森を背負う
先日の五行歌全国大会に出した歌だ。席には入らなかったけれど、多くの方が「私が選ぶ五首」の一つに取ってくれた。Mさんのこのコメントが心に残った。
まず、一、二行目の、腹に響くようなずしんとした表現に、ぐっと引き寄せられた。「森を背負い」で、男を言いおおせていると思う。また、リアル感をもたらす松脂が一つの焦点にもなり、それらすべてが収劍していく五行目に、作者の人物像も浮き上がってくる。
一首の余韻のなかで私は、山男の憧憬をこめ、物語をつむぎはじめる。すばらしい作品です。
七月の末、尾瀬の木道を歩いていたら、一人の歩荷(ぼっか)さんとすれ違った。尾瀬の小屋で必要な食料や燃料、日常品を目一杯担いで運ぶプロだ。約100キロの荷を高々と背負子に積んで、腕組みをして哲学者のように坦々と木道を歩いていく。
ふと嗅いだ匂いは、森の中で働く男の誇りのように感じた。それは幼い頃、玄関にかけてあった父の作業着の懐かしい匂いを思いおこさせた。
他にも印象的なコメントを二つ。
小歌会一席で一筆箋をいただいた
2019年11月18日 14:07 | カテゴリー: 歩キ眼デス3
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