2011年12月

良いお年を


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あっという間に一年が終わろうとしています。今年は大震災と原発の放射能漏れがあってとても辛い年でした。震災時を振り返ると、命の危うさを抱えながら、これからどうなるのだろうと不安の中を過ごしていた自分がいました。人と人との絆の大切さ。世の中に絶対安全なものはない。分かっているのことなのに、実現できない社会。あれやこれやと今年を振り返ると、どうも希望の持てない日本の未来を感じています。
でも歩いていくことは未来に向かうことだから、出会いや自然から様々なことが学べるのではないかと思っています。「歩キ目デス」を見守っていただいた皆様、一年間ありがとうございました。良いお年をお迎えください。


黒と赤


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すっかり静かさを取り戻した雑木林を歩くと、乾燥した落ち葉がサクサクと乾いた音をたて、季節が冬に入ったことを伝えてきます。落ち葉にはかすかな匂い残り、過ぎ去っていった時間を感じなさいと言っているかのようです。
この日はなぜかクロネコによく会いました。「おい、早回りしていたのか!?」と聞くと小声で泣き、しゃがむと近くまで寄ってきました。ここに棲みついているのでしょうか。
帰ろうと思って、横を見ると小さな南天が赤い実をつけていました。
黒と赤との出会いは、きっと幸運に繋がるのではと期待しているのですが・・・。


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冬鳥


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久々に一眼レフカメラを持って歩きました。なんせ重たくて軽快に歩こう思う時には、ついコンパクトな方を選んでしまいます。しかし、花も少なくなり、獲物を鳥に変えようと決めたこの日は、ズッシリとしたニコンを持って玉川上水を歩きました。


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冬鳥が渡って来ているのですが、水鳥であれば難なく取れても、木の上で飛び回るカラの仲間は落着きがなく、構える度に撮り逃がしました。もう少し生態を学ぶ、朝早くを狙う、日の方向を頭に入れておく、などなど勉強になった一日でした。


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声が喧しく落着きのないオナガ

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おなじみのヒヨドリ

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エサを探すマガモのメス二羽


冬薔薇


すっかり花を落としてしまったバラ園のなかに、わずかだが花をつけているものがあった。バラの下には、それぞれの名前と国名が標してある。ピンクで五枚の花びらが華やかな「プレイガール」という粋な名前のバラがあった。バラの名はどれも印象的だが、これはなんとも心ひかれるネーミングだ。しばらく行くと今度は「プレイボーイ」という八重のバラ。こちらは濃いオレンジ色。調べてみると1976年にイギリスで「プレイボーイ」が作られると、1986年にアメリカで「プレイガール」が生まれている。どちらも四季咲きだ。なるほどね〜、人もバラも恋多きものは一年中華やかなようだ。


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この二つは違う種類です


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この薔薇の名前だけが可笑しかったのでパチリ!


冬至(2)


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てっきり昨日が冬至だと思っていたら、暦の上では今日らしい。師走に入って夕日が足早になると、こちらの気持ちまで気ぜわしくなる。でも冬至を過ぎれば、日は少しずつ伸びていくのだから、今年わずかに残された日々にも愛おしさを感じる。これから冷え込む日は来るだろうが、日が長いというのは、じつに心強くうれしいものだ。



落ち葉見て


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黒い土に銀杏の葉が落ちて、こんなコントラストを描いた絨毯を見つけた。
でも年の瀬が近いというのに、電車の窓からまだきれいに着飾ったままの銀杏並木を目にする。落葉の時期が年ごとに延びているのかもしれない。きっと温暖化の影響もあると睨んでいる。開花、発芽が早くなり、落葉が遅くなる。まるで何か人間社会にも似て、ちょっと怖い。


