檀一雄碑



20年前、取材の帰りに能古島で檀一雄碑を探し当てて感慨にふけったことがあった。若い頃に「リツ子その愛」「その死」を読み、いつかは能古島に行こうと決めていたから、自分の約束を一つ果たしたような歓びがあった。このとき能古島からの船が港に着き、下りて来たのはなんと、息子の太郎氏だった。偶然とはいえ、大きな躰を見たとき、オヤジそっくりだなあと嬉しくなったことを覚えている。

今回は、秋の展示会のための福岡美術館の会場チェックと九州歌会に参加という目的が合ったので、能古島はオマケの旅。太郎氏が建て直したという家の裏手にある、もう一つの碑に今回は会えた。

歌碑には、律子の死を悼んで詠んだ歌 ―― 「つくづくと櫨(はじ)の葉朱く染みゆけど下照る妹の有りと云はなく」と刻まれている。
意味は「櫨(はぜ)の木が真っ赤に染んで来たが、今その下に佇んで自分に見せてくれ。最愛の妻は逝って悲しく切ない」。


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モッコウバラが裏庭に沿って咲いていた

レンゲ畑に太郎さん!?と思ったが違った


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