑くなる年は、皆さん決まって「今年はセミの鳴き声を聞きませんなあ〜」となるらしい。昨年も、東京都副知事の猪瀬直樹氏もTwitterで「今年は猛暑なのにセミがいない」(7月25日)とつぶやいていたとか。
つまり、7月に「セミの声を聞かない」というのは、毎年の恒例行事となっているようだ。