文楽初体験


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Pさんからのお誘いがあって、昨晩上野の森で文楽を楽しんだ。野外での公演と聞き、雨による中止を心配したが、会場に着いた夕方には雲が上がって、銀鼠の空が上野の森を包んだ。ぐるり見渡せば風ひとつなく、小屋に覆い被さるような上野の森が不気味なほど静かだ。


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この企画「にっぽん文楽」は、分かりやすい解説、人形との撮影会、公演中の飲食が自由など、初めての人でも楽しめるように工夫されていて、とても庶民的だ。お弁当とお酒をいただきながら、闇のなかで繰り広げられる人形劇に引き込まれいった。

文楽は人形浄瑠璃を受け継いだ日本の伝統的な人形劇で、太夫・三味線・人形遣いの三者で成り立つ三位一体の演芸だ。太夫による語りやセリフの合間に、津軽三味線というかエレキギターを思わせるような、三味線が鳴り響く。使い手は驚くほどに自由に弾く。ある時は琵琶のように、またあるときロックギターを思わせるようなバチさばきで・・・。

初めの頃は三人の人形使いが気になったが、物語が流れはじめるといつのまにか黒子らの姿が視界から消えた。人形があたかも生きているように見えてくるのは、ひとつひとつの所作がじつに丁寧で美しいからだ。それは歌舞伎役者と変わらない。これは、はまってしまった・・・。

終演後、冷えてしまった体に気がつき、お仲間十人と熱燗コースとなり、文楽談義から始まって、落語、講談と話が広がっていった。


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人形遣いの青年が人形のように美しかった


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