2014年3月

開花




おいおい、咲き急ぐな、今週末までゆっくりと咲こうぜ〜と、ほころび始めた桜に声をかけた。適温になると桜はせっかちになる。蓄えていたエネルギーを一気にとばかり、房をどんどん大きくしていく。青空に映える桜の下では、記念撮影も始まった。


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中野〜東中野間の桜並木と菜の花。沿道にはさくら祭りの雪洞が


ニャンとも


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咲く花、散る花。5%から8%。終わる三月、始まる四月。


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ニャンとも慌ただしい年度末なり。


袴姿


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記念撮影は順番待ち。門の向こうに女子たちが並んでいます


大学の卒業式ラッシュですが、ここ四谷も上智大学の卒業式。女子大を思わせるかのように、袴姿の女子たちで賑わっていました。レンタルの袴ちゃんは、アチコチを走り回っているのではないでしょうか。さて一つ発見です。袴の下に目をやれば、皆さん決まったように黒いひも付きのヒール(ブーツ!?)を履いています。なんとも不思議なスタイルですが、これはもう定着したファッションなのでしょうか。「はいからさんが通る」を思いだしました。四谷の土手の桜は、まだ蕾。皆さん、社会で花を咲かせてくださ〜い。


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春の花色



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春に黄色の花が多いのは、寒さに強い蝿や虻をいち早く呼ぶためらしい。つまり花自身のためにではなく、受粉を媒介する昆虫のため。虫たちの好みに合わせて色を決めているのだ。人間も花の種類や色で想いを伝えているから同じかもしれない。深紅のバラとか、ピンクのカーネーションとか。
さて、同じ黄色でも、このレンギョウの黄色は、遠くからでもひときわ目立つ。ここにはどんな昆虫がやってくるのだろう。それぞれの花にそれぞれの虫。みんな上手くいっている。


山茱萸



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いやはや、知りませんでした。サンシュユとヤマグミが同じ植物だったとは。先日、夏茱萸(ナツグミ)の字を見ていて、おや!?・・・なんだろと思っていた。そしてこのサンシュユを見て、はたと!。漢字を確かめると、あらまあ〜やはり、同じ。「山茱萸」。音読みと訓読みの違いだけなのだろうか。菖蒲(アヤメ)と菖蒲(ショウブ)の姉妹なら、分からないでもないけれど。
もしかしたら、食べられる赤い実には、グミ。漢方には、サンシュユとか。どうなんだろう・・・。


はなこさんとそらまめ君



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僕が秘かにお世話になっている「はなこさん」を紹介します。この時期だけ、ちょっとアドバイスを貰ったりしています。
こちら↓はなこさん。

じつは、はなこさんを紹介してくれたのは、彼女のボーイフレンドの
↓そらまめくんでした。

二人合わせると「はなまめ」。鼻をまめに、ということで、よろしく!




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これで本当に今週末咲くのかね〜と桜の花芽を見る。でも、気温が15度以上になると、一気に花芽が成長して開花が早まるそうだ。



春寒(はるさむ)


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重ね着を解きはじめた木蓮に、椿に冷たい雨が落ちています。こんなに待ちこがれているのに、思わせぶりの春は、なかなか近づいてくれませんね・・・・
花たちの呟きが聞こえてきそうなお彼岸の雨。今日一日続くようです。


Oh!スズメバチ



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昨日は春一番が吹いたとか・・・その暖かさに誘われたのか・・・ATMの前でこんなハチを発見!みなさんハチの大きさにに驚き、遠巻きに通り過ぎて行く。間違いなくオオスズメバチだ。攻撃性、威嚇性、毒性全てが強く、危険を孕んでいるハチだが、ピクともしない。いつ飛びついてくるかも分からず、ドキドキしながら手を伸ばしてパチリ。体調は5センチくらいか。前に回ると、さすがに迫力があって、恐怖心がつのる。
しかしどこからやって来たのかね・・・。


