2022年7月

ムクゲ


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これ、八重のムクゲ?


今日は夏らしいお天気。抜けるような空と蝉の声。風があり、湿度がやや低く、こんな夏だったらなんとかいけそうだ。

百日紅、ノウゼンカズラ、ムクゲの花が、数日の雨で多くが落ちていた。それぞれの落花は個性的。百日紅は、風が少しでもあるとポロポロと花を落としていく。花の多い木は、ピンクの絨毯のようになる。

ポトリと椿の花のように落ちるのはノウゼンカズラ。なにか潔い男花のような印象だ。ある時からポトリポトリと落ちていく。

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そしてムクゲ。開花期間が長く感じるのは、多くの花を付けるからだろう。一日花で、咲き終わると蕾のカタチになって、ポトリと落下してゆく。しめやかで儚く、慎ましい花の哀れを思わせてくれる。


しめやかに
一生の一日(ひとひ)を閉じて    
ムクゲ
蕾となって
ほろりと転がる

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ブーゲンビリアも蕾となって散る

自民殿の13人 !?


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いま、一番興味を持っているのは北海道で次々に牛を襲っている巨大ヒグマ、コードネーム「OSO18」。場所は、北海道東部の標茶町。今月、すでに6頭の乳牛が被害に遭っている。2019年から60頭以上が襲われているのに、そのヒグマが発見されたのはただの一度だけ。

利口な熊で、深夜に電気柵を壊し、侵入してくるらしい。一撃で牛や馬を仕留めるヒグマの恐さを小さい頃から教え込まれていた。立ち上がると3メートルを超える。はたしてこの巨大ヒグマは仕留められるのだろうか。

喰いモノにされる乳牛は可哀相だが、永田町では、元大臣たちとオカルト教会の両者、どちらがどちらを喰いモノにしているのか。魑魅魍魎のヌエたちがそこで蠢いている。こちらも今のところ仕留められてない。

そして、もう一つ。カリスマ的領主が亡くなった今、『自民殿の13人!?』のドラマが始まろうとしている。ドラマでは、二つの勢力に分かれ、壮絶な裏切りが始まるらしいが、NHKと三谷幸喜の先見の明は凄い!と、自民殿の13人を思い浮かべてみると、皆それぞれクセのある役者が並ぶ。

食堂


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たしか、八年前もこんなだったなあと、懐かしく店内を見渡す。家人や友人Sは、このポットのお茶(?)を飲めるだろうか。注ぎ口まで・・・錆びているもんな〜。

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壁の上には、こんな張り紙。錆は薬草のパワーだろうか。注いだからには、残さずに飲むこと。どうする S?

そして、「・・・お断り」「・・・下さい」の張り紙がやたら多い。かつて大勢の観光客、登山者で賑わったからだろう。両替お断り、セルフサービス、ごみの持ち帰り、自分の弁当は食べるな・・・などなど。

ここは、西沢渓谷の入口にある一軒の食堂。古いポスター、大きな天狗の面、鹿の角、風林火山の旗、なんだか時間が止まっているような、ちょっと笑える昭和のお店だった。

西沢渓谷


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調べてみると、ちょうど八年前の7月に西沢渓谷を歩いていた。今回も全く同じコースを歩く予定が、道の一部が崩れたために、メインの「七ツ釜五段の滝」の手前で迂回することになった。

地図には「迂回歩道」とあるから、橋を渡るのかなと高を括っていたら、ほぼ直登の山越えルート。「アキサミヨ〜!」。木の根と幹に取り付けられたロープを頼りに、息絶え絶えで登った。高さは100m以上か、それまでのマイナスイオン&爽快さが霧散した。

子供だったら滑落する怖れがあるかもしれない。「迂回歩道」と云う表記はマズいでしょう。入口で「Uターンのすすめ」を告知すべきではないか?とブツブツ・・・。

登り切ったその先の道は、広く明るく安全な道だっただけに、あの崖登りはいただけなかった。しかし水音を聴きながら、涼しい週末を過ごせたことに感謝した。


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シモツケソウ

夏山


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夏の百合といえば、ヤマユリ

この一週間で山靴を4回も履いた。広瀬川の後、おっさん三人による猛暑の高尾山、そして翌日は西沢渓谷歩き。さすがに帰宅してから、疲労困ぱいとなった。

夏の高尾山は、2000メートルの山よりも辛いかもしれない。湿度100%の中を登っていると、修業のように感じる。花が少なく、ただただ汗をしたたらせて、足をすすめるだけ。

