十勝岳(3)
お〜この高度感。仰ぎ見ていた噴煙が、眼下にたなびく。遠くには、富良野、美瑛のパッチワークが見える。一歩一歩のキツい繰り返しが、喜びに変わっていく。頂上直下で、きっと誰もが苦笑いのような表情を浮かべるに違いない。「ついに、きたぞ〜」。
山頂標識は、ちょっと地味だった。それでも抱きつき、ナデナデ。地図を眺めてから数年、感慨ひとしおだ。南にたおやかな富良野岳、北に大雪山、そして東には未踏のトムラウシが見える。360度、山また山。サイコーの気分。
美しい山容の富良野岳
しばらくぼんやりとしたいが、予報では午後から雨予報だ。オニギリを食べながら、後から上がってきた地元の方に、見える山の名を聞く。この十勝からトムラウシまでは、時間はかかるが歩けるという(後で調べると、休みなしで歩き続ければ18時間)。
富士のような鬼のような雨雲。初めて見た
さあそろそろ行こうと決めて東の空を見ると、鬼のような雲が猛スピードで近づいてくる。コワ〜!下りよう。そう思ってリュックに荷を入れ始めると、登山ルートを外れた火山礫の斜面を這いつくばりながらカラフルな二人が登って来る。なんだ・・・近づいて来てようやく分かった。親子らしい。手前が子どもで後ろが母親か。二人とも、軽装で靴はスニーカーだ。外国人かよ・・・リュック、雨具を持たず、女性はザンバラ髪の上にサングラス、そしてスカート!?。
この軽装で直登してきた
さすがに心配になった。振り返ると少年らしき子は、登頂していた。何度も何度も山頂を眺めながら下りた。大丈夫かよ。雨がだんだん強くなっていくぞ。あの親子は、無事だったのか。赤土の滑る箇所もいくつかあったから、何度も転んだかもしれない。下山には3時間かかった。
2017年8月 2日 13:11 | カテゴリー: 歩キ眼デス2
コメント
85座目踏破おめでとうございます。
山頂でなぜ「苦笑い」なのだろう。
ロキソニンをかじりながら、コルセットをぎゅっと締めて、ちょっと悲壮感ただよう、
それでも山頂にむかってつらい一歩一歩を運ぶ。
なにがそうさせるのだろう。
肝心のところがなんにも分かってないのです。
苦痛のはての山の恵み?自然の喜び?
安全のご帰還よかったわ。
A)
ありがとうございます。
山頂ではないよ。山頂直下〜
キツさと嬉しさ、その表情が苦笑い的かなと・・・
山はキツいと決まっていて、それをどう喜びに
変えてくれるか、変えられるか、それが山登りの面白さです。
できれば、いつだって自然に抱かれていたい〜です。
来年は、トムラウシか。。
2017年8月 2日 17:12 | ふあ~い
富士のような雨雲…なんだか夢に出てきそうです。
怖い。
A)
山は何があるか分かりません。
雲は、どんどん近づいて来ました・・・
2017年8月17日 20:56 | J
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