さすがに前からとなると怖い・・・ピンを合わす余裕もない・・・



ブロッコリーの花



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近所の葬儀屋さんの玄関に菜の花と一緒に並んでいた



春は黄色の花から始まります。雪がとけると、まずは福寿草。そしてマンサクや蝋梅、スイセンがお目見えして、菜の花、キブシ、サンシュユが続き、真打ちのミモザ、よっ!。
桜が終わる頃、レンギョウ、ヤマブキやタンポポ・・・。なんとも幸せな季節です。このブロッコリーの花は、きっと観賞用に並べられた鉢の一つかもしれません。食用になる花蕾(からい)からこんな黄色い花が咲きました。


富士を描くということ



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暖かくなった週末、山種美術館の講演会「富士を描くとはどういうことなのか」を聞いてきた。講演者は、美術史家で美術評論家でもある山下裕二氏(明治学院大学教授)。事前に配られたプリントを読むと、かなり難しい講演と思っていたが、現れたのはタレントの大泉洋ソックリのニコニコオジさん。じつにフレンドリーな雰囲気でテンポよく、画家たちのもつ富士山へのさまざまな想いを分かりやすく語ってくれた。この講演を聞き終えてから、土牛や北斎、広重らの富士を観ると、富士山の持つ魅力が格段に増幅した。土牛の描いた「富士宮の富士」は、なぜだか心に沁みた。


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土牛の「富士宮の富士」


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鈴木其一が描いた「牡丹図」をイメージした「華の王」は、金柑あんが口に広がる


白梅返し



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義理チョコをいただいた方は、パイの実に白梅を一輪添えて、返しましょう〜♬


雪山シリーズを終えたら、今日はホワイトデー。そういえば娘から、手づくりのチョコ(失敗作)を渡されてしまい、倍返し以上をねだられていた。どうしようかねえ〜と、思いながら、ジャムおじさんのブログを見て、思わず大笑いしてしまった。「パイ返し」!!。パイの実のチョコレートの写真が添えられていた。義理チョコには、駄洒落で返す。上手いなあ、いいなあ〜♬、こんなの。よし、こちらも、ハクバイガエシだ〜〜♬


さよなら三角・・・



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左側の尾根を数人のパーティが登っています(クリックすれば拡大します)



素晴らしい眺望と別れるとき、山男はいつも寂しい思いをする。いつかまた帰ってくるぞと誓い、後ろ髪を引かれるような想いを抱いて、しぶしぶ娑婆に戻る。今回は、持っていったアイゼンが靴とうまく噛み合わないアクシデントがあったし、冬の赤岳初体験ということも考慮して、カモシカポイントのやや上(2500メートル)で引き返した。それでも、心は満たされていた。中央アルプスや御岳、乗鞍がはっきり見渡せたし、気持ちの良いかすかな冷たい風も体験できた。カモシカにも出会えたし・・・。


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左に中央アルプス、右が御岳山


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いい冬山でした〜♬




かもしか



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「動かないで」。下を向いて登っているOさんに声をかけた。右前方のかもしかに気がついていなかった。感動のご対面だ。ときどき高い山で見ることはあっても、こんな近くなんて、滅多にない。静かにカメラ出し、シャッターを切り始める。ゆっくりと近づいて行く。かもしかは、なぜか逃げない。それどころか、小枝の新芽を食べ始めた。人間を見慣れているのかもしれない。


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かもしかに初めて出会ったのは、今から20年も前。福島県の吾妻山から天元台への山道を縦走していたときだった。その日は朝から雨で、視界が悪かった。黙々と歩いていたら、前の木陰が動いて、突然何かが起き上がった。髭もじゃの浮浪者・・・と、しばらく思って見つめた。目と目が合う。違う・・・これは動物だ。そうか、かもしかか!?これが、かもしか〜。どのくらいの時間、目を合わせていたのだろう。角で勝負されるのでは、内心怖かったが、雨に濡れたかもしかは、ゆっくりと前を歩き、ふと消えてしまった。どこへ行ったのだろうと振り返ると、斜面の上から見下ろしていた。
帰りの車内で、カモシカの写真を見ていたら、初めての出会いを思いだした・・・


