2018年11月

秋を楽しむ


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九州の友人は、山でうどんをよく作っているらしいので、よし!こちらも〜というわけで、ガスコンロとコッフェルをもって高尾山の一丁平へ向う。

今回はケーブルカーの最前列で紅葉を楽しもうと改札を抜けると、なんと〜すでに占領されていた。みんな知っているのだ・・・動き始めると皆さんスマホで映しはじめる。お〜キレイ、それ、いいなあ〜。

こちらは歌を

紅葉の絵画を
手繰り寄せるかのように
ケーブルカー
わっし わっしと
傾斜31度を登っていくよ


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最近はまってしまった天狗焼き

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干し柿


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干し柿を見ると心が温まる。子どもの頃、一つ貰うと惜しむように時間をかけて食べた。北海道は柿が出来ないので、内地から届く柿は、干し柿か、渋柿を酒樽に詰め、樽に残るアルコール分で渋を抜いて甘くした樽柿(たるがき)だった。

去年の冬、会津を旅したときに無人駅で地元の女性から貰った干し柿を思い出した。昔々に口にしたあの干し柿の深い味わいだった。



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廃線跡


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奥多摩のむかし道を歩いていたら、廃線になったレールやトンネル、橋などを見つけた。たぶん古い奥多摩の路線だと思いながら、しばらく辿って歩いた。かつてここを多くの人が往来していたのかと思うと感慨深かった。

ところが調べてみると廃線跡は「水根貨物線」という小河内ダム建設のために敷かれた東京都水道局の専用線だった。運行期間は昭和27年(1952)の鉄路開通から昭和32年(1957)の小河内ダム竣工までの5年間だけ。もったいない。
もし整備をして復活すれば、紅葉の中を走る人気路線として評判を呼ぶのではないかと思ったのだが・・・。


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隧道はいくつもあった

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この吊り橋の上から勇気を振り絞って撮った


雪虫


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今日は雪の季節の始まりを告げる「小雪」だというので、雪虫の登場。むかし道を歩いていると、目の前をフワフワと雪虫。おお〜久しぶりのご対面。北海道時代は毎年、10月頃には必ず現れた。これが舞うともうすぐ雪になるから、あ〜やだねえ、となる。雪の妖精とも言われるが、北国の人はこの雪虫を歓迎していたわけではなかった。

みんな急かされるように厳しい冬の支度を始めるのだ。庭の冬囲い、スパイクタイヤの準備、冬物の服をだしたりと、雪虫を境に暮らしが変わっていく。そんな日があったことを思い出した。お前はそれを伝えに飛んでくれるんだよなあ〜。



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ひっつき虫


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拡大すると矢じりの先にはカエシが付いているコセンダングサ(小栴檀草)


こう寒くなると、誰かにひっついて暖をとりたくなる。若いカップルがベタッとしながら歩いていると、いいなあ〜冬がくるなあ〜と思う。

さて、秋の野山を歩くと衣服にさまざまなひっつき虫。棘でつくもの、粘着系でつくもの、イキモノに種子を運んでもらって子孫を増やす企みだ。拡大してよく見ると、放射状の種子の一本一本には釣り針のようなカエシが付いている。衣服に近づけると、ひっつき虫〜♬〜見事なもんだ。


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ひっつき虫の正体は、こんな花


自撮り



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日曜日、発作的に独り歩きをしたくなって、読みかけの文庫本を手にして奥多摩まで足を延ばす。終点の奥多摩駅に着くと気温が意外に低いので驚く。バス停には長蛇の列。とりあえず奥多摩湖まで行き、江戸時代から利用されていた「むかし道」を歩くことにする。

バスの終点、奥多摩湖に着くと、湖がドーンと広がっていた。湖の浮きの上に見えるいくつかの影は、きっとカワウだろう。並んで羽を休めている。ここには豊富なエサ(魚)が多いのだ。毎日、この広い湖を眺めながら、食の心配もなく、ぼんやり・・・幸せだねえ。

