2011年7月

ヒマワリはなぜ東を向くか

初夏、いつもの散歩道に向日葵の苗が植えられる。しかし大輪の花が咲き始めても歩行者に背を向けている。去年も気になっていたのだが、全ての向日葵が東を向き、歩行者は花を見ることができない。これは実に不思議な光景で、花が咲く東側は百日紅の木があるだけだ。どうして反対側に植えないのか。向日葵の後ろ姿を楽しもうということだろうか。ここを通るたびに悩むのだ。


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カラダを入れて東側から撮る



中公新書「ヒマワリはなぜ東を向くか」にこうある。
「ヒマワリは芽生えのときだけでなく、つぼみをつけたあとも依然として太陽を追って首を振っている。しかし、つぼみの中に黄色い花弁がちらほらと見え出すころから、西方向への首振り角度が日に日に小さくなり、首振り幅をだんだん小さくしながら花はどんどん東に傾く。そして完全に開いたころには、花は東を向いたまま運動をやめてしまう」


山を楽しむ−3


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夏は植物だけでなく、昆虫も生存活動に忙しいのです。甲虫が好きなので、山道を歩いていても、ついつい目に止まります。カメラを寄せても夢中で花や葉をムシャムシャ、クンクン。上のマメコガネなんか、前へ前へと葉っぱをムシャムシャ。でもよく見ると!小さな黒いフンが葉の上にふたつ。マメコガネの豆フンです。こんな楽しい発見も山にあります。


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チダケザシの花に夢中のアカハナカミキリ


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タマアジサイが大好きなヨツスジカミキリ


山を楽しむ−2


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山の楽しみのひとつに発見と出会いがあります。面白い雲が出ていたり、お目当ての花に会うと誰もがすぐカメラマンに早変わり。さてお立ち会い!上の写真ですが、集まったカメラマンは、一体何を撮っていたのでしょうか。近くに寄ってしばらく目を凝らしてもすぐに分かりませんでした。そのうち、ヒラヒラと一匹の蝶が飛んでいき、また別な蝶が樹液に吸い寄せられてきました。この樹はたぶんクヌギでしょう。さてその蝶とは!?



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さて見えますか?



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答は、特別天然記念物のオオムラサキでした


山を楽しむ−1

山登りというと、苦しいというイメージがあるかもしれません。山の種類や季節によっても異なりますが、そこには様々な発見や喜びがあります。例えば高尾山。ゆっくり登っても二時間もあれば、だれでも山頂に立つことができます。ミュランから三ツ星をもらったことで、最近は山ガールと呼ばれる女性たちが登っています。オシャレなスタイルにカメラを持って、仲間たちと実に楽しそうです。健康、美容、趣味、交流、美味しい、発見など、山は感動に溢れています。


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涼しい川淵で絵を描くとか




花筏(はないかだ)


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高尾山で面白い実を見つけました。山で見るのは初めてです。花筏という植物です。不思議でしょう。葉のほぼ真ん中に豆粒のような実が三つ乗っていますが、春に開花し花が結実したものです。葉の上に花が咲くこと自体、めずらしいのですが、実が手の平のような葉っぱの上で浮かんで見える。なるほど「花筏」。見て納得、良いネーミングです。別名に「嫁の涙」がありました。


麺類

台風の置き土産でしょうか。昨日、今日と避暑地のように涼しくて助かります。このままの爽やかさが、週末まで続いてくれないものでしょうか。さて暑くなると麺類の出番が増えるのですが、最近さまざまな麺類に挑戦しています。山梨県の吉田のうどん、おざら、ジャージャー麺、トマト麺、広島つけ麺、小豆島オリーブ素麺など、じつに日本は麺文化の裾野が広いなあと感心しきりです。具もバランスよくトッピングされているのものが多いので、栄養価も大丈夫。この夏、喉で奥入瀬の涼しさを楽しみましょう。


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ヤブミョウガの白い花が咲き始めました


一眼レフカメラ

権師匠から譲り受けたNikonD70一眼レフカメラをもって、井の頭公園に行ってきました。手にがっしりと重く、まさに本格派カメラマンの気分です。ほとんどマニュアルを読まず、オートフォーカスで撮れば大丈夫だろうと思っていたので、上がりのピンの緩さにガックリしました。とくに望遠を使うと手振れがひどい。そして天気や場所によって露出も合わせなければいけないし、課題がいっぱい。ただ発見も多く、写真の幅がグンと広がりそうです。


