2010年3月

プリンセス雅

昨日の和テーストの大島桜とは違い、艶やかな雰囲気をもつ桜がこの「プリンセス雅」です。花は垂れ下がるように開いています。調べるとカンヒザクラと他の種類の交配による品種で、皇太子妃の雅子様にあやかって命名されたとあります。となると星の形をしたガクは、プリンセス雅の特徴といえるかもしれません。青空と明るい日差しのなか、鮮やかさを増したピンク色の花びらと星形のガクが降ってくるようです。


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中野区役所の玄関前に咲いていました。



大島桜

もしかしたらと思って近寄ると、やはり大島桜でした。ソメイヨシノが満開の頃、この桜の涼しげな佇まいが、凛としている貴婦人ように見えて好きになりました。遠目に見る花びらがほんのり緑色に見えるのは、葉の色が映るからでしょうか。桜餅は、この桜の若葉を塩漬けにしたものです。
花言葉は「優れた美人」「精神美」


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メジロが蜜を求めて飛んできました。

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こちらは数日前の札幌。蝦夷松にスズメです。


名残り雪

東京はサクラが咲き始めたというのに、札幌の大通公園前はまだこんな状態です。三日間の滞在中、窓の外はいつも小雪が舞っていました。陽が出てきたかなと思うと、ふたたび雪が舞い始め、ひどい時には裏山が見えなくなるほどです。一年前、斎場から火葬場に向かう道路には砂埃が舞っていたので、今年の雪解けはたしかに遅いようです。 


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手前の雪の塊は、雪祭りの像を壊した跡です。

  

アネモネ

アネモネは、キンポウゲ科の多年草で和名は「ボタンイチゲ」といいます。語源はギリシャ語で「風」を意味していて、英名も「wind flower」。色の種類が多く、一重から八重咲きまで様々な園芸種が栽培されています。いつも歩くコースに沿って、プランターで栽培されていました。

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花言葉は「期待」「はかない夢」「薄れゆく希望」「恋の苦しみ」



★明日から札幌に行きますので、三日間お休みします。

ミモザ

ミモザはメルヘンチックな花です。五年ほど前、風に吹かれ、うねるように揺れているミモザを見て、すっかりとりこになりました。高さ5メートルほどの木に、こぼれ落ちるほどの黄色の房がついていました。よく見ると黄色の線香花火かポンポンのようで、なかなか愛らしいのです。葉はネムノキに似ていて細長く、花との組み合わせも新鮮です。調べてみるとアカシアの仲間で、観賞用の種類とありました。女流画家三岸節子の作品のひとつに、丘すべてがミモザという印象的な絵もありました。思い出の多い春の花です。
花言葉は「豊かな感受性」「感じやすい心」「プラトニックな愛」


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女性のアンケートでは、貰ってうれしい花の上位にあります。 



オッタチカタバミ

いよいよ桜の開花が始まりました。この暖かさで神田川沿いのいくつかの蕾がはじけ、両岸の並木はいまにも桜色になりそうです。さて桜の下に目をやると、あまり目にしない花が咲いていました。クローバーに似たハート形の葉と黄色の花が可憐にマッチしています。調べてみると「オッタチカタバミ」という北米原産の帰化植物です。日本のカタバミとは違い、立ち上がるのが特徴のようです。それにしても「オッタチ」とは面白い命名ですが、他の名はなかったのでしょうか。


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花言葉は「恋の訪れ」「祝福」「輝く心」





野イチゴ

通り過ぎてから気がつきました。もしかしてと思ったらやはりイチゴの花。周りを見るともう小さな実の形になっています。薮の中から顔を出していたのですが、ここを通る人は、赤く色づいてからイチゴに気がつくかもしれません。以前苗を庭に植えたところ、どんどんランナーを伸ばして増えていき、初夏には毎日のように真っ赤なイチゴを収穫することができました。
花言葉は「尊重と愛情」「誘惑」「甘い香り」


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新宿西口公園の薮の中から顔を出していました。


フキノトウ

フキノトウを見つけました。今年の第一号です。ビャクシンを見た後、建長寺の裏手に廻ると展望台に続く土手にありました。山菜キラーは見逃しません。雪解けの前に顔を出す、春最初の山菜です。フキノトウはフキの花の蕾で、苞が重なっている頃が旬の味として楽しめます。香りと独特の苦みを思い、手を伸ばしかけましたが、ここはお寺さん。写真だけを撮りました。

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成長が早くすぐに花が開いてきます。



明日からの三連休、ISS(国際宇宙ステーション)が楽しめます。
http://kibo.tksc.jaxa.jp/letsview/visibility1/tokyo/index.html


