2018年6月

子育て


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子育ての真っ最中のキセキレイが、沢山の虫をくわえている。巣で待つヒナたちに持ち帰る途中なのだろう。若鳥になるまで、親はエサを運び続けて、愛情を注ぐ。そして時が訪れると、親は自立のススメをする。生き物は、子育てと子別れがきちっとしている。


W杯


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芝にネジバナ・・・勝負の行方は分からない


夕べは、遅くまでというか早くまでというか、サッカー日本戦を観ていた。サッカーの詳しいことは分からないが、勝負の流れは予感できる。たとえば、日本は二度の得点チャンスをモノにできなかった。

「あ〜あ、悪い流れ・・・こんなとき、サッカーの神様は、相手にチャンスを与えるんだよなあ」「ア〜、やっぱり」。セネガルにゴールを許し、再び突き放された。野球とおんなじ。チャンスの後には、きまってピンチが来る。凌げるか、モノにできるか、戦いはいつもその駆け引きだ。

このまま、悲しい敗北になるかと思ったが、日本は気持ちを切らさなかった。冷静さを失うことなく攻撃的なモチベーションを持ち続けた(ように思う)。組織プレーは続いていた。相手に反則が増えはじめてくる。もしかしたらの思いが強まったときに、本田のゴールが決まった。

深夜だというのに、大声を上げてしまった。
世間はどうなんだ〜と、カーテンから覗くと、ご近所はどこも観戦中のようだった。「窓明りが、はんぱない!!」
衛星から列島を映すと、きっとニッポンの形を灯していたに違いない。


ワールドカップ予選 と かけまして

梅雨時の美しい花の特長 と 解きます

ソノココロは

ショウブは紙一重


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photo  by  kikorin



清里の駅前で、手作りの小さな凧を並べているご夫婦がいた。凧を見ると、揚げてみたくなる。これ、ちょっと良いですかと聞いて、竿の釣り糸を伸ばして、泳がせてもらった。

浮きあがった時に、竿をクイクイとしならせてみるのだが、風がなかなか拾ってくれない。
こちらを少年にしてしまった凧作り!?のご夫婦の笑顔がよかった。夢を抱えて清里に住み着いた人だったのだろうか。飯盛山から戻ってくると、もういなかった。


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photo  by  kikorin

雨の日


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富士には月見草がよく似合うと、太宰治は「富岳百景」の中に書いていたが、雨には紫陽花がよく似合う。紫陽花という花がなかったら、六月はつまらない月になっていたかもしれない。

七月に海の日があり、八月には山の日ができた。休みがない月は、六月だけだ。どうだろう、「雨の日」という名の休日を制定しては、と思うのだが・・・
文系の代議士なんてたぶん少ないだろうから、無理かなあ。


清里


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今も小海線の二輛連結の車輌は清里駅に止まるが・・・


週末の清里の駅周辺は、いつだってウンザリするほど人が多く、ここは山梨の原宿だ〜と思っていた。それがどうだ・・・晴天の日曜日、駅前を歩いているのは外国人らしきカップル二組だけ・・・軒を連ねているお土産店や飲食店の大半は、閉じられたままだ。
ゴースト化している。売り物件が半分くらいあるのではないか。なぜ・・・

父が昔、話してくれたことを思いだした。なんでも一気に加熱したものは、下火になるのも早い。金儲けだって、グラフだってそうだろう・・・その言葉に、いろいろなものが重なる。

例えば、お湯を沸かす「ティファール(T-fal)」と「鉄瓶」。
沸騰も冷めるのも早いティファールに比べてて、時間はかかるが鉄瓶で沸かしたお湯は、湯のみに移してもなかなか冷めない。そして鉄分を含んだお湯には、まろやかな味わいが生まれて、お茶も美味しくなる。

そんなことも重ねて、清里はもう復活しないだろうなあと思うのだった。



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空き物件には雑草が生えていた


飯盛山(めしもりやま)


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山梨県と長野県の県境に茶碗を伏せたような小さな山がある。飯盛山1643メートル。山の会ORMACの50回記念登山をこの山に決め、梅雨の晴れ間、5人の仲間たちと登ってきた。思い返せば、10年おきくらいに飯盛山に登っていて、今回は4回目。山の様子がずいぶん変わった。

植生された木々は成長して、豊かな森をつくり、広い登山道が設けられた。登り始めてすぐに、八ヶ岳、南アルプスが見え始め、そして中腹からは富士山が現れる。山頂に着くと浅間山、茅が岳、瑞牆山と、360度の山々が見渡せた。

