2021年12月

佳いお年を〜


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一年間、歩キ眼デスをご贔屓いただきましてありがとうございました。
2022年もよろしくお願いいたします。

今年最後の歌は、ちょっとシリアス。

羨ましいな
堂々と
備蓄石油
アベノマスク
放出
    (汚染水)


水のこと


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未来はどうなるのだろう。新聞を読めば、水の不安が現実になっていることを知る。
つい先日、フィリピン、マレーシアで100年に一度の大洪水が起き、南米ブラジルで起きた洪水では、40万人以上が被災している。一方、イランでは大河が干上がり、水不足は深刻な政治問題に発展しているという。

水不足は、すでに中東、アフリカの各地で、近隣国との情勢不安の材料にもなっているし、アメリカの中西部の穀物畑でも大量の水を吸い上げてしまったため、地下水脈が枯れ始めている。

五年前のナショナルジオグラフィックの記事には、こんな予測があった。

 我々の食料のほぼ半分が、地球上の温暖で乾燥した地域で生産されている。そうした場所では、穀物に水を供給するために地下水の過剰なくみ上げが行われており、帯水層と呼ばれる地下の貯水層の水量が急速に減少している。最新の研究によると、今世紀半ばには、インド、パキスタン、ヨーロッパ南部、米国西部の広い範囲で帯水層が枯渇する可能性があり、そうなれば食料供給が打撃を受け、また18億人もの人々がこの貴重な水源を利用できなくなる。

食糧の不安はジワジワと始まっている。日本近海の水産資源の減少、小麦やバターなどの輸入製品の値上げなど、暮らしに響く問題は、環境への不安を増大させる。

環境問題は、経済問題、そして国際紛争へ繋がっていくのだろうか。

NHK「食糧危機が招く暴動の連鎖」の動画が未来を予測している。



冬山


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写真をクリックすると登っている人が見える!?


卓上カレンダーの写真候補を探していたら、こんな写真が出てきた。
10年ほど前に、山仲間と冬の八ヶ岳に登ったときのワンカット。硫黄岳までは雪の斜面をラッセルして上がったが、もうそこでギブアップ。主峰横岳と赤岳は、眺めるだけとなった。風が強く、覆っていた雲が面白い動きをしていた。

さっと晴れ上がった瞬間、雲が谷へと流れて、横岳山頂を目指しているパーティが見えた。思わず心で拍手。きっと冬山のベテランばかりだろう。彼らの誇らしい気持ちが伝わってきて、胸が高鳴ったことを覚えている。

今年はどこかを一つ登ってお終いにしたい。

加古隆


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クリスマスの夜、加古隆のコンサート「組曲 映像の世紀」を聴いた。彼のピアノに、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが入ったアンサンブルユニットで構成され、奏でられていく組曲に、NHKスペシャル「映像の世紀」のシーンを重ねた。

「映像の世紀」は繰り返し観ていた。人は、なんと愚かで、そして愛おしく、哀しいものだろうか・・・エンディングの曲が流れはじめると、思いはいつもそれに尽きた。

繰り返される殺戮、破壊は、苦悩と恐怖を、科学による進歩は、欲望、歓喜を・・・番組のテーマ曲「パリは燃えているか」は、この一世紀の人間の歴史を炙り出す。

加古隆は「ピアノの詩人」と呼ばれている。語りかけるような調べは、眠っている感情を揺さぶり、涙を誘う。静かな話しぶりとその声質にも音楽への崇高な愛情を感じた。


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Merry Christmas


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呑み終わって表通りに出ると、煌めくネオンと人の流れが、昔と変わりなくあって安心する。昨年末はほぼ閉まっていて、どの通りも静かだったなあ〜と独りごち。
第六波が近づいているらしく、もしかしたら呑めるのもこの年末までかもしれない。この三日間、待ってましたとばかりによく呑みました。

今日は休肝日。音楽を聴いて静かな聖夜を過ごします。


冬至


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家人から「今日は冬至ですよ」と云われた。
毎年、冬至という峠を越えると、希望が膨らんでいくような気持ちになる。それは幼い頃、誰かに聞いた温まる話をそのまま抱いたきたからに違いない。

「ほんの少しずつだけど、日が長くなってゆく」と、生前の母も明るく言っていた。

本格的な寒さはこれからだというのに、なんと呑気なことをと思っていたが、厳しい冬を超えていくためには、日が長くなるという甘やかな希望が必要だったのだと、今ならわかる。

こうした旧暦の慣習をこれからも続けていきたい。はたして母なる地球は、いつまで許し、見守ってくれるのだろう。


干し柿


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晩秋の里山の原風景の一つ、吊るし柿。こんな風景を見ると長閑な日本がまだ残っているようで、ほっとする。柿は、天日干しにすることで、渋さがなくなり、ほどよい甘さが出てくる。


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唐辛子は、苦手


ホットハウス・アース


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こんな風景は消えていくのだろうか


NHKの深夜番組、コズミックフロント「ホットハウス・アース 温暖化破局は回避できるのか」を見終わったら、無力感に襲われ、目が冴えてしまい、眠れなくなってしまった。