湖周辺にポツポツと咲く十月桜を眺めてから「水と緑のふれあい館」へ。ここは東京都水道局が管理をしている展示館だ。奥多摩の四季の映像をなるほど〜と観てから、専用眼鏡をかけて「3Dシアター」の「奥多摩の森の不思議編」を楽しむ。飛びだしてくるような映像が刺激的だった。日暮れは早い、そろそろ歩き始めなくては。

コースにはモミジが多い。去年の春に登った時には、全く気がつかなかった。独りの男性がミラーに映る自身の写真を撮っていた。あら面白い〜。どれどれ撮ってみよう。オレンジのパーカーが、紅葉と合ってよく映えること。


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熱燗


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寒くなってきて、寒さに弱くなったことを知る。暖が恋しい。熱燗が恋しい。燗のなかの文字は、なぜ「日」ではなく「月」なのか。熱い酒が胃に沁みていくと、月のカタチになっていくのだろうか。そう思うと、吊革をもつ手に力が入って、ごくりと喉が鳴るのだった。


ウバユリ


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ウバユリってバカにすんなよ〜


ウバユリの乾燥した実を見つけると揺すって、種子を飛ばして遊ぶ。△のカタチをした種子は、ヒラヒラと風に乗って飛んでいく。この種子はオブラートでラッピングされたお菓子に似ている。

ウバユリ。なぜこんな名前が付いたのか!?蕾がつきはじめると葉が枯れて、ボロボロになっていくことから「葉(歯)」がない。それを姥にたとえて「ウバユリ」。ちょっと可愛そう。きれいな花が咲くのに・・・


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環境問題


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昨日、環境ポスター展が終わりました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
学生時代の友人、仕事の仲間、歌会や山仲間など久々に会えた人も多く、展覧会は、集う人を暖めてくれる焚き火のようなものかもしれないと思いました。

「環境」をテーマにすると、さまざまな問題や課題が複雑に絡み合っているので、制作していくのがじつに難しい。最終的に行き着くところは、人間の行いと地球との関係。

ポスターから伝えられることは何だろう。人や社会を動かせるのだろうかと、いつも悩んでしまう。そんな時に思い出すのが、半世紀近く前、18歳の青年に衝撃を与えたこの全10段の新聞広告だった。



ゴリラ-新聞広告.jpegのサムネール画像

思えばこの新聞広告が、環境という後々の仕事のテーマを示唆してくれたのかもしれない。
この広告はスクラップブックに貼られて、ゴリラは何度も私と対峙することになった。10年、20年経つと最後は黄ばんで、彼の目の輝きも失われた。

でも課題を与えられた学生のように、いまも真剣に向き合って表現の道を探している。それはきっと生き方の確認であり、読み聞きした知恵であり、眠っている感性を呼び起こすことではないかと思う。

ゴリラの呼びかけに、私は今でも応えようとしているのかもしれない。


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 多くの方に来ていただきました



信玄棒道


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スタートは紅葉真っただ中の三分一湧水のある公園


八ヶ岳南麓から西麓にかけての甲信国境にある信玄棒道(しんげんぼうみち)は、武田信玄が北信を攻め上がるときに造られた軍用道路といわれている。その約8.5キロ区間(小海線の甲斐小泉から小淵沢まで)をORMACのメンバー五人とハイキングした。カラマツは黄葉を過ぎていたが、コースを彩るモミジは紅に朱にそして薄緑に染まり、晩秋の美しさを際立たせていた。

遠くには南アルプス、麓には八ヶ岳連峰が聳え立ち、道の途中には江戸時代に安置された石仏がいくつもあった。多くは観音様で、豊かな表情を讃えて私たちの疲れを癒してくれた。穏やかな枯れ葉の道を踏みしめていくと、醗酵がすすむ枯れ葉の匂いが足元から上がってきて、時の移ろいを深く感じさせてくれた。

