堀文子展


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山の翌日は海。行ける時に行かねばと、葉山の神奈川県立美術館で開催されている「白寿記念/堀文子展」を観てきた。どうしてこんなに心に響いてくるのだろう。椅子に深々と沈みこみ、しばし考えた。

堀文子を知るきっかけは思いがけないことからだった。20年ほど前、写真家星野道夫の新聞記事を書いていたT氏に、一方的に星野の写真集を送った。それから十日後にファックスが鳴った。「いつかお会いしてお礼をしたいと・・・」。T氏と出会い、それから数年後「時間ある?いまから堀文子さんの作品展にいきませんか」と誘われ、堀文子の画を知った。この時期、柳沢桂子さんの表紙絵を描いていた。人との出会いは連鎖する。思考や生き方が近い人同士は、意外につながっていることが多い。

作品スペースの合間に彼女の言葉が記されていた。たとえば「・・・知識や経験をため込まないように心掛け、いつもゼロからの出発で、行く先もわからぬまま・・・」とか、「みんなひとりが寂しいといいますが、人といれば本当に寂しくないのかしら?人はそもそも孤独なんです」

そして
「群れない 慣れない 頼らない これが私のモットーです」
「自由は命懸けのこと」

などなど、自然に対する敬意やその厳しい生き方を知ると、絵を観るのではなく読むような感覚に変わっていく。彼女の気迫と優しさはどこから生まれてくるのだろうか。

丘の上の一本の木が強風に煽られている絵。銀波をきらめかせる海へ漕ぎだす一艘の小舟の絵。どちらも堀文子自身の生き方に違いなかった。
3/25まで。おすすめです。


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美術館の前は真青な湘南の海だった


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