N君


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四国の友人N君から、素麵が届いた。今年もまた夏が来た、と思う。彼と出会ってから半世紀近くが過ぎている。二十代に、銭湯で声を掛けられてからの縁をしみじみ不思議に思う。

背中を流してもらったこともあった。二十代の若者は、いろんなことを語り合いながら、まさに裸の付き合いをしていた。

彼は、四才年上だった。高校時代陸上部だった彼と、週末は近所をランニングをしたり、本の貸し借りをした。お互い忙しくなり、ゆっくり話すことが少なくなったが、たまに会うとなぜか感謝された。なぜか分からなかった。

ときは流れ、彼は故郷の高松に戻り、四国一のデザイン会社を立ち上げ、順風満帆の人生をスタートさせた。還暦まで仕事を務めあげ、会社を社員たちに任せ、海辺の自宅を改装して、週末だけのレストランを始めた。

それから10年が過ぎたと云う。立派だよと誉めると「なに云うとる、ワシはもうええ歳やで〜」と電話口からの声は、若々しい。負けてられないなと、いつも思う。

コメント

麺はやはり四国…と思いました。
懐かしすぎるお話を、味あわせていただきました。

2023年7月27日 19:29 | ゆみゆみ

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