山頂に着いた時は、やれやれ。達成感は乏しい。夏は、早朝に登るか、気温の低い日を選ぶかをしないと、熱中症になりやすい。

しかしながら、初めて山登りを体験されたTさんは、すっかり山登りにはまった。これが今回の成果。秋にまたおっさん三人で違うコースを登る予定(らしい)。


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ウバユリの蕾 咲いてもイマイチかも

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ヤブミョウガの花言葉は「報われない努力」

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夏の高尾山を代表する花、タマアジサイ

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謎の花は、イワタバコ 初めて見つけたかも

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山も桔梗の季節

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汗を流しても熱い天狗焼きを食べる

広瀬川


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広瀬川の穏やかな流れ。淵には大きな柳の木

広瀬川流れる岸辺 想い出は帰らず〜♬ 青葉城恋歌のメロディと詩に想いを馳せたのは、もう45年前。いつかは歩いてみたいと思っていた。

市内地図を眺め、川沿いの歩けそうな土手を見つけてバスから降りた。

でも土手なんて歩かない。淵のそばに小道があるはずと、草を掻き分けていくと、やはりあった。いまでも誰かが歩いている小道だ。

長雨のせいか、川にはたっぷりの水、音をさせずにゆったりと流れていた。大きな柳、サワグルミ、ネムノキが、川の側に立っている。

今日は平行移動。カラダが弛んでいく。歩いていくと、鳥たちが飛び立つ。ショウリョウバッタ、チョウやトンボも多い。

川と花と虫と、ときおりの風と、もうなにも要らない。


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ヒラケ〜ハネ

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コガネムシにカメラマンが映っている?


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川から上がると、立派な正門に出くわした。なんじゃこりゃ。宮城県知事公館とある。近づいて読みはじめたら、急に腹立たしくなった。

大正年間、当時の陸軍が城から歴史ある文化遺産を勝手に移築していた。それも長官舎の正門としてだ。こうした力づくは、今始まったことではないと分かる。

気分を抑え、中を清掃していた方に許しを得て、見学をさせてもらった。広い庭からは、眼下に広瀬川が眺望できた。権力者は、いつだって眺めのいいところに舘を持つのだ・・・。

泉ヶ岳


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ちょうど五合目くらい、ここからキツかった


ちょうど今から七年前の六月、大きな歌会が終わって、どこに行こうかと仙台市内の観光マップを見ていたら、市民に愛されている山「泉ヶ岳」の紹介があった。山だけでも眺めてみようと地下鉄とバスを乗り継いで約一時間、登山口まで赴いた。

1175メートル。姿は、故郷の藻岩山のイメージだけど、標高は2倍以上。いつか登ろうと決めた。そしてこの日を迎えた。


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登り始めは唐松林の穏やかな道


18日。雨は上がっていたが、湿度が高かった。樹林帯の中は風がないため、体感温度が上がった。喉が渇き、息だけが上がる。山頂直下は岩だらけで、斜度もキツかった。下りて来る人たちに励まされ「達成感はハンパナイよ」の言葉を信じた。


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ようやく山頂に着いた。だが景観はゼロ。ただ、風は気持ちよかった。山頂でいつも感じるのは、風のありがたさだ。しばらく風にあたって汗を収めた。北側をしばらく歩くと眺めのいい場所があり、蔵王、月山が見えた。ここで会えるとは思わなかった。

西に目を動かしていくと、朝日連峰、飯豊も確認できた。低山もこれからいいのではないか、と頭をよぎった。


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はるか北にかつて登った蔵王、月山が見えた

初蝉


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昨日、雨上がりの一瞬、セミの鳴き声が聞こえた。たった一匹だけ、それも小さな声。他はどうしたのだろう。月初めの酷暑で絶えてしまったのかと心配していた。この長雨が終わるのをじっと待っているのだろうか。

座敷わらし


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家人からLINEが入った。玄関の人感センサーのライトが、何度も点滅するので、行ってみると誰もいない。気持ちが悪い、前にもそんなことがあったと云う。

「座敷わらしではないか」と、返事をする。一人でいたときにも同じようなことがあった。キッチンから物音がするので、ドアを開けたところ、誰もいなかった。

「きっと誰かいるよね」と時々話をする。座敷わらしだろうと決めて、同居を許しているのだから、一度、姿を見せてほしいと願っている。

花の名前


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人の名前もそうだが、花の名前をせっかく覚えたのに、スッと出てこないことがある。花の形状から印象まで、しっかりイメージしているのに、名前が出ないというのは、腹立たしく、悔しい。そのたびにググっては、そうだったと、口にしてみる。

そのなかでこのルドベキアは、サッと名前が出る。種類が多く、夏から秋にかけてあちこちでよく見かける。ひまわりを小さくしたような暖色系の花は、ひょろっとした丈の先にあり、風によく揺れる。好きな花の一つだ。

モモ忘れ


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たぶん暑さのせいではない。モノ忘れの頻度が高くなっている。今日も駅まで行って、スマホを忘れていることに気づき、我が家へ戻った。

鍵とスマホ、この2つしかないのに、どちらかを忘れることがよくある。理由としては、緊張感の希薄。そして準備の怠りだ。

変なことを思い出した。桃は食べたけれど、スモモとプラムは酸っぱくて、そのままだったのではないか。スマホ>>スモモ・・・そういうこと!?  

