2018年9月

空木岳(4)


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初夏の空木岳は、沢山の花で彩られるが、今はもう最終章。散りかけていたり萎んでいたり、実を付ける花はそれぞれにと、季節の移り変わりを感じさせる。夏の終わりの山行は、不思議な佇まいというか移ろいがあって、なにか沁みるものがある。


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花言葉のようにリンドウの花は散らないのか

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シラタマノキの実

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トリカブトを見つけた

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ゴゼンタチバナの実

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セリ科の仲間

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オオカメノキの実は鳥に!?

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なんだろう、ハッカのような爽やかな香りがした

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1000m地点に赤い実を付けた樹が

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森に静けさをつくるサルオガセ


山登りは、歩いている時間が長い。今回はとくに標高差もあったので、かなりの負荷を体にかけてしまった。ダメージは下山途中からで、両足の親指に豆ができ、かがとの上アキレス腱辺りの皮も剥け始めた。それでも下りなければならない。相棒のTさんも両太腿が痛みだして、休む回数が増えた。

なんとか2000メートルを下りきって、アイシングなんだろうなあと思いながら、温泉でふくらはぎと太ももをマッサージ。風呂から上がって体重計に乗ると3キロ減。おお、よくがんばったなあと、腹を撫でながら独りごち・・・

足の筋肉痛は二日目から始まったが、今は心地よい痛みになった。
空木岳の山頂から眺めた南アルプスの山々。塩見、荒川、赤石、聖、光、いずれも未踏峰の山だ。Tさんが別れ際に言った。
「来年の夏までにトレーニングをして、一緒に行きましょう」。
さて、どうなるかなあ。


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山ガールの台頭が凄かった


空木岳(3)


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小屋の前から空木岳を眺め、別れを告げる



二日目、素晴らしいお天気になった。もう下りてしまうのかと思うと、残念でならない。朝食は、広いカールのどこかで食べようと決め、下山を始める。山との別れの儀式は、何度も振り返ること。また来るぞとは言えなかったけれど、ありがとうの気持ちは込み上げてきた。


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この小屋におよそ50人が宿泊した(翌日には100人以上が宿泊したかも・・・)

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出発するとすぐに大きなカールが見えてくる

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一瞬、山頂が消える駒石辺り

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ここで朝食。小屋も豆粒ほどになった


下り始めると直ぐに二人の若者とすれ違った。リュックが小さいから、この下の非難小屋に泊っていたのだろう。軽快に山頂に向かっていった。空木岳を眺めながらの朝食は、おにぎりと温かい卵スープ、それにチーズなど。風も気温もそして光も秋らしく、美味い、旨い、ウマい〜!
さあ、帰りはゆっくり紅葉と花を撮りながら下りよう。


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ナナカマドの実が紅くなりはじめていた

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雪のせいだろうか、ダケカンバがクネクネ・・・

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ここで空木岳とお別れ、樹林帯に突っ込む

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ダケカンバとナナカマドの秋の競演が始まった

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見上げたら見下ろしていたダケカンバ

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垂直に近いクサリ場、雨の日は辛い


こんなにたくさんの梯子と階段とクサリ場があったのかと驚ろく。まあ2000メートル下るわけだから、仕方がないか。樹林帯に入ると、山と空の景色が消えた。ここから8時間、山道だけを見つめて下りる。


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標高約1800m地点の池山尾根水場

ようやく1000m下りて水場に到着。標高約1800m地点。大量の汗をかいた。湧き出る水をガブガブと呑む。まだ1000下りるのかよ・・・でもそこには、温泉とビールとソースカツ丼が待っている〜。


空木岳(2)


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朝日がシュールな雲をつくりあげた



狭い山小屋の中は薄暗く、玄関には夥しいレインウェアが掛けられていた。それをかき分けて中に入り、宿泊の手続きをする。小屋の中を見渡すと、食事する人、すでに寝袋の中で目を閉じている人、リュックから荷物を出している人など、皆さん八時消灯を意識しているようだ。

片隅に置かれているテーブルで、Tさんと簡単な夕食を摂る。あまりにも疲れ過ぎて、食事が喉を通らないので、缶ビールで流し込む。咀嚼はできるが、飲み込む力が失せていた。食べておかないと体力が回復しない。
食べ終わる頃、数人が泊めてくださいと入ってきた。もう寝るスペースはないのではないか・・・

