2022年11月

足柄古道


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こんな里山の道が続く


日本山岳会では、創立120年の記念事業として「日本の古道120選」を掲げ、全国に埋もれてしまった山岳古道の調査を進めている。

ではひとつ、足試しにと一念発起して、神奈川県の足柄古道を歩いてみた。全てを歩くことはできないので、先ずは大雄山駅から金時山の麓の地蔵堂までの里山の道を選ぶ。


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ここまで約一時間〜
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歴史のある足柄神社の造りにしばし眼を奪われる

足柄道は古代から東西を結ぶ街道として発達し奈良時代には官道として整備された。足柄峠には万葉歌碑が集められた足柄万葉公園も整備されている。

道沿いにはヤマトタケル、源頼朝、徳川家康等にまつわる史跡が残る。江戸時代になると東海道の脇往還として江戸赤坂から駿河吉原を結ぶ街道として賑わった。現在でも宿場や関所跡、そして峠道に残る石畳に往時を感じる事が出来る。

駅で詳しい地図をもらい、細かい道を見逃さないようにと思って歩いたが、途中で道を間違えることがしばしば。小さな表記しかないところもあり、脇道をスルーしていた。

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緩やかなアップダウン、思っていた以上に古道の趣きが感じられた。これはハイキングコースとしてもいいのではないか。

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そして金太郎伝説があちらこちらに現れる

環境ポスター展(3)


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個人的に気にいった作品です。語りたいことは沢山あると思うのだけど、ポイントを絞り、印象的で、観た人が少し考えてみる、そんな風に語りかける作品に惹かれます。


環境ポスター展(2)


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こんなポスターを出品しています。気候変動による災害、環境変化、そして戦争と、不安ばかりが増えていくなか、人間はなぜ、過ちを正せないのか、コントロールできないのか。

報いをうける前に、自滅を選ぼうとしているのではないか。子どもたちの未来を思うと、こんなキャッチフレーズしか浮かびませんでした。

展示は、明日までです。よろしかったらぜひ覧ください。

2023 チャリティカレンダー展+環境ポスター展
11/24〜29(最終日は16時まで)
ギャラリー路草(みちくさ)
南池袋2−25−5 藤久ビル14階



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ニッポン


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サッカー、ワールドカップカタール2022。日本代表が優勝四回を誇るドイツ代表に逆転勝利した。これで、予選突破が見えてきた。ふだんそれほど熱を上げないサッカーだが、ラグビー同様、ワールドカップとなるとどうしても気持ちは高ぶる。

暗いニュースが続く昨今、それを吹き飛ばすような奇跡の試合展開に、ご近所からも大きな声援が聞こえてきた。娘からは「明日休みにならないかなあ、サウジアラビア見たいに・・・」
「えっ!」。
次は日曜日、七時からのコスタリカ戦、予選突破が見える勝利を期待したい。

環境ポスター展


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芸術の秋、というわけで、展覧会のお知らせです。今年も環境ポスター展にポスター1点を出品しました。「地球はともだち」をテーマに毎年秋に開催しています。
是非ご覧ください。


10名のデザイナー、イラストレーターによるカレンダー展もご覧いただけます。


カレンダーの売上の一部は、東北3県に寄贈いたします。

等々力渓谷


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ORHACのメンバーと等々力渓谷を歩く。ほんのわずかな渓谷のコースだが、ここが都内?と思ってしまうほどの静けさ。途中には、滝や日本庭園、不動尊、展望台、茶店などがあって小さな秋が楽しめた。

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立ち寄った日本庭園に竹林があった。まっすぐに延びる竹に、光が射してさらに青く美しい。水上勉が、エッセイのなかで「竹には音を吸収する力がある」ということを書いていた。なんでも竹の空洞が音を吸い込むのだと。だからか、賢人の庭やお寺などに竹林があるのは。

渓谷が抜けた先には多摩川が待っていた。堰堤を歩いていくと二子玉川駅。ハワイのショッピングセンターを思わせる駅南口辺りを散策する人たちは、若い世代ばかり。
高齢者がいない。。いるのは我々だけか?