ORMACも高齢化がすすんで、きつい山が敬遠されるようになってきた。来年はどんな山旅を計画していこうかと考えながら、ゴールの小淵沢駅へ下りていった。


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最後尾を歩きながらリースを作っていた


虫たち


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友人Sの肩に止まったイトトンボ。今年は、虫に出会うたびに昆虫少年だったという福岡伸一さんを思い出すことが多かった。
初蝶が飛びはじめる春、黄色が先か白が先かと占いの話を思い出したり、初夏になれば今ごろエゾハルゼミの声が森に沁みわたるように聞こえているのだろうなあと想像して、もう一つの時間を抱えていた。

さあ、ギャラリーに行かなくては・・・。


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鳥の写真


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山仲間のTさんから送られた冬鳥のジョウビタキの写真。ピントバッチリ、素晴らしい〜、腕はもちろんだけどカメラも良いんだろうなあ。警戒心のない表情が愛らしくイキイキとしている。
Tさんはこの一瞬のために、どれだけの時間が費やしたのだろう。


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我がカメラだってチョコレート好きな!?スズメをばっちり押さえている。じつは偶然、ピントがあったような気もするのだけど・・・後ろに映っている二人は、なぜ頭を下げているのだろう。
日比谷公園だから皇居に向って!?


環境ポスター展


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久しぶりに学生の気持ちになって環境ポスターを1点制作した。友人でデザイナーの儘田能光さんに出しなさいよ〜と毎年お誘いを受けていたが、どうにもアイデアが浮かばず、ポスター展で作品をただ眺める人になっていた。

それが今年は、一つ超えられるものが見つかり、そうか、こうだったかと、一気に仕上げることができた。それは・・・↓ ぜひここでご覧ください。

・11/7(水)〜11/13(火)、11日(日)は休館。
 11:00〜18:00 最終日(13日)は14:00まで
・山脇ギャラリー(山脇美術専門学校)
・千代田区九段南4−8−21
・JR市ヶ谷駅・都営新宿線市ヶ谷駅から徒歩1分

*チャリティカレンダー展も同時開催中。
*9日、10日の14:00から在廊しています。


ブルームーン


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バラフェスタが終わって、バラの名前を一つ覚えた。ブルームーン。誘うような甘い香りの囁きに痺れた。その香りを嗅ぐと、カラダが麻痺していくような錯覚・・・これは危険な香り。
ウィキペディアには「青系のバラで、ダマスクとティーの混在した、いわゆるブルーローズの香りがする」とある。分かるようで分からない。
部屋のどこかにこのバラがあると、集中力が落ちるかもしれない。


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どのバラも絵画というかイラスト画のようでもある。


甘利山


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地図を眺めていると、ある山に目が止まるときがある。この山頂から北アルプスはどんなふうに見えるのだろう・・・ここへ続くなだらかな美しい稜線をいつか歩いてみたい・・・。若い頃は、その山への思いを強くして軽い興奮を覚えた。

甘利山もそのひとつ。南アルプスの支稜鳳凰山東側山腹に位置する1700mの山から、どんな景色が見えるのだろうとマークしていた。ひょんなことから山頂部の東屋まで足を延ばすことになった。グングン高度を上げていくと、眼下の甲府の街が広がり、遠くに富士山がクッキリと姿を現した。
雄大な景色は、地図上の創造を遥かに超えた。


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霧氷


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北八ヶ岳、2400m付近はマイナス5度。シラビソの樹々は霧氷を纏い、青空を突き刺すかのようにそびえ立つ。一足早いクリスマスツリーだ。しかし、こうしてよく見えるのは周辺の倒木のせいと気づいた。ここ縞枯山一帯は、針葉樹林のシラビソやオオシラビソに被われているのだが、まるでゴジラでも歩いたのかのように、なぎ倒されていた。次々に襲った大型台風の影響だろう。


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風が吹くと凍りつくように冷えこむ。カメラを持つ手がかじかむ。頬の筋肉がどんどん硬直していく。冬装備をしてきたのに・・・一晩をここで過ごすのは凍死を意味するだろう。


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山裾は、黄葉のカラマツ林が広がっていた。西日が舐めると息を呑むような黄金色に輝く。


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早い〜、もう11月。日めくりのようなカレンダー・・・