赤い月


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9時51分。肘を躰にグッと引きつけ、呼吸を止めてシャッターを切る。それでもズームのシャッターは、ゆっくり瞬きを閉じるように時間をかける。本当に赤い月なのだろうか。引き延ばしてみると、たしかに赤かった。でもぶれていた。寒いベランダに15分おきに出て、陰っていく月を眺めていた。

「赤い月」は、なかにし礼の小説にある。戦前、小樽から満州に移り住んだなかにし一家の苦難と波乱に満ちた戦争体験の物語だ。彼は、この小説を書くために生きてきたと断言した。
実母がヒロインとなっている。偶然、その時代とヒロインの個性が重なる「月下上海(山口恵以子)」を読んでいる。舞台は夢のような都市「上海」、行ってみたかった・・・。


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そうか、タイトルの赤い月は
想いを寄せても裏切り続けた日本を意味していたのかもしれない。


コメント

 「認知症になってからの自由と孤獨」は傑作ですね。氣を付けませう。
 此の間の月食は「近い」「一か月に二回の滿月」「皆既月食」と三つの事柄が重なったとても珍しい出來事らしいです。
 シャンソンに赤い月(Luna Rossa)と言ふのがありますが、あれは月食の月だったのかな?

A)
そうらしいです。
新聞には「スーパー・ブルー・ブラッド・ムーン」と。
265年に1度!?
幸せを運ぶ月だとありましたから、しっかり観ました。

シャンソンに赤い月・・・・
若き日のなかにし礼は、シャンソンの翻訳で飯を食っていたらしいので
そこからタイトルを考えたかもしれませんね。

2018年2月 2日 09:00 | 雅蘭洞英齋居士

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