雪吊り
放射線状に伸びた縄はあくまでも緩やか
週末、金沢の街を歩いていた。加賀百万石の歴史が随所に見られた。繁栄をなした豊かさは、建物の佇まいや技術・工芸品ばかりだけでなく、暮らし向きにまで沁みているようだった。
たとえば、市内のあちこちで見られる雪吊りの技術。木、一本一本の個性を見抜き、支柱と縄だけで重たい雪に耐えられるよう様々なカタチで丁寧に組まれている。
庭師の技が、随所に見られた。
幹の上から放射状に放たれた縄は、この時期、まだ張りつめてはいない。緩やかな美しいラインとなって雪を待っている。
雪が降りはじめる頃、その重さで縄のラインは直線になる(はずだ)。この緩やかな「遊び」こそが職人の技。相互の力が拮抗することで、支えるようにしながらも支えられる円錐形の美しいカタチになるのだ。
その頃にもう一度眺めてみたいと思った。
木の個性を予測しながら、外から中から
眺め、カタチが決められていくのだろう
背丈の低いツツジにこのカタチ、謎を解くように見入った
2019年11月26日 17:24 | カテゴリー: 歩キ眼デス3
コメント
私は雪吊の光景が大好きです。
日本の美と言うのでしょうか。匠の技と言うのか・・・
兼六公園の雪吊を直に見た事がありますが、あまりの見事さに立ち尽くしてしまいました。これに雪が掛った光景もまた綺麗ですね。今は旅にも出れませんのでブログや、テレビで思い出しております。有難うございました。
A)
ずいぶん眺めていました。
加賀百万石の力は、職人たちの匠を引き出したのでしょうね。
もうう見事というしかありませんでした。
たまさんも驚かれたのですね。
見ていても飽きないことでしょう。
こんな歌をつくりました。
いまはじっと
緩やかな曲線を描く
雪吊り
支えながら
支えられていく
冬を待つ
初の六行歌
一行が削れませんでした。
2019年12月19日 12:49 | tama
コメントの投稿