2014年4月

茨木のり子展



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不思議、手に取るパンフの表情が変わる



茨木のり子に会いに、世田谷文学館に行ってきた。品格、人格にとんと縁のない我が身にとって、茨木のり子の言葉は、こんな医療があるのかと思うように、気がつかなかった傷口を見つけ、じわじわと癒していく。一年前、やはり花の頃、ここで寺山修司展で作品を見ていた。あの時もそうだったが、一つひとつの言葉を見逃さぬように、確かめるように、刻むように読んでいる人たちがいる。静かな会場なのだが、絵画展とは種類の違う空気の濃密さを感じた。

群れることをせず、凛とした生き方を生涯貫いた茨木のり子。その詩と文章は、不安を抱えている私たちに、いくつかの示唆と勇気を投げかけてくれる。自分探しの旅に悩んだり疲れたとき、彼女の詩は、きっと心地のよい椅子と渇きを癒す水になってくれると思う。


ブルーベリー



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満天星のような白い花を沢山つけたブルーベリー。イチゴに比べると開花期間は比較的長い。果物には白い花が多いが、ここからなぜ、赤や青い実になるのだろうか。


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早く実をつけたくて、イチゴの花は先を急ぐ


逆光



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朝の光が挨拶をする。花びらや新緑の向こうから。


オバマ来日



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四谷駅、迎賓館に向かって、街宣車の男が吠えています。「おい、オバマ!**○△×**〜聞いているのか〜」。喧しい・・・。それじゃ分からん、英語で喋れよ、とぶつぶつ言いながら、事務所にやって来ました。毎回、恒例とはいえ、アチコチからかき集められたお巡りさん、ご苦労さまです。


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庭に咲いているコデマリを一輪挿しに



地獄の釜の蓋(ジゴクノカマノフタ)


えっ!あの花は、こんな名前だったのかあ・・・まあそれにしても、なぜこんな名前がついたのだ・・・なになに・・・民間薬として利用され、地獄の釜に蓋をして病人をこの世に追い返すということから、地獄の釜の蓋と名付けられた・・・いったい、いつ、だれが・・・別名「きらんそう(金瘡小草)」。


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先日、スミレの種類かなと思って、調べたのだが、いくら調べても載っていない。昨日偶然、この花の名前を知った。珍しい花の名前は、いくつか知っているが、まあそれにしても、こんな名前をつけるかね・・・驚きました。


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毛むくじゃらでも、こちらの名は「オオルリソウ」。近くに咲いていた小さな花


P.S.
昨晩、遅い夕食をとっていたら、非常ベル。なんと!上の階の部屋から煙が。消防車が何台も駆けつけ、ボンベを背負った消防士らの手には、それぞれ斧やハンマー。いやはや、ビックリしました。ボヤで終り、皆さん無事でしたが、災いは、いつ起きるか分からないものだと、痛感しました。


白い藤


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藤の花がほころび、甘い香りを漂わせている。馬事公苑は、桜と藤の名所だ。背伸びして、徒長した枝を引き寄せると、花はまだ七分咲きくらい。満開になってすべての房が下りてくると、さぞ辺一面に濃厚な香りが広がるだろう。途中、この白い藤棚があった。


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八重と藤の組み合わせが美しい。そして好い香り・・・






第一回ORMACの会



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朝方まで降っていた雨が止んで、男女4人、予定通り高尾駅に集合し、陣場山行きのバスに乗車。約一時間、山ザクラやヤマブキなどが咲く里山を走って、陣場高原下で下車。軽いストレッチをした後、陣場山〜高尾山ルートの尾根に向かって歩き始める。標高差は約400メートル。ここは人が少ないコースで、花の種類も多い。それぞれの力が分からないので、ときどき声をかけ、様子を見ながら登っていく。緩やかな斜度のコースを選んだのだが、中腹辺りから、NさんKさんの息が上がりはじめる。休憩をこまめに取りながら、標高730メートルの奈良子峠になんとか辿り着く。ここまで上がってしまえば、後は楽しい尾根歩きだ。そこからしばらく歩いて明王峠で昼食タイム。4人が並んでベンチに座り、富士山方向を眺め(曇りで見られなかった)、それぞれのお弁当を見せ合いながら、お喋り、モグモグすれば、山ザクラがお弁当の上にハラハラと散っていく。



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じつはこれ、海苔パリパリの手づくりおにぎり


あ〜〜なんと、今日の神様は良い時間を作ってくれたのだろう。これで今回のORMACは、大成功〜!さらに、東京方面を一望できる景信山でもおやつタイム。休んでばかり〜。ここで呑んだ缶ビールのせいで、下山時に転んでしまうのだ。
みんなに濡れた木の根には、乗らないようにと注意していたのに・・・。
最終地点の小仏峠からバスに乗って高尾駅へ。
最後、駅前の玉川亭にて反省会と称して祝杯(三種類も呑んでしまった〜)。