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ベビーカーと愛犬と若いカップル。ここは、時代と逆行している街なのだ。

トレラン


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正しくはトレイルランニング。さまざまな未舗装路を走ることで、ハイキングコースや登山道を利用する今人気のスポーツだ。

ということで、山登りを楽しんでいると上から、下から「すいませーん」とやって来るので、つい道を開けることになる。

昔は「お〜頑張ってるね〜」などと声をかけていたが、最近は「特急が来ます」と云って、道を譲る。週末になると、頻繁に現れてくるので、落ち着かない。

人のいない丘陵を走ると、さぞ気持ちがいいだろうと思うのだが、高尾山のような山道で走られると、登山者が多いので接触、事故もありえる。どうしたものか・・・。

「いつか膝が痛むぞ〜」と言ってあげたいが、彼らは笑顔で「ありがとうございます〜」と駆けてゆく。

トウガラシ


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山を下りてくると不思議な果樹?を見つけた。遠くから見るとホオズキにそっくり。畑のなかに男性がいたので「これ、ホオズキですか?」と尋ねると

「世界一辛い、トウガラシです。触っても危険です」。辛いものがチョー苦手なので、思わず身構える。こんなトウガラシ、誰が口にするのだろう。

調べてみると「キャロライナ・リーバー」という種類。辛さ世界一で、あのハバネロでさえ世界10位というのだから、辛いもの好きな人が、もし口にするとどんな声を上げるのか。

ちなみにゴーグルなしで取り扱うと、失明するとも。柵が無かったので、もし子供が入ってきたら大変なことになるのではと心配になった。

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男性がゴーグルをしていたかは、覚えていない

夕焼け


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友人から送られてきたある日の夕焼けの写真。空いっぱいの夕焼けに、富士山とスカイツリーがピタリと収まっている。新しい家の眺望自慢、素直に羨ましい。

高層マンションが次々に建ちはじめ、空の景色を独占して、富士山も雄大な広い空もマンションの資産価値に組み込まれている。億ションはすぐに完売するという。

下駄を履いて眺めていた頃の夕焼けが懐かしい。あの日の茜色は、誰もの顔を染めていた。

ツルリンドウ


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「これはツルリンドウですね」。城山に続く山道で、写真を撮っていたら、年輩の女性が声をかけてきた。花を持ち上げてみると、スルスルと長い茎が伸びてきた。そうか、ツルリンドウだったのか。立冬が過ぎてもリンドウの花が楽しめるんだ。


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アザミが終わると蝶もいなくなって、山は寂しくなる。覚えられないキク科の小さな花がいくつか、秋の陽をうけていた。

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紅葉


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都心の紅葉も色付きはじめ、それなりに美しい。

上京した年の秋、紅葉がきれいですねと、誰かに言われて、驚いた。この色で紅葉と云うのか?錆び色、薄茶色の木々を仰ぎながら、違うだろうと思った。燃えるような北海道の紅葉の比較にもならない。

歓喜するような色こそが紅葉だと思っていたから、東京の秋をどう受け止めていいのやら。春からいくつも寂しい事が重なっていたので、くすんだ木々の色は、気持ちを重くさせた。

その後、東京で歳を重ねて、鈍色の木々の美しさもそれなりに分かるようになった。そして似たような色合いのフランネルのシャツを好んで着ていることにも気がついた。

久保敬親さん


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写真:久保敬親氏


午前中に中標津の写真家、久保敬親さんの奥様より電話が入った。「NHKのウェブに記事が載りました。そして明日、先日受けた取材が、道内のNHKで放映されるようです」。

動物写真家の久保さんとは、事務所が近いという事で交流が始まったのは、30年も前。鳥の写真をお借りしたり、新潟のお酒をいただいたりと、ラフなお付き合いをしていた。

小さな頃から、虫や鳥、動物、自然が好きなこともあって、久保さんの撮る動物たちと背景の自然に心を奪われた。この写真家の待つという時間は、どれほどなのだろう。
一匹のキタキツネの写真を見ながら思った。

