古地図


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事務所の近くに新宿歴史博物館があって、「戦前の新宿」という企画展がいま開かれている。仕事場を新宿に移してから40年という時間が経ち、周辺も随分様変わりをした。

古い町名の多くは消えていったが、古地図には全て載っている。例えば「角筈(つのはず)」「十二社(じゅうにそう)」。

バス停で置き去りにされた少年が、かつで角筈と呼ばれた街で、酒に酔い、幻の父親を見る.浅田次郎の「角筈にて」は、泣けてしまう小説だった。

角筈は、江戸時代以前からある地名で、現在の西新宿や歌舞伎町、新宿三丁目。由来は、名主の髪の束ね方が角のような形で里人が「角髪来る」と呼んだからだそうだ。

また十二社は、新宿中央公園の西側で、現在、西新宿となっている。紀州熊野神社を勧請した熊野神社が、紀州熊野の12の社の神々を一緒にまつったことが起源。神社は十二社の社を「そう」と読ませ、相、双など多くの文字をあてたという説がある。

その他にも、美しい呼び名の町名がいくつも消えていったのが分かる。名前とともに失った大切なものがいくつもあるのではないかと、地図と写真に見入って思った。


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