出会い


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山道で黒い甲虫が飛んできたので、叩いて落とした。触覚が長く黒い輝きを放つのは・・・ノコギリカミキリ。子ども頃に覚えた名前を忘れることはない。小学校の夏休みに標本の一つになったカミキリムシ。半世紀を超えた再会で、なにか懐かしくなった。

少年の頃、甲虫の美しさ、不思議さにハマった。布団に入っても今ごろ水銀灯に飛んできているかもしれないと思うと胸が高鳴り、眠れなくなった。

夏休みは、ほぼ山の中にいた。図鑑と同じ虫を見つけるたびに、成長していく自分を感じた。やがてオオルリオサムシという、美しい甲虫を知って、夢中になったが、出会うことがなかった。たまに標本の中に、それを見つけると、少年時代にスッと戻る。

コメント

アルキメデスさま…昆虫、お花、自然のスペシャリストです。
心は常に青年ですね。
読ませていただいて楽しくなりました。

A)
思えば好きなことが変らない、と云うのは不思議ですね。
柵越しに電車を見ている幼児の何人かは、鉄ちゃんになるのかなと
並ぶ後ろ姿を見ています。
小さい頃の体験が、尾を引くのかもしれません。

2023年7月27日 19:37 | ゆみゆみ

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