2019年7月

ビート


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家人の長い話を聞きながら、デザートを食べている。
目はテーブルの上。なになに・・・

「なるほど!〜、そうだったんだ」。
えっ、なに?

「びーとたけし」
「さとう大根」「ビート」「甜菜、つまりてんさい」

「ビートたけし」「てんさいたけし」「天才たけし、だったんだ」。
なるほど・・・これで、スッキリした。


黒部五郎岳へ


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週末からの山に備えて、メモしておいたグッズを石井スポーツで購入する。三日目は約10時間の登りが待っていて、久々の重いリュックに膝と腰は耐えてくれるだろうかと不安だ。今回初めて購入したのは「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」なる漢方薬。山小屋での夜、足のツリの痛みに襲われることが多くなったので、今回寝る前に試してみる。

もうひとつはモンベルの不思議なサンダル。軽くて薄くて収納しやすい。これなら小屋から外へ出ると時、電車やバスで移動の時も便利そうだ。非常食はどんどん美味しくなるし、衣類は機能性が高まっていくし、山グッズの進化は驚くばかり。後は体力だけ。これが課題。


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大草原にポツンと立つ黒部五郎小舎。夜空が楽しみ


*忘れていました〜、本日私めの誕生日でした〜 m(_ _)m


梅雨明け


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梅雨は空けたのだろうか。じわじわっと暑くなってきた。今年は、長く潤いのある日々が続いた。ジメジメとした梅雨を疎ましく思っていたが、慣れれば酷暑よりも好いのかもしれないと心変わりも・・・これは加齢のせいなのだろうか。

大仕事が終わると、気持ちは少しずつ山に向っていく。久々の北アルプス三千メートルを闊歩する。否が応でもテンションが高まり、気圧配置が気になってくる。

ボッカさん


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尾瀬の木道を歩いていると、腕を組みながら重い荷物を背負って歩いているボッカさんに出会うことがある。尾瀬の小屋で必要な食料や燃料、日常品を目一杯担いでいる。ハイカーは彼らにひと声をかけて、道を譲る。ボッカさんは尾瀬の英雄なのだ。彼らなしで尾瀬の小屋は回っていかない。

力持ちのボッカさんであれば100キロを担ぐ。賃金はキロ100円というから、100キロの荷物を運ぶと約1万円。背負子に独特の積み方。より高い所に荷物の重心を置く。よくこれで傾かないものだと感心する。
この日は湿度100%。休んでいる彼に、ご苦労さまと、ハイカーは声をかけて通り過ぎて行く。


森林公園


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雨天結構ということで、先週末、ORMACは埼玉県の森林公園のハイキング。ここは東京ドームの約64倍広さをもつ大公園。湿度ほぼ100%の中を歩くもの好きは少ないわけで、すれ違う人はほとんど無しの貸し切り状態。おじさん&おばさんは、汗をしたたらせ2万歩以上を歩きました。


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ムシムシ 虫


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ムシムシすれば、ムシムシと出てくる。森林公園で1本のクヌギを見つけた。近寄ると樹液の出ている箇所でカブトムシとカナブンが食事中。美味しいんだろうなあ、警戒心がまるでない。しばらく待つと、クワガタやヒカゲチョウの仲間、そしてスズメバチもやってくるかもしれない。少年時代は、樹液の出る木をしっかり覚えて、毎年夏になるとせっせと、友人たちと虫取りに励んだ。


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至福の至仏


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パネルデザインの仕事をようやく終えて、友人Sとの山行。こんな幸せなことはない。至仏山では多くの花に会え、下山後はゆっくりと温泉につかり、朝もやの森を散策し心を和ませた。
梅雨の時期、期待を大きくしなくても、思いがけない発見がある。


