2018年4月

春は駆け足


IMG_20180421_121200.jpg

今年の春は駆け足だ。花はもちろん、楽しみにしていたワラビまで、すっかり大きくなって、ほとんどが摘み取られていた。山道付近だけをキョロキョロしながら探したので、多くは見つからない。それでも何とか酒のアテくらいにはなったかな・・・。


P4220577.JPG
P4220576.JPG
ほうれん草と湯葉のおひたしにタラノメ一つ


P4210565.JPG
もうウツギの花が咲き始めていた


ツマキチョウ


P4210567.JPG

花が咲けば、虫たちもやってくる。春、最初に見る蝶がもし黄色なら、幸運がやってくると聞いて、蝶の訪れを密かに心待ちにしている。しかし今年もモンシロチョウだった。記憶では、黄色だったことは一回だけ。ハンカチーフの映画のように、うまくはいかない。

この一枚だけうまく撮れた。モンシロチョウではないなと思いながら、よく見るとツマキチョウ。オレンジ色の柄が入っていないのでメス。年1回、3〜5月の間だけに現れると、書いてあった。

P4210530.JPG
P4210515.JPG
ホウチャクソウ(上)、チゴユリ(下)


五の日


P4210575.JPG

イチリンソウの花が美しい。ニリンソウが群生する裏高尾の小道で見つけた。ニリンソウに比べると五片の花は大きく、背丈もある。寄り添う二輪と孤高の一輪、そんな思いで二つの花を見比べると味わい深いのだが、花たちはそんなこと知らない。

そして、五行歌。
昨日の麹町歌会の題詠「白」で一席をいただいた。じつに久々。

白い月は知っている
ブランコが
寂しがりやにも
傷ついた人にも
優しい椅子であることを

ブランコと月を歌にしてみたいという想いが結実した一首。アササンのお陰である。

なるほど・・・それで、五、なるほどねえ〜
いやいや、じつは もう一つある。

五節供
昨日の読売新聞夕刊に小生が担当している広告が掲載された。紙面の真ん中に五節供マークを配置したレイアウト。全国版だったので、親しい人には伝えておいた。妹は母に見せるとLINEをくれた。偶然見てくれた先輩S氏は、重力を失うほどの絶賛のメールをくれた。

というわけで、今日は一日幸せな気分の中にいる。


180423_yomiuri_15d.jpg

イカリソウ


P4210550.JPG
\イカリソウ/


セクハラ疑惑、文書改ざん、記録や日報の隠蔽、謝罪&撤回などなど、けしからんことが続くから、この花もお怒りではないかと、登場ねがった。
このイカリは花のカタチから。船の錨に似ていることから命名された。


ORMAC


P4210511.JPG
流れていったハナイカダ、ここに蕾をつけました


登る&呑むの会「ORMAC」が、丸4年続いている。正式名称は「Old Rookies Mountain&Alcohol Club」。「山を愛し、酒を愛する」を掲げて、月に一回の近郊の山登りを楽しんでいる。最終目的地は山頂ではなく、あくまでも麓の居酒屋、というじつに配慮が行き届いた?山の会なのだ。「無事に下山して、全員で呑む」このORMACの精神を護ることが、48回無事故登山が続いている要因かもしれない。
椎名誠流に云えば「われら怪しい山の会」ということになる。


P4210498.JPG
P4210548.JPG
ヒトリシズカが呟いた・・・ヒトリウルサイ


ただ下向きに


P4150367.JPG

緑のなかを下向きに歩く人たち。新緑と黒い幹とのコントラストを楽しみなさいよ、と、つい云いたくなるのだが・・・木蔭は画面が見やすいのだろうか。


P4150471.JPG
シジミバナだって、知らなかった〜

P4150437.JPG
八重の花が散って、小さな命ひとつ発見


うみ


長年の友人であり、吟行歌会の街案内をしてくれる山口さん。今では珍しい狂歌を歌う(!?)一人だ。彼のペンネームが面白い。

酒上綾街。「さけのうえのあやまち」。

字が凝っている。ちょっと色男風の若旦那といたっところか。この名前で投稿してほしかったなあ〜の一句・・・


IMG_20180418_103550.jpg

彼の作った川柳が、先週末(4月14日)の朝日川柳で掲載された。読んで直ぐピンときた。昨日も「しっかり」「うみを出し切って」「行政の長として」と、あの人はインタヴューに応えていた。
おいおい、うみを出し切ったら、なにも残らないのではないのか。