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下山中には、バンビにも。こちらは目が可愛かった〜



マイナス15度



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テントの夜は快適なのかと思う。マイナス20度を超えるはずだ。左が赤岳、右が中岳


主峰赤岳の直下に二つの山小屋がある。赤岳鉱泉小屋と行者小屋。どちらも山頂を目指す登山者のためのベース基地で、標高2300メートルに位置している。誰もが翌日の晴天を祈って眠りについたのだろう。窓の夜露を吹くと、薄暗い空は、ピーカンになりそうな静かな色合いを秘めている。


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大同心という巨岩が小屋を見おろしている

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夜明け、厳寒の森はまだ眠っている


登山者の朝は早い。まだ暗い3時過ぎからゴソゴソと出発の準備を始めて、5時には着替えを終え、6時の朝食を待つ。皆、すぐにでも出発したいのだ。我々のんびり組の朝食は、二回転目になった。出発の準備を終えて、外へ出たのは7時半。それでも「う〜寒〜!」。茅野の朝の気温がマイナス9度。そこより1500m高い小屋周辺は、おそらくマイナス15〜20度くらいだろう。帽子がないと耳が痛い。鼻水も出てくる。
ピークを目指す人たちは、靴にアイゼン、頭にヘルメット、手にはピッケル。さらにロープ、カラビナをぶら下げている人たちもいる。これは用心のためか、初心者が同行しているのかもしれない。
さて主峰赤岳の登り口、行者小屋までのシラビソの森を歩き始めた・・・。


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シラビソの森を進むOさん


雪の八ヶ岳



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この景色を前にしたら、山男(山ガールも)は誰だってワクワクするはずだ。「運動会の前日のような興奮で、よく眠れませんでした」とOさんは、あずさ号に乗り込むなり嬉しそうに話したが、この雄大な冬山が待ち受けていると分かっていたら、誰だってすぐには眠れない。八ヶ岳連峰は、前日までの雪がピタッと止んで、見事な冬山をつくっていた。赤岳鉱泉まで続く道もしっかりトレースが残っている。さあ、今週も冬山にお付き合いください。


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雲が山のカタチを描いて、流れていく


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主峰赤岳の下に、行者小屋とテントが見える(クリックすると大きく見えます)


野天風呂



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宿に戻ると、「雪を掘り起こしたので、野天風呂に入って帰ったら」と、ご主人に声をかけてもらった。前日に、入りたかったなあ〜と愚痴っていたので、覚えてくれていたらしい。誰も入っていないというので、竹かごを抱えて50メートルほどの雪道を進む。道幅、雪の深さともに約1メートル。どんどん行くと女風呂は右、男風呂は直進だ。約10メートルほど進むと、ド〜ンと小高い場所に四角い木の浴槽が一つ現れた。えっ!これだけ?囲いなし。
ここで脱ぐ?さて・・・どうしよう・・・寒い。マイナス5度くらいか・・・誰もいない・・・寒〜・・・ままよ〜!一気に素っ裸になって、数回桶で湯を浴び、飛び込む!  クア〜〜〜!  暖か〜〜  ( ̄~ ̄)V


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・・・ん!?いかん、カメラを忘れた・・・ 仕方がない・・・ 竹かごからカメラを取り出すときの・・・寒さたるや・・・んぐぐ・・・寒いっす〜!!

ともあれ、今日本で一番の幸せ者じゃ〜と湯に浸かって、しばし極楽気分に。
途中雪が舞い始めて、風が吹いてくると、湯船から出ている頭だけが、強烈に冷える。どう喩えたら良いのか・・・
湯豆腐&冷奴、いや馬介印の「逆さ焼氷」!?
まさに天国と現実を感じながらの不思議な体験でした。


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夏ならこんな雰囲気なのだ!


