甥っ子


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お盆に甥っ子のRが、我が家にやって来ると知った札幌の弟(父親)は、「あいつに食べさせてやってくれい」と、自分の畠でつくった野菜を前日に送ってきた。
恒例のミニトマトと胡瓜は夏サラダに、モロッコいんげんは煮浸しにして出すと、Rはビールを呑みながらあっという間に平らげた。

日焼けしたRは、いまサーフィンに夢中らしく、ボードを鎌倉に預け、週末を楽しんでいるという。「そろそろ山を始めようぜ」と誘うのだが、「いつか一緒しますので、もう少し待っててください」と言う。Rには、以前山靴とリュックを進呈していて、将来サポートしてもらおうと企んでいる。

ところで、まだ走ってるの?
「こないだ、我が家から横浜までの多摩川沿いを走りました」
何キロ?
「25㎞です。さすがに帰りは電車に乗りましたけど」
凄いなあ・・・
そういえば小説「一瞬の風になれ*」の登場人物の一人だっけ?
「3巻の中で、本名で出ていますよ」


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読んだはずなのに、すっかり忘れていた。週末は雨らしいので、もう一度読んでみるかと、書庫の奥からこの三冊を見つけ出した。

*佐藤多香子著「一瞬の風になれ」は、神奈川の高校陸上部の若者たちを描いた青春小説。



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