フジ


P4150444.JPG
髪を藤色に染めた外国人の女性が咲き始めた藤棚の下で・・・


藤の花が咲き始めた。この頃に雨が降ると、花房が落ちてしまうのではないかと心配する。フジの柔らかく甘い香りは、心をなごませる。山歩きをしている時に、その匂いに気づいて探してみると、かなり高いところだったりする。まああんなところにと、その香りの強さに驚く。ある気温になると香りが強くなるようだ。


P5054086.JPG.jpeg

オドリコソウ


P4150392.JPG

オドリコソウといえば、伊豆の踊り子を思い出す。吉永小百合、内藤洋子、山口百恵といったヒロインたちのあどけない顔が浮かんでくる。都会を知らない田舎娘の初恋物語に清廉な想いを重ねたあの頃が懐かしい。

男優は、高橋英樹、三浦友和は出てくるのだが、内藤洋子のお相手は、さて誰だったのだろう?ググってみると、なんと〜黒沢年男。なぜか影が薄い。東宝のこの映画は、あまり当たらなかったのかもしれない。

吉永小百合以前の踊り子はというと、鰐淵晴子、美空ひばり、田中絹代と、そうそうたる女優が並ぶ。

オドリコソウは、笠をかぶって踊る踊子に似ていることから命名された。


P4150383.JPG

鬱蒼〜


P4150454.JPG
いい匂いがするので見上げると、カツラの木だった

うっそ〜、と云いたくなるくらい、新緑が色を濃くしている。新宿御苑の森も緑一色になった。雨上がりだから、人が少ない。こんなときは、歩を緩めてゆっくりと歩く。深呼吸すると空気が美味しい。カツラの木は、もう香りを放ちはじめた。


IMG_20180415_132148.jpg
IMG_20180415_132420.jpg
ラクウショウの森につい足が伸びる


ペットパック


P3310034.JPG
なんである。パンである。つぶれない


山登りの季節がやってきた。新緑の森を抜けた後に、景色を眺めながらのランチは至福の時間だ。前日の余り物だって、お腹が空いていれば、そして外で食べるから不思議と美味しい。余っている飴やお菓子や鯖の缶詰(!?)も袋に入れて持っていこう。


P3310038.JPG
*ペットパックのつくり方
メーカの違うペットボトル2つを真ん中から切って、本体とフタとする。切り口を軽くサンドペーパーで磨いておく。パンやおにぎりなど、目的地に着くまでリュックの中で型くずれしない。

下駄


P3310016.JPG

こんな下駄で高尾山に登ってきた若者がいた。高尾山は天狗信仰の霊山だから、なるほどそういうことかと合点して、一枚撮らせていただいた。登りはまだいいが、下山時は目線がアップしているし、バランスをとるのは大変だと思うのだが、そこは若者、そんな心配はないのだろう。

昨日の歌会の題詠は「下駄」。こんな歌を出していた。

昭和の子たちは
「ちびた」に愛されていた
鉛筆、消しゴム、下駄・・・
そして両手の指の間から観る
怖い映画にもまた

なんと、この歌が一席。勝負は下駄を履くまでわからない・・・


きがあう


P3310053.jpg
種類が違うのに、キが合う!?