思えば、星野道夫の写真の前でも、同じ事を考えていた。ずいぶん経ってから、二人が友人同士である事を知る。久保さんが「いつか星野くんを紹介しますよ」と言った。お二人への親しみがさらに募った。

三年前、久保さんが突然、肺がんで他界された。熊のような人も死んでしまうのか。
微力ながら、久保さんの写真を多くの人に伝えていければと思っている。

久保さん仕事が「ほっとニュースweb」で紹介されています。


巨樹


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先月の道東の旅で、原生林を歩いていると巨樹に出会った。樹類500年を超えるというミズナラだ。100年前の開拓時代には、多くの木が伐採されていく中、枝を四方に伸ばしていたために、利用価値が低いとみなされ、切られずに残ったとプレートにあった。

幹から伸びる二つの太い枝は、まるで伐採を拒むかのような両手にも見えて、迫力がある。

日々、移り変わりの烈しい時代を生きていると、500年もの間、じっと森の静寂の中で生きてきたこの樹と出会えたことに、感謝と深い敬意を覚えた。

眺めていると、あることを思った。素直にすくすくへ伸びていくよりも、アンテナをいくつも張って、広い世界をゆっくり見つめながら成長していく、そんな生き方もあったのではないかと。

*アイヌの人たちは、三又の樹には、神様が宿るとして崇めていたようです。

ビーバームーン


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今日は、月カレンダー15.0の満月。名前も付いていて「ビーバームーン」。アメリカ先住民の言葉で、ビーバーの冬ごもりの季節、毛皮にするための狩猟の時期ということで、そう呼ばれている。

そして皆既月食も重なる。夕方から月に地球の影が映り、赤くなっていく。空に浮かぶ赤い月を眺めながら帰ろう。

秋空


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ようやく空が高くなった。気持ちが晴々とする。この空のはるか向こうに、戦争があるのだろうか。ミサイルもドローンもこの空を飛んではいけない。そう願う。


染みる夜汽車〜♬

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信州の友人カメラマン、嵐太さんの季節がやって来ました。
この染みる夜汽車、☟ここをポチして、100番に一票を入れてください。

https://www.nhk.or.jp/nagano/torushin-cal/select-vote.html

きっと素敵なカレンダーが届くはずです。

三ノ輪商店街



久しぶりに都電に乗って、早稲田から終点三ノ輪橋の一つ手前駅で下車し、三ノ輪商店街の入口に立った。

写真は、文化の日、午後2時半の三ノ輪商店街である。記憶の街とはまるで違う。かつての面影はどこへやら。

お店からは食べ物の匂い、焼き鳥を食べながら歩く人、外で食事をしている人、買い物袋を抱えて歩いている人で一杯だった。それが、今ははるか向うの三ノ輪橋の出口まで見える。

シャッター通りと一言で片付けるには、あまりにも哀しい。ここにはいつも人の温もりがあった。笑い声がアチコチから聞こえるいかにも下町らしい空気に包まれていた。

ポツンと開いているお店の人たちが寂しく見える。開いている店に立ち寄り、ミカン、焼鳥、パンを買った。小さなミカンは甘く、ハツと砂肝はビールに合い、数十年ぶりに口にしたジャムパンは、懐かしい味がした。


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住んでいる街がどんどん変わっていく。人手に渡った大きな敷地は、マンションになるか、切られた羊羹のように、数件の家に生まれ変わる。商店街が消え、庭も消えて、直線の街になり、人間だけが、古くなっていく。

深大寺


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深大寺の参道にはお茶屋さん、蕎麦屋さんが並ぶ。ブームに乗る店がある。ゲタを乗せる。ぺんぺん草を乗せる。看板を傾けてみる。
商売繁盛の発想が素晴らしい。