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記念すべき獲物一号は、オニヤンマ


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ついでにイトトンボも


コンロンカ


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昨日のなでしこ優勝の時にアップすれば良かったかなと、コンロンカの花の造形を見ています。星形の黄色の花と白い萼、艶やかな葉がじつにバランスよく並び、打ち上げ花火を上から眺めているような華々しさと躍動感があります。「ハンカチの花」とも呼ばれているのは、たぶん萼が白いからでしょうか。花の密は甘いらしく、たくさんの訪問者が絶えないようです。


なでしこ世界一

やりましたね、なでしこ。おめでとう!諦めずに、粘り強く、ひたむきに戦う彼女たちの姿に、何度も魂が揺さぶられました。歴史的勝利をおおいに讃えたいと思います。一方アメリカの実力が想像以上だっただけに「サッカーの神様」の存在を強く感じました。失うものが無い彼女たちのひたむきなプレーを見続けた神様が、今回は微笑んでくれたようにも思います。沈みがちな今の日本に、勇気と元気をくれた、なでしこに心から感謝です。ナデシコの花言葉、「勇敢」「純粋な愛」がぴったりと重なりました。


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午後、眠い目をこすりながら井の頭公園を散歩。
池の淵に咲くのは、白くなり始めた半夏生です。


コニャンコ−1

お暑うございます。ヒカゲヒカゲトカゲトカゲと呪文を唱えながら、炎天下をモーローとしながら歩いている男がいれば、一方、涼しい!?部屋でコニャンコに癒されている男もおりました。お待たせのコニャンコ、染五郎君と姫ちゃんの写真が届きました。このカワユサに癒されながら、涼んでください。


★権師匠のコメント
さて、コニャンコですが、一週間、3日、1日と成長が早く・・・・
『歯が生えた!』『後ろ足で耳を掻いている!』『走った!』『ソファーから飛び降りた!』『カーテンをよじ登っている!』・・・・と、毎日が・・・・ (*´▽`)ゞ かわいい!!!
今はこれに『ノンアルコールビール』でカンパ〜イ!!!

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生後一ヶ月、『染五郎』


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その一週間後、こんなに大きく猫らしくなりました


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大きい方が姫ちゃん


お腹が一杯になると、ゴングが鳴ってプロレス開始!
そして、いつの間にかそのまま寝てしまう・・・毎日のパターンです



ムラサキシキブ(紫式部)

暑いさなか、秋に実をつける花たちも咲き始めています。この小さな花は、ムラサキシキブの花。たぶん・・・毎年ここの場所で、紫色のたくさんの実をつけるから、間違いないはず。よく見ると小さな花なのに、雄しべと雌しべの大きいこと。なんか不似合いで面白いです。ちゃんと受粉してくれれば、秋にはたくさんの紫がお目見えします。


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マツリカ(末莉花)

ルリマツリやニオイバンマツリの「マツリ」とは何か。不思議に思って調べてみると「マツリとは、祭りではなくてマツリカ(末莉花)=ジャスミンのこと」とありました。ニオイバンマツリは、離れていてもジャスミンらしい香りがするのですぐ分かるのですが、ルリマツリはなぜか匂いません。瑠璃茉莉なんてきれいな名前までもらっているのに・・・。もしかしたら開花期間が長いので、香りのエネルギーを抑えているのかもしれない。


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また一軒のお家でニオイバンマツリを見つけました


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こちらはもう一ヶ月以上咲いているルリマツリ



木洩れ日

陽射しが強い日は木陰を探して歩き、信号待ちでもわずかな影を探している。毎年、夏バテ気味になるのは、歳のせいだから仕方がないのだと思いながら、木漏れ日を見ていてあることに気がついた。どういうわけか木洩れ日がみんな丸い形をしているのだ。不思議だ。ウィキペディアを開くと「地面に投影される木洩れ日は、全て太陽と同じ丸い形をしている。日差しが入り込む木の葉の隙間の形状には、一切影響されない。」とある。なるほど、どれも丸いカタチで映っている。木洩れ日の下を歩けば、涼しいだけでなく心もちょっとまん丸くなりそうです。


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梅雨明け

土曜日の午前11時、クレーコートに汗が滴り落ちる。コートチェンジのたびに水分補給をしてはコートに戻る。誰もがわずかな風を待っている。頬を撫でるほどのわずかな風を。そして長いゲームが終わり、ネットに4人が集まったとき、コートにかすかな風が吹いた。見ると木々の緑が揺れ始めている。沈んでいた空が明るくなり、一気に光が弾けた。しばらくすると俺一番!と一匹の蝉が鳴き出した。今年の夏のオープニングに立ち会えたという喜びとやれやれと言うおじさんの夏が始まった。