吊革握りながら、モモ忘れしていることにも気がついたのである。

死と生


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週末は「死と生」をテーマにした吟行歌会だった。場所は、東京写真美術館で開催されていた岩合光昭氏の「パンタナール」と世界の著名写真家による「メメント・モリと写真/死は何を照らし出すのか」という二つの写真展。

約二時間、写真をじっくり鑑賞しての自由詠と題詠「命あるいは死」に、こんな歌が寄せられた。

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・自由詠

ワニをしとめた  Kさん(一席)
ジャガーの目
戦車で
人をひきずる
人間の目

喰われ尽して   Sさん(二席)
残る
わたしか
枯れてころがる
骸骨(しゃれこうべ)

・題詠

命は他者の    Sさん(一席)
命となる
涙も美談もない
大自然の死は
美しい

輪になり踊っている男女  Kさん(二席)
繋いでいるはずの
手がない
ぎりぎりの生か
死による自由か

そして小生の歌

・自由詠

地球が
ポツリ
メメント・モリ
水に耐えろ
熱に生きろ

・題詠

死を
これほどまでに
意識しても
明日には
忘れて生きている


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動物好きの家族、女性が多かった

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歌会会場はシビックホールで

水の音、波の音


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猛暑のなか、このCDを聴いている。一滴の水が、小さな流れとなり川となり、そして山を下って、やがて海に辿り着く。浜辺では波音が待っていて、それが繰り返されるという構成だ。

猛暑の昼間、眠れない人のためのCDは、涼やかな水音で体感温度を下げてくれる。BGMとしても心地よく、リゾート地にいるような気分は、心身に優しく、そして節電効果も!?

森は水族館


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選んだレストランは、まるで森の中の水族館だった。四方がガラスに囲まれ、森の底に沈んでいるかのような錯覚。景色が見え過ぎてしまうということは、なんだか落ち着かない。緑が揺れると、風の中にいることも分かる。久しぶりの友との時間なのに、どうも話が上の空になってしまった。

ここは八ヶ岳の麓。ネットで一枚の写真に魅せられ、ここにしようと決めた中学校のミニクラス会。「お前のセンスはいいよ」と友らがいつもより喜んでくれた。

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30種類以上の旬の地元野菜を使用した一皿。野菜一つひとつの力強い旨味が伝わってきた。この他に、スープ、サラダ、デザート、コーヒーがつく。
Sが「なんかヴィーガンの食事みたい」と笑った。

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〆は豆乳のアイスクリーム。「まるで女子会のランチだね」と、おっさん四人は大満足。

レスレスレスレス


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まさかこの歌が発端でKDDIの通信障害が起きたとは思えないが、こんなエピソードが「天声人語」に紹介されていた。

通信障害が起きた日、スマホが使えないために公衆電話を探していた人が、ようやく電話を見つけ、掛けようとしたら、小銭がないことに気づいたというのである。スマホやカード決済の習慣で、現金の持ち合わせがなかったようだ。

新しい日常が機能しなくなったとき、思いがけぬところにも被害が及んだ。貨物列車の遅延、アメダスの配信トラブルなど、様々なインフラに影響が出た。

一元化していくことで起きるもう一つの「レス」は、ストレスだった。

紫陽花、萎れる


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紫陽花の花も葉っぱも下向きに(2日土曜日)


不思議なもので、今日の30度があまり暑いとは思わなくなった。とすると、いずれ35度を超える日が続いても、慣れていくということだろうか。

「YAHOOニュース」に「猛暑で異変?」というアンケート結果が載っていた。

・あじさいが一気に枯れた(滋賀県)
・まだセミの鳴き声が聞こえてきません!(東京都)
・路上にミミズがたくさん干からびていた(千葉県)
・蚊が少ないような気がします(福岡県)
・日傘を差す人が増えた(神奈川県)
・ダンゴムシが幾つかひっくり返って干からびてました(東京都)
・皮膚疾患が悪化(岩手県)
・猛暑が関係あるかわかりませんが今年は竹がやたらに生えてきます(福島県)
・毎年咲く、ダリアの花背丈が伸びる前に花が咲きだしてます(千葉県)
・鳥が飛んでいません(岡山県)

その他にも栃木県の農家では、サツマイモが根の奥まで熱で腐っているというニュースもあった。

こうした気づきは、温暖化の情報として、共有していくことが大事だと思う。
「歩キ眼デス」でも五感を働かせて、チェックしていきたい。

分かっているけれど・・・


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通り抜ける時、一瞬、涼しい


分かっている・・・けれど・・・暑い

作家、平野啓一郎氏がFBに「自分が生きている間は、恐らくもう、これより酷い夏しか来ないと思うと、悲しくなる」と書いていた。

そうなのだ、ボディブローのように続くこの暑さこそが、地球からの返事(メッセージ)なのだ。分かっているのに、我らは、返事ができずに、書いては消し、書き直しをただ続けている。

マイクで叫ぶ候補者たちも、この課題には言及しない。