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PHOTO  BY  KIKORIN



次回の山の話をしながら、日本酒のオカワリが続き、今回の山旅が終わった。
・歩行時間:3,5時間 ・歩行距離:9,9キロ



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尾根まで上げれば、幸せな道が続く


*Old Rookies Mountain&Alcohol Club(ORMAC)は、
 どなたでも自由に参加できる山の会です。



ライラック(紫丁香花/むらさきはしどい)


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「ライラックの花が咲き始めました」。そんな便りをもらうと、すぐさま札幌に帰りたくなる時期があった。大通り公園に、五月の光とライラックの香りが溢れている・・・想像する・・・切なくなる。
ライラックの甘い香りは、その頃の記憶を呼び起こす。

明日は晴れるかしらん・・・


ジャンケン


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ジャンケン・・・



ハナミズキの蕾とひらき始めた花びらを見て、ジャンケンのグーとパーを重ねた。「ジャンケン ション」と声をかければ、ポンとひらきそうな、早朝のハナミズキ。こんなカタチをして、青い空を待っていたのだ。
足元は桜の蕊(しべ)の赤、空はハナミズキの色に変わっている。


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ション!




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黄色の蝶


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昨日の歌会で、こんな歌を出した。

迷信って
分かっていても
うれしい
今年最初の蝶
黄色の羽して飛んでくる


「その年に初めて見た蝶が、もし黄色だったら、幸せな一年になる」と、昔、女友達に教えてもらったことがある。なぜだか、よく覚えていて、毎年初蝶と出会うたびに、この言葉を思いだしていた。今年は、駅のホームからモンキチョウを発見。菜の花のそばで舞っていた。なんだか急に嬉しくなって、歌に出来ないかなと思って温めていたら、歌会の題詠が「飛ぶ」。これはと思ってつくった。だが「何が、迷信なの?」と聞かれて、ガ〜〜ン!
・・・ウ〜ム・・・分からないかなあ・・・・。


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アササンで、白いヤマブキを見つけた。同じ種類なのに、やはり違うんだよね〜。
黄色は「希望、快活、軽快、楽天、興奮」。白は「清楚、純粋、恥じらい、空虚」。


タチツボスミレ



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群生して咲いているタチツボスミレを見ていると、なぜだか元気になってくる。淡く恥じらうようにして咲くと思っていたら、春を喜んで高らかに歌うタカラジェンヌたちのようで、じつに可愛い。多摩森林科学園のあちこちで、カメラのモデルさんになっていた。


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スミレといえば、岩崎宏美が歌っていた(いる!?)「すみれ色の涙」。この曲は、ジャッキー吉川とブルーコメッツがリリースした「こころの虹」のB面に収録されていて、作曲はキーボードの小田啓義。この頃のブルコメのB面には、良い曲が多かった。荒木一郎が歌っていた「星に祈りを」もそうだし、なんだか、いまよりよく歌っていたなあ・・・。



多摩森林科学園


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こんな所に桜の名所があるとは知らなかった。高尾駅から北へ歩いて10分の「多摩森林科学園」。8ヘクタールの敷地に約1300本の桜が、植栽されている。ここを見てから陣馬山に向かおうと思ったのだが、これは大間違い。敷地内の道をすべて歩こうと思ったら、たぶん一日が終わる。桜ばかりでなく、スミレやヤマブキなど春の花も咲き誇り、急ぎ足で歩くのは勿体ない。
ということで、散る桜、咲き誇る桜、蕾の桜を上に下に見ながら、久々に昼寝なんぞも楽しみ、一日を過ごした。


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ゆったり流れる花筏


木の芽風


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この時期の風をこう言うらしいが、昨日今日と吹く風がなぜか冷たい。おまけに夜は温度も下がるので、駅に立っていると、一枚余計に持ってくれば良かったと後悔する。桜が終わって、レンギョウやヤマブキの黄色に目を奪われてしまうが、木陰ではハナニラやシャガ、スノーフレークの花が風に揺れていた。


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スノーフレークは別名「鈴蘭水仙」


昨日の歌会で、こんな歌が一席に。

美の女神が
身投げする
瞬間を止めたよう
水際の

作者はきっと土手の桜の枝を見て詠ったのだろう。水面に向かって枝を伸ばす桜の姿を見事に表現している。


花の跡


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桜が終わった。ため息と深呼吸を繰り返して、近郊の桜の名所をいくつか歩いた。四谷から市ヶ谷への土手、神田川沿い、新宿御苑、そして砧公園。満開の桜は、もう圧巻というしかない。
桜花、待ちに待って、迎えて、謳歌し、送りゆく。そんな感じかな〜。
さてさて、気持ちを整えて、元に生活に戻ろう。


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こんな本を見つけた。左上の「大人の遠足BOOK」に魅かれた。高尾山は隠れた花の名山だし、これを携えてORMACのメンバーと歩こう。


花冷え



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「花冷え」。この頃の寒さをこう言うらしい。美しい言葉だ。「花冷えですね・・・」な〜んて、歩きながら囁いてみたいものだと、月をチラリ。北海道では、リラの花咲く5月頃の寒さを「リラ冷え」という。こちらも、ロシアや北欧の春を思わせるかのような北国独特の美しい言葉だ。リラとはライラック。札幌の街に甘い香りが漂う頃、北国に遅い春がやってくる。


