2020年10月

陀羅尼助丸


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山では最後まで女性に会うことなく、洞川温泉への道をトボトボと下りた。温泉街に入ると「陀羅尼助丸」なる看板がやたら出てくる。何て読むの?「だらにすけ」。読んでからしばらくすると、忘れてしまう。ダラニスケ・・・片仮名で覚えようか。
全てのお店で売っているようだ。


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雪洞が灯ると、古き佳き温泉街に変身する

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お店に入ってなぜこんな名称なのかを聞くとこんな話だった。
今から1300年前、修験道の開祖である役の行者(えんのぎょうじゃ)が大峰山の開山の際、山中に生え繁るキハダを煮てそのエキスを取ったところ、胃腸の病をはじめ内臓、外傷にも薬効のある事を知った。それ以降、この地で「陀羅尼助丸」を販売しているとのことだった。

お酒を呑む前にも効果があるらしい。年末、一度試してみよう。



大峯山(3)


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この標識をよく見なさいよ〜と後で独り言


晴れ上がった空の元、歩いてきた山道を思いだしながら、買ってきた柿の葉寿司を広げる。八合目辺りでシャリばてしていたので、ことのほか寿司飯が美味かった。今日は余裕をもって下りられそうだと、地図を眺めていたら、目の前を3人グループが通り過ぎていった。


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そうか、彼らの後を追いかければいいのだなと合点した。リュックに荷物を入れて、さあ出発。緩やかな坂を下りていくと低い笹の道が現れた。スキップしたくなるような小道だ。誰にも追い抜かれず、すれ違いもない。いいなあ〜と歩いて約30分。
まてよ・・・最初の「レンゲ辻」の標識が出てこない。立ち止まって、太陽を確認。???

違う。この道ではない。地図を出して確認する。ヤバっ!これは熊野へと続く道だ。「レンゲ辻」へのルートは、もう一つあったのだ。ガックリ・・・
山頂へ登り返す。一時間以上のロスタイムだが、まあ、時間に余裕があるから大丈夫と気を取り直す。
(^^;

山頂でようやくレンゲ辻の道を見つけ、これで安心と下山開始・・・だんだん斜度がキツくなり、下が見えないほどの階段が現れた。もしかして、これ上級者のルート!?。下山時に滑落する人が多いので気をつけてと、宿の人が言っていたのが、この道かもしれない。

カメラを出せないほどの急階段、鎖の壁、幅30センチほどしかない崖覗きの道を用心しながら下りていく。しばらくすると水音を聞こえてきた。緊張の糸が切れ・・・安堵。


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この赤テープなら見つかる
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赤いテープ、見つけられますか?

細い川筋に沿って歩く。時々、道を失う。立ち止まって辺りを眺める。すると川の向こうに赤いテープを発見する。川を渡るんだ・・・素人は迷うだろうなあ。なんども赤いテープを探しては徒渉を繰り返す。

林道に出た時は、ホッとした。ずいぶん歩いたなあと歩数を確認すると、35000歩超!
ロスタイムの分が加算されていた。これでようやく92座。さあ洞川の温泉に入ろう〜♬


大峯山(2)


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女人結界であるから、駐車場にいた人たちは当然のように男ばかり。当たり前か・・・。厳しい登りと緊張していたら、意外に穏やかな道が続き拍子抜けした。陽が上がってくると、紅葉が鮮やかになってくる。


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森のなかのモミジやカエデに陽が当たると、そこだけが暖炉のようにポッと点る。寒さを忘れてしまうような暖色が針葉樹の中に見え隠れする。


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山頂が近づくと風が強くなり、ついに噂の「西の覗(にしののぞき)」に到着した。「捨身の行」が行われる場所だ。絶壁から命を絶つ覚悟で身を乗り出し、仏の世界を覗くという修業。聞いただけで身震いしてしまうくらいだから、当然近づくこともできない。カメラをあげて撮ったが、遠景が少し写っていただけ。怖くて、早々に引き下がった。
若者三人は「こぇえ〜〜」と言いながら、ニコニコしていた。


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そして、最後の急な登りが終わると、笹が広がる山頂に出た。遠景の山々がはっきりと見えるが、どれがなにやらサッパリ分からない。山頂で記念撮影をして、ランチタイム。この後、大変なことに・・・。


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大峯山(山上ヶ岳・1719m/百名山91座目)


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まだ暗い温泉街を抜け、山上ヶ岳の登山口を目指して歩をすすめていく。一時間ほど山道を上がっていくと「女人結界門」が現れた。今もなお宗教的理由から女性の立ち入りが認められていない世界でも類を見ない珍しい場所だ。

今から1300年ほど前、女性が近づかない山の奥こそ異性に煩わされない厳しい修行の場と考えられるようになり、修験者は山岳を選び修業したといわれ、霊山と呼ばれる山には女人禁制が定着するようになった。

その後「男尊女卑を肯定する象徴」として多くの物議が繰り返されてきたが、2004年にはユネスコの世界遺産に登録された。

修験道者ではないが、ここはひとつ失礼をしてと緊張しながらこの門をくぐった。


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まだ眠っている洞川温泉街

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行者たちの休憩所を通り抜けていく珍しい山道

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もうすぐ0度〜!