風雪美術館



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二日目の朝、雪は止んでいたが、ガスは相変わらず太陽を遮っている。スノーシューをつけて、前日と違う新雪の森を歩く。街には白梅が咲き始めているというのに、2000メートルの山中では、雪と風が木々にさまざまなオブジェを作っている。一つひとつに目をやると、どれもが自然の厳しさを伝えていて、これはまさしく「風雪美術館」。まるで吹雪の中の一瞬を止めたような姿だ。
転がされたり、揉まれたり、吹き殴られていたり、風の方向に向かって、吠えているようなものもある。風雪アーティストが、冬山のキャンバスに自由に描いた作品の連続。これらを鑑賞するのも、冬山歩きの楽しみの一つだ。


では、ご案内を・・・


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ゲストたち


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高い山でしか見られないホシガラス。豚の脂をしきりに突つく


この宿の人たちは、訪れてくる生き物にも優しい。鳥やリスたちには、ヒマワリの種やラードを。そして、テンやキツネ、タヌキには、鯉の頭や骨などを餌場に用意している。おかげで、夜にはテンとタヌキのカップルをゆっくり観察することができた。テンの身体の柔らかさは想像以上で、動きの素早さと美しさに見惚れて1時間以上も眺めていた。あどけない可愛い顔をして、頻繁に顔を上げて、敵を警戒している。肉食獣なのにね。警戒心については、訪ねてくる動物どれもがそうで、「のんびり飯を食えるのは、人間だけだよな〜」と呟きながら、ウォッチングを楽しんだ。



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リスが来ると、鳥たちが一斉に羽ばたいて近くの木に非難



夜の訪問者は、テンとタヌキ。
朝から訪問者は、リス、カケス、エナガ、カワラヒワ、ゴジュウカラ、シジュウカラ、ヒガラ、コガラ、ヤマガラ、シメ、ホシガラス、そしてすぐそばの木に、コゲラ、アカゲラ。


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カワラヒナの群れが最後にやって来た


こんなに鳥が揃うところは、他にないのではないかなあ〜
一眼レフを持ってくれば良かった・・・


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これはウサギの足跡



ランプの湯



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冷えた身体を温めるにはこれしかない、というわけで、ランプの湯に飛び込む。ク〜ッと、刺してくるような熱さだが、しばらくすると、ゆっくりと身体が弛緩してくる・・・。あのまま登っていったら、山頂までいけたのかもしれないが、雪でトレースが消え、帰りのコースを間違えると・・・やはり良い判断だったのかもしれない・・・と目を瞑る。顎まで湯に沈めて、今日のコースをゆっくりと辿る。
注ぎ込む湯の音しか聞こえない・・・雪と湯と夢と・・・・
そして湯上がりは・・・酒だ〜♬



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光に映し出された木々、降り続く雪・・・


雪山を歩く


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今週末に、Oさんと八ヶ岳をアタックするので、雪山に少し慣れておこうと雪の高峰高原を歩いてきた。平地が雨なら山は雪。気温マイナス5度。風さえなければ、そんなに寒くはない。小屋で借りたスノーシューが、固い雪面や新雪をつかみ、なだらかな起伏をグイグイと進む。


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まあ、登り始めはこんな感じ〜


途中、シャクナゲの枝が、雪の中からがわずかに顔を出している。きっとかなり積もっているのだろう。誰かが歩いた足跡と、所々の木々に結ばれた赤い布を目印にして、森の中を進む。木立をくぐり抜けるとと、ときおり水墨画のような世界が現れる。


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水墨画が、浮き出ては、また遠ざかる・・・


立ち止まっては、身体に感じる自然を声を聞く。降り続く雪と景色を閉ざすガスが、全ての音と匂いを消しさっていく。時間も止まっているような感覚。


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風が強くなって来た・・・


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雪も深く、トレースも分かりにくくなってきた・・・


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風が強く、マイナス15度くらいか・・・これ以上は無理!引き返そう