鳳凰三山、北岳、仙丈ヶ岳、八ヶ岳連峰ほか、登ってきた山々に囲まれて、今日の幸せはきっと誰よりも深い。吹き渡る風は心地よく、ハコネウツギやアカヤシオの花の蜜を求めて、幾種類もの蝶が乱舞する。
\^o^/サイコーと大声を上げたい気分の飯盛山登山だった。


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登山道入り口辺りから八ヶ岳連峰が現れる

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鳳凰三山の向こうに南アルプスの主峰北岳が聳える

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道が整備されて登りやすくなった

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ボールをひっくり返したような山容の飯盛山山頂


ワル


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その名もワルナスビ、徹底的に悪い奴


ワル・・・なぜか心惹かれる言葉。悪の語源でもと思っていたら、「ワル」をテーマにした展覧会が開かれているという。浮世絵専門の太田記念美術館の「江戸の悪」。

近寄りがたいがそそられる、そんな存在、ワル。悪いことはできないが、他人の悪はのぞきみたいという気持ちがあるのだろうか。江戸時代には盗賊や悪党が人気で、脚色された歌舞伎で演じら、浮世絵も多く描かれた。

あなたって、ワルね。言わせてみたい、言葉では、ある。


ワルナスビ
茎や葉に鋭いとげが多く、垂直および水平に広がる地下茎を張ってあっという間に繁茂する。一度生えると完全に駆除するのは難しく、全草がソラニンを含み有毒であるため食用にはできず、家畜が食べると場合によっては中毒死する。これらのたちが悪い生態により命名された。


かわせみ


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拭っても汗が噴き出す。30度を超えるなかを歩き続けるとさすがにバテてくる。地図で見つけておいたお店を探していた。長年の感から、住宅街にポツンとある店にほぼ外れはない、と信じているので、今回もきっと・・・ありました。

「かわせみ」、好い名前じゃないの〜。暑い時に、こんな和テイストなお店は嬉しい。カウンターの奥の席に座る。熱いお絞り、冷水、少ないメニュー、光を落とした照明、ジャズのBGM、どれも気にいった。季節のおすすめが目に入る。「むらさきあんみつ」。ぜんざいにアイスクリーム、ブドウ味の寒天、梅の蜜をかけていただくそうだ。

「それ、お願いします」。気分はもう「孤独のグルメ」の井の頭五郎だ。

目の前に、店主の蔵書だろうか、趣味の好い本が並んでいる。話しをしたくなるが、作業中につき、すこし我慢。「花森安治のデザイン」「和菓子のほん」を眺めて、待つ時間を楽しむ。少し離れた席で、イギリス人だというカップルが、店主と会話を楽しみはじめた。

「むらさきあいす」が、差し出された。う〜ん、冷たい餡を含むと、涼風が吹く〜。アイスクリームに梅の蜜をほんのりかけた。お〜、染みる甘酸っぱさ。夏はひんやり甘味にかぎる〜〜
ここをまた訪ねて来ましょう。


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この店で、ある発見をした。
あれ!?もしかしたら、カワセミとヒスイは、おんなじ漢字!?

ググってみた。どちらも「翡翠」だった。
二つの漢字の羽の字のつくりがすこし違う。そういえば、菖蒲も「しょうぶ」と「あやめ」。不思議なつながりだ・・・。


少年時代


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だめだめ、そんなに動かしちゃ。喰いつくまでじっと我慢しないと・・・。ザリガニ釣りに夢中になる少年を見ると、つい声をかけたくなる。このくらいの少年の頃が、人生で一番幸せなのではないかと、少年たちの話を聞いていると、そう思った。菖蒲なんてまるで見えていない。ザリガニとヤゴ、そして、ときどきオタマジャクシ。

声を上げて、生き物に目を輝かせる時間は、大切なのだ。この時間が、きっと幾つものハードルを越えていくんだ、とおじさんは思うのだった。


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いつの時代もザリガニの餌はスルメだけど、最近はイカが不漁らしいから、ザリガニ釣りは贅沢な遊びかもしれない。


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菖蒲


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この時期は、やはり菖蒲でしょうと、先月に訪ねた広い空のある北山公園に向う。東村山駅を下りてビックリ。菖蒲の咲く公園までミニバスがピストン走行している。ありがたいけれど、ここは歩いていこう。

公園に着くと、ショーブの時らしく、お囃子演舞、お茶のお点前の他に、焼きそばや団子などの出店がズラ〜り。そしてなぜか人力車までが苑内を回っていた。じつは菖蒲の楽しみ方がまだ分からない。薄い和紙のような花びらの繊細な柄は、それぞれ個性的ではあるけれど一つ響いてこないのだ。もしかしたら、広く咲いている様子を楽しむのだろうか。


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東村山の菖蒲祭は6/17まで。
http://www.shoukoukai.or.jp/shoubu.kaika.html


暖簾


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とある焼き鳥屋の暖簾である。歴史が、染みこんでいる。屋号さえ分からない。是か非か・・・判断に悩む。カメレオンやナマケモノが一歩すすむのに、体を前後させてしまうのが分かる。制御しているのは、心か、カラダか!?