「ホットハウス・アース」、SF映画のようなタイトルだ。「温室と化した地球」になるかもしれない。いや、なりつつあるというもの。

地球温暖化が暴走の限界を超えた時、地球は「ホットハウス・アース」という酷暑の地球に化す。この破局を私たちは回避することができるのか? 様々な視点からシュミレーションし、報告されていた。

今世紀半ばまでに温室効果ガスの排出を実質ゼロにしない限り、温暖化が暴走する可能性があると専門家は指摘しているが、はたして、そんなに猶予はあるのだろうか。

分かりやすい話があった。
気温上昇により、北極、南極で氷河が解け、その白い面積が減っていく・・・太陽光を反射させることによる地球の冷却機能が低下する・・・気温上昇が促進する・・・海流の動きが鈍くなる、海の浄化作用が落ちる・・・二酸化炭素の吸収率が低下する、海面温度が上昇する・・・雨が多くなり気候変動が促進・・・水不足、食糧不足etc・・・???

別の番組では、10年後には食糧不足が日本でも始まると予想していた。コロナ禍で、すでに食事にさえ困窮している人たちがいる。

地球が暴走を始めると戻すことはできない。地球も火星や金星と同じような星になるのだろうか。

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今年は、ウニ、カニ、イカなどの漁獲が少ないというが・・・


針穴写真


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昼飯の後、ふと目に止まった針穴写真展を覗いた。写真レンズを使わない単純なカメラで、作品はどれもシンプルで温かい。そしてピンのゆるい写真が、懐かしい記憶を呼び戻そうとしてくる。

なんだろう。デジタルの超リアルな画像や映像ばかりを見ていると、モノクロームでややピンボケの写真がとても沁みる。ピンをあわせるのは受け手の作業ですよと云っているかのように。

当たり前の風景が、懐かしく思ってしまうのは、針穴写真の特長である、まん中周辺にだけピンがフォーカスされるからか。

針穴写真という手づくり感のある写真を眺めていたら、自分の作った歌をあわせてみたくなった。

ご自分で作ったという写真機を見せていただきながら、カメラマンの方とつい話し込む。

沢山の話を聞いているうちに、「どの作品も素晴らしいだけに、テーマ性を持たれるといいかと思います」などとアドバイスをしていた。 ( >_< ) 


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ポラロイドカメラが人気を復活させているとも聞くし、優しく語りかけてくるような針穴写真の世界がもっと広がるといいな、と思いながら会場を後にした。


熊った


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「熊出没注意」。高い山でよく見る看板のひとつだ。長い間、山を登っているが、いまだ熊には出会ったことがない。というわけで、見ても恐怖感なし。まして看板のある山では、多くの登山者が熊鈴を付けているので、熊は近づいてはこないと思っている。

ところがこの看板、高尾山の山中にあった。ついに人に見られてしまったか。昔から高尾山には熊がいることは伝えられていたが、夜行性なので人と接触することが少なく、騒ぎにはならなかった。

この看板が増えてくると、高尾山でも喧しい熊鈴を付ける人が出てくるかもしれない。あ〜やだやだと思ったが、まてよ、登山者が減るかもしれないぞ。


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北海道での単独行では、さすがに怖い


ケサランパサラン


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高尾山での休憩時に、ふ〜わりと大きな綿毛が飛んできた。誰かが「ケサランパサラン」と呟いた。謎の綿毛が現れると、そんな名前で呼ばれる。見つけると幸せになれると云う不思議な綿毛。じつは我が家の小瓶にも、ひとつ入っている。

オニアザミの綿毛だろうか。いや、種の大きさからして違う植物だろう。しばらく仲間の手の上で見つめられてから、風にのって飛んでいった。

調べないで「ケサランパサラン」と呟くだけにしておこう。幸せを運んでくるというのだから。

さよならは
はじまりのようだね
アザミの綿毛
空に呼ばれて
風とゆく


もやしそば


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インスタントラーメンも遂にここまで来たか・・・と、このもやしそばの味に驚いた。じつはこのラーメンとの出会いまでが可笑しい。

家人がスーパーで、ある風景を目にした。店員がインスタントラーメン入りの箱を運んで来ると、お年寄りたちが「これ美味しいんだよねー」と次々に手を伸ばしてカゴに入れ始めたので、慌てて一つ手にしたと云うのだ。エピソードを笑いながら聞いて、本当に美味しいんだろうかとレシピ通りの手順でつくり、口にすると・・・。

「これ、スゴいかも」。

思えば、今年は美味しいものをいくつか発見した。


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夏に丸永製菓の「あいすまんじゅう・和栗」に魅せられ、秋は門司・湖月堂の「栗饅頭」のまろやかな栗の味わいに舌包みをうち、そしてこの「もやしそば」。手の届く世界にも美味しいものがある幸せ。
このもやしそば、おススメです。