ビャクシン

鎌倉の建長寺の三門をくぐると、幹廻りが約6.5メートルもあるヒノキ科のビャクシンが鎮座するように立っています。「かながわの名木100選」のひとつで、建長寺の創建後に中国から持ってきた種子をまいたとあります。樹齢を重ねているだけあって、幹のねじれがムンクやダリの絵画にみるような、ユーモラスな顔の造形を作っていて、ちょっと笑えます。


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ユキヤナギ

桜の頃になると、このユキヤナギ(雪柳)も白い花を広げていきます。遠くから見ると細かい雪がびっしりと付いているようで、この名前の由来がよく分かるというもの。五弁の花びらはナシの花にも似ていて、ちょっと発見です。手をかけなくても、毎年どんどん成長していくようです。
花言葉は「愛郷」「愛らしさ」「懸命」「静かな思い」


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バラ科の落葉低木。日本が原産といわれています。



ハクモクレン

初春の花というと、なぜかモクレンやコブシをイメージします。何れも白い花と思っていたらモクレンには赤紫のモクレンがあり、これを「シモクレン」というそうで、そうなると白色は「ハクモクレン」と呼ばなければいけない。木蓮は昔、蘭に似ていたので「木欄(モクラン)」、今は蓮の花に似ていることから「木蓮」と呼ばれるようになったそうです。山頂の雪が解ける頃、この白い花が咲くと、辺りは浄化されたような風景になります。


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大銀杏

鎌倉の鶴岡八幡宮に足を踏み入れると、なにやら人だかりなので近付いてみると、倒れた大銀杏の移植作業でした。危険とはいえ周りを幕で囲み、神事のような作業風景なのです。それにしてもチエンソーの響きは、根の部分を次々に切っているようで、なんとも痛々しい限り。専門家の見通しでは、なんとか根付いて育つのではないかとありましたが、立派な大銀杏になるまで地球は健康でいられるのかと、今度はそちらが心配です。


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幹廻り約7メートル、幹の上に人が乗ると小さく見えます。




カモメ

久々の好天に恵まれました。打ち合わせに行く途中、八丁堀の橋の上で鳩ならぬカモメがのんびりと日光浴(たぶん)をしていました。海に近いせいか、ときどき橋の上をカモメが飛んでいきます。カモメは川沿いを遡上するのでしょうか、以前神田川の上流で見かけたことがあります。春の空にカモメか〜と、しばらく眺めていたら約束に遅れそうになりました。


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一羽が攻撃を仕掛けてきました。場所を取ろうとしているのか!?


菜の花ロード

昨日の歌会で「桜並木の足元は 菜の花ロード・・・」という歌が詠まれていましたが、桜並木下の土手でも菜の花が満開です。見慣れているとはいえ、電車が通るたびに揺れる姿は、なんとも心が温まります。黄色は目立つだけでなく、日だまりのような安らぎと明るさがありますね。二三本いただいて大振りの花瓶に活けると、ど〜んと元気になりそうです。


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電車が通るたびに、右に左にと忙しそうです。


桜咲く

線路脇に続く桜並木。JR中央線の桜の名所のひとつですが、なぜか一本だけが満開でした。そこは明大中野高校の正門前です。ソメイヨシノより早く咲く種類のようで、まるで合格発表にタイミングを合わせたみたいです。
あと一ヶ月もすると、新幹線から思わず富士山を眺めるように、中央線の乗客らはしばし窓にくぎづけになります。


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満開になると、窓からの顔も満開です。


東京スカイツリー

錦糸町駅に続くコンコースで写真を取ってる人たちがいました。カメラの先を見ると曇空に東京スカイツリーがそびえています。300メートルを超えたと聞いていましたが、離れているせいか高さが実感できません。近くまで行ってみました。まだ半分とはいえ首が痛くなるほどの高さです。東京下町の新名物になるらしく、周辺施設の敷地もかなり広いようです。取り残されていく東京タワーはこの先どうなるのだろうと、昭和のシンボルを思いました。


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きっと雲の多い日は、下界が見えないんだろうなあ〜



仮面舞踏会

雨の日となった週末、錦糸町駅すぐの「すみだトリフォニーホール」でのクラシックコンサートを楽しみました。曲目は「春初めてのカッコウを聞いて」バレエ組曲の「ロミオとジュリエット」。そしてフィナーレがワルツ「仮面舞踏会」。指揮者は「本当は金メダルを皆さんと一緒に祝う予定でした。でも銀メダルも立派です・・・」と話をしてから、ゆっくりと指揮台に上がりました。タクトが振られ荘厳な演奏が始まりまると、頭の中でバンクーバーの真央ちゃんが滑り始めました。やがて客席の空気から、誰もが真央ちゃんをイメージしているような雰囲気を感じました。