先日の高尾山で見つけた二本の木。人目をはばかることなく、仲がいいねえ〜


吟行歌会/お茶の水界隈(2)


P4070278.JPG

湯島聖堂で学問のお話を聞いてから向ったのは、神田明神(神田神社)。ここからもうすぐ日本の夏祭りが始まる。大小200の神輿が練り歩き、粋でいなせな江戸っ子たちの元気の良いかけ声が、神社に響き渡る。参道には、甘酒屋、蕎麦屋、煎餅屋などが軒を連ねていて、神田の賑わいが感じられる。


P4070284.JPG
豆に目がないのでこの芝崎納豆を買いました。豆が大きい〜

P4070298.JPG
銭形平次の碑があった

P4070307.JPG
平次が投げていたのは寛永通宝


神田明神には三つの神様(大黒様、恵比寿様、平将門)が祀られている。それぞれに手を合わせると三つのご利益がもらえるのだ。大黒様は縁結び、恵比寿様は商売繁盛、平将門はというと厄除。境内には銭形平次の碑があった。碑の発起人の欄には、大川橋蔵、長谷川一夫らの名前が記されていた。


P4070313.JPG
P4070317.JPG

こんな歌が詠まれました。

水の道や学舎街               Sさん(一席)
知らない街を
少しずつ
なじませて歩く
私は歴史のエキストラ


P4070250.JPG

ニコライ堂に咲く             Kさん(一席)  
真っ白なチューリップは
ハリストスの聖歌隊
春風のタクトで
軽やかに揺れる


P4070255.JPG

ニコライ堂                   Mさん(二席)
湯島聖堂を結ぶ
聖橋
その袂に太田姫
椋の木に抱かれて


なんだかんだと言うまもなく    山碧木(二席)
削られ  掘られて
渡されて
御茶ノ水界隈に
学びと祈りの声  流れる

P4070277.JPG

江戸の守護神も               Kさん(三席) 
今は都民の味方
震災・焼失・再建
苦労してるね
神田明神

吟行歌会/お茶の水界隈(1)


P4070240.JPG
太田姫稲荷神社


先週末は春の吟行歌会。江戸の歴史のナビゲータYさんに、お茶の水界隈の名所・史跡を案内してもらった。コースは、JRお茶の水駅から大久保彦左衛門屋敷跡~小栗上野介屋敷跡~太田姫稲荷神社~ニコライ堂~蜀山人終焉の地~太田姫神社元宮~聖橋~湯島聖堂(昌平坂学問所)~神田明神~お茶の水の碑までの約一万歩。

お茶の水辺りは、神田山と呼ばれた麓にあったこと、幕府の命を受けた伊達藩がここに深い堀を造って神田川の水を引いたこと、架けられた橋からは富士山、東京湾がよく見えたことなど、Yさんは絵や地図を出して説明してくれた。さらに江戸の地図の上に掌を乗せ「江戸の頃は、五つの台地が海に向っていました。親指が上野台地、人差し指が本郷台地・・・」「つまり山の手という名はここから由来しています」には、一同感心しきり。聖橋の上から当時の風景を想像し、下を流れる神田川の深さに感心する。

太田道灌の娘の病を治したという太田姫稲荷神社、幕府直轄の学問所で日本の学校教育発祥の地が湯島聖堂、銭形平次が投げていたのは寛永通宝、神田明神で売られている納豆や甘酒の謂れなどなど、江戸の雑学を楽しく語るYさんは、なんだかインテリ寅さんのようだった。
チョロチョロ流れるお茶の水、粋なネーチャン・・・〜



P4070253.JPG
ニコライ堂の前で

P4070255.JPG
P4070259.JPG
湯島聖堂の孔子像の前で

P4070266_2.JPG
P4070274.JPG
昌平坂学問所

二刀流


P33000115JPG.jpeg
山登りもするが歌もつくる・・・これって、二刀流?


暇だね〜と言われるかもしれない。メジャーリーグの大谷の活躍を喜んでいる人たちは、同性の大谷さんだけではない、大谷という地に住んでいる人たちだって嬉しいのかも・・・とググってみると、北は北海道、南は鹿児島まで、全国100カ所以上に大谷の名がつく地域があった。「オオタニ」と呼ばれるたびにニコッとしているのかもしれない。

二刀流は、格好いい。どうしたらあんな選手になれるのか。秘密があった。大谷だけではないが、アスリートたちはこんな目標達成シートを作って、研鑽している。大谷くん、これ全て実行したのだろうか、とイヤハヤため息が出た。
「今の若い者ときたら」は・・・はもう死語だ。