シンボルツリー


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メタセコイアの黄葉は今見頃です


大きな樹を見ると何かうれしくなる。だから旅に出ると、車窓からなにげに大きな樹を探してしまう。見つけるとそこを注視し、この街に住む人たちは季節の折々、みんなあの樹を見上げながら歩いているのだろうなあと想像する。シンボルツリーとは、街のシンボルでありながら、みんなの心を支えている樹でもあるのだと、ひときわ高いメタセコイアを見上げて思った。



プラタナス


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葉をほとんど落としたはずのプラタナスが夕日を浴びて、遠くからでもその樹形をはっきりとさせ美しい。鳥が無数に止まっているようだ。近くで見ると、細い枝先に枯れた葉がついていた。それもほとんどの枝先に一枚だけ。不思議に思って考えてみると、枝先の葉はたぶん最後に芽吹いたはずだ。つまり誕生したばかりの葉っぱなので、生命力が強い。きっと成長のエネルギーを蓄えたまま、秋が来てしまったのだろう。そう思うと、枝にしがみつくように残っている姿は、哀れにも思えた。


権師匠からISS情報が!

19日(月) 17:01 西南西 〜 17:04 北西 〜 17:07 北東
マジックアワーとコラボ出来るか?・・・お楽しみ!



映画講座


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もともと涙腺は弱い方なので、昨日の映画会でも見終わったときには泣いていた。知人の紹介で、九月から月一回の映画講座に通っている。先月の「花様年華」と今月の「素晴らしき哉、人生」は、私がリクエストした映画だった。この映画の話をすると長くなってしまうのだが、さてどうなるのだ!と思いながら迎えたクリスマスシーンのエンディングに感極まった。そうだ、人は生まれたときから戻ることできない旅に出ているのだ・・・。
良い映画は、旅には途中下車が必要だよと教えてくれる。


小さな世界

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写真を撮ってからヤツデに小さなハエが止まっていることに気がついた。大きさは3ミリくらいだろうか。この寒さでも活動できるなんて、何という生命力!寒さに順応することで、他の昆虫と競争せずに吸蜜することができるようになったのか。この寒さのなか、小さな世界が息づいていた。


山茶花(サザンカ)


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寒さがだんだんと深まる夕方、山茶花の明るい白を見るとほっとする。闇になっても鮮やかな八重は、浮かんでいるようにさえ見える。幾重にも白をまとう姿には、気品と艶やかさがある。できればポツンと咲いていてほしいと願ってしまう。


・今晩(15日午前2時頃)、東の空に双子座流星群が出現する予定です。


銀杏三昧


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今年の銀杏の黄葉は美しいと思っていたので、先週末、大銀杏のある新宿御苑を訪ねた。黄色は幸せを運んでくれる色らしく、銀杏の周りでは記念写真を撮ったり、しばらく眺めていたりと温かな雰囲気だ。中国の風水では幸運の色とされているし、映画では「幸せの黄色いハンカチ」が人気を集めた。
園内を歩いてみると同じ黄色でも木の種類、太陽の光で色が変わることが分かった。淡黄色、黄檗色、緑黄色、山吹色、鬱金色、そして夕日を受けてオレンジに輝くものまで、どれも冷え冷えとした空気に優しく映る。銀杏カラーのご利益を貰ったような気分の午後4時半、閉館の音楽「蛍の光」に送られながら銀杏三昧の半日が終わった。


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赤い満月


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写真提供:荒川兄


土曜日はお天気に恵まれ、日本中で月食が楽しめたようです。欠け始めはベランダで見ていたのですが、どんどん真上に上がっていくので、途中から双眼鏡とカメラをもって外に出ることにしました。月が光を失い、徐々に赤く染まっていく姿は幻想的で、私たちが大きな時間のなかに存在しいていることを実感させてくれました。そして首が痛くなるほど真上に位置するのが「皆既月食」の特長であることも分かりました。
権師匠、荒川兄、素晴らしい写真ありがとうございました。


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写真提供:権師匠(4点)




