含羞の人
電車の向かい側の席に、陽に焼けた老人がゆっくり腰を掛けた。穏やかな表情、優しいまなざし。誰かに似ていると思ったら、あ〜笠智衆さんだ。都会の電車が珍しいのか、静かな視線で車内の広告なんかを見ている。
白髪頭は短く刈られ、ゆったりめの半袖シャツに赤銅色の太い腕が似合う。きっと自然と向きあい、正直に生きてきた人なのだ。それにしても、なんだろう・・・この嬉しさと懐かしさは。私たちが、愛してきた、理想としてきた「日本の父、祖父」、そんな人に会えた幸せ!?目が合うと、フワッと含羞の人になって、小さく表情がほころぶ。こちらもフワッと黙礼。
こんな良い日、そんなにないなあ〜
・写真は8/7に御岳の山頂から見た、夏雲
2014年8月21日 12:37 | カテゴリー: 歩キ眼デス2
コメント
多分ご両親のお顔と重なったのでしょう。
そんな人にお会いするとこちらまで温かい気持ちに成れて
お話したい気持ちになりますね。
ホワットする雰囲気想像できます。良かったですね。
A)
人が少なかったら、きっときっかけを探して、話しかけたかもしれませんね。
声を聞きたい。歳を聞きたい。なんで東京へ?と・・・
いま思うのです。あんな顔に将来なれるだろうか・・・
いや、なれない。
長い年月のなかで、外と内からつくられてきたのだと。
あの方が住む町を歩きたくなりました。
父は、オッチョコチョイの短気親父でした。
だから、ちょっと違うんです (^^;)
2014年8月21日 14:44 | tama
笠智衆さんにお逢ひ出來たとは良かったですね。
もっそりした熊本辨も聞けましたか? 赤銅色と言ふと漁師さんを思ひ浮かべるのですが。
今はテレビが發達し過ぎて、地方の色と都會の色が混ざり合はさって、昔の樣ないい意味の田舎の朴訥さにお目に掛りません。テレビで素人にマイクを向けると、藝人の樣な用語を使って、いけしゃぁしゃぁと喋ったり、受け樣とするのは見度く有りません。
原節子、笠智衆、佐分利信で監督が小津安二郎と來れば、觀たくなりますね。
A)
雅蘭洞さんもイメージとしては、笠智衆、小津安二郎だと思いますが・・・
いかがでしょうか。
ちょっと辛口かな (^_-)
どんな話し振りをされたのでしょうね〜
最近、話を聞いていて美しいなあ〜と感じることが、ほぼなくなりました。
若い人のやり取りを聞いていると、早口もありますが、時々チンプンカンプンで
こいつらは、ななななんなんだ!?〜と
女の子たちが怖いです〜
さて、ここをご覧ください。
http://special.streaming.yahoo.co.jp/movie_ozu/
きっと美しい言葉が、聞こえてくるはずです・・・
それでは、ごきげんよう (^_-)/~
2014年8月21日 18:06 | 雅蘭洞英齋居士
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