好山病


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というわけで、今年最後の百名山を大峰山(1719m)に決めた。週末の天気予報は晴れマーク、久しぶりに雨具を気にしない山行が楽しめそうだ。

大峰山は修験道の盛んな山で、現在も女人禁制となっている。飛鳥時代に開山された歴史のある山だというので、期待もあり緊張も高まる。


心構え


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来月の環境ポスター展の作品づくりに追われている。毎年、テーマを決めアイデアが出るまで、身を捻るようにして悩むのだが、この自虐的な苦しみは、やがて快感となってくる。こんな状態をアニメの宮崎駿監督は「メンドウクサイ、めんどうくさい、大事なことは、いつだって、面倒臭い」と頭を掻きむしっていた。いいねえ〜よ〜く分かる。

今回は強力な助っ人イラストレータとタッグを組むことになったので責任も重大。作品のヒントになるかもと、ここ10日間ほど展覧会や講演会に足を運んでいた。
「SDGsユーモアイラスト原画展」「国立公園・企画展」「ポストコロナからはじまる都市創造とアート」など、目的意識を持って、観る+聴くをすると、響くもの、湧きあがるものが違う。

心構えの問題だろうか。
さて、どこへ連れていってくれるのだろうかと、悩みながらも、作品づくりはいつも楽しい。

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*吉里吉里国の芳賀正彦さんのビデオレターに涙した。
 いつか、ここにアップしたいと思います。



ああ、上野駅


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道路が消えて公園と直結になった上野駅公園口


半世紀前、貧乏学生が故郷札幌に帰ろうとすれば、まず上野駅から青森、そして青函連絡船に乗って函館、そして札幌へ、最短でも16時間。待ち合わせが悪いと丸一日の辛苦を味わった。年末であれば、席を確保するために、まず早くに行って並ぶ。あるいは臨時列車を狙う。いずれにしても上野駅は大混雑した。
指定の列車が入線するまで、上野公園の特設テントに移動させられ、ひたすら出発を待った。多くの人は、荷物とお土産を抱えていた。

列車が動きだすと、仲間同士で酒を呑みはじめ、ご機嫌な方言が聞こえてくる。福島弁、宮城弁、岩手弁、そして最後に津軽弁。津軽の人たちは大人しく、青森県に入ってから喋りはじめていた。

そんなことを思いだしたのは、上野駅の公園口が大きく変わって、道路が消えていたからだ。駅そのものも大きく変わってしまい、昔の面影はすっかり無くなってしまった。


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テントの奥にぶら下がるのは、行き先などが表示されているプレート

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年末の上野駅は熱気に包まれていた


方言といえば、こんなサイトが


無名橋


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国立競技場から徒歩2分に名もない橋が掛かっている。Mumeibashi。いわれを知りたくてググってみたが分からなかった。誰がつけたのか、オリンピックの開会式会場のそばにあるのが不思議。

昔はここから富士山や江戸城の天守閣が見えたのだろうか。橋の下を車と電車が燧なしに通過していく。こんな名前の橋が頭上にあるとは、誰も知らずに。


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冬鳥


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金木犀の香りに秋を感じていたら、週末の朝、けたたましい声で目が覚めた。ヒヨドリだ・・・一年中いる留鳥だと思っていたけれど、朝鮮半島から渡って来た輩かもしれない。

花に、鳥に、季節の移ろいを教えてもらっているんだなあと、寝ぼけ頭をボリボリと掻く。春のサクラまでの約半年、この声を聴いていくことになる。


空高し


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空が高い。広がるウロコ雲は、まさしく秋の空だ。空気もひんやりとして、あの八月の猛暑はどこへやら。このまま清々しく週末〜と期待していたのに、これから雨模様とは。明日のORMACの青木ヶ原ハイキングには14人の参加予定だったが、やむなく中止・延期とあいなった。残念。(>_<)

仕方ない。まずは原田マハの「シネマの神様」を読み終わろう。友人からすすめられて、原田マハにすっかりハマってしまって、これが三冊目。夢中になって、なんども乗り越しをしそうになった。
そして百名山の92座目「大峰山」のチェック。これをなんとか年内に登りきって終わる。

晴れてくれないかなあ・・・


力(りょく)


