和紙工房


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今回の山旅プログラムには、和紙工房見学をセットした。「見学時には、なるべく声をかけないようお願いします」と担当者から事前に云われていた。猛暑の中、工房を訪ね、ベテランの職人さんの後ろで、総勢八人は息を潜めて眺めていると、久保さんはにこやかに話しはじめた。


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手漉きの和紙職人が減ったこと、和紙作りのための道具を作る職人も全国で十人を切っていることなど、手漉き和紙の現状を話しながらも手は止まらない。無駄のない動きは美しい。力が入っていないように見える。が、軽やかなリズムがそうさせているだけで、とてつもない重量を受けながら、一枚一枚の和紙を仕上げているのだ。


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ここに三千本の極細のひごが編まれているという


先人が作った工房は、すべて木(竹)と布だ。木のしなり、膨張、乾き、水との相性をすべて計算されて道具が作られている。改めて日本人はスゴいと思う。巻きすを見せてもらって驚く。ひごの直径は、1ミリもない。つなぎ目の工夫、糸の紡ぎ方、どれをとっても、繊細な職人の技だ。


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久保さんは、若い人はそれなりに味わいのあるものを作る、紙には力強さがあると誉めたたえ、けっして自信の五十年の年期を自慢しなかった。こうでなくてはいけない・・・(反省)。
職人の話は、スッと入ってくる。モノ作り人間の共通した想いが流れているからだろうか。
久保さん、ありがとうございました。


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玄関には紙となる三種類の植物が

コメント

いい物を見学なされましたですね。
めったに見られなくなりました。
子供の頃、がんぴだったか、こうぞの木だったかが、家にありまして父が切って来て皮を剥いているのを手伝った記憶があります。お写真を見て凄く懐かしく思い出しました。
その頃は私の字にも紙すきををしている家が何軒かありました。お天気の良い日は軒先にずらりと障子を立て掛けたように干されておりました。その風景がとても懐かしいです。
ですから皮を持って行って紙と交換してもらっていたのでしょう。その和紙を切って、お正月前になると母は障子を張り替えておりました。またお金の包み紙にもなっていました。
お写真ありがとう。

A)
お久しぶりです。
とても古き日本の、そう、日本昔話お話を聞いているみたいです。
紙がいかに大切なモノであったか・・・
大切にする習慣というか、日常があったんですね。

久保さんは、お人柄もよく、丁寧に説明してくれました。
モノ作りのプライドと云いますか、より良いものを作る心意気が伝わってきました。
そこが、嬉しかったというか、やはりという、歓びのようなものがありました。

いま、無駄な紙が多く使われ、捨てられいます。
製紙工場の見学ではなく、こうした工房を見学した方がためになりますね。

2019年5月29日 16:12 | tama

こちら烏山とは、違いますか?和紙は烏山が超有名です。

A)
ここは埼玉県の小川町です〜

2019年5月29日 22:27 | 咸臨丸

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