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トリフォニーホールは、パイプオルガンのある大きなホールです。




エアープランツ

深いシラビソの森を歩いていくと、樹皮にさまざまな植物が付着していることに気づきます。樹皮からのわずかな養分や空気中の水分を吸収して生育する不思議な植物たち、エアープランツと呼ばれる仲間でしょうか。コケのような種類や緑色をしたのキクラゲに似ているもの、糸状のものなど実に多様です。こうした植物が育っている森を見ていると、ここでは時間がゆっくり流れているのだと感じてしまいます。

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藻のような植物は、北方の森にいくほど多く見られます。

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春、陽が差してくる森を想像してください。



ニホンカモシカ

前を歩いていたTさんが突然声を上げた。前を見ると、黒っぽい色をした動物がゆっくりと森の奥へ歩いていく。ニホンカモシカだ。昨年の秋に見たものより体が小さく色が濃い。ニホンカモシカは、人に会っても慌てて逃げることが少ない。今回も振り返りながらゆっくりと草を食みながら消えていった。どうやら特別天然記念物であることを分かっているらしい。


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慌てて撮ったのでややピンボケ。


アイスキャンディー

硫黄岳から無事生還すると、小屋横の青い氷壁の前に、ヘルメットを被った山屋さんたちが集まっていた。名物のアイスキャンディー(アルパインクライミング)のスタートが間近だった。氷の壁は、氷点下の日に支柱の上からホースで水を何度もかけられて形になっていく。この氷壁を手にしたアイスアックスと靴底のアイゼンを氷に打ち付けて登るスポーツがアルパインクライミングだ。試合は登頂までのスピードで決められる。スタートの号令とともに韓国の選手や女性クライマーが、次々とトップスピードで登っていく。時おり支点となる箇所から氷が音を立てながら落ちていく。このスリリングさは、もうひとつの冬期オリンピックだ。


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青い氷を見ていると恐怖感が生まれてきます。

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オーバーハングの壁も設置されています。

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大きな虫が登っていくみたいです。

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各コースでタイムを競うようです。



八ヶ岳−2

一夜明け、夜中吹いていた風は収まり、朝食が終わる頃には雨も止む。天気の状況から主峰赤岳を眺望できる硫黄岳にアタックすることが決まり、全員がアイゼンをはめ、ピッケルをもって小屋を出る。天気はめまぐるしく変化する。硫黄岳に伸びる尾根に着く頃から天気は回復に向かうが、時おりの風は依然強い。目指す予定だった赤岳が雲間からその急峻な姿を見せる。太陽の光が雪に反射して眩しい。このままだと雪目、雪焼けになりそうだ。しかし晴れ間もわずか、再びガスがかかってきたので、急ぎ尾根を注意しながら登り始める。少し離れると前のメンバーが見えなくなる。酸素が少ないので喘ぎながらゆっくりと歩を進める。30分後に硫黄岳(2760m)に登頂。見通しの悪い中、記念撮影とコッフェルで沸かした熱いコヒーを飲んで、全員の登頂を祝った。

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樹氷で光るダケカンバが歓迎してくれる。

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横岳付近の向こうには、溢れるような雲が見える。

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遥か彼方に主峰赤岳が見え始める。

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横岳の尾根を登るパーティが小さく見える。

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温が上がり、モンスターが解けはじめている。

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ガスがかかりはじめメンバーが時おり見えなくなる。

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硫黄岳山頂。ガスがかかり太陽が不思議に輝いている。

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いつもながら帰る頃には晴れ上がります。





※明日は、天気が好ければISS(国際宇宙ステーション)が東京上空で確認できます。くわしくはここで↓

http://kibo.tksc.jaxa.jp/letsview/visibility1/tokyo/index.html

八ヶ岳

10ヶ月ぶりの八ヶ岳山行は、雨の予報が出ているので男5人のパーティーはやや意気消沈気味です。天気が好ければ二日目に主峰赤岳をアタックする予定なのですが、夜には雨と風が強くなりそうなので、小屋に着いたらもう飲むしかないと話しながら、それぞれが持参してきた酒の種類と量を確認。雪と氷の山道を一列になって登り始めます。今日は標高2300mの赤岳鉱泉小屋まで。宿泊客は約20名と少ないのでゆったりとした夜が過ごせそうです。


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登り始めすぐに看板があります。八つの山があるから八ヶ岳です。

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花の化身の名は、セリ科のシシウドか。種が沢山ついています。

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山小屋までは、コメツガとシラビソの森が続きます。

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宿は赤岳鉱泉小屋。彼方に阿弥陀岳が見えています。

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夕飯はステーキ!山小屋では初体験、興奮してピンボケです。