少年老い易く


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開花の遅れた桜に比べて、新緑の早さよ。四谷駅の交差点から迎賓館側を眺めると、プラタナスの緑が、日に日に濃くなってゆく。

それにしても時の流れが速い。人生が加速しているのではないかと思う。小学生の頃、夏休みが永遠に続くのではないかと嘆いていた時間と、いま過ぎて行く時間が同じとは思えない。

あるエッセイに、その謎を解くような学説があった。10年しか生きていない少年の人生の一年は1/10。比べて70年も生きてしまった男の一年は1/70。心理的に短く感じるのは仕方のないこと。

なるほどと、納得してしまう。未知の部分も少なくなり、新鮮な感動も少なくなっていることも、影響しているのかもしれない。

であれば、日常性をかなぐり捨て、目新しいことだけをしていく、と云うのはどうだ。
無計画な旅に出る、恋をする。たぶんその間だけは、人生が止まる、、のではないか。

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