ORMAC(オルマック)


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駅で電車を待っていたら、菜の花の周りを紋黄蝶と紋白蝶が舞っているのを発見。黄色の蝶をその年の最初に見ると、幸せな一年を過ごせるという言い伝えを想い出して、ちょっと嬉しくなった。日に日に暖かくなって、一斉に生き物たちが活発になる。この時期、仕事なんてしていられないのだ〜〜。

というわけで、山登りの会を設立した。
「Old Rookies Mountain&Alcohol Club」
略して「ORMAC(オルマック)」。

足腰に自信はないが、これから山登りを始めたいという人のための「山登り同好会」だ。山には人生の楽しみが山ほどあるので、それをエンジョイしとうというのが主旨。会則などもゆっくり決めていこうと思っている。



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高尾山にもそろそろミツバツツジが咲き始める



御苑で吟行歌会


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週末は、桜満開の新宿御苑で吟行歌会を楽しんだ。前日まで降り続いた雨がピタリとやんで、朝から快晴。これは混雑するだろうなあと思っていたら、早くもYさんから電話・・・「御苑にいますが、入り口から混んでいますよ」と。やはりそうか〜、早目に駆けつけると、まあ、人人人・・・。こんな混雑、見たことがない。集合場所で待ち、次々にやってくる参加者に集合時間などを伝え、苑内へ送り出す。それにしても、外国人の多いこと。きっとガイドブックのトップに出ているのかもしれない。なんせ、わずか200円で、花が咲き誇る広い苑内を歩けるのだから。
長野県の上田市から和服姿で参加されたKさんなんかは、外国人に記念撮影を一緒にと頼まれて、大忙し。ゆっくり吟行が出来たのかどうか・・・。
皆さん、桜以外にも目を向けて、今回も良い歌をいくつも詠まれました。



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              花びらの後に
              大切なものは
              しっかり残り
              赤く輝く
              桜蕊(さくらしべ)  一席 Sさん



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              今、企画書を
              煮詰めています
              満開の桜の下で
              スーツを脱いだ若者の
              心在らぬケータイ報告  二席 Kさん



              曇天の
              花筏を揺らすのは
              ゆったり泳ぐ
              錦鯉と
              にわか雨        三席 Oさん



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鳩子とアン


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てっ、よっちゃばってきたぞ〜。アラ、ホントダ。雨さ、上がったと思ったら、もう来てるんけ!?

あのしんとう、散ったんでねえかと〜。マア、ソレニシテモ、ヨクパチパチト、トルネ。ほんなこん言っちょし!それにしても、随分よっちゃばってるの〜。

今年は、例年になく開花期間が短かかったずら〜。ワタシ、ウマレテナカッタカラ、ワカラナイ。おまんもこぴっとして、羽ばたかなあ、いかんずらよ〜。


春は急ぎ足


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この頃のケヤキが一番美しいと思う


春は急ぎ足だ。この雨で桜が散りはじめ、樹々は緑をつけはじめた。とくにケヤキは、日に日に緑を広げていている。無邪気に芝生を走っていく幼子のようで、目が離せない。ケヤキが最も美しくなるのは、もうすぐだ。黒い地肌の幹と枝に、淡い緑が重なっていき、最も美しいバランスになる。でもそれも一瞬。あっという間に梢と枝が、緑の中に消えてゆく。
ため息と深呼吸の新緑、お見逃しのないように・・・。


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明後日まで保ちますように・・・・


憂鬱な白


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毎年この季節になると、なぜだか決まって鬱な気分になっている。おまけに、週末から喉が痛みはじめ、風邪気分まで抱えたりして、かなり落ち込んだ。朝の白い空に同化しているような桜を見つめて、鬱の原因を考える。花粉による睡眠不足だろうか。それとも人を見下しているような白モクレンや不規則に無邪気に揺れるユキヤナギの白の色ではあるまいか・・・立ち止まって、眺めても・・・分からない・・。


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この時期の花の白には、逝ってしまった人の想いとか、なにか人を落ち込ませる催眠的な色素があるのでは、と思ったりする。そう思うからおかしいのか、よく分からない・・・。


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桜の力


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「えっ、あの人が!?いい人だったのにねえ〜・・・」。そこまでは聞こえたのだが、その先は詳しく分からなかった。でもきっと、二人の知っている人が亡くなったのだろう。桜の咲く頃になると、こんな話をよく聞く。なぜだろうか。満開の桜を見ることもなく、親しい友人がここ数年、何人かが去っていったこともあり、少し気が落ち込んだ。

これが桜の見納めと思いながら、歩いてみようか、と、余命後半年くらいと勝手にイメージして歩き始めた。すると不思議なもので、桜を穏やかな気持ちで見ることができる。もしかしたら満開の桜には、不思議な力があるのかもしれない。命の執着なんて、桜の下では無用に思えてきた・・・。


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こんなシーンに出会うと、笑みが浮かぶ