達成シート.jpg
高校生の大谷君が作った目標達成シート


惹かれあう


P4010214.JPG
今年の初蝶は、紋白蝶だった


好きな人ふたりが、何かの縁で繋がっていることを知るのは嬉しいものだ。まして面識も無いふたりと分かれば、なおのこと、心地よく思うのはどうしてだろう。

堀文子展で購入した一冊に、こんな一文があって笑った。

老残のかけらも見えぬ、阿部なを先生の迫力の原動力を知りたかった。
「死ぬまでに体の悪い所を直しておかないと。」 何というすごい生き方だ。

厳しい人生をあえて選んできた堀文子さんが、料理研究家の阿部なをさんの言葉を紹介していた。昔、なをさんの料理番組が好きでよく観ていた。あの言葉は津軽弁だろうか。なをさんの話を聞きながら、その所作を眺めているのは至福の時間だった。無駄がなく、朴訥であっても優しい。
画家と料理研究家、底流にあるのは自分を律する生き方だ。

この人たちは同じ意識下にいた、地下水脈で繋がっていたのかもしれないと、ふたりを我が師のように愛おしく感じてしまった。こんな心地良さを分かってもらえるだろうか。おふたりがこちらを知らなくたって、同じ仲間であるような心地よさと安心感。こんな思いを表す言葉は、あるのだろうか。


死ぬまでに
体の
悪い所を
治して
おかないと

こんな言葉、どうして生まれるのだろう。


前へ


IMG_20180403_161837.jpg

種がこぼれて岩の間に入ったのだろうか。わずかな隙間からスミレの花が咲いていた。公園の中で偶然に見つけたのだが、小さな命の逞しさに惚れ惚れとする。

東京の桜は散ったが、海を渡った大谷桜が開花した。可能性を追いかけ、ただ一途に努力を続けている若者の姿は、勇気と希望を与えてくれる。愚痴ばかりこぼしていないで、前へ進もう。



P4010187.JPG

桜が散っていきます。散らないで〜と止めるシベもなくと思ったら、蕊が残っていました。ヤマブキの花もそうであるように、蕊も花のようです。まだ数日、蕊を楽しめそうです。そして葉桜も・・・


P4010161.JPG
P4010126.JPG
P4010118.JPG
P4010109.JPG

この桜をご存知ですか?服部桜(はっとりざくら)、今にも散りそうです。

親子で山登り


P3319978.JPG
P3319981.JPG
P3319976.JPG

週末、日本山岳会主催「親子で山登り」企画で三家族と一緒に高尾山を登った。今年すでに四回目の高尾山。おじさんおばさんの山登りの会ORMACもいいけど、子供たちと登るのも楽しいはずと参加を決めた。サポートするのは山岳会のメンバー6名。八時過ぎに高尾山599ミュージアムに集合して、自己紹介、体操、コース紹介などしてから登山を開始。


P3310006.JPG
P3310012.JPG
P3310021.JPG

担当を任されたのは五歳の女の子Aちゃんだ。ヤマネのバッチを見て可愛い〜と声を弾ませ、帽子に付けてくれた。さて、どれだけ体力があるのだろうか。Aちゃんのペースに合わせ、話を聞きながら登っていく。ケーブルの山頂駅から薬王院までの道沿いには、茶屋やお土産ショップ、おみくじなどが並んでいる。子供たちは、それを見つけるたびに声を上げて走り出す。ちょうど?年前・・・娘とここを歩いた日々を思い出した。


P3310070.JPG

ママたちも楽しいようだ。子どもから開放され、桜やツツジを愛でながら、ゆっくりと歩ける。お天気にも恵まれ、手をつないで最後まで歩き通した。ゴールのキャンプ場では、Nさんが大きなテントを張って待っていた。それを見つけて、子供たちは大喜びして中に飛び込んだ。子どもはテントが好きだ。

オヤツのチョコレートフォンデュも大受け。バナナとチョコ、イチゴとホワイトチョコの美味しさに大人も童心に還った。次回は富士山の洞窟探検。これも家族が楽しめる企画になりそうだ。


image1.jpeg
帰りは二人の女の子に手をつながれて〜♬