蜘蛛騒動


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時は日曜の午後四時過ぎ。場所は西武池袋線の快速急行池袋行きの車内。山歩きを終え、ぼんやりスマホを見ていたら、左側に座っていたアイパッド青年がやおら立ち上がり、なにも言わずにアイパッドを左の肩にぶつけてくる。その行動に驚き、「なんですか」とやや怒気をふくめて言うと・・・
「クモがいます、大きなクモ」。
前方に座っていた3人が、「オー!」と声を張り上げた。

首筋を何者かが通過する気配。賢い人間は、ここで大声を上げて動かない。蜘蛛は一度右側に動いて、再び左側に移動したようだ。首を少し上げて、左肩に黒目を送ると、デカイ・・・。
ゆっくり立ち上がっておもいっきり左肩を下げると、蜘蛛が床に落ちた。大きさは10センチほどか。前列の七人が声を上げて体を反らす。

蜘蛛は、ドアの方へ素早く歩を進めていく。「この蜘蛛は外来種かもしれません」と皆に伝える。
リュックからビニールの袋を取り出し、ドアの隅に追い込み、何とか捕獲して皆さんに見せると、安堵の声。途中駅で下車し、ホームでじっくり蜘蛛を観る。タランチュラではないかもしれないが、初めて見る蜘蛛に呼吸は荒い。

そうだ、権師匠に写真を送って問い合わせてみよう。師匠に事情説明→シャメ→返事。この返事が早かった。
「おおこれか!これはオオハシリグモだ。」さすが師匠。お詳しい〜。

駅の案内へ持っていくと、可愛い女性駅員が笑顔で近寄ってきたので、じつは・・・と袋を差し出すと50センチほど後ろへ下がって袋を凝視し身構えた。
年輩の駅員もやって来たので事情を説明し、電話番号と名前を書いた蜘蛛の袋を渡した。駅からは未だに連絡はなし。

思えば、逃がしてやるべきだった、と後悔・・・オオハシリグモよ、スマン。


興味のある方だけに・・・

コメント

 驚きました。あんな大きな蜘蛛が自分で無賃乗車をして居たとは思へません。誰かが、趣味で飼って居た蜘蛛と一緒に乗って電車の中で逃げられたのでは無いでせうか?女性だったら悲鳴を上げたでせうね。

日本に大きな蜘蛛が三種類居る事を敎へて頂き有難う御座居ました。普通の女郎蜘蛛は良く軒下に巢を張って居るのを見掛けますが、大きな個體は初めて知りました。矢張り男を絡め取る感じが女郎に似て居るから、さふ呼ばれて居るのですか?
 助六の揚巻も、十五代目市村羽左衛門に言はせると、揚げて巻き上げるからだ、さふですよ。

A)
人生、いろんな出会いがあるものですね。
暴漢は、悲鳴を上げると何をしでかすか分かりませんので
しおらしくしていました。
襲ってこないことも分かりましたので、何とか捕獲できました。

揚げて巻き上げるが、面白いですね。

じつはジョロウグモで歌を一つ作っています。
雅蘭洞さん好みだと思いますよ〜


くもよ
あんたへの喩えはいいよね
羊だもの
あたいなんざ
女郎だよ


2016年10月17日 17:15 | 雅蘭洞英齋居士

きっと山歩きの途中で、切り株にでも腰かけた時にどこぞにしがみついて来たんだろうね!
沖縄のオオハシリグモは、あのデカい沖縄のゴキブリを捉えて食うという・・・沖縄産はゴキブリも大きいがクモもでかーい!!!
このクモはコアシダカグモかアシダカグモかもしれないが、何れにしてもデカい!!!

実は四十年以上前、沖縄方面で日本一大きいというモノを二つ見た。
一つがこのオオハシリグモで、もう一つは蝶のオオゴマダラ。
あの頃はネットも無かったので、調べるのが大変でした。沖縄が日本復帰したばかりで情報もなく、事典にも載っていない・・・そんな時のことだからよく覚えているのだね。ネット検索は便利だが、書くことをしないのですぐに忘れる・・・歳のせいばかりじゃないようだ。

A)
もしかしたら・・・
東吾野の駅のトイレで着替えた・・・。
洗面台の上に着替えを置いて、アンダーウェアとシャツを着替えた。
その時か・・・

しかし、乗車時間まで20分はあったので
駅前のベンチにしばらくいて、さらにホームのベンチで電車を待った。

さらに飯能の駅で、乗り換えた。
急行快速電車。

そこで事件は起きた。
どこから忍び寄ったか?

分からない。

40年前に、すでに出会っていたヤマトンチュ!
すぐ名前が出るはずだ〜!

確かに忘れるね。本を開かなくては、書かなくては・・・

2016年10月17日 21:17 | 権之助

アシダカグモですか。

呉に2年ほど住んでいましたが、夜になると天井の隅にギャッという感じで表れる。このギャッは子供の私の声、布団をかぶって震えてました。

岩山の上にある古い家で、トカゲが物凄く多くて、学校から帰るときはドンドン足を踏み鳴らしてあの青と緑のしましまがくねくねこそこそ草陰に隠れてから走って帰ったものでした。

中腹には爆撃の跡そのままの瀟洒な家もあったり、
けっこうワイルドでしたよ。

A)
アシダカグモにしては、足の長さが短く
お尻の部分が大きい。
どの足も剛毛〜 その印象が強く、いつか夢に出てきそうな予感 (^^;

昔は、イキモノたちの生息環境は良かったんでしょうね。
いろんなイキモノが身近にいました。

広場に足を踏み込めば、バッタが一斉に飛び上がっていました。
家のすぐ下でコオロギが鳴いていたし・・・
ヘビもヤモリもケラも、暮らしの傍にいてごく普通でしたね。


2016年10月18日 09:16 | ふぁ~い

凄いね!
アシダカグモは、何回か遭遇してるけど、この子は見たことないわ。この子が電車の中に、それも体にいたら、相当ビックリですね!本人も回りも。
毒がないと分かれば、ビニール越しなら観察したいかもです。
駅に届けられたオオハシリグモ、その後どうなったのでしょうね。
オオハシリして、逃げたのかなぁ。

A)
初めは、ビビりました。
自分だけだ姿を見れないんだから・・・
どんなイキモノでも大きい輩は、案外無害。
そんな、意識があったから慌てなかったのかもね。

駅員さん、どうしたのだろう。
遺失物として警察に行ったのか・・
はたまた逃がしてくれただろうか。

家に帰ってから、けっこう気になっていました。

オオハシリの格好はどんなだろう〜 (^_^;)  

2016年10月18日 11:40 | かに

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