皆既月食


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さあ雨が上がりました。明日10日はいよいよお楽しみの皆既月食。太陽と地球、月が一直線に並び、地球の影に月が入ります。今回のような好条件で見られるのは久々らしく、月の欠け始めから、元の丸く明るい月に戻るまで、皆既月食の一部始終を肉眼で楽しめそうです。冷え込む夜にならなければ良いのですが・・・。


旅をする本


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昨日小さな包みが届いた。開けてみると文庫本が六冊。カッサンドルの機関車の表紙が懐かしい。沢木耕太郎の文庫本、「深夜特急」全六巻だ。代理店に勤務するTさんに進呈したと思っていたのだが、再び舞い戻って来た。この本はいつも旅をしている。何か良い本はないだろうかと若い人に聞かれる度に、この本を貸している。そんなわけでこの六冊は、それぞれ小さな旅をして、いろんな土地の空気を吸い込んでいるのだろう。
それにしても、なぜ今ごろと思ったら・・・・師走!。きっとTさんは、机の回りの整理を始めたのかもしれない。


冬至


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北の人間が待ち望む記念日が今月にあると、昨日書いた。それは22日に迎える冬至のことだ。緯度の関係で北ほど日が落ちていくのが早い。夏が過ぎると日照時間は短くなり、寒さ、暗さを感じていくと侘しさも増していく。だから冬至の日になると、あーこれから日が少しずつ長くなっていくのだという喜びが生まれる。札幌に住んでいた頃は、寒さがこれから厳しくなると分かっていても、日が長くなっていくのだと思えば、嬉しく思えたものだ。
世界の北国ではどこでも同じらしく、冬至の日を寒さに対応する心の支えにしているようだ。


天体ショー


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雲がいきなり低く立ちこめ、雨が下りて来た


今月はちょっと楽しみがある。二つの天体ショーと北に住む人間なら誰もが持ち望んでいる記念日があるからだ。さて、そのひとつが10日の皆既月食。予報では全国的にお天気らしく、最高の条件で観測ができそうで、食の最大は23時半頃だ。着々と丸くなっている月はどんなショーを見せてくれるだろう。もうひとつは、14日の22時頃にピークをむかえる双子座流星群。双子座を中心にして四方八方に星が流れる。1時間に約60個の流星が出現するらしく、1分にひとつの勘定だ。ただ月の明るさが邪魔をしそうで、それが心配・・・。


牛込見附跡


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JR飯田橋駅西口の改札を出ると牛込橋の上に出ます。駅の改札を出ると歴史のある橋の上なんて、珍しいのではないかと思うのですが、周辺には大学がいくつもあるので、狭い改札前はいつも賑やか。この改札を出て左に折れると、牛込見附跡の高台が美しく残っています。江戸城内郭外郭の城門跡で、約370年前に波徳島藩蜂須賀忠英(松平阿波守)という人によって建造され、最近では「ブラタモリ」という番組でも紹介されました。
この季節、ここから見る新宿方面の夕景は美しいんだよなあと思いながら、真っ赤な蔓が随分色あせていることに気がつきました。歴史と季節が絡まって良い風情です。



雨上がり


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今日も昨日に続いて寒い日です。それなのに、一駅歩いてしまいました。飯田橋駅から市ヶ谷駅までの1キロ弱。この沿線には、お花見の名所と知られる桜並木が続いているのですが、昨日までの雨で、どの木の葉もほとんど散っていました。心配事がひとつ消えたこともあって、シミジミとした散歩になりました。でも、寒かったあ〜。


冷え込み


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朝起きると、窓が曇っていました。この秋一番の寒さです。昨日から12度も下がるなんて、砂漠のような気温の上下。エンジュやケヤキなどの街路樹も一気に秋の装いになりました。さて銀杏は、一定の条件が揃うと風がない日でも一気に散っていきます。外苑の銀杏の枝にももうすぐ「散れ」のサインが走りそうです。