茨木のり子展



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不思議、手に取るパンフの表情が変わる



茨木のり子に会いに、世田谷文学館に行ってきた。品格、人格にとんと縁のない我が身にとって、茨木のり子の言葉は、こんな医療があるのかと思うように、気がつかなかった傷口を見つけ、じわじわと癒していく。一年前、やはり花の頃、ここで寺山修司展で作品を見ていた。あの時もそうだったが、一つひとつの言葉を見逃さぬように、確かめるように、刻むように読んでいる人たちがいる。静かな会場なのだが、絵画展とは種類の違う空気の濃密さを感じた。

群れることをせず、凛とした生き方を生涯貫いた茨木のり子。その詩と文章は、不安を抱えている私たちに、いくつかの示唆と勇気を投げかけてくれる。自分探しの旅に悩んだり疲れたとき、彼女の詩は、きっと心地のよい椅子と渇きを癒す水になってくれると思う。


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