旅は、突然が好い


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金沢駅東口をほぼ直進していくとひがし茶屋街がある。美しい出格子と石畳が続く古い街並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、和菓子、伝統工芸品、雑貨などを扱うお店やカフェが軒を連ねている。

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露地を出たところで懐かしいマークを発見した。加賀藩御用達の菓子店「森八」。今から6年前の年賀状をここの最中を撮影してつくったことがあった。こんなダジャレの年賀状。


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辰年にこの最中を使ってデザインし
女将のNさんにお礼の賀状を送った


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お店に入ってコーヒーと栗最中のセットを注文する。築190年という時間が流れている店内。低い天井は、京都の旅館と同じで、刀を振り回せないように計算されているそうだ。奥には坪庭が明かり取りとして活かされている。なんともお洒落。

お茶を運んでくれた女性に「以前、女将に年賀状をいただいたことがあります」と話すと「午前中に本店におりましたからお会いできると思います」と告げられる。ならばと10分ほど離れた本店の暖簾をくぐると・・・その女将がいた。着物姿が艶やかで、遠くからも直ぐに分かった。

客足が途絶えたのを見て女将に声をかける。「そうだったんですか・・・」。いくつかの話をして、お土産選びのアドバイスをいただき、二階の「金沢菓子木型美術館」を案内してもらう。


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江戸時代から390年のお菓子づくりの木型がずらり。その量に圧巻、そして凹版の彫刻の美しさと細やかさに、目を見張り息を呑んだ。突然の縁がここへ導いてくれたのだ。我が家紋や龍の抜き型を見つける。旅は、突然が好い。
女将に丁重にお礼を言って、お店を後にした。


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玉を掴むマークの箱には「千歳(ちとせ)」、
そして女将が選んでくれた「福梅」をお土産に


コメント

 森八は「長生殿」でしたっけ。色々なお菓子が美味しいですが。
老舗のコレクションは矢張り凄いですね。歴史そのものです。
「もなか」をうまく生かした貴兄の年賀状が傑作です。來年は「ねしょうがつ」でのんびりと行きます。

A)
そうです、長生殿。前田家に献上していた名菓ですね。
女将にもすすめられたのですが、落雁をいただいたお相手へのお返しを
探していたので、同じようなものだとまずいと思い、あの二つにしました。

もう洒落で年賀状を考える季節になりました・・・
早いですねえ。

2019年11月28日 11:15 | 雅蘭洞英齋居士

しっとりとした 石畳何とも風情があってよいですね~
人との出逢いを大切に繋ぐ・・・
素敵な旅ができましたね~

かつて 鎌倉に森八がありましたのでお正月には
「千寿」を買い求めました。

A)
あらためて和菓子の名前をしみじみ眺めました。
千寿も良い名前。
意味のある名前には、手仕事のような暖かみがあるもんだなあと思うのです。
森八のお菓子は、明日プレゼントされる予定です (^_-) 

2019年11月28日 20:56 | おかいこ

お菓子の木型の数に圧倒されました。凄いですね。

A)
これはほんの一部ですよ。
江戸時代からの数、そして全て細やかな彫りの見事さ、もうため息です。
この型のことを思いながら口にすれば、さらに美味しく感じるかもしれません。

2019年12月19日 12:27 | tama

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