烏の行水


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烏の行水とは、入浴時間がきわめて短いことのたとえである。それは本当か?堀に集まったカラスたちをじっと観ていた。

スッと一羽が下りてきて、浅瀬からヨチヨチ歩いて水浴びをする。バタバタ・・・確かに短い。でもこの季節ならそんなものか。水浴びを終えると、スペースを譲って浅瀬に移動するか、もしくは堀の上へ。順番は序列なのだろう。何羽かが壁面に止まって、ジッと待っている。一羽がジャブジャブと派手な水浴びを何度も繰り返していた。どうやら、ことわざ通りではないようだ。

水浴びを終えたカラスの羽は美しい。光の加減でときどき青く輝く。これを濡羽色いうのか。日本の伝統色にあるあの色だ。


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