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この日を待っていた百日紅


アメリカオニアザミ

空き地で珍しいアザミを発見。花の部分以外全てがトゲトゲ。「君の話にはトゲがあるなあ〜」なら話だけで済みますが、こちらは蕾から茎、葉までどこも鋭いトゲだらけで「近寄ったら、痛い目にあうぜよ」と言っています。名前が凄い!アメリカオニアザミ。草食動物だって食べないだろうから、日本中にどんどん繁殖しているに違いない。よくよく見ると申しわけ程度の花を頭に乗せていて、これが結構不気味さを増している。昔、女子プロレスラーにいたような気がする・・・・


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花言葉は、やはり「触れないで」Don't touch me!



ネジバナ(ネジリバナ)

ピンクの花穂が螺旋状につけて咲いています。以前住んでいた家の庭に、突然この花が咲き始めたときは驚きました。こんな花があるんだと思いながら観察していました。調べてみるとネジバナ。なんと覚えやすい!すると野原や駐車場などでよく見かけるようになり、好きな花のひとつになりました。なぜなら、空に向かって咲いていく花のスパイラルが、夢を一つひとつ実現していくようで、この花を見るとなんか気持ちが前向きになるからです。花言葉の「思慕」もピッタリ〜。


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植え過ぎなのか、ピンクが薄いですね


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花色がピンクだとこんな感じ


メリッサ

この花にミツバチが飛んでくるのは、甘い香りの蜜があるから。この植物の名は「メリッサ」。ギリシャ語でミツバチを意味しますが、一般的にはレモンバームです。先日テレビで見た「猫のしっぽ〜」のベニシアさんもこの時期、レモンバームやタラゴンなどのハーブを採って乾燥させると話していました。道端でミントやレモンバームを見かけると、つい手を伸ばして葉を掴み、香りを嗅いでしまいます。


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長寿のハーブといわれています




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涼しくなるかな!?権師匠のお友達、アオダイショウのダイちゃんは
今年も庭に置き土産。すくすく育って全長2.1メートルになりました。




アガパンサス(紫君子蘭)

早口で三回「アガパンサス」と言ってみましょう。いかがでした!?言いにくいでしょ。でも何度か繰り返していれば、いつのまにか覚えます。「メタセコイア」だって初めは覚えられなかったけれど、何度も記憶から引っ張りだすうちに「おっ!メタセコイアだ」なんて、うれしくて声に出していましたから。思い出したら、声にするが一番かもしれませんね。さて、茎がすっと伸びて、青白い火花が散ったような花には、梅雨時期ならではの涼しさがあります。名前の由来は、ギリシア語のアガベ(愛)とアンサス(花)の2語からなり、「愛の花」という意味です。


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近くの公園のあちこちで咲いています





ハクチョウソウ(白蝶草)

開花してからはや二週間、しなやかに今日も風に揺れていました。姿カタチはハクチョウソウなんだけど、赤い色なのでおかしいねえと調べてみれば、別名にヤマモモソウ(山桃草)もありました。図鑑では白い花はたしかにトキソウやサギソウのように鳥のハクチョウのイメージ。でも白い蝶を意味する白蝶草(ハクチョウソウ)の名が付いたのは、四枚の花びらに長い雄しべが組合わさると白い蝶に見えるから。赤い色なら、山桃草と呼んだ方が正解かな。


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耐寒性の多年草で、こぼれ種で増えるらしい


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白い花だと、蝶に見えます



おいら分かるかい!?

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おもしろい顔をしているだろう〜。おいらは田んぼをねぐらにしている、カブトエビのエビゾーだい。おいらたちは乾燥に強く、土の中で約1年間この季節を待っていた。田んぼに水が入ると、オッ!水が流れてきたわい、と一斉に卵から孵化するんだ。大きくなるとカブトガニによく似ていると言われるけど、分類上はミジンコに近い仲間でじつは甲殻類。カッコいいだろ〜。「原始的な特性を現在に受け継いでいる生きた化石」なんて言われると、喜んでいいのかよく分からないが、今日は、おいらを捕まえた人間の手の上で自己紹介をしているんだ。


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エッ!?エイリアンにも似ているかい?/写真提供:権師匠