青蛾


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昭和50年代、新宿三越の裏通りにひっそりあった喫茶店「青蛾」


散歩しいているときに、見覚えのある文字に目がいった。「青蛾」。新宿三越の裏通りにあった懐かしい喫茶店の名前だ。昭和50年代、髪を伸ばしてジーンズをはいて、コーヒーを飲みながら、長々と本を読んでいた喫茶店。木造二階建てのやや薄暗い店内は、大正のモダニズムの匂いがあった。竹久夢二の絵が飾ってあったり、置かれていた壷や出されるコーヒーカップが古いものであることは、何となく分かっていた。

年輩のご主人は、少し大きな声を出すと必ず注意にやって来た。常連は当然知っているから店はいつも静かで、若者たちはじっと本を読んでいた。夏なんか冷房がないから、扇風機が回っていた。そういえば、音楽もかかっていなかった。誰もが、取り残されたような空間に身を置いて、心を休めていたのかもしれない。

新しい店は、先代の娘さんが切り盛りをしているらしい。いつかふらっと入って、コーヒーを飲みながら青春時代を思い出してみよう。


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いつかここの扉を開けよう


コメント

 「青蛾」とても雰圍氣のある感じの喫茶店ですね。新しいお店もお父さんの何かを受け繼いで居るかも知れませんよ。
 段々かふ言ふお店は少なく成って行きます。銀座の伊東屋の裏手に昔「赤れんが」と言ふ喫茶店が有ったのですが、そこの主人も少し變人でしたが、僕は變人同士で氣が有ったので、よく入り浸って居ました。音樂や芝居が好きで、クラシック、ジャズは勿論、清元、常磐津等の古い物等もテープにして保存して居ていつでも聞かせて呉れました。
 矢張り常連が居て、歌舞伎座が近いので、裏方や清元連中も飲みに來て居て、その月の芝居の出來など話合ったりしました。レコードのジャケット専門の寫眞家も居て、金子由香利のジャケットを作った時の話なんかも聞かせて呉れました。
 残念乍ら、そこの店主が僕より若いのに、糖尿病で亡くなってから、店仕舞ひしてしまひました。

A)
仕事場、そして自宅付近に
行きつけ喫茶店は、いくつかありましたね。

伊東屋の裏なんて、良い場所です。
銀座がもっとも銀座らしい頃、大人が楽しめるところが沢山あったのですね。
趣味での関係なんて、一番じゃないでしょうか。
来ていた友人たちは、今どうしているのかな・・・と思います。

青蛾、また報告いたしますね。

2017年9月11日 12:48 | 雅蘭洞英齋居士

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