兼高かおるさん


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新宿駅からわずか五分の常泉寺にて


週末、冒険家、登山家の本を読んでいたら、ふと兼高かおるさんのことを思い出した。その昔「兼高かおる世界の旅」という番組があった。

旅行家の兼高かおるさんが、ナレーター、ディレクター、プロデューサーを一人でこなし、世界各地を駆けめぐり、その風俗・文化・歴史などを紹介する構成で、当時の国家元首から秘境の地に住む村人まで様々な人たちと接し、幾多の冒険にも果敢に挑戦するという、世界を知らない少年にとっては、とても刺激的な番組内容だった。

とくに驚いたのは彼女の美しい言葉だった。進行役の芥川隆行に話しかける丁寧語、敬語、謙譲語に、こんなきれいな言葉があるんだと聴き入った。

ある時、アフリカの未開のような地で、虫の幼虫を口にした映像が流れ、芥川隆行の質問に「酋長さんが、勧めてくださったんですの」。少年だった私は、ゲラゲラ笑った。

動物の骨を鼻に差し込み、裸同然で槍を持っている人たちに囲まれ、彼女は笑っていた。それは、まさにカルチャーショック。知らない世界への驚きよりも、彼女の感性と人間性に感動を覚えた。

「・・・ですのよ」と、モノマネを学校でやっては、友達とはしゃいだ。
綺麗な言葉使いの人に出会うと、兼高かおるさんを思い出す。


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夜の枝垂は幻想的だ


コメント

美しい言葉で、世界の旅…あこがれますね。

島崎藤村の「破戒」という昔の映画を観る機会がありました。
『きれいな日本語、、』と思いながらでした。
正しく美しい言葉は、難しいと感じております。

A)
「破壊」、新しい映画でしょうか。
差別をテーマにしていましたね。それくらいしか記憶にありませんが。

映画、そして美しい言葉といえば、「東京物語」の原節子。
古いですねえ・・・

美しさとは、湧き出てくるもの。
そんな思いで笠智衆との会話を聞いていました。

歌会でもきれいな言葉で話される方がいらっしゃいます。
と、こちらまで言葉使いが変わりました。 (^_^;) 

 

2022年4月 4日 23:38 | ゆみゆみ

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