ヤツデの花


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路地の一角から白い花火が打ちあがっていた。ヤツデの花だ。ヤツデは冬に虫を集める虫媒花で、甘い蜜を蓄えている。寒い冬に咲かなくても良いではないかと思うのだが、生存競争を上手く生き抜く知恵を身につけたのだ。
温かな日には蝿や蜂がやって来て受粉を手伝う。やがて結実して、ヒヨドリなどに喰われ、新たな生息地を広げていく。


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コメント

 「やつで」懐かしい響きだ。空襲で跡形も無くなった浅草の家の小さな坪庭にやつでがあった。浅草の樣な下町の家には廣い庭は無かった。黒土の堅い地面に、石灯籠に寄添ふ樣にやつでが佇んで居た。
 その庭に面した軒下には、夏には荵の風鈴が吊るされて居た。やつでの花が咲いたのは冬だったのか、と今思ひ出した。
大体、昔の冬は各部屋に暖房など無かったので、硝子戸を閉めてしまひ、狭い坪庭には餘り氣を付けて居なかったのだ。

A)
坪庭ですか。ツワブキの花も冬でしたね、
この時期の花は、路地や庭に明るさを灯してくれます。
以前住んでいた家の庭にヤツデがあったのですが、なにか陰気くさい感じがして
あまり好きではありませんでした。

荵の風鈴。こちらが、良いですね〜
最近は目にすることは少なくなりましたが、涼しさを呼ぶ粋なインテリア。
坪庭に涼を呼んだことでしょう。

2017年12月15日 13:19 | 雅蘭洞英齋居士

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