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紅く染まっていたナナカマド

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サラサドウダンの花

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警戒心のないイワヒバリにしばらく話しかけた

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至仏山の花


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至仏山の標高は2228メートル。湿原から続く一本の山道に沿って山頂まで、さまざまな花が咲いていた。まずはウスユキソウ(エーデルワイス)。例年になく多いのではないか。珍しい花も発見した。食虫植物のモウセンゴケ。岩陰で1センチにも満たない大きさだったが、触手の先に雨粒をつけて獲物を待っていた。


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この時期の雨は花にとって大切な恵み。それぞれの色やカタチを創り上げていく。それにしても種類が多い。目を凝らして探せば、この倍以上の花が見つかったかもしれない。

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ハクサンチドリ

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コイワカガミ

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ハクサンイチゲ

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シナノキンバイ

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オゼソウ

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タテヤマリンドウ

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ハクサンコザクラ

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ハクサンシャクナゲ

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イワイチョウ

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ウスユキソウ

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イワシモツケ

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ギンリョウソウ

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花が終わったチングルマ

尾瀬の花


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コバイケイソウがスッと立っていた


ガスで眺望が失われても、高山植物を楽しむことができた。雨をうけて咲き誇る花たち、愛らしくどれも健気。小さな花ばかりなので、しゃがみ込んでばかり、なかなか前に進まない。「花の百名山」には、この至仏山が入っている。

湿原を代表するニッコウキスゲは、鹿の食害で激減。時おり数本を見かけたが少ない。一面がオレンジ色だった頃が懐かしい。それでもタムラソウ、レイジンソウ、ヒツジクサ、コバイケイソウ、サギスゲなど、初夏を代表する花が見られてよかった。


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タムラソウ

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ヒツジグサ

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サギスゲ

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ユキノシタ

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ヤグルマソウ

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ポツンとニッコウキスゲ

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ニガナだろうか

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レイジンソウ

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オダマキ

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アマドコロ

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半夏生のようだけど・・・


至仏山


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五合目までは湿原と木道が見えていた


友人のSと群馬県の至仏山に登ってきた。もしかしたら雨が上がり、花の百名山らしく多くの花を愛でることができるかもしれないと淡い期待をもって、尾瀬の玄関口、鳩待峠(はとまちとうげ)から山の鼻を目指した。

平日ということもあって登山客の姿は少ない。一時間ほど山の鼻まで下って、そこから約800メートルの登り。今回で三回目の至仏山、前回もキツい登りだったが、やはりバテた。一番は高い湿度だ。そして急登一直線の山道。本来なら振り返るたびに尾瀬湿原が見渡せるはずが、ガスが流れてきて全貌が分からなくなっていった。

つまらんのう〜と愚痴る。頂上を見上げてもガスの中。どれくらい登ればいいのか分からない。三時間のコースを一時間近くオーバーしてトーチャコ。山頂からは時おり青空が見えるのに下はガスっていて、高度感無し。ただ花たちは、雨を受けながら健気に咲き誇っていた。


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巨木


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雨が上がった昨日、新宿御苑の樹々は、たっぷりの雨を吸ったせいか緑の色が深く、どっしりとしていた。吟行歌会のメンバーは八人。ボランティアガイドの方に苑内の巨木案内していただいた。

新宿門を入って右手に大きなモミジバスズカケの木がある。ゴツゴツとしたぶっとい幹廻りに圧倒される。ガイドさんに勧められ、抱きついていると不思議な安心感に包まれる。フィトンチッドが降りてきているのかもしれない。

ヒマラヤスギ、ラクウショウ、メタセコイア、ケヤキ、プラタナスと苑内の巨木について、それぞれの特長やエピソードを聞きながら、歌の草案を始めていった。
生まれた歌がこんな。

百年を生きた巨木は
誰かに似ている
自由で
孤独で
太っぱら

蝶道


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小学生の私は、昆虫少年だった。五年生の夏休み、藻岩山の麓でアゲハを追いかけているときに、大きな捕虫網を持っているお兄さんから、捕えたばかりのカラスアゲハを貰った。
いいんですか?と訊ねると「羽に傷がついたからいいよ」と言った。