階段を登って狭い二階に上がると、イワシの缶詰状態。つまり頭・足・頭・足・・・と寝袋がビッシリ並んでいる。頭を踏みつけないように、跨ぎながら自陣まで抜き足差し足で向かう。久々の体験だ。いつも感心するのは、これだけ宿泊者がいるのに、殆ど声が聞こえないこと。それぞれが気を使い、少しでも快適空間をつくろうと努力している。

明日の予定をTさんと相談してから、オフにしていたスマホを眺める。こんな狭いところでももう一つの社会と繋がる不思議。ニュース、LINEを見ていると、Tさんの寝袋から寝息が聞こえてきた。本人曰く、眠りの天才。どこでもいつでも眠れるそうだ。羨ましい。寝袋に潜り込み足を伸ばすと、Tさんの頭に触れた。仕方ないよね。八時ピッタリに灯が消された。

四時過ぎに起きると、皆さん外に出る準備をしている。日の出は五時半なのに、まあ早いこと。我々も厚着をして、暗闇に聳える空木岳山頂を目指す。夜空には、まだたくさんの星が残っている。眼下には雲海。白い荒野が彼方まで広がっている。またこんな景色に出会えた。
10分も登ると空木岳山頂。やりました〜、さあ後は、朝日だ。


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小屋の向こうは雲海、その向こうに八ヶ岳連峰のシルエット

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雲って生まれて育っていくんだ・・・

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七年越しの空木岳山頂〜ハグ

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南アルプスの主峰、北岳の背から朝日が現れた

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北側に目をやると御嶽山

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朝日が空木岳の山頂部を映しだした

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20年以上も前、木曽駒ヶ岳に登ったときも雨だった・・・

空木岳(2864メートル/日本百名山88座目)


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さあ登るぞと決めて、買った空木岳の地図は2011年版。つまり決意してからすでに七年が経っていた。なぜか。どのコースからもアプローチが長く、日帰りはできない。宿泊となると山頂の小屋の主人が変わっているという噂もあったりで、宿泊せずに登頂するルートを模索していたら随分の時間が流れていた。

ところが、ひょんなことから山岳会のTさんと話が合って一緒に登ることになった。三連休の前半はあいにくの雨模様。しかしその方が人が少ないかもしれないと、金曜の夜、駒ヶ根に向かった。

早朝、タクシー会社に電話を入れて、林道終点までとお願いすれば、台風の影響で道が崩落し、入れないと言う。焦った。余計に一時間半以上歩かなければならない。仕方ない。考えずに歩こう。地図上での歩行タイムは九時間になった。


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初日の午前中は、雨が降ったり止んだり・・・霧藻(サルオガセ)が現れて深山の様相


登り始めると汗が一気に吹き出した。息が上がる。風邪をひいているのだろうか。何度も深呼吸をして肺に空気を送り込むのだが、いつものピッチに戻らない。このまま、山頂の小屋まで行けるのか。

Tさんに「申し訳ない」と、どのタイミングで言おうかと考え始めた。小休止の時にオレンジジュースを飲んだ。これが効いたのか、歩き始めて二時間、ようやく息が整ってきた。100%に近い湿度の影響もあったのかもしれない。


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台風の影響だろう、多くの樹々が無惨に折られていた


コメツガ、シラビソの樹林帯に入ると、甘い香りが流れてきた。この香りを嗅ぐと山に来たなとしみじみ思う。癒され、くすぐられて、キツさを一瞬忘れる。そしてダケカンバとハイマツの森に入ると主稜線はもうすぐだ。


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いよいよ中央アルプスが登場。木曽駒ヶ岳、宝剣岳・・・

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振り返ると遥か下に駒ヶ根市が見えた

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Tさんの左奥に見えるのが空木岳。直下にある小屋まで約30分、日が落ちる前までに着こう!