雑誌ナンバー


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野球選手の来期の契約金が話題になる季節。「五億円の現状維持で契約更改」なんてニュースが出ると、野球とはそんなに凄いスポーツなのかと思ってしまう。そんなお金が振り込まれてしまったら、どうやって使えば良いのかと悩んでしまうが、これはありえない話。

売り切れる前に買っておこうと久しぶりにナンバーなる雑誌を買った。今年の大谷選手の活躍がこと細かく網羅されているので、仕事が一区切りしたら読もうと決めている。たまたまなのか、発売日がア・リーグのMVPが発表された翌日だった。

様々な賞を得ても本人は、すでに次を見据えているようだ。再来年の年俸は、50億とも言われている。もう笑うしかない。

41年前、このナンバーの創刊号を買った。表紙画は、当時売れっ子のイラストレーター、空山基(はじめ)によるセクシーロボット。懐かしいなあ。独立をした年だった。


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時間割


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これは、和田誠氏による高校二年生時の似顔絵時間割。見たことのない各教科の先生たちの雰囲気を、じつに上手くを捉えている、と言いたくなる。手書きなので、同じ先生も様子が少し違っている。

ご本人曰く、高校時代は絵ばかりを描いて、ほとんど勉強をしなかったという。それが可笑しく伝わってくる作品で、すでにこの時期には、和田誠風の似顔絵が完成していたのだ。

ユーモアとセンス、サイコー。
六時間目の角刈りの顔、これは体育ではないかと想像したりして


想いの秋


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想いを重ねていた秋が、飛んでいきます。


和田誠展


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ふたたびオペラシテイを訪れ「和田誠展」を観てきた。圧倒される作品群。その領域と数、目が眩むほどだ。イラストレーターの他にも、グラフィックデザイナー、映画監督、作家、作詞・作曲、翻訳家、エッセイストなどの肩書を持ち、どのジャンルでも高い評価を得て、多くの賞を得ている。

ところ狭しと天井高くまで作品が展示されていて、全てをゆっくり鑑賞していたら一日では到底無理だ。二時間見終わっても約半分、椅子に腰かけ、彼の60年の人生を思った。好きであるということ。才能が溢れ出るということ。多くの人に評価されるということ。するとこうなるのか・・・。


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週刊文春表紙画30年、自身の著書だけで200冊、ポスター、絵本、マーク、装丁、レコードジャケット、カレンダーなど全てが和田誠ワールド。今後、これだけの作品を創出する人は出てこないのではないか。

観にきている層の多くは、学生?か若い人たち、もしくはオジさんオバさんだ。パソコンで何でも仕上げる時代にあって、和田氏の描くシンプルで優しいラインは新鮮そのもの。そして温かい。


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一休みをしてから、なんとか見終わった時には、外は暗かった。


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もう35年前、ドサ健、出目徳、よかったなあ〜


パイプオルガン


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新春の世田谷フィル・定期演奏会のフライヤーを創るので、東京オペラシティでイメージとなるパイプオルガンを撮影をした。照明を少し変えるだけでコンサートホールの佇まいが変わってゆく。タイトルや演奏家の写真の位置を想定しながら、撮影位置を変えてシャッターを切った。

新春にこのパイプオルガンが響きます。よろしければ、演奏会にいらっしゃいませんか。65歳以上の方100組200名様をご招待しています。詳しくはウェブかお電話でお申し込みください。

世田谷フィルウェブサイト/「メールでお問い合せ」からどうぞ。


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師走


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はや12月。新たな変異株が現れるし、コロナ禍の中、投機マネーによる世界的な食品の物価高がはじまり、インフレも進んでいるようだし。

世界のニュースを聞いていると「日本のようなインフレになるかもと・・・」と話す人が多い。えっ、日本はインフレが始まっているのか?知らぬは、日本人だけなのか。

どうなるのだろう〜〜 チャッポン〜


神田川


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昭和の名曲の一つだと思っている「神田川」。この曲を作詞した喜多條忠さんが亡くなられた。自らの体験をこの詩に込めたそうだ。切ないこの曲を聴くたびに、20代前半の日々を思い出す。週末、神田川沿いの友人のアパートに転がり込んでは、酒を呑み、麻雀をし、夕方になれば近くの銭湯に行った。

区画整理が進み、今近くを歩いてもどの辺りかも分からない。喜多條さんはこの碑の前に立たれたのだろうか。結びの「ただ貴方のやさしさが怖かった」の一行に、青春のひとかけらを感じてしまう。

「ただ貴方のやさしさが怖かった」。この言葉から連鎖するのは、上村一夫の「同棲時代」という漫画。幸せにしてやれない自信のなさを優しさでごまかす男とそれに気がつく女。そんなやり取りが描かれていた。

女性の手と紙飛行機のシーン。
窓際にもたれかかる女性の手から、紙飛行機がゆっくりと放たれる。アップのコマ送りシーンを眺めて、上村さんは天才ではないかと思った日があった。

喜多條忠さん、ご冥福をお祈りいたします。