タイムカプセル


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かなり草臥れているのは、弟たちも足を通したから!?


妹から電話がかかってきた。「お兄ちゃん、母の荷物を整理していたら何が見つかったと思う。桐の箱に入ったお兄ちゃんのへその緒。びっくり、送るね」。

その桐の箱が、65年の月日を超えてやってきた。対面するのは、初めて、いや、もしかしたら、子供の頃、見せてあげようかと言われて、拒否したような記憶もある。

紫色の紐を解くと、柔らかな和紙に包まれた霧の小箱が現れた。恐る恐る開けると、まず二つに折られたブルーグレーの靴下。たぶん最初に履いたものだろう。手にすると、じんわり親の気持ちが伝わってくる。そして、小さく小さく折りたたまれた和紙。広げると「命名  渡邉龍哉」の文字。父が書いたに違いない。28歳の作だ。書くのが好きだった父、溌剌とした勢いがある。

そして和紙に包まれたものが三つ。へその緒、小さな爪、わずかな髪の毛。そんな習慣があったのか。まだ若い両親は、この五つをタイムカプセルに収めて、赤ん坊に何を託したのか。
長い時を経て、若い二人の思いが届いた。感慨深い・・・。



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小さく折りたたまれていた


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