北上市立博物館


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一度は歩いてみたい北上川・・・というわけで北上駅で下車し、北上川夜曲を歌いながら川沿いを歩く予定が、なぜか博物館へ。縄文人の生活の一端や平安時代からの北上の特徴的な6つの歴史的事象が展示されている。とくに平泉文化の前に栄えた国見山廃寺の仏教文化の世界は興味深いものだった。

ここは昔、黒沢尻と呼ばれていた地域だったとか、伊達藩と南部藩が睨み合っていた地域だったとか、フムフムといいながらも感心を引いたのは、昭和の生活用品だった。この時代に生まれたモノは、敗戦後の暮らしから少しずつ豊かさに繋がっていった家族の歴史とも重なり、あの頃が蘇ってくるのだった。


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時間があれば、森に点在する民俗村の建物を訪ねたかった


西馬音内(にしもない)盆踊り


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打ち抜かれました。編み笠を深く被り、美しい端縫い衣装を身にまとった二人と、そして亡者を思わせるひさこ頭巾を被った一人が、勇ましく野性的なお囃子と地口の唄い手の哀調を帯びた声をうけながら、優雅で流れるような上方風の踊りを舞い続けました。

西馬音内盆踊り。切なくなるようなこの舞いのカタチは、おわら風の盆の幻想的な踊りと重なりました。祈りのようでもありながら、妖しいまでの雰囲気を醸し出すのは、自在にしなる白い手首と白い指のように見えました。そしてときおり見え隠れする白いうなじ。
一度、篝火だけの弱い光のなかで見てみたい。そんな想いを起こさせる素晴らしい踊りでした。


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踊ってくれたのは、西馬音内盆踊保存会の皆さん。


三人の踊りには、かなわないけれど・・・参考に。
https://www.youtube.com/watch?v=wVmyOysFDKg



鳥海山


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もう15年は経つかな。夜行バスに揺られ、早朝酒田についてから羽越本線に乗り換え羽後本荘へ。そこから由利高原鉃道に乗って終点矢島駅まで。さらに鳥海山五合目までバスで行く予定が・・・バスがなかった・・・ガ〜ン。

タクシーもないような小さな駅の早朝。呆然としてバスの時刻表を見ていると「どうしました」と、後ろから声がかかった。車から若い男性が顔を出していた。事情を説明すると「今から鳥海山の五合目の小屋へ行くところです。乗ってください」と言う。渡りに船〜どころか、天は見捨てなかったと思った。早朝である。こんな不思議な声がかかるとは奇跡。その男性は、地元の職員の方だった。

ここから話すと長い。この男性、五合目の小屋のおやじさん、山頂で知り合った佐藤慶そっくりの山形大学心臓外科の医師と看護士のお二人・・・この人たちに出会えなければ、雪の鳥海山往復は出来なかったかもしれない。

そんな懐かしいことを思いだしながら、秀麗鳥海山を飽きもせず二日間眺め続けた。秋田から、横手から、湯沢から、独立峰にはどこから見ても孤高の美しさがある。いつか、また登ってみたいと思った。


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ニュースをいくつか。

五行歌の友人、Sさんが快挙!
朝日新聞の川柳欄と同じページにある『かたえくぼ』欄に、彼の作が本日(6月5日)掲載された。


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事務所のS君が開発した
https://youtu.be/fjQDDm8tI1g

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そして山碧木が \^o^/なんと〜
「東北合同五行歌会in秋田2018」で一席〜

心って
けっこう
厄介
もう決めたことなのに
袖を引っ張る




燕岳(4)


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森の中にイワカガミの花が咲き始めた


山の上は雪が多いが、五合目より下に春の花が咲き始めていた。どれも春が来たことを教えてくれる花ばかりだ。まずはヤマツツジ、ポツンポツンと緑の中にピンクが映える。そしてオオカメノキの花。五枚の花びらが美しい。五枚の花びらがついたまま登山道にこの花が散っていると、そこを歩くのをためらってしまう。


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オオカメノキの花は好い香りがする

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ショウジョウバカマ

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イチリンソウを思わせる可憐な花、ウメバチソウ

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