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まだ元気なツマグロヒョウモン

電車に乗れば、誰もが座りたいもの。車内にそんな光景が映し出されるときがある。座ろうか否か、悩む。例えば空いている席のどちらかに、あるいはその両方に横幅のある方が座っているときだ。一瞬の躊躇、そして座る、あるいは立ち去る。近くの誰もが、その心の動きを読みとっている(はずだ)。

今日、端の席に座れた。次の駅で、やや強面の人が一つ離れた席に座った。次の駅、そして次の駅、近くまで来て、コンマ何秒か止まって、座らず去ってゆく。

前の席で、居眠りの人が隣りの人に、何度も寄り掛かっている、珍しく三人が本を開いている、そして横幅のある人の間にちょこんと座っている人など・・・そんな車内風景からの一首。

向かいの
三人掛の椅子ったら
まるで栗
真ん中の実が
ぺしゃんこ

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