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どっこい!枝を延ばし多くの葉をつけていた


電車を降りようとドアの前に立っていると、目の前に四角いシール広告があった。「合格力」の文字がドン。進学塾の募集広告だ。なるほど、合格する力、若しくは合格させる力か・・・インパクトと説得力があるなあ。

ふと思いだした。この「力」という字がブームになったことがあった。「老人力」。赤瀬川原平氏が、老化の衰えをによるマイナス思考を「老人力がついてきた」とプラス思考に変えたブームだ。なんとユニークでポジティブな発想と、愉快になった。

老人らが活躍する映画も多くあった。「最高の人生の見つけ方」「ドライビングMissデイジー」「マイ・インターン」など、こう年を重ねていきたいものだと観ていた。
そんなことを思いだしていたら、すんなり事務所にトウチャコ。


マユミ


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マユミ・・・ふと口にしてしまった。家人がそこにいたら、訝しんだかもしれない。
しかし、目の前にいたのは、わけありの女ではなく、赤い木の実ひとつ。これを見て、マユミと口にする男は、そう多くない(はずだ)。

漢字で書くと「真弓」。美しい樹形、白く可憐な花、赤くなった実は、割れて種子を愛らしくぶら下げる。一年を通して目を楽しませてくれる庭木だ。
花言葉がいい。「あなたの魅力を心に刻む」「艶めき」。


空にしみ入る蝉の声


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新しくできた公園のベンチに座って、ぼんやりしていたら、どこからか響いてくるもの。セミだ。真上から聞こえてくる。この時期にまだ地中から出てくる輩がいるのか。
遅れて出てきたセミは、寂しかろうね。そんな弱々しい声だ。

できたてホヤホヤのホテルの前には、どでかい国立競技場。オリンピックが開催されていたら、今もなお東京は賑やかだった・・・。さまざまな期待は、新型コロナで霧散した。

果たして来年はあるのか。中止の材料、筋書きは、充分過ぎるほど揃っている。大げさに演技なんぞしなくても、中止宣言は、すんなり受け入れられることだろう。

虚しさや 空にしみ入る 蝉の声  


曼珠沙華


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嫌いな花はあまりないのに、この曼珠沙華は、好きになれない。なぜだか分からないでいたら、こんな歌が昨日の朝日歌壇にあった。

地の底に花火工場あるがごといっせいに上(あ)ぐ曼珠沙華の炎(ひ)

田んぼの畦で帯状に咲く曼珠沙華は、一列になってマグマを噴き出す火山だ〜と眺めたことがあった。抑えきれぬ情念の炎の花、そう思って見ているからかもしれない。


金木犀


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山から帰って来ると、街は金木犀の香りに満ちていた。季節が巡っていることが分かる。それにしても噎せ返るような匂い〜絡めとられそう。

昨日の歌会でも金木犀の歌が、三首詠まれていた。例年よりも香りが強いらしい。十月のスイッチが入ると一斉に香りを放つんですと、十月生まれのSさん、ちょっと嬉しそうだった。

でなく
あたりの空気が
まるごと香る
金木犀

夜気の中に
微かに
金木犀の香り
今年もぴったり来たね
十月の使者よ

かすかに
金木犀香り
なぜか
あなたの
気配だけを思い出す

昔こんな歌をつくっていた。


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平ガ岳(4)


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平ガ岳の山頂部は、なぜ穏やかな台地が広がっているのか?
富士山のようにマグマの力で盛り上がった山ではなく、プレートからの圧力で隆起した大地がこんな山容をつくった(らしい)。「名は体を現す、サントリー角」という広告コピーがあったが、まさに平ガ岳も名前の通りの山だった。

尾瀬方面を眺めると、雲間から顔を出すのは双耳峰の山、燧ヶ岳か。北アルプスでもそうだったが、登った山が見えるのは嬉しいもの。いつ誰と登ったかを思いだして噛みしめる。もう四半世紀前か。夜行の疲れもあって、山頂で昼寝していたら誰もいないことに気付いて焦ったことがあった。そして眼下の尾瀬沼が美しかった。

昨日のことをケロッと忘れてしまっても、山の記憶は、なぜかはっきりしている。細い山道まで覚えていたりして、どうよ〜と苦笑い。

クーポン券を使って買い物をしなければ〜と下山を開始する。腰痛を患ってからは登りより下山が苦手になってしまった。滑落の前科もあるので、より慎重に下りていく。
もうすぐ紅葉は、山々を染めながらゆっくりと下りていくはずだ。


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チングルマが白いボンボンになって揺れている

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冬の豪雪を受けて、どの木も谷側に弛んでいる

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鱗雲が出てきた。明日は雨だろうか

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旅のお伴はもっぱらこれ。我が家から持参した銘酒一合

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魚沼といえばこれでしょう〜と差し出しました(^^;