動かずに蝶を待っているお兄さんを不思議に思い、なんでここで待っているんですか、と尋ねた。すると「見てごらん、木の間からアゲハが飛んでくるから」「蝶道といって、ここは蝶の通り道なんだ」。お兄さんは、大きな捕虫網をさっと動かして、飛んでくるカラスアゲハを次々に捕まえ、三角紙に収めていった。その見事な技に、目を奪われた。

いつか大きな捕虫網を買ってもらい、ここでアゲハを待とう。それは叶わなかったけれど、蝶道という不思議な言葉は、人生のいくつかと重なった。
決められた道を飛ぶしかないアゲハ・・・。こんな歌をつくった。

蝶には
蝶の道がある
蝶道
ときとして
捕らわれるための


蛇の目傘


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こちらジャノメチョウ

開くと蛇の目模様が現れる蛇の目傘は和傘の一種。最近はすっかり見ることが少なくなった。元禄ごろに始まったといわれ、明治以後はおもに女性が用いた。中央と周囲は青土佐紙、中間は白紙張りの上品な傘は、僧侶や医師が使っていた。いまは歌舞伎や粋向きの趣好品!?

甘味


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雨の日は、窓辺で甘いものと読書



五行歌展示会(2)


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週末、泣きそうな空を見ながら、可愛い恐竜君を連れて、新宿西口まで散歩。いろんな場所で撮影を試みる。終わったはずのデザインパネル一点をこの恐竜君に変えようと決め、いろんなポーズをお願いした。どんな五行が入るのか、彼は知らないのだ。

座り込んで撮影するおじさんを、おチビちゃんや恋人たちが、不思議そうな顔をして通り過ぎてゆく。きっと恐竜オタクに見えるんだろうなあ。


雨の神宮


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打ち合せの帰り、雨の神宮外苑を歩いてきた。雨の神宮といえば、昭和18年の秋、冷たい雨のなか学徒出陣があった場所。戦局が悪化し徴兵されないはずの学徒たちが集められ、ここから戦地に赴いた。学徒たちを鼓舞するあの音楽が一瞬流れた。あれから75年、神宮の森には新たな競技場が完成しようとしている。

見上げると、木と緑を活かした競技場。ここからではなく、ここへ、もうすぐ世界から若者たちが集う。


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学徒出陣

学徒出陣を見送る女学生の中には、茨木のりこ、杉本苑子さんらがいた。


ある風景


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詳しいことは分からないが、居住者は立ち退きを求められているのだろうか。問題は道路の陥没だけなのだろうか。建物の向うは神田川。陥没すると建物ごと崩れ、川へと落ちてゆく(はずだ)。
どこから読むと経緯が分かるのか、書き手はそんなことを考えてはいない。散歩コース難易度3くらいの場所に、この不思議な風景がある。


ハミング


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打ち合わせの帰り、地下鉄の車内で本を読んでいたら、小さな声のハミングが聴こえた。はじめは気に留めなかったが、駅についてドアが締まるたびに聴こえる。顔を上げると目の前の背の高い外国人男性だった。それがどんな曲なのかは分からないが、男性がハミング・・・なんか微笑ましくなった。

頭の中だけでなく、自分の耳でその曲を聴いてみたくなったのかもしれない。そう思っていると、銀座駅でその人は降りていった。
先日の歌会で、こんな歌を出していた。

君は誰を
僕はあの人を
深夜  小田和正を聴きながら
ふたり
秘密のハミング


梅雨に思う


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沖縄は梅雨明け、なのに九州から関西にかけ猛烈な雨が降っている。ここ数年、豪雨をもたらす線状降水帯が影響しているらしい。500mmの雨って50㎝だと知って、そして不安になってしまう。

メキシコでは「大都市で大量の雹(ひょう)最高で2m、押し流された車も・・・」の記事。どこでどんな災害が起きるか、いまや分からなくなっている。どうしたものか。東京はこれぞ梅雨といったお天気が続いているのだが。