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日が落ちる前の空の美しさよ・・・


息絶え絶えで、長い休憩なし・座ることなしで歩き続けて小屋に到着したのが、日も沈む六時近く。バテた。最後は気力。頭は空っぽ。どこからこんな力が出てくるのだろう。不思議だった。この力が消えると、ポキっといくのだろうか、などと考えて力を振り絞って登っていた。

ようやく小屋に入り、下駄箱を見て・・・絶句。30人宿泊の小屋に、50足以上の山履が靴箱に並べられていた。この雨の中、同じようなことを考えて、登ってくる輩がこんなにいるのか。今夜は、すし詰どころか、イワシの缶詰で寝るしかないだろう・・・


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一瞬、疲れが霧散した。月の下に何層もの雲、そして北アルプス・・・
ほんの少し顔を出しているのは、富士山ではないか?


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画面をクリックして見てほしい。スタート地点「標高860m」、駒峰ヒュッテ「2863.7m」。約9時間余りで約2000メートル登りきった。



ヤブガラシ(藪枯らし)


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ヤブガラシの葉にセセリチョウ


酷暑と大雨。夏雲を気持ちよく眺めた記憶はないし、夕立を喜んだ記憶もない。ずっと変な天気が続いている。人間は今年の夏にブツブツ文句を言っているが、蔓系の植物は嬉しそうに蔓を延ばしていた。

ヤブガラシ
葛の花の森を
呑みこんで
晩夏の降りそそぐ雨も
旨そうに


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このすぐ上にヤブガラシが近づいていた

歩道脇の萩と葛の紅い花にヤブガラシが覆い被さろうとしていた。すごい勢い。なんたって薮でさえも枯らしてしまうのだから、一度絡まれると逃げられない。しつこくて、とびっきりのワルなのだ。



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神楽坂の毘沙門寄席、100人の満席だった

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夕べは落語会。雨のなか、40年来の仕事仲間であり落語仲間と、ご贔屓の古今亭菊之丞の「唐茄子屋政談」を楽しんだ。


空木岳(2864メートル)


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塩レモンチキンバーガーとコーラの組み合わせ、旨い!


おいおい、勘弁してよ〜。天気図を眺めながら、雨のなかを登る空木岳を重ねた。数年前からいつかはと狙っていた中央アルプスの空木岳。山仲間のTさんと話がふいに決まった。金曜日の夜、バスで空木岳の麓まで入る。土曜日にアタック、山頂の山小屋で一泊。食事は自炊だ。日帰りも考えたが、往復11時間以上の歩きに自信なし。それに泊まりであれば、朝晩の景色の楽しみもある。

しかし雨・・・温度も下がるだろうから、荷物の量がいくぶん増える。
ウ〜ム、晴れ男を信じて、とりあえず行ってみるか。久々の3000m級のアルプス登山、テンションは高くなる。


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   山の打ち合せは、オープンカフェで


借景?


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新宿御苑の千駄ヶ谷門から入ると、正面にユリノキが三本ある。それは見上げるような巨木で、気分がたちまち高揚する。雨上がり、ムッとするような匂いを感じながら、千駄ヶ谷門の入口に立つと、そのユリノキの下部分が映った。なんか借景のようで、いい感じ。一瞬、足立美術館のワイドな窓を思いだした。人の気配がまったくないと、こう見えるんだ。


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近くで見ると幹廻りが太い


何度訪れても、御苑は飽きることがない。何本もある巨木は、いつだって枝を空に伸ばして自由を謳歌している。その姿は、もっとノビノビ生きなさいとでも言っているように見える。

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終わりなき旅


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星野道夫を思い起こさせる言葉だ・・・


二十歳になったばかりの私が、もしこれを読んでも、感動なんかしなかっただろう。噛みしめる余裕なんてなかった。でもいまなら、こんな願いを短冊に書けるかもしれない。何か起きてもいいような余白を抱えて、旅に出るのは楽しい。

版画家ヨルク・シュマイサーの作品展「終わりなき旅」を観てきた。羨ましいほどに世界を旅している人だった。ドイツに生まれ、日本に学び、オーストラリアを拠点に、欧米、中東、アジア、そしてついには南極にまで、その体験を日記風なメモを思わせるような手法で版画にしていた。「旅する版画家」と称されるように、その探究心は、先日観た松浦武四郎と重なった。


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アジアのどこだろう、忘れた

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芹が谷公園の巨大オブジェ、噴水と呼ぶのだろうか、動きだすと大迫力


秋到来


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秋、スズメバチの活動も盛んになる。雑食性のキイロスズメバチ、ヤブカラシの花の蜜に夢中だった。


タイムカプセル


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かなり草臥れているのは、弟たちも足を通したから!?