平ガ岳(3)


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登山口から約二時間、20名くらいの団体を追い抜き、樹林帯が切れるころ草紅葉の広がる大地に出た。木道は枝分かれになって、それぞれ山の彼方へと続いている。ガスがかかり草紅葉の鮮やかさが半減されているのが残念〜。光が降りるとどれだけ輝くことだろう。

まずは自然がつくったという奇岩「たまご石」に寄り道する。ふむふむと納得。丸い石よりも眼下に広がる地糖に目を奪われた。尾瀬や苗場山の山頂部を思いだす。二千メートルの地にこんな眺めがあるとは・・・紅葉がすすむとさらに映えるだろう。


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なぜ落ちない?

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たまご石を背に地糖を眺める

ここで朝と昼を兼ねたおにぎりタイム。シャリばて(炭水化物不足・山用語)していたので、美味いのなんの。極上の疲労感と目の前の景色を楽しんでいたら、この平ガ岳で100座達成という男性がやって来た。前日の温泉で100座の話で盛り上がっていたのだ。

この後どうするの?と聞いた。200名山があるよと振れば、「これで終わりです。冬に登った山がいくつかあるので、夏に登ってみます」という。残りの9座のことを思った。どれも厳しい。体力が果たして保つだろうか。人生の目標と決めたのだから、精進しよう、楽しもうと、立ち上がり、山頂へと向った。

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山頂に近いデッキで皆さんランチタイム

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人差し指は、91座達成の意味


平ガ岳(2)


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定刻の三時半、平ガ岳を目指す岳人たちが宿の前に集まってきた。日帰りだというのに、なんでそんなに荷物が多いの?皆さんのリュックが膨らんでいる。挨拶をしてミニバスに乗り込む。12名。

「登山口まで一時間半かかるので寝てください」と宿の運転手の方は言ってくださるが、カーブが多いオフロード、なかなか眠れない。目を閉じたり開けたりしているうちに空が明るくなり、細い林道を上がりきったバスは平ガ岳登山口に着いた。

降りると意外に寒い。ブルブルときた。10度を下回っている。靴の紐を締め直し、息を大きく吸い込んで、歩きはじめる。気持ちのいい水音が聞こえてきた。よく流されるという細い橋を渡って、急登が待つ山道へと入っていく。

40分くらい喘ぎながら登っていくと登山口のバスが確認できた。紅葉は始まっていた。山頂には草紅葉の絶景が待っているはずだ。それを期待して、キツい斜面を息を切らしながら登り続けた。


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乗ってきたバスが遥か下に見える

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中腹まで上がると樹々が色づきはじめていた

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笹の葉だって色づく

平ガ岳(2141メートル/日本百名山90座目)


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百名山も余すところ後10座。どれも簡単には登れない山ばかりが残った。新潟県と群馬県の境に位置する平ガ岳もそう。後回しにしてきたけれど、そろそろ行こう!と決めた。

ときはGO TOキャンペーン。山奥の宿まで割引対象になっているとは知らなかった。2000円のクーポン券をいただく。なんだか申しわけがない。明日の英気を養おうと山に囲まれた一軒の温泉「白銀の湯」で、しばしうたた寝。温めの湯が心地いい。宿に戻ると、熊の爪を撫でながら、原田マハ「楽園のカンヴァス」最終章を読む。山頂に続く急登800mを忘れて、幸福な時間を過ごす。

早朝三時半、宿を出発しなければならない長丁場。夕食後、夜九時には布団に潜り込んだ。


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熊の毛皮に寝転び、爪を弄ってのミステリーは・・・イイ〜


ぼっこ


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牛蒡そっくりなこの正体は・・・「山わさび」。北海道に自生しているワサビだ。地元では春先の野菜売り場に並ぶ山菜の一つで、強く爽やかな辛さは、刺身、焼肉、冷奴となんでも相性がいい。
とくにおすすめは、摺った山ワサビに醤油を落とし、それを熱々ご飯に乗せて喰う。できればノリで巻いて・・・う〜ん、たまらん。

保冷されていた山ワサビを見て、ふと浮かんだ言葉が「ぼっこ」。北海道の方言で棒のことである。地元では誰もが、棒のことを「ぼっこ」と呼ぶ。美人のお姉さんは「そこのぼっこ取って」。お母さんも「今日は寒いからぼっこ手袋はいていきなさい」。ミトンの手袋は「ぼっこ手袋」。はめていきなさいは「はいていきなさい」。変だよねえ。

時々、故郷の方言をテーマにしてみようかなと思う。

明日から百名山91座目、新潟県の平ガ岳(2141m)にアタック。もう山は寒いだろうなあと、戦々恐々。週明けに報告します。