八幡平(1614m)


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久しぶりの八幡平(岩手県)の駐車場に着くと、気温は氷点下だった。冬の装備をしていたが、立っているだけで体温が奪われていくのが分かる。
辺りの木々は霧氷をまとっている。雲は低く垂れ下がり、今にも雪が降りそうな空。冬が触手を伸ばしている。


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前回はピークハントで、登山口から真っすぐ山頂に向かい、360度の景色を見て、すぐに下山した。これが100名山名なのか?という印象を抱いた。

今回は余裕をもって八幡沼、がま沼を回って山頂に向かうコースを選んだ。草紅葉のなかに沼がいくつか点在し、長い木道を辿って行くと、尾瀬の秋を思わせる景色が広がっていた。南には10年前の夏に登った岩手山が見える。体力もまだあって、グイグイ登っていった頃だ。


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八幡平、その名の通り、じつに懐の広い山であることが分かった。山頂だけでを目指すのではなく、遠く近くの有り様を眺め、山を一つの命として受け止めなければと思う。

雪の重さに耐える幹、風雪になす術なく身をさらす枝、北の木々はみんな辛抱強い姿をしていた。
その日、東北の山々に初冠雪があったと宿で知った。

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