妹から電話がかかってきた。「お兄ちゃん、母の荷物を整理していたら何が見つかったと思う。桐の箱に入ったお兄ちゃんのへその緒。びっくり、送るね」。

その桐の箱が、65年の月日を超えてやってきた。対面するのは、初めて、いや、もしかしたら、子供の頃、見せてあげようかと言われて、拒否したような記憶もある。

紫色の紐を解くと、柔らかな和紙に包まれた霧の小箱が現れた。恐る恐る開けると、まず二つに折られたブルーグレーの靴下。たぶん最初に履いたものだろう。手にすると、じんわり親の気持ちが伝わってくる。そして、小さく小さく折りたたまれた和紙。広げると「命名  渡邉龍哉」の文字。父が書いたに違いない。28歳の作だ。書くのが好きだった父、溌剌とした勢いがある。

そして和紙に包まれたものが三つ。へその緒、小さな爪、わずかな髪の毛。そんな習慣があったのか。まだ若い両親は、この五つをタイムカプセルに収めて、赤ん坊に何を託したのか。
長い時を経て、若い二人の思いが届いた。感慨深い・・・。



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小さく折りたたまれていた


秋到来


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気温が一気に下がった。「おい、どういう了見だい。こんなにいきなり下げやがって〜」と、お天道様に愚痴りたくなるのは、なぜだろう。あまりにも長きに渡っての酷暑への恨みつらみだろうか・・・。

いい気分にさせておいて、ふたたびの真夏日は勘弁してもらいたい。先日歩いた越生の里山では、ヒガンバナが咲き始め、ススキが穂をふくらませ、ジョロウグモが巣を大きくしていた。


痛み


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元気になると花を愛でる気持ちも違ってくる


やっと左腕が自由に動くようになった。グルグル、ノビノビ、エイエイオー。二ヵ月ほど、首筋、肩口、胸部と四十肩や五十肩ではない痛みを抱えていた。稼動域が日々狭くなり、筋肉が硬化していくのではと不安だったが、少しずつ痛みが消え、治まっていった。
嬉しいやらありがたいやら、今日は新宿通りをリズミカルに歩いた。
なんだか、10歳くらい若返った気分〜♬


大高取山(376.4メートル)


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ランチは中腹の展望台で


一昨日はORMACの山の会。埼玉県の越生(おごせ)駅から大高取山をハイキングをして、地元の露天風呂で汗を流し、グイッと一杯というコースだった。
越生駅に到着すると、山登りの恰好をしている人たちが多くいた。ハイキングコースとしては手頃なのだろうか。ORMACのメンバー4人と挨拶を交わして歩き始める。

「越生」という地名の由来は諸説あるが、秩父地方へは尾根を越して行くことから、「尾根越し(おねごし)」が「尾越し(おごし)」となり、それがやがて「おごせ」と変化したのではと、あの柳田國男も書いている。

低山には低山の魅力はあるものだが、大高取山は杉林が多いうえ、眺望出来るカ所が少ない山だった。そんなこともあって、下山してからの幸せばかりが頭にちらつき、山に寄り添えない男はひたすら「ゆうパーク越生」を目指した。

下山途中に好い香りに気がつく。それは柚子の香りだった。見ると山のあちこちに栽培されている。ここは関東でも柚子の一大産地。柚子4個100円をゲットする(これがやがて我ら五人を悦ばせることになる)。

ゆうパーク越生の露天風呂から上がって、素早くビールをして、居酒屋へ移動〜のはずが、ここの緑の景色と料理に魅了されて、焼酎ボトルキープとなる。
染み渡るような焼酎の旨さ。ここに柚子を絞りたい。隊長は、柚子を持って厨房へ・・・。これこれ然々・・・プラン作りから、賄いのおじさんまで、幸せは歩いてこないのだ。柚子を絞れば、何という美味さ〜!
山に寄り添えなかったが、最後の最後に越生と深く繋がるのだった。

\^o^/^o^\ 大坂なおみちゃん、全米優勝おめでとう〜!



