旱天の慈雨


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杉林の中を吹き上がってくる風に、生き返る


尾根までの急坂を登っていくと穏やかな山道(高尾山〜陣馬山縦走路コース)が待っている。外気の暑さとカラダの熱で喘いでいる時、西側の谷から爽やかな風が吹きあがった。
ク〜、来た来た〜、甘露、甘露〜。この風を感じたくて登ってきたのだ。

再読している五木寛之著「大河の一滴」のなかで「旱天の慈雨」という言葉があった。

乾ききった大地の一滴の雨水は、暗黒の中の一点の灯りと同じ。
なにも期待していないときにこそ、思いがけず他人から注がれる優しさや、小さな思いやりが「旱天の慈雨」として感じられるのだと。

吹き抜ける風はまさにそれ。それまでのキツかった時間を忘れさせてくれる。こんなタイミングのいい風になれるだろうか・・・と一瞬、思う。


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