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センニンソウが咲き始めた



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今朝、弟からトマトが届いた。送付状の日付けを見ると9/4とある。
そうか、地震の前日に送ってくれたんだ。先日は、ジャガイモ、そしてトマト。二三個洗って、口にすると捥ぎたての旨さ。他にも根のついたままのバジルも、香りがふわっと部屋に広がった。

演劇青年だった弟は、役者人生を選んで、かなりの間、頑張ったが芽が出なかった。札幌に戻ってからは、市民劇団の一員として第二の人生を楽しんでいる。畠作りと釣りと演劇。羨ましい組み合わせだ。お互い60を過ぎて、好きなことがあるというのは、幸福なこと。静かに応援している。

*札幌にお住まいの方へ
弟が出演する演劇のお知らせです。よろしければいかがですか。

銀の会 第22回公演「シャッター通り商店街」
・9/21(金)18:30~ 9/22(土)14:00~
・札幌市教育文化会館/小ホール

チケットのお問い合わせ
■お問合せ:教文プレイガイド 011-271-3355(直通)
■営業時間:9:00~19:00
■休館日:第2・4月曜日は休み(祝日の場合はその翌日)


地震


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千歳空港は全て欠航。観光客は内地に帰れない


朝早くに錦織圭のテニスの試合を見ていたら、画面に北海道に地震の表示が出た。あら、またかい。そう思っていたら、一族のLINEが鳴りだした。規模が凄い。停電になった。姪のLINEに笑った。「電気がしんだ」。この表現、意外に深くて、重みがある。その文字をしばらく眺めた。

妹の住む勇払は、震源地からすぐの地域。震度7は、3・11の東京よりも高いレベルだ。妹たち、その家族の無事が分かった。友人、知人から心配のメール、LINEが寄せられた。ありがたいこと。北海道の状況が気にかかって落ち着かない。


台風


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台風一過、こんな雲が出た



台風21号は、未来型台風だ。予測不可能な風は、現実となって吹き荒れた。いまだかってないが、毎年増えて、我々の暮らしに警鐘を鳴らしていく。

以前、風速40メートルくらいの風を冬山の稜線で体験したことがある。伏せなければ、体が風に運ばれてしまうので、ピッケルを両手で持ち両足を大きく開いて前傾して耐える。途中で止めた友人が風で転がった。皆必死に耐え、風の息を読んで岩影に隠れながら移動し、ハイマツの間に入った。
山で一番危険なのは、雨でもなく風だ。雨は怖くはない。増水した川が怖いだけ。そしてつぎが霧のホワイトアウト。

おい、人間。好き勝手していると、次は風速80メートルで吹くぞ〜〜



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穏やかな秋が恋しい


雨の日の川


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月山登山前日の最上川は濁っていた


雨風の音が強くなってきた。川の近くの男たちはどうしているだろう。
四万十の川漁師は、朝晩に川を眺めるという。晴れの日も雨の日も毎日川を眺める。なにかその人生は、分かる。のだけど・・・河が増水してくると、チェックしたい、という性分が男にはあるらしい。

「危険ですから河の近くには行かないように」のニュースを待っていたかのように出かける男たちがいる。多くは、田畑などを心配しての人たちかもしれないが、毎回、決まって何人かが流されている。笑ってはいけないのだが、なぜ、と思ってしまう。

先日のテレビのニュースでも濁流を眺めているおじさんが映しだされていた。ああ〜、あの人もチェックしたい症候群なのだ。男は海だけではなく、川とも引き合う何かがあるのかもしれない。


最上川には月見草がよく似合う  太宰芭蕉


からみつく


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・月山で見つけたツルニンジン、別名バアソブ、ジイソブ。
ソブは木曾地方の方言でソバカスの意味で、花冠の内側の紫褐色の斑点を
おばあさんのソバカスに喩えたのが名の由来。日本に自生する同属のツル
ニンジンはよく似て花冠が大きい事から別名をジイソブといわれている。



絡みつくような暑さが消えて、今日は秋を思わせるようなお天気。のんびりと散策を楽しめると思っていたら、台風が通り過ぎるとまた暑さがぶり返すらしい。

絡みつくといえば、今年は雨が多かったせいか、雑草や蔓系の植物がよく延びている。神田川の散歩コースは一部歩道まで、ヤマブキ、ハゴロモジャスミンなどの徒長枝がピョーンと延びているし、ヤブカラシやヘクゾカズラなどの蔓系植物もこれでもかというくらい生け垣に絡みついている。


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野でも里でも見られる蔓系のヘクソカズラ